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Showing posts from June, 2023

デルタの羽田スロット柔軟運用要望を米運輸省が却下

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Source: viper zero/Shutterstock.com 米運輸省、デルタの羽田枠緩和要求を却下 米 国運輸省(DOT)は、羽田空港への出発地選択の柔軟運用に関するデルタエアラインズによる要求を却下した。  6月30日に発表された申請書で、DOTは「すべての米国-羽田線スロット保有者に対して、現在割り当てられている米国-羽田線スロットペアのうち2ペアまで、任意の米国のゲートウェイから羽田に就航する柔軟性を与えるべきとのデルタ航空による申し立てを却下する」とした。  アトランタを拠点とするデルタは5月上旬、「根本的に変化した」需要環境を理由に、米国-羽田便の発着枠規則を緩和するよう米国政府に要請していた。  デルタは、米国発路線の需要想定は、コロナ以降の時代には「もはや有効ではない」とし、「キャパシティを実需に合わせ再評価し、改良する必要がある」と主張していた。  これに対しDOTは、「航空会社が自らの裁量で別の米国ゲートウェイを選択できるようにすることは、他の競合する申請者よりも既存の航空会社やゲートウェイを選択したDOTの根拠を覆すものであり、旅行者や海運関係者の利益のために行われたDOTの公益決定を損なう」と述べている。  デルタはアメリカの各都市から東京の羽田に就航する権限を求めていた。  これに対し、デルタは「DOT決定を見直し、次のステップを検討している」と述べている。  今年初め、DOTは、中国、香港、日本向け航空需要が低迷したままであることから、これらの路線に就航する航空会社の発着枠の緩和策を延長した。この救済措置で各社はスロット割り当てを失うリスクを負うことなく、一時的に未使用のままにしておくことが可能となった。  デルタはDOTに対し、コロナ後の需要低迷を理由に羽田発着枠の制限緩和を求めていた。具体的には、デルタは米国航空会社に対し、米国のどの空港からでも「羽田に就航するため発着枠を最大2つ使用する」権限を認めるよう要請する、と5月1日提出の書類は述べている。現在、DOTは米航空会社で羽田に就航できる都市を指定している。  世界的なパンデミックにより、デルは米国と日本の首都を結ぶ便の「競争環境は著しく変化した」と主張している。当時、アメリカの同業他社である アメリカンエアラインズ と ハワイアンエアライン ズは、デルタが要求した柔軟性

キャセイが2019年以来初の黒字を計上できる見込み。日本路線が好調でトラフィックは回復へ。

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  キ ャセイパシフィックグループは、営業成績が「力強い回復」を見せ、2023年上半期は2019年以来初の黒字を計上する見通しだ。 同グループは、メインラインのキャセイとローコスト部門のHKエクスプレスで構成され、キャッシュフローが改善し続けていることから、2023年はキャッシュジェネレイティブな営業を行っていると付け加えた。  キャセイパシフィック航空は2019年に政情不安の影響を受け、1年後には香港のハブ空港を全面閉鎖させたCovid-19大流行の影響を受けた。  今年の香港は海外旅行者への「Covid感染ゼロ」制限をほぼ緩和したことで、キャセイがネットワークを再構築できるようになった。  キャセイのコマーシャル&カスタマー・チーフ、ラヴィニア・ラウは、今年半期の利益幅を明らかにしなかったが、2019年上半期の純利益は13億5000万香港ドル(1億7200万ドル)だった。  この見通しは、航空会社がトラフィック回復に「順調な進展」を見ていることによる。5月のキャセイの旅客数は140万人を超え、4月と比較し2.6%増加した。  日本およびタイへの旅行需要が好調であったこと、また中国本土発着のトランジットトラフィックも好調であったことをラウは指摘している。  また、ラウは以下付け加えた: 「夏のピークシーズンは、学期終了後に香港に戻る学生による後押しが期待できそうです」。  貨物については、同月の市場取扱量は「ほぼ横ばいだった」とラウは言う。それでも、香港が厳しい貨物乗務員の検疫措置を課していた2022年と比較すれば、貨物輸送量は73%増加した。■ Cathay forecasts first half-yearly profit since 2019 | News | Flight Global By Alfred Chua 24 June 2023

