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2022年9月25日日曜日

米国で深刻なパイロット不足のしわ寄せを一番大きく受けるリージョナル各社。路線削減や減便を余儀なくされている事情。

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Source: SkyWest Airlines


ケープエア Cape Air、コミューテアCommutAir、スカイウエストエアラインズSkyWest Airlinesなど全米のリージョナル航空各社は、パイロット不足の影響を一番深刻に受けている。



 航空需要急増に対応し、米国の大手航空会社がリージョナル航空会社の機長を「ストリップマイニング」していると、コミューテアのCEOロック・ヘフラーRock Hoeflerは9月20日、ワシントンDCの年次リージョナル航空会社協会(RAA)リーダー会議でFlightGlobalに語った。

 エンブラエルERJ-145でユナイテッドエアラインズ向けフライトを運航するコミューテアー(本社クリーブランド)やその他リージョナル各社にとって、機長不足の解消が大きな問題になっている。

「各社の状況は全く同じです」(ヘフラー)。


 会議では各社幹部から、収益や米国内の各地域でのサービス提供能力の観点で、リージョナル航空会社がパンデミックによる低迷から完全に立ち直るには10年かかるとの声が出た。

 スカイウエストCEOのチップ・チャイルズChip Childsは、「5年か10年先には、非常に良い回復になりそうだ」と言う。「しかし、業界は、おそらくまったく別の姿になっていると思う... 今と別の収益モデルにする必要があるかもしれません」 。


路線削減、縮小


米リージョナル航空業界で急激な縮小が進んでいる。3月、ユタ州セントジョージに拠点を置くスカイウエスト(アラスカ航空、デルタ航空、ユナイテッド航空と契約)は、パイロット不足を理由に小都市29地点へのフライトを取りやめた。

 また、今春、ユナイテッドはリージョナルネットワークで数十路線を削減した。へフラーは、コミューテアがパイロットを何人の雇う予定か明言を避けたが、同社にパイロットが不足していることは認めている。

 「当社はユナイテッド専属で飛んでいるので、ユナイテッドが資産をどこに割り振るか次第で厳しい選択をしなければならない」とへフラーは言う。「104機あるのに、64機しか飛ばせないというのは、明らかにプレッシャーだ」。

 ケープコッドを拠点とするリージョナル航空会社のケープエアも同様で、長年サービスを提供してきたカリブ海の4地点への運行を最近減らしたと、CEOのリンダ・マーカムLinda MarkhamはFlightGlobalに語っている。また、イリノイ州クインシーとアイオワ州バーリントンへの運航を取りやめる申請をしている。

「現在もこの地域に飛んでいるが、スケジュールを縮小している」とし、「バーリントンは当社に残ってほしいと思っており、パイロットの採用や訓練で画期的な方法を見つけようと一緒に仕事したいと言ってきている」。

 ケープエアは最近、ケープコッドとナンタケット島を結ぶ重要路線でも減便した。2019年夏、同社のセスナ402はこの路線を毎日最大で12回シャトルしていた。昨夏、ケープエアは同ルートを毎日1~3回飛行していた。



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Source: FlightGlobal.

2020年2月27日、ボストン・ローガン空港にて、ケープエアのTecnam P2012 Traveller。同社は同型を2機保有。


 リモートワーク革命による「脱都市化」で、小規模都市へのフライト需要が高いにもかかわらず、便数が減少していると、へフラーは言う。

 モンタナ州のボーズマンなどでは運賃が上昇している。「生活が楽なところだからで、そこから勤務すればいい」。


プレッシャー


業界全体の現象だが、コミューテアの副操縦士多数でも、機長昇進を辞退する傾向がある。理由にいくつか要因が考えられるとへフラーは言う。

 昇進を試み失敗すれば、パイロット履歴書に傷がつく。副操縦士多数は、大手航空会社を視野に入れているかもしれない。言うまでもなく副操縦士給与はかつてないほど良くなっている。

