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Showing posts from July, 2022

ジェットブルーがスピリットを吸収合併し、全米第5位のエアラインとなり、レガシー各社に挑戦する。

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  ジ ェットブルー は、 スピリットエアラインズ が フロンティアエアラインズ との契約解消を発表した木曜日、両社取締役会で承認された最終的な合併契約に基き、スピリットを買収する。スピリット買収をめぐって、ジェットブルーとフロンティアが対立していたが、38億ドルの買収案件は、スピリットがジェットブルー提示の1株当たり33.50ドルから34.15ドルの現金を受け入れて完了する(締結のタイミングによる)。 ジェットブルーは、両社統合が完了すれば、年間6億ドルから7億ドルの正味相乗効果が得られると見込んでる。また、統合後の年間売上高は約119億ドルを予想している。 ジェットブルーのCEOロビン・ヘイズRobin Hayesは、「戦略的成長を加速させる今回の魅力的な合併を実現し、ジェットブルー独自の低運賃と優れたサービスの融合を、より多くの顧客とより多くの路線で実現できることに興奮しています」と述べた。「合併は、ネットワークの多様化と拡大、乗務員雇用と新たな可能性の拡大、そして利益ある成長の基盤の拡大を実現するエキサイティングな機会です」。 合併により、米国第5位の航空会社が誕生し、458機の現有機材と300機以上のエアバスA220およびA320neoファミリーのナローボディ機発注となる。 スピリットのCEOテッド・クリスティーTed Christieは、「今回の合意でJetBlueと一体となり、米国の主要航空会社に対し最も魅力的な低運賃の挑戦者を生み出すことができ、大変うれしく思っています」と述べ、「JetBlueと協力し取引を完了させることを楽しみにしています」と語った。 今回の買収は、スピリットがジェットブルーの最初の競合買収提案を拒否し約3カ月後に実現した。当時、同社は、買収提案は株主にとって「受け入れがたいレベルのクロージングリスク」と述べていた。5月16日、ジェットブルーは、スピリット株主に対し、スピリットとフロンティアの合併に反対する投票を促す「Vote No」委任状を提出したと発表し、敵対的買収の開始を示唆していた。 スピリットは、ジェットブルーの提示額が明らかに割高であるにもかかわらず、昨年のノースイースト・アライアンス(NEA)合意で同社を提訴した司法省(DOJ)との戦いが続いていることから、この取引はかなりの反トラスト法監視に直面する可能性があったと

中国規制当局が航空便運行を徐々に緩和の方向。北京から始める。国内国外のエアラインに吉報になるか。

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  中国の航空規制当局は国際商業便運航を 今月から順次 再開すると発表した。 中国は、アジア太平洋地域の中で最も重要な市場の一つだ。同国は世界で最も厳しいパンデミックボーダー体制を敷き続けている。ようやくパンデミックから脱却したことを意味するのか、徐々に再開され始めようとしている。そして、北京では2年超ぶりに国際定期便運航が再開された。 北京から順次開放 コロナウイルスの発生後、中国民用航空局(CAAC)は2020年初頭に北京への国際線直行便の到着を禁止した。北京行き乗客は、事前に承認された都市のいずれかに着陸し、検疫を受けてから首都に向かう必要があった。北京に行く手間もさることながら、中国にさまざまな検疫規則があるため、中国国内の移動も困難だった。  結局、中国は世界から孤立し、中国渡航を希望する人は、様々な条件と混乱の長いリストに直面せざるをえなくなった。国際線は週1便に制限され、国内線も制限された。また、入国者の中からCOVID陽性者が検出された場合、搭乗者数の制限や、国家権限でフライトが完全停止される可能性もあった。  こうした規制が中国に与えた劇的な効果を強調するように、今年7月26日時点の中国発着国際線は100便未満で、2019年同日の2,883便から大きく減少した。 中国の航空会社における国際線再開の準備は十二分に整ってきた。  とはいえ、国内市場が大きいため、中国の航空市場は当初こそ早く回復した。しかし、政府のゼロCOVID政策により、オミクロン変種をきっかけに徹底的ロックダウンが行われ、回復に影響を及ぼした。4月の国内線の1日の総運航便数は約2,000〜3,000便で、前年同月の4分の1以下となった。しかし、主要ハブ空港の再開に伴い、8,000便超まで回復してきた。  一方、中国はいつまでも閉鎖的で国内線だけに頼っているわけにはいかないと考え、CAACは今月初め、国際商業航空を徐々に再開すると発表した。北京を皮切りに、特定国との交渉で、増便を目指すという。 航空各社は運行再開へ準備中 国内航空会社の動き 北京が世界に開かれたことで、中国の航空会社は国際路線網の再開に胸を躍らせているはずだ。 エアチャイナ は、北京-パリ直行便や人気の高い北京-ドバイ線など、アジアやヨーロッパへの国際路線を再開する予定である。  一方、 厦門航空 は、国際路線を再開し