宇宙開発 インドがアルテミス協定に調印。中国に対抗し、米国主導の宇宙開発は月、火星、小惑星帯に及び、将来の宇宙資源採掘も想定している。

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  2023年6月22日、ワシントンDCのホワイトハウスの執務室で会談するジョー・バイデン米大統領(右)とインドのナレンドラ・モディ首相。(写真:Anna Moneymaker/Getty Images) インドがアルテミス協定に調印、中国との宇宙開発競争で米国との関係強化か  インドによるアルテミス協定遵守は、中国の民間・軍事宇宙活動の拡大と、国際舞台でのソフト・パワーとしての宇宙利用への対抗を支援するために同盟国を結集しようとする米国の努力を後押しするものである。 ワシントン -月、火星、潜在的に鉱物資源の豊富な小惑星の探査と開発のための規範を設定するアルテミス協定 Artemis Accords に インドが署名した。  「インドが協定署名することは、協定とアルテミス計画にとって変革の瞬間である」と、協定の交渉の多くを担当した元NASA職員のマイク・ゴールドはブレイキング・ディフェンスに語った。  今回の署名は、インドのナレンドラ・モディ首相とジョー・バイデン米大統領が本日午後の記者会見で正式発表した。この協定は、水曜日に始まったモディによる初のワシントン公式訪問で結ばれた協定の一部だ。  「アルテミス協定への参加が決定したことで、両国は宇宙協力で大きな飛躍を遂げた。インドとアメリカのパートナーシップにとって、空さえも限界ではない」とモディは語った。  モディはバイデンと今朝会談し、明日は国家宇宙会議の議長を務めるカマラ・ハリス副大統領と、軍事宇宙活動に関する国際行動規範の確立をバイデン政権が主導するアントニー・ブリンケン国務長官との昼食会に出席する。  特に、ニューデリーがこの協定を遵守することは、中国による民間および軍事宇宙活動の拡大や、国際舞台でのソフト・パワーの手段としての宇宙利用に対抗するため、同盟国を結集させたいアメリカの努力を後押しするものだと、政府関係者や専門家は述べている。インドは長い間、中国を地政学上の重要なライバルとみなしてきた。例えば、2007年には米国、オーストラリア、日本とともに、通称「四極安全保障対話(Quad)」に参加した。  インドがアルテミス協定に署名したことは、「クアドのようなプラットフォームの中でインドができることを前進させるものです。以前のクアド声明では、クアドパートナーは宇宙空間のための世界的なルールの面で互いに協

2023パリ航空ショー エアバス821機受注、ボーイング356機受注

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  活 気あるキックスタートで始まった待望の第54回パリ・エアショーが落ち着きを取り戻し始めた。航空機製造の巨大企業エアバスとボーイングは、大量の受注を獲得した。しかし、より多くの受注を勝ち取ったのはどちらなのだろうか? エアバスにとってのパリ・エアショー 初日は出足が鈍い中、フラッグ・キャリアの エアモーリシャス がA350-900を3機追加発注しエアバスが優位に立った。その直後、サウジアラビアの格安航空会社 flynas がエアバスA320neoファミリー30機の発注を確定させた。 エアバスの初日を締めくくったのは、インドの格安航空会社 インディゴ で、A320ファミリー500機の記録的発注を行い、史上最大の航空機発注となった。2日目には、 フィリピンエアラインズ がA350-1000を9機発注し、 エア・インディア は2月の趣意書250機の購入契約に署名した。 その後、 カンタス航空 がA220-300を9機追加発注し、2日目を終えた。3日目はエアバスにとって静かなになったが、航空機リース大手の アボロン が20機のA330neoの追加発注に調印し、2026年に納入が開始される見込みとなった。 TAAGアンゴラ航空 は、リース会社3社と9機のA220のリース契約を締結した。 4日目の受注がなかったため、今年のパリ・エアショーをエアバスは821機の需要で終えた。内訳は以下の通り: Aircraft Family Quantity Customer Airbus A220 9 Qantas Airbus A320 740 flynas IndiGo Air India Airbus A330neo 20 Avolon Airbus A350 52 Air Mauritius Philippine Airlines Air India Total 821 ボーイングに吉だったのか凶だったのか? エアバスがパリ・エアショーで大量受注を記録したのは明らかだが、ライバルのボーイングはどうだったのか?ヨーロッパのライバルに比べ、ボーイングは初日を静かに通過し、2日目に チャイナエアラインズ から787-9ドリームライナー8機の初受注を記録したときだけ動きがあった。航空機リース会社のアボロンも、737 MAX 8を40機発注し、昼前にハットトリックを達成した。 2日目には、