 コミューテアの副操縦士は、最新契約では時給72ドルから。機長は時給100ドルからとなっている。

 「機長になる経済的利益を求めず、むしろ半年か1年待って、大手採用を望んでいるかもしれない」(へフラー)。

 パイロットの給与が高いことも、リージョナル航空に圧迫要因の一つだ。チャイルズは、スカイウエストが「賃金について神経質になっている」と認めたが、業界の多くで、賃金が維持できなくなるかもしれないと述べている。

 コミューテアは、パンデミックからの回復に苦労しているが、へフラーによると、同社は「オミクロンの本当に厳しい部分」から立ち直れたという。

 同社は、今後はERJ-145をこれ以上駐機させておくつもりはない。へフラーは、来年夏までに「機長問題のプレッシャーを少し軽減」できると期待している。■



‘All of us are in the exact same spot’: regional airline CEOs on pilot shortage | In depth | Flight Global

By Howard Hardee, Washington, DC24 September 2022


2022年8月16日火曜日

スコープ条項変化の兆しなく、エンブラエルE175の将来は盤石に見える。三菱航空機はこの状況ををどう見ているのだろうか。

  

 


アラスカ航空グループは、E175を最大21機追加する

Credit: Alaska Air Group

 

 

航空会社パイロットとの契約スコープ条項で、変更の兆しがないため、エンブラエルの人気機種E175(76席)の将来は確実といってよい。

エンブラエル・コマーシャル・エアクラフト戦略マーケティング・ディレクターのダニエル・ガルハルドDaniel Galhardoは、「現在有効な米国主要航空会社のスコープ条項は、今後3年間は変更されないとの予想で、次のスコープ条項交渉の動向を注視していく」と述べてる。「それまでは、現行E175がこの市場セグメントで利用可能な最善のソリューションであり続けるでしょう」。

米国の大手航空会社とパイロットの労働契約の一部であるスコープ条項は、地域航空会社のパートナーが運航する航空機を76人の乗客と最大離陸重量86,000ポンドに制限している。

エンブラエルは、2027-28年の就航を目指すE175-E2に取って代わられる可能性もあるが、市場が求める限り現行機種を提供するとガルハルドは付け加えた。「E175は少なくともそれまでは提供するが、販売を続けることを妨げるものは何もない」とガルハルドは述べている。

エンブラエルによると、E175は2005年7月にエア・カナダで運航を開始し、2005年9月に米国で認証取得した。アルトン・アビエーション・コンサルタンシーのアダム・ガトーン社長は、「最大座席数と離陸重量の両方で米国の航空会社のスコープ条項要件を満たす唯一の新型リージョナルジェット」と語る。

ガトーンは、エンブラエルの2022年第1四半期納入実績を引用し、エンブラエルはE175の確定受注残143機を報告していると言う。「今年初め、エンブラエルはE1の後継機E175-E2の就航目標を2027-28年に延期しました。これはE175-E1プログラムの寿命が大幅に延びたことを意味します」とのべ、E175-E2は現行のスコープ条項による重量制限を超えているとした。

エンブラエルがE175の成功をもとに、最近発表した大型機E190/195同様にP2F機として提供する可能性は低いとガトーンは述べている。「E175は、米国のリージョナル航空会社で大きな需要があり、代替機はありません。さらに、E175の胴体は短いため、エンジン前方に貨物ドアを取り付けるのは課題となります」。

エンブラエルのガルハルドは、やや楽観的な見方をしている。「現在のところ、E175のP2Fコンバージョンプログラム計画はないが、需要があれば検討することは可能だ」と言う。

E175の将来について更なる自信の表れとして、長年の顧客であるアラスカ・エア・グループは、今年のファーンボロ国際航空ショーで、さらに8機と追加13機のオプションの発注を発表した。オプションも含めた契約金額は、メーカー定価ベースで11億2,000万ドル。2017年に最初のE175を導入したアラスカ・エア・グループ100%出資のリージョナル航空会社、ホライゾンエアへの納入は2023年第2四半期に開始される。ホライゾンは現在30機のE175を運航しており、2026年までにさらに20機を受領する。

アラスカ航空グループのフリート、ファイナンス、アライアンス担当上級副社長であるナット・ピーパーは、今年3機納入を含むE175フリートの拡充により、ホライズンは今年末までにボンバルディアQ400ターボプロップから段階的に脱却できると見ている。