ファーンボロ航空ショー総括。ボーイング、エアバス、勝ったのはどっち?

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  両社とも手ぶらでは帰らなかったが、頂点に立ったのはどちらだったのだろうか? 4 年ぶりに開催されたファーンボロ航空ショーが一段落し、ショーの後によくある質問、「ボーイングとエアバスの戦いでは、今回はどちらが勝ったのか」を振り返ってみた。 ボーイングの勝利 ボーイングにとって間違いなく素晴らしいファーンボロー・エアショーとなった。ボーイングは、民間機192機を確定受注し、さらに アゼルバイジャンエアラインズ から787-8ワイドボディー4機のMoUを獲得した。ボーイングは7月の受注・納入実績を発表していないが、発表されれば、2022年の確定受注数は67%増の478機となる。 注目すべきは、737 MAXファミリーへの信頼の強さだ。 ファーンボロ航空ショーでのボーイングの受注の95%はMAXで、認証未完了の737 MAX 10だけで3分の2を占めた(ショー初日に デルタエアラインズ から大型発注があったことが大きな要因)。  しかし、MAX 8でも カタール と ANA が契約を固め、強力な777パートナーズが30機発注を確定させたことで、良い展示となった。777パートナーズの契約は、超低価格市場で人気を集め始める ライアンエアー 向けに作られた高密度バージョンMAX 8-200が含まれる点で注目された。  この投資家は、現在カナダの Flair とオーストラリアの Bonza の2社を所有しているが、指数関数的に成長しており、今後数年間でさらに多くのMAXを購入する可能性がある。 MAX10はボーイングの主役だった。写真:Tom Boon トム・ブーン|シンプルフライング  イベントで活躍したのはMAXだけではない。5機の確定契約とアゼルバイジャン航空のMoU4機、合計9機のドリームライナーが契約された。ボーイング工場からは同ワイドボディが納入は再開されておらず、新型ワイドボディ市場は不況の兆しを見せているにもかかわらず、である。  旅客機以外では、767-300 BCFを4機、737-800 BCFを3機追加販売し、ANAから2機の旅客機777-9を新型貨物機777-8に機種変更する案件を受注した。その他、MRO、ソフトウェア、サービスなど様々な契約が結ばれ、ボーイングは航空ショーで大忙しだった。 しかし、エアバスが勝った?  エアバスは、ファーンボロでは静かな