アジア太平洋のエアラインが路線再開、追加に動き始めた。その中で気になる日本人の旅券所有率の低下。

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エバーエアウェイズ の動きが日本のアウトバウンド市場の課題を示唆しているものの、アジア太平洋地域の航空会社は、ネットワークで国際都市を追加している。  カンタスエアウェイズ は、ニューヨークのジョン・F・ケネディ国際空港への運航を再開し、コロナウイルス流行前のロサンゼルス経由に加えオークランド経由での運航を開始した。 出典 カンタス航空  同路線はボーイング787-9型機で週3便運航し、10月からは週4便に増便する。  「国際線の再開以来、ニューヨークは、ロサンゼルスやダラスに到着するカンタスのフライトから提携航空会社に乗り継ぐお客様にとって最も人気のある目的地になっており、ニューヨーク便の販売開始以来、非常に強い需要があったことは驚くことではありません」と、カンタスCEOのアラン・ジョイスは語ります。   中国東方航空 は、ボーイング777-300ERによる上海-パリ直行便を1日1便に増便した。 同社によると、国内および国際線の航空旅行は回復している。夏のピークシーズンを迎え、中国東方航空は日本、韓国、東南アジア、ヨーロッパ、オセアニアへの国際線ネットワークを強化する。  中国東方航空と同じ広州に拠点を置く 中国南方航空 は、ウルムチからパキスタンの首都イスラマバードへの既存路線に加え、西部の都市ウルムチとラホールを結ぶ週3便運航を開始した。  台湾の航空会社も国際的なネットワークに目を向けました。 チャイナエアライン は、フランクフルト、アムステルダム、ロンドン、ウィーン、ローマを含むヨーロッパのネットワークに加え、エアバスA350-900で台北-プラハ線を7月18日から開設する。 出典 エバー エバー、日本のJTBと提携し、台湾を観光地としてアピール  エバーは、台湾の日本における観光地としてのプロモーションに関する覚書を 日本の旅行会社JTBと 締結した。  JTBによれば、台湾を訪れる日本人観光客数はコロナウイルスのパンデミック前の3分の1程度の水準にとどまっている。また、円安や世界的なインフレの影響もあり、日本人の旅行者の足が遠のいている。  JTBは、パスポートを保有する日本人は2022年に17.1%と、2019年の23.8%から減少していると見ている。   全日空 は、東京成田-パース線を週3便で10月29日に再開すると発表した。また、夏の間、シンガ

