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2026年1月24日土曜日

モバイルバッテリーの機内使用禁止が世界のエアラインで潮流に

 

モバイルバッテリーの機内持ち込み禁止が世界的な流れに? 航空会社が規制強化に乗り出した

クレジット:Shutterstock

Simple Flying

ジェイク・ハーディマン

公開日:2026年1月23日 午前10時39分(EST)

現代社会は携帯電話などの携帯電子機器にこれまでにまして依存している。バッテリー寿命を可能な限り延ばす取り組みは進められているが、使用頻度の高さから、依然として充電が頻繁に必要となっている。移動中に充電したい乗客にとって、ポータブル充電器は理想的な解決策となり得る。

しかし、熱暴走による機内火災の懸念(近年相次ぐ重大な安全事故でさらに高まっている)を受け、世界中の航空会社がこの問題に関する指針の見直しを迫られている。本日早朝、大韓航空が自社および韓進グループ傘下の航空会社において機内でのモバイルバッテリー使用を禁止すると発表したことが、この問題における重大な進展となった。

大韓航空が機内でのモバイルバッテリー使用を禁止へ


韓国のフラッグキャリアでスカイチーム創設メンバーである同社は、2026年1月26日より自社便搭乗客のモバイルバッテリー使用を禁止すると発表した。これにより、同航空会社および韓進グループ傘下のエアプサン、エアソウル、アシアナ、ジンエアーの搭乗客は、機内でスマートフォン、タブレット、ノートパソコン、カメラをモバイルバッテリーに充電できなくなる。

大韓航空は規則変更の背景として「安全対策の強化」を挙げ、「リチウムイオン充電器による機内火災事故が増加する中、航空業界では飛行安全確保のため客室規則の強化が必要と強調されている」と説明。使用は禁止されるものの、現行規制に基づき充電器の機内持ち込みは可能であり、同社は次のように補足している:

「機内でのモバイルバッテリー使用禁止は、最高レベルの飛行安全を確保するための必要措置であり、乗客のご協力が不可欠です」

ルフトハンザも規制強化

大韓航空の決定は一夜にしてなされたものではない。韓国の国営航空会社(およびその韓進グループ傘下の提携航空会社)は、モバイルバッテリーの輸送をより安全にするため、様々な規則を導入していた。これには「チェックインカウンターや搭乗ゲートでの短絡防止用絶縁テープの使用、航空機への防火バッグの装備、過熱検知のための温度感知ステッカーを収納ボックスに貼付すること」が含まれると説明している。

実際、このような断固たる措置を取った主要航空会社は韓国航空だけではない。例えば、Simple Flyingは先週、ルフトハンザが自社便およびルフトハンザグループ提携便で同様の禁止措置を実施したと報じた。これらの制限は1月15日に発効し、乗客はルフトハンザ機内の座席電源を使用してモバイルバッテリーの充電もできなくなった。

ルフトハンザは、この規則に「承認ずみ個人用医療機器の使用については例外が認められる」という例外がある点を強調した。それでもなお、この断固たる措置はルフトハンザが本件を真剣に受け止めていることを示しており、他の航空会社も確実に追随するだろう。

注目すべき事故が安全懸念を浮き彫りに

リチウムイオン電池搭載機器の熱暴走・発火事故が相次いだことで、民間航空機内でのモバイルバッテリー持ち込み・使用制限が急速に拡大している。特に顕著な事例は2025年1月、釜山発ソウル行きのエアプサン391便(エアバスA321)で発生した事故だろう。

韓国運航のナローボディ双発ジェット機が釜山でタキシング直前に炎上。機内収納棚に置かれたバッグ内のバッテリーが火災原因との疑いがすぐ浮上した。幸い、地上事故だったため乗員乗客全員が無事避難できたが、機体は炎上で全損した。飛行中に発生していたら、壊滅的な犠牲者が出ていた可能性が高い。■