民間機にもBWBが登場する日がくるか。米国防総省主導の新型給油輸送機開発では民生応用も視野に。航空技術の革新の起爆剤になるか注目だ。

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  民間航空で革新的な技術がなかなか登場していないのは現状のモデルで利益をどこまで最大化できるかに必死になっているためです。そのため、今でも機体はチューブに主翼をつけるという点では全然進歩がありません。やはり革新的な技術は軍用途にしか期待できないのでしょうか。しかし、今回の米空軍は軍民両用を最初からうたっており、近い将来のエアポートに現れる機体形状が大幅に変わる可能性もゼロではありません。(ターミナル1.2共通記事) Boeing   国防総省は、将来のタンカーや輸送機向けに、BWBへ再び注目している。     米 国防総省は、2026年までのフルサイズ実証機を製造・飛行を視野に、混合翼機(Blended Wing Body, BWB)の設計案を求めている。同省は、設計コンセプトから始め、高効率性の実現に焦点を当てる。同プロジェクトは、将来の空中給油機や輸送機に影響を与える可能性があり、米空軍は過去にステルスタイプ含むBWB設計を検討していた。  今回の情報提供要請(RFI)は、米軍が新しい民生技術を迅速に利用できるよう設立された国防革新ユニット Defense Innovation Unit のウェブサイトに掲載されている。RFIは、民間企業にデジタル設計概念(CoD)の提供を求めている。「ボーイング767やエアバスA330含む民間・軍用機より最低30%空気力学的効率が高い先進的な航空機構成」の実物大プロトタイプにつながるものとある。     昨年、エネルギー・施設・環境担当の空軍次官補(SAF/IE)が発表した、2種類の混合翼機コンセプトを示すインフォグラフィック。新RFIで実寸大実証機として同登場する可能性がある。 U.S. Air Force     上記旅客機2機種は、KC-46AペガサスとA330多用途タンカー輸送機(MRTT)の原型で、とくに前者は空軍のKC-Xタンカー要件で後者に勝ったことが注目すべき点だ。しかし、KC-46は問題や遅延が相次ぎ、運用に限界があるため、A330 MRTTが後続のタンカー購入の候補に残っている。  このことは、DIUが研究対象とするBWB機が、KC-46よりもはるかに高度な航空機、おそらくステルス特性を持つ航空機が想定の将来型KC-Zタンカーとして検討される可能性を示唆しているのか。     ロッキード・マーチン社によ

ファーンボロ航空ショー:エンブラエルE190のP2F貨物機転用プログラムのローンチカスタマーにアフリカのアストラルが登場

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  Photo: Embraer エ ンブラエル がE-Jet P2Fプログラムを開始しわずか数カ月で、アフリカの アストラル・エイビエーション がE190Fのローンチカスタマーとして浮上した。  5月、世界最大のリージョナル航空機リース会社 ノルディック・エイビエーション・キャピタル (NAC)は、エンブラエルとE190F/E195F機の転換枠10機で合意した。NAC保有のE190/E195の機体を使用し、2024年からP2F(Passenger-to-Freight)コンバージョンの納入を開始する。ケニアに拠点を置くアストラル・エイビエーションは、貨物航空ライセンスを持ち、ナイロビのジョモ・ケニヤッタ国際空港(NBO)から定期便と臨時チャーター便を組み合わせ運航している。 3月に発表されたエンブラエルのE190およびE195の旅客機から貨物機へのコンバージョンプログラムでアストラル・エイビエーションがローンチカスタマーになった。 Photo: Embraer. アストラル・エイビエーションの創業者兼CEOサンジーブ・ガディアは、エンブラエルE190Fを同社のアフリカ域内の貨物ネットワークで運航すれば、「変化をもたらす」追加機材になると述べている。アストラルエイビエーションは貨物機8機を保有しており、ch-aviation.comのデータでは、 ボーイング B727が2機、B747F(ウェットリース)2機、B767F1機、マクドネルダグラスDC-9 1機、フォッカーF27 2機だ。機体サイズが異なるため、アストラルの積載量は、フォッカーF27の5トンからB747Fの110トンまでとなっている。ナイロビ、ヨハネスブルグ、ドバイ、ベルギーのリエージュ空港をハブ空港として、アフリカ、ヨーロッパ、中東、アジアの50都市に就航している。  エンブラエルは3月にE-Jet P2Fプログラムを発表し、貨物機市場におけるATR 72とエアバスおよびボーイングのナローボディ機のペイロードギャップをターゲットにしている。エンブラエルは、今後20年間でP2F E-Jetコンバージョンの需要として700機を見込み、旧型E-Jetの貸主や運航会社にとって機体を貨物機として拡張するビジネスチャンスになる。もちろん、これはエクスプレス・eコマース市場を開拓すると同時に、エンブラエルにとっては、