NASA=ボーイングのトラス主翼実証機にX-66Aの呼称がついた。伝統のXプレーンの最新版だ。

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  X-66Aは、米国が2050年までに温室効果ガス排出量を正味ゼロにする目標を達成するため特別に作られたX-planeです。X-66Aの製造でボーイングはNASAと共同でMD-90を改造し、胴体を短縮し、主翼とエンジンを交換する。実証機は、細長い主翼の下にエンジンを搭載し、空力トラスで支える。ボーイングがNASAの持続可能な飛行実証機プロジェクトに提出したこのデザインは、「Transonic Truss-Braced Wing」と呼ばれています。クレジット NASA N ASAと ボーイング はNASAのサステイナブル・フライト・デモンストレーター・プロジェクトで製造した航空機にアメリカ空軍がX-66Aの制式名をつけたと6月12日発表した。  この新型X-planeは、世界中の航空会社の主力機である単通路機で、より持続可能な新世代の可能性を示すのが目的。NASAとの協力により、ボーイングは、斜め支柱で安定させた超長い薄い翼を持つフルスケール実証機を製造、試験、飛行させる予定で、「Transonic Truss-Braced Wing」のコンセプトとして知られる。  「NASAの活動は星だけでなく、空にも向けられています」。NASAのビル・ネルソン長官は、「サステイナブル・フライト・デモンストレーターは、航空学と気候学両分野で世界をリードするNASAの取り組みです」と述べている。「X-66Aは、航空機が環境にもっと優しく、よりクリーンで、より静かとなる新時代の航空を実現する一助となり、空を飛ぶ人々とアメリカ産業界に新しい可能性を生み出すでしょう」。  X-66Aは、ホワイトハウスの「米国航空気候行動計画」が明示した、米国が航空温室効果ガス排出量をネットゼロにする目標を達成するため最初のX-planeとなる。  NASA航空研究ミッション本部副本部長のボブ・ピアースは、サンディエゴで開催された米国航空宇宙学会航空フォーラムで、「2050年までに航空排出量をゼロにする目標を達成するには、X-66Aのような革新的な航空機コンセプトが必要です」と述べ、同機の正式名称を発表した。「この実験機で、航空業界が必要とする省エネ、排出削減技術を実証する高い目標を掲げています」。  NASAとボーイングは、今年初めにNASAがサステイナブル・フライト・デモンストレーター・プロジェクトの

ナローボディを大西洋路線に投入したいとする新興企業フライ・アトランティックに勝算はあるのか。

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  Credit: Fly Atlantic 新 興企業 フライ・アトランティック Fly Atlantic は、2025年にエアバスA321LRまたはボーイング737-8で運航を開始し、ベルファスト国際空港を拠点に北米と欧州の都市への就航をねらっている。 キプロスの航空会社 Tus Airways の前CEOアンドリュー・パイン Andrew Pyne が設立した。Tusの前にパインはアイスランドの航空会社 WOW air 、キプロスの航空会社 Cobalt Air 、 VietJet Air 、ロシアの航空会社 Avianova 、 Viva Macau Airlines で上級職を歴任している。 WOWでの経験を生かし、パインはベルファストを北米・ヨーロッパを結ぶ長距離ナローボディ便の接続ハブにしようとしている。2019年に破綻したWOWと異なり、フライ・アトランティックは低コスト本拠地から単一機種の長距離ナローボディタイプを運航するとパインは述べている。 フライ・アトランティックは、独自の航空事業者証明書(AOC)で飛行し、ベルファストから北米3都市、欧州3都市の計6都市に就航する。当初の機材は長距離型ナローボディ6機とし、1日1便の乗り継ぎ便を運航し、1日の利用時間は16〜17時間に達するのが目標だ。 このプロジェクトに詳しい関係者は、フライ・アトランティックが当初、ハンブルク、リヨン、トゥールーズなど、大西洋横断の直行便がない西ヨーロッパ都市を狙うことを示唆した。米国での最初の目的地は、中西部のシカゴか、南部のノースカロライナ州シャーロットになりそうだ。 フライ・アトランティックは、5年以内に機材を20機に増やし、北米の15地点(うち約3分の1はカナダ)とヨーロッパの20~25地点に就航させたいとする。それまでに、フライ・アトランティックは、毎日2~3便の乗り継ぎ便で、年間500万人の乗客を運ぶことを目指す。 同社はA321LRと737-8双方を評価中だ。A321LRは16/182席、小型のMAXは12/150席となる。パインはAviation Daily誌に、機種について「かなり不可知論的」と語った。「両方の航空機は、我々が想定する時間枠で利用可能だ」と彼は言った。最終選択は、フライ・アトランティックが手続きを進める準備ができたときに利用可能なリース先