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Showing posts from November, 2022

777Xのフライトテスト中断。GE9Xエンジンで想定外の不具合が見つかったため。現在調査中で、路線就航がまた遅れるのは必至か

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    Credit: Guy Norris/Aviation Week . ボーイング は、GE9Xエンジンに関する不特定問題に関して GEエアロスペース との共同調査を待つ間、777-9の試験飛行を一時的に中断している。 10月6日の試験飛行中に発生したと見られるこの問題の詳細は、ほとんど発表されていない。この問題が特定エンジンに限定されたものなのか、特定の製造バッチに限定されたものなのか、あるいはもっと深刻な設計上の欠陥が新たに発見されたのか、評価が待たれる。 777-9のローンチカスタマー、 エミレイツ のティム・クラーク社長は、エンジン問題が深刻なら、すでに遅れているFAAの型式検査承認(TIA)が遅れる可能性があると警告している。今のところ、エミレイツは2025年7月に同機をデビューさせる予定だ。 「12月6日には、エンジンに問題がないかどうか、言い換えれば、バッチなのか、それともエンジン全体の設計に問題があるのかについて情報を得ます」とクラークは言う。「ボーイングは1月に飛行試験プログラムを再開させたいと考えている。来年半ばまでの予定のTIAは、比例配分される。もし、GEが再設計で、再度、全試験工程を実施しなければならないとしたら、月単位で後退することになる」。 ボーイングは、当初2021年初頭の予想だったTIAの時期についてコメントを拒否している。「当社はFAAに委ねています。FAAと連携して、認証試験に先立ち、文書と分析を成熟させる作業を続けています」と同社は述べている。しかし、一方でボーイングは、エンジン問題が調査中であることを認めている。 「GEエアロスペース社が最近発生したGE9Xエンジンの問題を調査しており、徹底的な調査と適切な処置が完了次第、航空機テストを再開する予定」とし、ボーイングは、「安全性は当社の最優先事項であり、当社のサプライヤーと技術チームは、顧客や規制当局と透明性をもち協力しながら、必要な時間をかけて調査をサポートします」と述べている。 「GEは、GE9Xの認証取得後のエンジニアリングテスト中に発生した技術問題を検証中で、飛行試験再開をサポートする調査結果についてボーイングと緊密に連携しています」と、エンジンメーカーGEは述べている。詳細は明らかにされていないものの、事故の中心はホットセクションのタービンエリアと考えられてい

円安の影響で日本発の国際線需要が伸び悩んでいることに注目する海外勢

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  Weak Yen Hinders Japanese Outbound Travel BY CHARLOTTE SEET PUBLISHED 18 HOURS AGO Flights out of and within Japan have become too expensive for Japanese travelers. Photo: Getty Images 日本発の国際便、日本国内便ともに国内旅行客に割高感がぬぐえない アジア有数の技術先進国で、独自の文化や歴史を持つ日本は、常に世界中の観光客やビジネスマンにとり重要なホットスポットであった。しかし、日本は9月中旬に全面再開したばかりで、長期にわたり海外からの旅行が厳しく制限されてきた。再開後、日本の旅行事情はどのように変化したのだろうか。 増加する訪日外国人旅行者 6月に特定旅行団体が入国を許可され、海外旅行が再開された。8月末の世界全体の旅客数は約12万人と、流行前の2割程度の水準で推移した。翌9月には約20万5,000人と順調に数字を伸ばしたが、増加は緩やかで、日本経済が真に恩恵を受けるには至らなかった。 しかし、日本がすべての制限を撤廃し、ビザなし渡航を許可し始めると、日本行きの航空券の予約は3週間で3倍以上になった。また、海外の航空会社も日本へのフライトを増やし始めた。そして、10月には純粋に訪日外国人旅行者が増加し、前月の約20万5千人から推定49万8千人へ急増した。パンデミック前水準には及ばないものの、規制緩和で訪日客は約3割増加した。 Photo: Getty Images 今年に入り米ドルに対し20%近くも円安になったことが、需要を喚起している。円安は、インバウンド、特に欧米人旅行者の日本への渡航を促し、商品やサービスが相対的に安くなり、贅沢できるようになる。欧米からの旅行者が増えれば、日本は中国人観光客の減少を心配する必要はなくなる。 国内外旅行の見通し悪化 残念ながら、円安は日本へのインバウンド旅行には適しているが、アウトバウンド旅行については、国内の人々が高すぎると感じているため、同じことは言えない。外国から日本への航空券が需要に応じ高騰したのとは逆に、日本から外国への航空券は大流行前の2割程度の水準で低迷している。 さらに、円安は国内旅行需要にも影響し、日本国内の都市間の航空券

