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2026年2月2日月曜日

陳腐化したと思われているMD-11をフェデックスが運用を続けている理由


FedEx MD-11 Custom Thumbnail

クレジット:ウィキメディア・コモンズ

フェデックスが MD-11 退役を拒否する理由

Simple Flying

ポール・ハートリー

2026年1月29日 午後5時11分(米国東部標準時間)公開


マーク・トウェインは、「私の死の報道は、大きく誇張されている」という有名な言葉を残したが、マクドネル・ダグラスMD-11も同様だ。昨年ルイビルで悲劇的な墜落事故が発生した後、UPSエアラインズ が火曜日にトライジェット時代を正式に終焉させて、業界専門家は、MD-11 は完全に姿を消したと述べていた。しかし、フェデックス・エクスプレス は、逆行する方針を明確にした。

フェデックスは、退役スケジュールを前倒しするどころか、MD-11 への取り組みを倍増し、この象徴的な 3 発機を負担ではなく、長距離輸送の生命線として扱っている。ロイター通信によると、メンフィスに拠点を置く同社は、米国当局およびボーイングと協力し、5月末までに全機の運用再開を目指しているとのことです。これは、この同機の耐空性および経済性に揺るぎない信頼を寄せていることを示している。

単純に経済性の問題

FedEx MD-11 and Boeing 767クレジット:Shutterstock

フェデックスは2026年度通期の収益成長率予測を5~6%に上方修正した。この高い目標を達成するには、利用可能なあらゆる輸送能力が必要だ。MD-11は小型のボーイング767-300Fと大型のボーイング777-Fの中間を担う、高積載量の大容量機である。29機のMD-11が運用不能となれば、フェデックスは高額な外部輸送に頼らざるを得ず、昨年の事故後の運航停止期間中だけで既に1億7500万ドルの利益が損なわれている。

このためフェデックスは、5月のMD-11運航再開を決定した。短期的な整備コストを負担する代わりに、この伝説的な働き馬を次の10年まで走り続けさせることで得られる長期的な収益を獲得する選択だ。同社は昨日発表した声明で次のように述べている:

「当社はボーイングおよびFAAと協力し、MD-11を安全に運航再開させるため必要な検査・整備の対応を継続していきます」

この実現に向け、フェデックスはFAAが義務付けたMD-11初期検査を実施済みであり、MD-11の胴体と主翼桁取り付け部を対象とした高度な非破壊検査プログラムに着手している。航空機を徹底的に分析し、肉眼では見えない微小な応力亀裂を検出する。また、中央翼箱部の補強にも重点を置いており、機体構造がさらに1万~1万5千回の飛行サイクルに耐えられることを保証する。​

フェデックスにあってUPSにないMD-11の強み


UPSがMD-11を退役させたのは、残存機を運航再開させるための整備・修理に時間がかかりすぎ、コストがかかりすぎるためだった。同社は1億3700万ドルの一時費用を計上し、今後15ヶ月で納入予定の新型ボーイング767貨物機18機で穴埋めする方針を選択した。しかしフェデックスにはMD-11を再就航させる優位性がある。第一の要因は2011年に発行されたボーイングサービス・ブレテン(MD-11-SL-54-104-A)に関連する。この通達は、MD-11エンジンパイロン内の球状ベアリングアセンブリに関する過去4件の故障事例を運航者に通知した。当時ボーイングは、この問題が「飛行の安全性」リスクをもたらさないと結論付け、点検の推奨のみを提供した。義務付けられた措置がなかったため、UPSは調整を行わない選択をしたが、フェデックスは自社のMD-11のパイロンを改造する先手を打った。UPSのエンジニアが最近Redditに投稿した内容によれば:

「フェデックスMD-11のパイロンと当社のものを比較した写真を見たが、その差は歴然だ。彼らのものは明らかに頑丈で堅牢だ」

このため、FAAが義務付ける可能性のあるパイロン改修を既に実施済みのフェデックスは、MD-11の運航再開にかかるコストを大幅に抑えられる見込みだ。さらに同社はメンフィス基地に世界最大かつ最も経験豊富なMD-11整備チームを擁しているため、追加の整備や試験が必要となっても、5月の期限に間に合うよう迅速に対応できる態勢が整っている。

