2026年6月28日日曜日

制御面がなく、空気噴射で飛行制御をする実験機の製造が進んでいる

 

空気噴射だけで機動するX-Planeの製造が進んでいる(ターミナル1・ターミナル2共通記事)

DARPA X-Plane Designed To Maneuver With Just Bursts Of Air Finally Gets Its Wings

オーロラ・フライト・サイエンシズとDARPAは、遅延やコスト増に見舞われたものの、X-65ドローンの飛行を来年にも実現させたいと考えている

Aurora Flight Sciences is now putting the wings on the X-65 experimental drone, which is designed to maneuver with bursts of air rather than traditional control surfaces.

オーロラ・フライト・サイエンシズ

ーロラ・フライト・サイエンシズは実験ドローン「X-65」に主翼を取り付ける作業にあたっている。従来の操縦面ではなく空気噴射で機動する設計のX-65にとって、重要な前進である。この技術は、将来の軍用および民間航空機の開発、特にステルス設計に大きな影響を与える可能性がある。

X-65は、国防高等研究計画局(DARPA)の「革新的なエフェクタを用いた革命的な航空機の制御(Control of Revolutionary Aircraft with Novel Effectors)」(CRANE)プログラムの下で開発が進められており、2020年に開始された。その後、DARPAはボーイングの子会社オーロラ・フライト・サイエンシズを選定し、同社が単独で設計開発を進めることになった。オーロラは2024年に同プログラムの最新フェーズに移行し、現在は来年の初飛行を目指している。CRANEプログラムは、長年にわたり度重なる遅延とコスト増に見舞われてきたが、これについては後で触れる。

X-65のレンダリング画像。オーロラ・フライト・サイエンシズ

「主翼が到着しました――X-65にとって次の大きなマイルストーンです!」オーロラ・フライト・サイエンシズは本日、X公式アカウントへの投稿でこう記した。「当社のWV[ウェストバージニア]施設で製造された三角形の主翼により、複数のスウィープ角にわたる能動的な気流制御試験が可能になります。ヴァージニア州では、@DARPAのCRANEプログラムの初飛行に向けて、統合作業が進められています。」

X-65の主翼部分。オーロラ・フライト・サイエンシズ

2025年11月、オーロラは胴体中央部の製造が進展していると発表していた。同社はまた、CRANEの過去のフェーズにおいて、縮小モデルの風洞試験やデジタルモデリングも行ってきた。

X-65は、いわゆる「コプレーナ・ジョイント・ウィング(CJW)」と呼ばれる翼形を採用し、2組の翼が翼端で合流することで、両側に三角形の形状を形成する。また、翼端から小さな延長部が伸びており、これによりドローンの翼幅は30フィートとなる。この設計には、ツイン垂直尾翼の配置も採用されている。

機体前部の下部に顎状の吸気口があり、排気口は1か所のみである。レンダリング画像によると、機体前端の上部に設計上の特徴が見られる。本稿執筆時点では、オーロラもDAPRAも、このドローンの主推進装置に関する詳細を明らかにしていないようだ。X-65の総重量は約7,000ポンドとされる。

この風洞モデルは、X-65の平面形状を概ねよく表している。オーロラ・フライト・サイエンシズ

前述の通り、X-65の最も興味深い点は、高圧空気の噴射を利用しロール、ピッチ、ヨー制御を行うアクティブ・フロー・コントロール(AFC)「エフェクター」のバンクである。従来、固定翼機は、フラップやラダー、その他の物理的に動く制御面を組み合わせて飛行中の操縦を行ってきた。

オーロラが昨年発表したプレスリリースによると、「AFCシステムは、すべての揚力面に組み込まれた14個のAFCエフェクタに加圧空気を供給する」としている。「三角翼により、翼後退角を変えての試験が可能であり、外翼の交換やAFCエフェクタの着脱が可能なモジュール式構造となっているため、将来的に追加のAFC試験を行うこともできる。」

「X-65には、2種類の制御アクチュエータが搭載される予定です。従来のフラップやラダーに加え、すべての揚力面に埋め込まれたAFCエフェクタです」と、DARPAの2024年のプレスリリースも指摘しています。「これにより、リスクを最小限に抑えつつ、制御の有効性に関するプログラムの知見を最大化できます。従来の制御面を用いた機体の性能が基準となり、その後の試験では、可動面を選択的に固定し、代わりにAFCエフェクタを使用する。」

このX-65のレンダリング画像では、主翼の縁に沿って配置されたAFCの群(薄い灰色で表示)を強調している。DARPA

「X-65の従来型制御面は、AFCがフラップやラダーの代わりにどのように使用できるかを理解するための『補助輪』のようなものです」 当時DARPAのCRANEプログラムマネージャーを務めていたリチャード・ウレジエン博士も、その際に次のように述べている。「AFCエフェクタの性能を従来の制御機構と比較して監視するためのセンサーを設置する予定で、これらのデータは、AFCが将来、軍用機および民間機の両方にどのような革命をもたらすかをより深く理解するのに役立つでしょう。」