中国南方航空がワンワールド加盟?

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  噂は数年前もあったが、今回は本物か? ワンワールド・アライアンスが 中国南方航空 をグループに加える検討をしていると報じられている。数年前、中国南方航空がスカイチームアライアンスから離脱した際にも同じ噂が飛び交っていたが、今回はどうか。 中国南方航空はワンワールドに加盟するのか? 中国南方航空は4年前にスカイチームアライアンスを脱退し、ワンワールド加盟の数社と密接な関係を築いている。ワンワールド・アライアンスの主要航空会社 カタールエアウェイズ と アメリカンエアラインズ は、ともに中国南方航空に約 5% 出資している。 ブリティッシュエアウェイズ も中国南方航空と広範なパートナーシップを結んでおり、中国南方航空はFinnairのコードシェアパートナーでもある。 中国南方航空は中国最大の航空会社だ。北京と本社がある中国南部の広州の2か所に主要なハブ空港を有する。パンデミック以前、中国は世界で最も急成長している航空市場の1つで、中国の航空会社をアライアンスに参加させることは、不可欠だった。 ワンワールド・アライアンでは、加盟予定企業や交渉内容、詳細については、公表できる段階に達するまでコメントできないと述べている。 Photo: Airbus ワンワールド・アライアンスの主要メンバーであるブリティッシュ・エアウェイズとアメリカンは、中国南方航空の加盟見込みに非常に協力的といわれる。現時点で、中国南方航空はワンワールド・アライアンスへの加盟を正式申請していない。 キャセイパシフィックと中国南方航空は共存できるか? 4年前、中国南方航空がスカイチームアライアンスから離脱した際、Simple Flying は、中国南方航空がワンワールドに加盟した場合、 キャセイパシフィック航空 に生まれる影響を分析した。キャセイパシフィックと中国南方航空の本社は100マイル以内に位置しており、論理的には2つの航空会社が同じアライアンスに加盟すると複雑な事態になようだ。 2018年、Simple Flyingは、中国南方航空がキャセイパシフィック航空と競合する気はなく、共同事業契約の可能性を広げていると報じた。当時、キャセイパシフィック航空は長距離国際線、中国南方航空は国内線と、両社は全く異なるフォーカスを持っていた。 ワンワールド・コネクトへの加盟か 中国南方航空はアライアンスの正式正