「E175は、アラスカ航空グループ唯一のリージョナル旅客機となります。Q400は350マイルまでの路線では経済的に有利ですが、単一機種の効率性(予備品の削減、より良い顧客体験、プレミアムおよびファーストクラスの利回り)が、Q400のE175に対する経済的優位性を短距離路線で凌駕します」。

ピーパーは、E175の投入路線は平均471マイルで、1日の利用率は8.8時間と述べている。この数字には、ホライゾン航空がアラスカ航空の姉妹会社として運航する便と、アラスカ航空がスカイウエストのパートナーとして運航する便が含まれる。

OEMによるサポートについて尋ねられたピーパーは、「エンブラエルは立派に仕事をこなしてきたと言えるでしょう。他のメーカーと同様、サプライチェーンに関する課題はあったが、同社はサプライヤー協力に積極的だった。2年前に比べれば、はるかに反応がよくなっています」。

エイビエーションウィーク誌の2022年商業航空機とMRO予測によると、E175の見通しとMRO市場は、現在から2031年まで堅調に推移すると予測されている。予測では、今年はE175が628機就航し、総MRO需要として11億ドルが発生すると予測しています。2031年には、503機となり、MRO需要は13億ドルとわずかに増加する予測さだ。E175のアフターマーケットの大部分はエンジンとコンポーネントで、2022年にそれぞれ51%と25%、2031年には66%と17%になると予想されている。E175のGE CF34-8Eエンジンとコンポーネントを整備するMROは、アフターマーケット見通しについて強気な見方をしている。

「CF34-8EエンジンのMROは、パンデミック時にコスト回避のため延期されたメンテナンスの遅れを取り戻すため、短期的には需要が急増すると見ていますが、長期的にはより安定してきます」と、Standard-Aeroの航空・フリート部門の北米セールスマネージャー、Kristjana Werboweskiは語っている。E175-E1の納入が今後も続く予測など、いくつかの要因によるものだという。

embraer 175 aircraft on ground

 

エンブラエルE175の確定発注残は143機。 Credit: Embraer

 

「エンブラエルは、今後10年間に北米だけで500機のE175を新規導入すると予測していますが、これは現在のスコープ条項契約が、プラット&ホイットニーGTFを搭載したE175-E2の参入障壁になっていることが一因です」とWerboweskiは述べています。「一方、CF34-8Eのメンテナンス需要は、パンデミック時に他のエンジンほど大きくは縮小しなかったため、需要反動はそれほど大きくはない」。

Lufthansa Technik AERO Alzey(LTAA)のマーケティング・セールス担当副社長ライムンド・シュネルRaimund Schnellは、「2023年から2026年にかけ、-10Eと同様にCF34-8シリーズ全体の定期性能回復、つまり[LLP(Life Limited Part)ショップ訪問の高い需要を見込んでいます」と述べている。「リージョナル航空会社の多くがパンデミック時に予定されていたショップ訪問を延期したため、現在、予定外のショップ訪問が頻繁に増加しています」と述べている。

LTAAでは十分な備えをしていることを強調しつつ、シュネルは、利用可能なショップ訪問の枠が少なくなってきており、サプライチェーン問題などの追加要因が状況を悪化させる可能性があると警告している。「当社が推奨するのは、エンジンの取り外し計画を少なくとも12~15ヶ月前に連絡してもらうことで、LLP交換に伴うショップ訪問にとって非常に重要となります」。

シュネルは、LTAAがLLPのリードタイムを増加させているのは、材料とスタッフの問題と付け加えた。「チタンなどの材料のボトルネック悪化による追加遅延は完全に排除できません」。

ドイツに本社を置くライン交換式ユニットのスペシャリスト、シュペールリナーズSpairlinersのセールス&マーケティング担当副社長タコ・シュトーテンTaco Stoutenによると、同社はE170/175とE190/E195用の1,200以上のコンポーネントをサポートしている。