Will Power Bank Bans Go Global? Why Airlines Are Finally Cracking Downock


Jake Hardiman

https://simpleflying.com/will-power-bank-bans-go-global-airlines-cracking-down/

ドイツ語専攻の卒業生であるジェイクは、歴史と地域航空に情熱を注ぎ、新たな航空会社や航空機の体験を楽しんでいる。ブリストル、トゥールーズ、シアトルなど世界各地のOEM施設を訪問し、最近では旅客として150便目のフライトを達成した。英国ノーフォーク在住。


2025年2月25日火曜日

あわや大惨事 アシアナ航空のエアバスA350-900がサンフランシスコ空港へのアプローチで3マイル離れた地点で375フィートまで降下し、管制官が異常に気づき、ゴーアラウンドで無事着陸した

Asiana Airlines Airbus A350-900 landing at Los Angeles International Airport LAX

Photo: Wirestock Creators | Shutterstock



アシアナ航空の航空機がサンフランシスコ国際空港での着陸アプローチ中に問題を起こし、滑走路から3マイルも離れているにもかかわらず予想以上に高度を下げた。同機はソウルから到着の便だった。


アシアナ航空A350が高度を下げる

2月23日、アシアナ航空のエアバスA350-900型機(OZ-212便)がサンフランシスコ国際空港(SFO)への最終アプローチ中、管制官が高度の異常に気づいた。

 The Aviation Heraldの報道によると、サンフランシスコ空港管制塔はA350のクルーに連絡し、低高度警報を発し、高度を確認するよう求めた。その後、アシアナのコックピットクルーはゴーアラウンドを開始し、16分後に2度目のアプローチで着陸した。

 エイビエーション・ヘラルド紙の記事を引用する、

"ADS-Bデータによると、航空機は滑走路閾値の3.05nm手前で1000フィートにあるべきところを、約650フィートAGL(実際の周囲気圧に補正された標準気圧で測定したトランスポンダによると325フィート)下降していた。"


Flight path

Photo: Flightradar24


 ソウル=サンフランシスコ間は複数の航空会社が就航しており、混雑している路線である。航空分析会社Ciriumのデータによると、2月のソウル=サンフランシスコ便は135便以上。ユナイテッド航空、大韓航空、エアプレミアもこの路線に就航している。


ミス・アプローチ

パイロットはミス・アプローチ対応に十分な訓練を受けており、操作を安全に行う標準的な手順が整備されている。しかし、視界が悪い、進入速度が不安定、滑走路との位置関係が正しくないなど、さまざまな理由でコックピットクルーがゴー・アラウンドを開始することがある。

 進入失敗は必ずしもパイロットのミスではなく、航空機と乗員の安全を維持するための標準的な手順の一部と考えられている。着陸の直前まですべてがうまくいっていたのに、突然の状況変化で迂回を余儀なくされることもある。

 着陸アプローチが安全でないと判断されると、航空機は指定された高度まで上昇しなければならない。パイロットはエンジン出力を上げ、着陸装置を格納し、安全な上昇を確立する。ゴー・アラウンドの後、航空機は管制官からの具体的な指示に従うが、これにはホールディング・パターンへの参加や別のアプローチへのベクトルが含まれることもある。 シンプルフライングでは、以下の記事で詳しく分析している。


関連記事

  • ミスアプローチとゴーアラウンド: 知っておくべき5つのこと

  • ゴーアラウンドは、着陸が妨げられたり、条件が不利になった場合によく行われる。


類似の事故

アシアナ航空の事故と似たような事件は過去にもあった。 2024年6月、サウスウエスト航空の航空機が、オクラホマシティの空港滑走路から数マイルしか離れていないのに、地面に大きく接近した。この事件は低高度警告を引き起こし、航空管制官がパイロットと状況を確認するよう促した。

 ボーイング737-800型機は、オクラホマシティのウィル・ロジャーズ・ワールド空港から9マイル地点で約500フィートまで降下し、ユーコン高校の上空を低空飛行した。コックピットクルーは迂回すると答え、3,000フィートを維持するようATCから指示を受けた。737は2度目の着陸に成功した。

 その1カ月後、別のサウスウエスト航空のボーイング737型機がタンパ国際空港(TPA)への進入中に同様の事故に巻き込まれた。悪天候の中、航空機はタンパ湾の水面に危険なほど接近し、高さ150フィートに達したと報告されている。