スクートがIATAに正式加盟。LCCの加盟で多様なエアラインの声が反映されることへ。スクートの躍進ぶりに改めて注目。

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  シ ンガポールエアラインズ グループの格安航空会社 スクート が国際航空運送協会(IATA)に正式加盟した。この発表は、スクートがIATAの運航安全監査(IOSA)に合格したことを受けたもの。監査は、航空会社の運航における安全性の国際基準を定め、IATAの会員資格を得るため必要だ  設立10周年を迎えたばかりの同社は、アジアが旅行制限の緩和を続ける中、国際ネットワークを急速に再構築している。親会社のシンガポール航空と同様、スクートは国際線に大きく依存しり、国内線はない。スクートのCEOLeslie Thngは、この発表に喜びを表明した。 「IATA会員になれたことを光栄に思います。この国際的な認定は、乗客の安全を守る当社の献身的な取り組みを確認してくれました。この10年間、当社は運航の回復力を強化し、お客様の体験を向上させ続けてきました。 「今後も、この業界において、価値ある旅を再定義し、向上させる道を切り拓いていきたいと考えています」。 加盟の必要条件 IATAへの加盟は、定期便および非定期便の航空サービスを運航する航空会社のみに開かれている。加盟を希望する航空会社は、客室乗務員の有無にかかわらず、商業貨物便または旅客便に使用される、最大認証離陸質量が5,700kg(12,566lb)以上の2人乗り多発機であることを条件とする。  IATA運航安全監査登録を維持し、航空会社の運航管理および制御システムを評価するため作成された、国際的に認知された評価システムのIOSAプログラムに準拠することが、IATA加盟の条件だ。  IATAの正式会員となったスクートは、国際的な航空会社の代表者が集まり、航空業界における優先事項を決定するIATA会議に出席できるようになった。直近の総会はドーハで開催され、IATAは炭素排出量の純ゼロ化などのトピックを議論した。来年のIATA年次総会は、イスタンブールで開催される。  IATA会員になることで、スクートは航空安全やセキュリティ、運航効率や卓越性、持続可能性といった重要な分野におけるIATAのトレーニングも受けることができるようになった。また、航空業界の専門家の能力を強化するためのプログラムも利用できる。IATAのアジア太平洋地域担当副会長フィリップ・ゴーは、スクートを協会に歓迎した。 「スクートをIATAのメンバーとして迎え、大

クロスオーバーナローボディ機は乗客、客室乗務員双方に好評。大型機並みの快適装備が搭載されている。

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      機 内エンターテインメントやコネクティビティなどのアメニティ、適度な広さのパーソナルスペース。プレミアムキャビンには、快適な設備がたくさんあります。 しかし、客室乗務員にとっては、快適な客室は「オフィス」でもある。客室乗務員にとってキャビンは、仕事をする上でも快適でなければなりません。   エンブラエル EジェットE2シリーズや エアバス A220シリーズなど クロスオーバー・ナローボディ機 は、最もモダンな客室が導入されている。両機種とも内装はクリーンシートで、開発では航空会社のフォーカスグループで多くの議論が交わされ、最終的に完成した。 ヘルヴェティックエアウェイズ Helvetic Airwaysのキャビンクルー責任者であるターニャ・バンガール・バンガールTanja Banghardは、その他職場と同様に、全体がポジティブな雰囲気であれば、スタッフの気分も高まり、生産性も向上すると認めている。ヘルヴェティックは、のE190-E2とE195-E2をそれぞれ8機4機運航しており、 スイス にかわり4機のE190-E1も運航している。 「当社の客室乗務員は、新型空機で働くことにとても感謝しています。また、E2はお客様にも大変好評で、特に明るく心地よい雰囲気とレッドカーペットのおかげで、お客様は気持ちよく機内に入れるんです。乗務員へのフィードバックも好意的で、社員のモチベーションと誇りになっています」(バンガール)。 「機内の作業スペースも、客室乗務員の希望と要求に応じて設計されています。例えば、調理室のレイアウトや、最新型のコンロ、コーヒーメーカー、湯沸かし器です。また、大型のオーバーヘッドビンは搭乗手続きを簡素化し、乗務員の日常業務が容易になりました。さらに、可動式仕切り板により、わずかな手順で機内の状況に合わせてキャビンを構成できます。これらの設備で短距離路線やチャーター便でも、快適で効率的な乗務員の作業環境のもと、お客様にプレミアムなサービスを提供することができます」。 エアバルティック airBalticのキャビンスペシャリスト、ゲイティス・スタンガGatis Stangaは、同社のA220について、同様の感想を述べている。「2016年にエアバスA220-300運航を開始して以来、乗客とチーム双方から圧倒的な好評をいただいています。私たち客室乗務