「我々はX-65をモジュール式プラットフォームとして開発しています。翼セクションやAFCエフェクタは簡単に交換可能であり、CRANEプログラム終了後も、DARPAや他の機関の試験用資産として長く活用できるようにするためです」と、ウレジエン博士は付け加えた。

従来の可動制御面を排除できることは、数多くの潜在的なメリットをもたらす。CRANEプログラムに関し、本誌はこれまで以下伝えている:

「従来の制御面を排除することで、本質的に空力特性に優れた設計が可能となり、その結果、特に高高度においてより効率的な飛行が実現する。AFCシステムを搭載した航空機は、エルロンやラダーなどを動かすための様々なアクチュエータやその他の部品を必要としないため、重量と体積を削減する新たな手段を提供する。」

「AFCシステムを用いた、より軽量で流線型の航空機設計は、より高い機動性を実現できる可能性がある。これは、パイロットの身体的限界を気にする必要のない無人機において、特に当てはまる。

「可動部品をこれほど多く排除することは、故障の原因となる要素が減ることを意味し、安全性と信頼性が向上する。これにより、整備や物流上の要件も解消されるだろう。また、軍用機においては、戦闘による損傷への耐性が向上し、修理も容易になる可能性がある。」

これらすべてはステルス機設計で特に価値があるだろう:

これらすべてが多くの航空機で有益となる一方で、AFC技術はステルス設計に適用された場合に特に重要な意味を持つ可能性がある。ステルス機の設計者は、露出面間の継ぎ目やその他の隙間に細心の注意を払い、レーダー断面積を可能な限り低く保つために、それらを最小限に抑えるよう努めている

「そのため、機体の外形と常に面一にすることはできない従来の制御面は、現在、避けがたい大きな課題だ。フライ・バイ・ワイヤ方式では、ステルス機を前進飛行中に安定させるために、これらの制御面を常に振動させ続けている。AFC技術は、この現状を一変し、ステルス機のレーダー回避性能を最適化することを容易にする可能性を秘めている。飛行制御のため主翼構造を動的に変形させるといった技術も、将来のステルス機のレーダー反射断面積制御に役立つ可能性がある。」

従来型制御面とAFCをどちらでも使用できるX-65は、さらに柔軟性を提供できる。

AFC設計の可能性をさらに深く探求することこそが、DARPAのCRANEプログラムの真の目的であり、同プログラムは現在、来年にも実際の飛行試験を開始することを目指している。前述の通り、X-65の開発作業は長年にわたり度重なる遅延に見舞われてきた。当初の目標は、2025年にこの無人機が初飛行を行うことだった。

「試験飛行用の試作機を製造するコストが予想以上に高くなってしまった」こと、および「DARPAはX-65の開発を『戦略的に一時停止』し、プログラムを再評価することを選択した」と、『ディフェンス・ニュース』2025年11月に報じた。オーロラもまた、「技術的課題やサプライチェーン上の課題がプログラムの遅延の一因であったこと、さらにDARPAプロジェクトに携わることに伴う固有のリスクも要因であった」と認めた。

ここで留意すべきは、AFC技術実験が行われたのは以前にもあった点だ。CRANEの設計案も提出した英国に本社を置くBAEシステムズは、2010年代にMAGMAと呼ばれるAFC搭載の縮小スケール飛行機を試験しており、その詳細についてはこちらで確認できる。

国防総省の予算文書によると、DARPAは、同プログラムが第3段階に入った2024会計年度以降、CRANE約6,300万ドルの資金を受けている。DARPAは2027会計年度において、この取り組みに対する追加資金を要求しておらず、これは来年末までにプログラムが終了するとの見通しを反映しているとしている。DARPAが過去に述べているように、将来のプログラムでは、X-65ドローンおよびそれが実証する技術の継続的な活用がさらに進む可能性がある。

「DARPAとの長年にわたるパートナーシップを継続し、X-6の製造を完了させ、飛行中のアクティブ・フロー・コントロールの能力を実証できることを嬉しく思う」と、オーロラの航空機開発担当副社長ラリー・ワーシングは、昨年の声明で述べた。「X-65は、長期にわたり活用される飛行試験資産となるでしょう。将来の航空機設計や研究ミッションにおいて、その基盤となる技術や飛行試験データが活用できると確信しています。」

主翼がようやく納入され、オーロラとDARPAがドローンとその斬新な制御システムを遂に空へ飛ばすべく推進する中、X-65が着実にその姿を現しつつある。■

ジョセフ・トレヴィシック

副編集長

ジョセフはTWZの副編集長として、同サイトの経験豊富で献身的なチームの統括を支援するとともに、有益かつ影響力のある防衛・国家安全保障に関するコンテンツを執筆している。彼はその最前線であるワシントンD.C.エリアに在住している。


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