「エンブラエル170/190の保有機数の50%を占めるE175の部品アフターマーケットは、今後も米国市場に集中すると予想されます。「各機は比較的若く、少なくともあと10年は飛行を続ける。このような理由から、シュペールリナーズはアメリカ大陸をサービス確立の場としてターゲットにしており、その実現はかなり近づいています」。

今後、各機が老朽化するにつれて、人件費の安い地域に移動していくとシュトーテンは予測する。「これらの地域では、現役機材の飛行時間が大幅に少ないため、E175の寿命が延びることになります」と語る。■

Embraer’s 175 Gets Confidence Boost As Future Looks Steady | Aviation Week Network


Paul Seidenman David Spanovich August 08, 2022


2022年8月13日土曜日

新興リージョナルエアラインは年収25万ドルを提示。深刻な米国のパイロット不足。

 



Photo: Connect Airlines


米国の新興リージョナル航企業でコネクト・エアラインズは、直行便の機長に巨額給与を提供する。同社は、有資格のダッシュ-8機長30名に初任給25万ドルを提示している。総飛行時間は最低2,500時間でよく、福利厚生や毎晩家に帰れるスケジュールも用意する。目を見張るような給与は、パイロット不足から生まれた。


高い給与水準

新興航空会社のコネクト・エアラインズは、就航に向けて、パイロットを募集中だ。当初2021年10月に就航する予定だった同社は、米国の航空史上、リージョナル航空会社として最も高い給与を提示している。就航時までに直行便機長30名を確保する。

 このポジションに就くための条件は、他のリージョナル航空会社のダイレクトエントリーキャプテンポジションと比べても低い。1,000時間はパート121またはパート135の運航でなければならない。同社は、「当社の初期成長に貢献できる経験豊富な機長を求めている」とし、最高業務責任者デビッド・マーコンテルDavid Marcontellは、次のように述べている。


「新しい航空会社として、どのように機能し、成長するかに直接参加する機会に参加可能な機長を求めています。パイロットと協力してよりスマートな航空会社を作ることには大きな利点があり、当社はアメリカのその他リージョナル航空会社よりかなり高い報酬パッケージでバックアップし、ローコストキャリア(LCC)にも非常に競争力を確保します」。


パイロット不足

航空会社が有能なパイロットを十分確保するのに苦労している中、この記録的な給料が発生した。進行中のパイロット不足は、リージョナル航空会社で最も顕著に見られる。デルタ、ユナイテッド、アメリカンなど大手航空会社では、ここ数年、パイロットの退職が増えている。定年間近のパイロットの多くは、パンデミック発生時に早期退職を選択し、航空会社は退職金を早期に提示していた。

 大手航空会社のパイロットの大半が高齢化し、退職する中、航空会社は副操縦士の入社条件を引き下げる傾向にある。大手航空会社にとっては一時的な解決策となるが、リージョナル航空会社にさらなる問題となっている。リージョナル航空会社は、パイロットが大手航空会社に移籍して飛行時間が短くなる中、十分な人員を確保するのに苦労している。

 コネクト航空は、パイロットを募集中の新しい新興航空会社にとって、今が難しい時期であることを理解している。また、リージョナル航空会社のパイロットに、大手航空会社ではなく別のリージョナル航空会社で働くよう説得するのは困難であることも承知している。こうした理由から、格安航空会社と競合する料金を提示することにした。コネクト航空の最高経営責任者ジョン・トーマスは、信じられないほど高い給与を提供するという同社決定について声明を発表した。トーマスJohn Thomasは次のように述べた。


「当社は、航空業界が直面中の雇用の課題を認識し、パイロットに経済的安定と生活の質の向上の機会を提供しつつ、新興航空会社として事業目標を達成するため、この前例のない措置を取りました。厳しい市場で新規航空会社を立ち上げるということは、他社と違う、スマートなやり方をしなければならないということです」。


五大湖周辺で運行を提供する同社は、間違いなく米国のリージョナル航空会社で最も競争力のある給与を提示している。この給与なら、十分なパイロットを確保することは困難ではないと予想される。■


Captains For This Startup Airline Could Earn $250,000+

BY

RILEY PICKETT