 管制官はパイロットに高度を確認し、航空機の高度計が適切に設定されていることを確認するよう指示した。その後、同機はなんとか高度を上げたが、パイロットはゴー・アラウンドを行い、フォートローダーデールに迂回することにした。

 サウスウエスト航空は昨年、安全性に関連する複数の事故を起こし、連邦航空局(FAA)による監視が強化されたが、 昨年12月、FAAは重大な安全上の問題を指摘せず、審査を終了した。■


Asiana Airlines Airbus A350-900 Dips To 375 Feet On Approach 3 Miles Away From San Francisco

By 

Gaurav Joshi

Published 27 minutes ago

https://simpleflying.com/asiana-airlines-airbus-a350-900-375-feet-san-francsico-approach-3-miles/



2025年2月4日火曜日

事故連発を受け韓国が航空安全を抜本的に見直す体制へ―済州航空の悲劇的な事故と釜山航空機の炎上事故(犠牲者はなし)

 Jeju Air Boeing 737-800 landing in Da Nang, Vietnam shutterstock_2280358869

Photo: Thanhliemnguyen | Shutterstock


韓国交通運輸部(MOLIT)は、釜山航空と済州航空が起こした2つの重大事故を受け安全革新委員会を発足させると発表した。

安全状況の改善

MOLITは2月4日の声明で、エアプサンの航空機火災事故と済州航空の7C2216便死亡事故後の後続措置として、国内の航空安全を向上させるという使命の一環として「航空安全革新委員会」を設置すると述べた。

委員会の初会合は2月4日に開かれ、民間部門の専門家を含む関係者が、委員会の方向性と目標を定める委員長を選出した。 委員会には、航空安全や空港の専門家約20人が参加している。

MOLITは、委員会は4月まで約10週間活動し、専門家20名は「航空安全部門」と「空港施設改善部門」の2つの部門に分けられると指摘した。

 「今後、委員会では、航空会社の運航許可発給時の安全審査強化、航空安全投資公開制度の改善、空港建設・運営規制の改正、空港運営認証・運営検査の改善など、航空安全システム改革のための様々な方策や、【済州航空事故】の復旧過程で主に指摘された問題点などを議論する」。


制度の改善案


さらに声明は、委員会は3月末までに航空安全の制度的改善を提案する計画を策定すべきであると続けた。 この計画は、航空会社や空港への立ち入り検査、国内外での事故の分析に基づいている。

4月には、委員会は公聴会を開き、韓国の航空安全状況を改善するための計画について意見を聴取する。


委員会の初会合を主宰したMOLITのペク・ウォングク第2副大臣は、国内の安全状況の改善は政府が優先的に取り組むべき課題だと述べた。

"わが国の航空安全システムに対する信頼を回復するため、政府は航空安全システムをゼロから再構築するために断固として努力する"


死亡事故が注目を集めた

ここ数週間、韓国では2つの注目される安全事故が発生した。12月29日、済州航空のボーイング737-800型機(機体番号HL8088)が務安国際空港(MWX)で腹部着陸を試みて墜落し、1月28日にはエアプサンのエアバスA321ceo(機体番号HL7763)が金海国際空港(PUS)で着陸前に炎上した。


Jeju Air Boeing 737-800 crash site at Muan International Airport MWX

Photo: ARAIB


済州航空の事故は、乗客177名と乗務員の死亡という結果を招いたが、エアプサンの機に搭乗していた乗務員を含む176名全員が航空機から無事脱出した。

韓国航空鉄道事故調査委員会(ARAIB)はエアプサン事故に関する予備報告書を発表していないが、調査官によると、済州航空の737-800型機はゴーアラウンド中にバードストライクを起こしたという、 航空機は滑走路を滑り落ち、ローカライザーアンテナシステムの一部であるコンクリート構造物に衝突した。■

South Korea Will Overhaul Aviation Safety Systezm After Jeju Air Crash & Air Busan Fire

By 

Rytis Beresnevičius

https://simpleflying.com/south-korea-overhaul-aviation-safety-system-jeju-air-air-busan/




2024年12月25日水曜日

乱気流状態の増加に対し韓国政府が乗客のシートベルト着用を促進するキャンペーンを開始―乱気流の発生は予測不能で、すでに乗客乗員に死傷者が発生しており看過できない状況に

 



Turbulent times.