フェデックスにはもう一つ大きな強みがある。過去3年間で30機以上のMD-11を退役させ、稼働中の21機用の予備部品を保管しているのだ。UPS がMD-11を退役させたことで、部品市場が突然大きく拡大し、フェデックスは自社機をより長く運用し続けることができるようになった。皮肉なことに、ライバルの MD-11 退役により、自社の MD-11 を運用し続ける経済性がフェデックスにさらに魅力的になった。

MD-11 は運用寿命に近づきつつあり、より新しく、より効率的な機種がその役割を引き継いでいる。

MD-11 はフェデックスの国際事業に欠かせない存在

FedEx McDonnell Douglas MD-11Fクレジット:Shutterstock

2024 年に米国郵政公社(USPS)との航空貨物契約を失ったフェデックスは、より国際的な飛行への転換を開始した。米国の関税とデミニミス免除の廃止により、米国とアジア間のフライトの需要が抑制されたため、Break Bulk が報じているように、アジアとヨーロッパの市場およびアジア域内の貿易ルートにおいて、積極的な輸送能力の拡大が行われている。。

MD-11はこの戦略において極めて重要だ。最大積載量は92トンで、777Fの102トンには及ばないが、767の約2倍の輸送能力を有する。このため、MD-11の運航継続はフェデックスの国際戦略において極めて重要となっている。

この戦略は今週、フェデックスが新設したグローバル航空輸送拠点であるイスタンブール空港への新規路線を発表したことで明確に示された。欧州・アジア・アフリカの交差点に位置するこの新施設(面積25,300平方メートル)は1時間あたり7,000個の荷物を処理可能で、昨年9月に週30便以上のフェデックス便で運用を開始した。今回フェデックスは、このイスタンブール新ハブを経由するアジア太平洋地域と欧州を結ぶ週5便の新規運航を発表した。


うち3便はフェデックスアジア太平洋ハブである広州白雲国際空港から、2便はフェデックス貨物施設のある上海浦東国際空港から出発する。全便フェデックスのボーイング777F機で運航される。同社は現在59機を運用する同機種最大手で、来年末までにさらに8機の納入を待っている。■

ポールは25年以上にわたり国際的なテクノロジー分野に焦点を当てたキャリアを築き、100カ国以上を訪問してきました。その過程で航空への深い愛着を育み、旅行のバケットリストは到達した目的地ではなく搭乗した航空機の種類で測られるほどです。今、彼はその航空オタクとしての情熱と、キャリア初期に蓄積したジャーナリズムの経験を活かし、Simple Flyingのために洞察に富んだ記事を執筆しています。

Trust In The Trijet: Why FedEx Refuses To Retire The MD-11

By 

Paul Hartley

Published Jan 29, 2026, 5:11 PM EST

https://simpleflying.com/trust-trijet-fedex-refuses-to-retire-md11/


2024年10月14日月曜日

米国最大の全貨物航空会社5社の保有機材の構成をまとめてみた

貨物事業は、オンラインショッピング、迅速輸送、グローバリゼーションに突き動かされた世界で急速に拡大している。 

 その結果、旅客航空会社多数が、貨物室に貨物を積み込むだけでなく、貨物専用便を運航するようになった。 

 しかし、定期旅客便を運航せず、貨物専用便のみを運航する航空会社もある。 

 この記事では、貨物専用機を保有規模で最大の、米国を拠点とする航空会社5社を紹介する。 

 本記事の情報はch-aviationのデータに基づいている(2024年10月現在)。 



1位 FedEx Express 424機:エアバスA300-600F、A300-600RF、ボーイング737-300、737-800、757-200SF、767-300F、777-200F、MD-10-10F、MD-10-30F、MD-11F 