アジア太平洋地区の航空需要回復の遅れは中国市場にあり。一方で、今再開されても対応できない旅行業界の事情もある。

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    中国政府が再開に向け段階的アプローチをとる可能性 短期的には交通量の大幅増加は考えにくい       中 国の国際航空市場の再開が、アジア太平洋の航空業界の見通しで主要なワイルドカードのままだ。中国の航空輸送量の回復は同地域の完全回復に不可欠だが、それがいつ、どのように実現するかで、不確実性がまだ多く存在している。  中国はパンデミック以前はアジア太平洋地域の多くの航空会社に最重要市場の一つであった。しかし、中国本土の国際線キャパシティは、厳格なCOVID-19渡航政策のため、現在は見る影もない。  アジア太平洋航空協会(AAPA)の事務局長スバス・メノンは、中国は航空業界にとって「部屋にいない象」のような存在だと述べている。11月3日にシンガポールで開かれたCAPA - Centre for Aviation's Asia Summitで、メノンは、中国関連の交通量は、国内および国際線含め、この地域で流行前は40%にも及んでいたと述べた。  中国依存度が、アジア太平洋地域の回復が世界の他地域より遅れている理由の1つだ。CAPAとOAGのデータによると、アジア太平洋地域の国際線輸送力は2019年水準の52.6%に達した。だが北米の95.3%、欧州の85.3%の回復率を大きく下回る。  中国本土の国際線キャパシティは、パンデミック前の8%で、アジア太平洋地域の主要市場で最低の回復率となっている。  中国政府は、到着時検疫を義務付けるなどCOVID-19対策に加え、発着するすべての国際航空会社を特定路線の一握りの便に制限している。ここ数週間は若干緩和され、追加フライトが許可され、検疫時間も短縮された。また、COVID-19の陽性例を一定数以上搭載するとフライトを停止する、いわゆるサーキットブレーカールールが撤廃されたのも変更点として挙げられる。しかし、これら修正でも、航空会社のキャパシティに変化はない。   Centennial Asia Advisors のCEOであるManu Bhaskaran氏、政治的な要因と医療システムのロジスティックスが再開のタイムラインに影響を及ぼすと述べている。11月11日にバンコクで開催されたAAPA年次総会で、同氏は、政治面では、2023年3月の全国人民代表大会まで大規模な動きが発表されることはないだろうと述べている。

ホンダジェット・エリートIIがFAA型式証明を取得。先進性能で次世代機の価格は700万ドル。

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  Photo: Honda ホンダの新型プライベートジェット機がFAA型式証明を取得し、世界で最も先進的なプライベートジェット機になった HondaJet Elite IIは、11月2日に米連邦航空局(FAA)から型式証明を取得した。ホンダは、10月に開催された「2022 NBAA Convention and Exhibition」でのお披露目を経て、エリートIIの型式証明を取得した。同機は、先代モデルのエリートSと共通点が多くあるものの、明確な違いもあり、次世代クラスに位置づけている。主な進化点は、航続距離の延長と先進のエイビオニクスだ。 次世代プライベートジェット エリートIIには、他機種にない多くの最新技術が盛り込まれている。中でも注目すべきは、グラスコックピットだ。ほぼすべての最新ジェット機でも優れたエイビオニクスを提供するグラスコックピットで生産されているが、エリートIIはGarmin G3000エイビオニクス・パッケージを採用し、フライトコントロールに直接統合することで、航空機の能力を次のレベルへと引き上げている。 Photo: Honda エイビオニクス・システムとフライト・コントロールの接続は、オートスロットル機能を提供する。これにより、希望する飛行形態に合わせて機体内部のコンピューターが出力を調整し、パイロットの負担を大幅に軽減するこ。また、緊急自動着陸機能も搭載され、このクラスで初めての機能となる。ホンダのフリート向けおよび中部大西洋地区のセールスディレクターであるマイク・マーフィーは、次のように述べている。 「オートランドは、緊急時に作動し、人間の介入なしに航空機を自律的に制御し着陸させます。自動化技術の統合と相まって、HondaJet Elite IIは信頼性の高い操縦を提供し、運航安全性を高め、パイロットの作業負担を軽減しより効率的な運用を実現します 」。 先進的な機能はコストがかかる。定価695万ドルのエリートIIは、市場で最も高価な4人乗りジェット機だ。しかし、先進の安全機能はコストに見合う価値があると見る向きが多いだろう。 効率的な機体 同機はゼロから設計され、従来の航空機よりも効率的な設計となっています。オールコンポジット製の機体は、可能な限り軽量化し、燃料消費を抑え、より経済的な航空機を目指している。また、他の多くの小型ジェッ