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Photo: Austin Deppe | Shutte


 米国最大の貨物機保有数を誇る航空会社。メンフィスを拠点とするこの貨物航空会社は400機以上のジェット機を保有し、その巨大な機材で370以上の都市に就航している。

 この航空会社は様々な種類の航空機を運航しているが、その多くは旧式である。 

 最後に残ったA300-600RFとMD-11Fの一部は、それぞれフェデックスの航空機として運航している。 

 需要減少に伴い、同航空会社の保有機材は年内に29機減少する。 

 2024年10月現在、フェデックスの保有機材は以下の通り: エアバスA300-600F型機42機、エアバスA300-600RF型24機、ボーイング737-800BCF型6機、 757-200SF型84機、767-300F型 140機、777-200F型 57機、 MD-10-30F型10機、MD-11F型 58機。 

 これらのジェット機に加え、同社は契約しているフェデックス・フィーダー・リージョナル・フリートでターボプロップ機293機を保有している。セスナ・スカイクーリエはこのフィーダーフリートの重要な一部である。新しい航空機も発注中である。現在、ボーイング767-300Fが12機、777-200Fが2機発注されている。 


2位 ユナイテッド・パーセル・サービス(UPS) 297機: エアバスA300-600F、ボーイング747-400、747-8F、757-200PF、767-300F、767-200、767-300ER、MD-11F 

 UPSは最もダイナミックな貨物フリート運行会社で、旧型機と最新鋭機を織り交ぜて運航している。 同社は297機を運航しており、旧式のA300-600RFやMD-11Fと対照的な28機の新鋭ボーイング747-8Fは、これまでに製造された貨物機の中で最大かつ最新鋭のもののひとつである。 

 2024年10月現在、UPSが保有する機材は以下の通り:エアバスA300-600F 52機。 ボーイング747-400(400BCFおよび400SFSCD) 13機。 ボーイング747-8F 40機、 ボーイング737-800BCF 6機、 ボーイング757-200PF 10機。 ボーイング767-300ER(300BCFおよびBDSF) 82機。 ボーイング767-300F 33機。 MD-11F 58機。 

 注目すべきは、UPSとDHLの両社が、MD-11を間もなく段階的に廃止することである。両航空貨物大手は、1990年1月から運航されているマクドネル・ダグラスMD-11を段階的に廃止する予定だ。 


3位 アトラス・エア 全94機をすべてボーイングで: ボーイング737-800型機、ボーイング747-400型機、747-8F型機、767-300ER型機、777-200F型機 

Photo: Nathan Klemstein | Shutterstock



 ニューヨークを拠点とするアトラス・エアは、チャーター便も運航しているが、米国で3番目に大きな貨物便を維持している。 

 フェデックスとUPSの2大巨頭の後塵を拝しているが 94機の貨物専用機を擁し、アメリカのハブ空港6箇所から世界各地に就航している。 

 737-800からボーイング747-8Fまで、すべてボーイング機で運航しているのが特徴だ。現在、747型機で世界第一位の機数を保有している。  2023年、アトラス・エアはボーイングのエバレット工場で生産された最後のボーイング747(N863GTとして登録)を受領し、54年の歴史に幕を下ろした。 

 アトラス・エアの現在の保有機材は以下の通り: ボーイング737-800(BCF) 8機、 ボーイング747-400F(各種バリエーション) 13機、 ボーイング747-8F 17機、 ボーイング767-300ER 8機、 ボーイング777-200F(さらに2機発注中-現在唯一のオープンオーダー)。


4位 エア・トランスポート・インターナショナル(ATI)全ボーイング機50機で全米4位 運航機種:ボーイング757-200C、ボーイング767-200、767-300ER 


Photo: Nathan Klemstein | Shutterstock


 オハイオ州ウィルミントンを拠点とするこの航空会社は、1988年の運航開始以来、貨物専用便とコンビチャーター便を運航している。50機の貨物機を保有し、シンシナティ/ノーザンケンタッキー国際空港(CVG)をハブ空港として、世界各地に就航しており。 バーチャル貨物航空会社アマゾン・エア(旧プライム・エア)の航空機を使用したサービスも運航している。また、米国国防総省のチャーター便運航会社でもある。 

 同社は現在、以下のボーイング機を運航している。新機材の未発注はない。 ボーイング757-200C型機4機、 ボーイング767-200BDSF型機1機、 ボーイング767-200SF型機2機、 ボーイング767-300ER型機43機(BCFおよびBDSF)。


5位 Ameriflight、67機の混成構成(ただし運航は37機のみ) 運航機種 Beech 99(F)、99B(F)、99C(F)、Embraer EMB-123ER(F)、Embraer EMB0120RT(F)、Saab 340 

Beechcraft Model 99 belonging to Ameriflight shuttling cargo between Arizonian cities and towns

Photo: GingChen | Shutterstock



 Ameriflightは、ダラス・フォースワース国際空港を拠点とする貨物輸送会社である。米国、メキシコ、カリブ海全域で定期貨物便と契約貨物便を運航している。その業務の大部分は、フェデックス、UPS、DHLの業務に接続およびフィーダーサービスを提供することである。 

 現在稼働中の航空機に基づき、米国内の航空会社では第5位とした。  同社は67機の航空機を保有しているが、現在稼動しているのは37機のみである。機材はすべてターボプロップ機で、ジェット機はない。 

 これは、地域間接続の役割を十分に果たしている。 

 現在の保有機材は以下の通り: ビーチ99(F)型機7機、 99A(F)型機2機、99C(F)型機サーブ340 99B(F)型機4機、 99C(F)型機38機 - 24機が運航中、エンブラエルEMB-123ER(F)型機8機、エンブラエルEMB0120RT(F)型機4機、サーブ340B型機4機

 アメリフライトは、より革新的な(革命的な可能性を秘めた)貨物運航会社のひとつである。 2023年、この航空会社は20機のNatilus遠隔操縦機を発注した。これは貨物市場において大きな動きとなるだろう。 同社は、これがノーティラスとの長い旅の第一歩になることを期待している。 

 アメリフライトの社長兼最高執行責任者(COO)アラン・ルシノウィッツ氏は、発注時に次のように述べた:「この戦略的パートナーシップにより、アメリフライトは、貨物業務における将来のロードマップを構築し、米国におけるナティラスの最初のリージョナル・オペレーターとなることができます」。■


These Are The Largest Five US All-Cargo Airlines By Fleet Size

By 

Alexander Mitchell

 & 

Justin Hayward

https://simpleflying.com/largest-us-all-cargo-airline-fleets/



2022年1月15日土曜日

民間機にもミサイル妨害装置の防御機能が搭載される....フェデックスが赤外線妨害装置搭載を申請し、FAAが米運輸省と協議

 

VALENTIN HINTIKKA/WIKIMEDIA COMMONS/NORTHROP GRUMMAN

 

 

赤外線対抗装置が民間機に搭載された例は皆無だが、フェデックスが同装置の機能に注目している

 

米連邦航空局(FAA)は、熱探知ミサイル防御用赤外線対策装置をフェデックス保有機に搭載する特別条件を米国運輸省に提案している。民間航空機、それもフェデックス機に赤外線対策搭載が提案された事は以前にもあったが、今回の申請は、民間航空分野でもミサイル防衛の必要性が依然としてあることを示している。

 

 

 

FAA提案では、「近年、海外事例で、民間航空機がマンパッドシステム(MANPADS)から発砲を受けている」し、脅威に対抗するため、FAAは「熱探知ミサイル対抗策として、赤外線レーザーエネルギーを機外放出するシステム」をフェデックス機に搭載する特別条件を求めている。現在、民間航空機の耐空証明規定には、こうした攻撃手段への安全基準がないとFAAは指摘している。

 

申請書の文言から、フェデックスがDIRCM(Directional Infrared Countermeasure system指向性赤外線対抗装置)の搭載を希望していることがわかる。こうした自己防衛システムは、軍の輸送機やヘリコプターに広く普及している。戦闘機にも搭載が進んできた。DIRCMは、飛来するミサイルに変調レーザー光線(赤外線)を照射し、シーカーを混乱させる、あるいはミサイルを標的の航空機から引き離す機能がある。

 

今回申請にあるエアバスA321-200は、A321の長距離型で、民間旅客機として主に使用されている。ただし、フェデックスでA321-200運航は始まっていないが、同型機は大手貨物会社数社から将来の貨物輸送候補として注目を集めている。

 

2004年、イスラエルの航空会社エル・アルが民間航空会社で唯一、自社機材にミサイル対策システムを搭載したが、DIRCMではなく、フレア式(消耗型デコイ)で、フレア発火や取扱いの難しさから、その後レーザー式C-MUSICに移行した。C-MUSICは多くのシナリオで、高度な脅威に対し効果的をより発揮するとされている。

 

国際民間航空機関によれば、1970年以降で民間航空機少なくとも42機にMANPADSから攻撃があったとの報告がある。ケニアのモンバサで乗客260人を乗せたイスラエル機は、離陸時にMANPADSミサイルと思われる破片に襲われたが、最小限の損害でテルアビブに安全に着陸できた。2003年には、イラクからバーレーンに向かうDHL貨物機が、MANPADSミサイルで左翼を撃たれ、危険な緊急着陸を余儀なくされた。同機の左翼は激しく損傷し、油圧制御を完全に失ったが、乗員3人はバグダッドに戻り、エンジン推力の調整で機体を制御し、着陸させた。

 

WIKIMEDIA COMMONS/AELYTAH

DHL運航のエアバスA300貨物機が2003年にミサイル攻撃で大きく損傷した

 

 

フェデックスはミサイル対抗措置の試験搭載を2006年に開始している。AN/AAQ-24原型のノースロップグラマン製ガーディアンDIRCMポッドをマクドネルダグラスMD-10に搭載した。ノースロップ・グラマンはフェデックスと共同しフェデックス専用システムを設計し、10分で着脱できるカヌー型腹部ポッドに搭載し、空気抵抗を最小限にした。

 

NORTHROP GRUMMAN

 

同装置は民間航空機向けミサイル対抗システムの開発と実証を目指す国土安全保障省(DHS)の「対MANPADSプログラム」の一環で搭載した。同プログラムで、国土安全保障省は、指向性赤外線対策システム2種類ノースロップ・グラマン社のガーディアンとBAEシステムズ社のジェットアイを、29種のMANPADSシステムに対しテストした。

 

WIKIMEDIA COMMONS/ALAN RADECKI

ノースロップグラマンのガーディアンポッドがエアアトランタヨーロッパの747-300に搭載され、同機はフェデックスが試験用に借り上げた

 

DHSは飛行試験1万6000時間以上で、両システムはともに「有効性要件を満たしている」「襲撃シナリオ多数でミサイル複数に有効に作用する」と評価した。同調査は、航空会社によるDIRCMシステム搭載は「相当のコストと航空会社経営への影響を伴う」形ながら実施可能であり、3,600機への装備費用は300億ドル以上と結論付けていた。また、DHSは、国際的な設置・使用のため、輸出規制の緩和が必要と指摘した。 

 

2019年にDHSは、空港上空65,000フィートで旋回飛行する高高度長時間滞空無人機で、MANPADSにスタンドオフ防御が可能かの研究を評価している。プロジェクトCHLOEと呼ばれる同研究では、無人機はMANPADSを「探知、追跡、レーザー照射」できるが、性能要件を満たせないと判明した。

 

平均的な国際空港の航空交通量を考慮すれば、MANPADS襲撃への防御を十分に行うには、各空港上空でUAV数十機を旋回待機させる必要があると指摘するアナリストもいる。また、上空6万5,000メートルの無人航空機(UAV)が、はるか下方の地上から発射されたMANPADにどのように防衛できるかも不明だ。ただし、当時は先進的なUAVが広く応用されるようになる前の段階であった。その他の手段として高高度を滞空する飛行船の活用の提案もあった。

DHS

 

 

DHS

プロジェクトCHLOE は将来の展望を示していたが...

 

大規模にテストしたにもかかわらず、プロジェクトCHLOEは実現しなかった。DHSは「Emerging Counter-MANPADS Technologies」プログラムでもその他防空システムも評価したが、DHSの2010年報告の該当部は大幅に黒塗りされており、技術内容は不明だ。

 

DHS調査の当時、DIRCMはまだ新装備だったが、その後、赤外線システムは重量、サイズ、コストが大幅に低下しており。現在では、大型航空機用赤外線対策システム(LAIRCM)のようなモジュール式システムが、軍用機多数に搭載されている。

 

肩撃ちミサイルの脅威は、バードストライクや既製品のドローンによる妨害ほど広く認知されていないが、MANPADシステム普及の中で、定量化把握が困難なままだ。2019年のRANDコーポレーション調査によると、ロシアが依然としてMANPADSの最大の輸出国で、2010年から2018年までだけでも1万台以上販売した。主にベネズエラ、イラク、シリア、リビアといった国々に輸出されており、RANDによれば、こうした国は「不安定さとMANPADS多数の保有の組み合わせから、保管分の漏えいリスクが最も高くなる」。反政府勢力の手に落ち、軍用機攻撃に使用されている。テロリスト集団や犯罪組織の手に渡った数量は分からない。

 

PUBLIC DOMAIN

ソ連製9K38イグラ(SA-18)のミサイルと発射機(上)と9K310イグラ-1(SA-16)のミサイルと発射機(下)

 

 

MANPADSの拡散に米国もある程度寄与してきた。1980年代を通じ、中央情報局はソ連と戦うアフガニスタン反政府勢力にスティンガーミサイルを供給していた。米国当局は、残ったミサイルを買い戻す高価で複雑な対応を開始したものの、多くが未回収のままだ。リビアのベンガジCIA分室は、ムアンマル・カダフィの兵器庫から略奪されたMANPADSを回収する任務を負っていた。

 

その他国もMANPADシステムを生産・輸出しており、RANDの2019年版レポートでは、フランスや中国がロシアや米国を引き離している。世界中で野放し状態のMANPADSの多くは数十年前に製造されたもので、経年変化を受けての機能性に議論の余地がある。

 

これだけ拡散しているが、不正規戦作戦将校を務めた米空軍退役軍人マイケル・ピエトルチャMichael Pietruchaは、War on the Rocksに寄稿し、MANPADSは「使用が難しく、打破は比較的簡単」と主張し、「バルカン、イラク、アフガニスタンで米国とNATOによる過去20年間の出撃数万回で、MANPADSが命中した固定翼機はわずか4機(うち撃墜は2機)だ」と述べた。ただし東ウクライナ紛争の初期段階でのMANPADSは、より効果的で致命的な効果を発揮していた。

 

しかし、FAA提出の資料が示すように、MANPADは依然として民間航空に少なくともある程度の脅威を与えている。フェデックスがこれから就航させる機材にDIRCMシステムを搭載する特別条件を申請していることから、貨物会社が特定のケースまたはルートでのみ使用するため同システムを検討している可能性がある。その場合、高リスク地域では有益な機能となる。ただし、申請書以外に資料が皆無にちかいため、フェデックスが同システムをどの程度利用するつもりなのか推察できない。

 

とりあえず、今回のFAA申請は、防空システムが間違った側の手に渡った際の危険性を改めて認識させてくれる。FAA要請がどうなるのか、またその他民間航空会社や貨物会社がフェデックスに追随するのか、興味深いところだ。■

 

 

FedEx Wants To Equip Airbus A321s With Anti-Missile Laser Countermeasures

 

BY BRETT TINGLEY JANUARY 14, 2022