韓国の聯合ニュースによると、韓国国土交通省は12月24日、フライト中のシートベルト着用を促進し、機内乗客の乱気流に伴うリスクに対する国民の意識を高める新しいキャンペーンを発表した。12月25日から2025年2月2日までのキャンペーンは、年末の旅行シーズンのピークと重なる。


高まる乱気流による事故リスク

このキャンペーンは、旅行者に乱気流に関連した事故のリスクが高まっていることを伝え、安全規制の厳守を促進することを目的としている。 俳優のキム・グァンギュと人気ガールズグループのCLASS:yがCMやキャンペーンソングに出演し、総務省はこれらの有名人を通じて国民に関心を持ってもらいたいと考えている。認知度を高めるため、このキャンペーンでは主要空港やKTX新幹線など公共交通機関にデジタルディスプレイを設置する。

 運輸省によると、近年、乱気流は航空事故の主な原因となっている。過去3年間のデータによると、乱気流による航空事故は世界で111件発生しており、記録された航空事故全体の62%近くを占めている。韓国でも、乱気流による事故が顕著に増加している。2024年上半期だけで、韓国の航空会社は14,820件の乱気流関連事故を報告し、前年から増加し、2023年の総乱気流事故の72%を占めている。

 大韓航空含む航空会社や運輸省による啓蒙キャンペーンは、韓国が旅行のピークシーズンを迎えるにあたり、機内安全の重要性を国民に伝える努力を強化している。運輸省は、シートベルトを定期的に着用することが、特に緊迫した状況において極めて重要な安全対策であることを強調している。


大韓航空の予防措置

韓国最大の航空会社大韓航空は、乱気流に関連した事象の増加を受けて、機内サービスの安全性に多くの改善を行った。安全性への懸念から、同航空は夏にエコノミークラスのメニューからインスタントラーメンを取り除いた。インスタントラーメンは、こぼれたり飛び散ったりしやすいため、エコノミークラスでは通常、熱いまま大量に提供される。

 大韓航空の広報担当者は本誌の取材に対し、麺の代わりにサンドイッチ、コーンドッグ、ホットポケットなど、豊富な種類の食べ物が提供されるようになったと語った。機内での飲み物をより自由にコントロールできるようにするため、長距離便にはセルフサービスのスナックバーが設置された。予期せぬ乱気流で火傷を負う可能性を減らすことで、これらの改良は乗客の安全性を向上させる大きな計画の一部である。

 また、機内サービスの提供手順も変更された。この新しいルールの目的は、高度によって気温が異なるため乱気流が発生しやすい降下の開始前に、客室乗務員が着席しベルトを締めていることを確認することにある。


写真 Phuong D. Nguyen|Shutterstock


世界的な乱気流の増加

世界の航空業界は、ここ数カ月で乱気流の発生頻度と強度が上昇していることを懸念している。その危険性は、2024年5月にシンガポール航空のボーイング777で発生した乱気流のエピソードなど、よく知られた事故によって明るみに出ている。ロンドンからシンガポールに向かっていた同便は、急激な高度低下でバンコクに迂回せざるを得なくなり、1人が死亡、数人が負傷した。同様に、ターキッシュ・エアラインズ機では、客室乗務員が極度の乱気流で客室天井に衝突し、背中を骨折した。

これとは別に、ドーハ発のカタール航空機が乱気流に襲われ、乗客6人と乗員6人が負傷した。着陸後、救急隊がダブリン空港で航空機を出迎え、手当てを行った。これらの悲劇は、乱気流がいかに予測不可能であるかを浮き彫りにし、シートベルト着用などの安全対策がいかに重要であるかを示している。■


Turbulence On The Rise: New South Korean Government Campaign Promotes Seat Belt Use On Planes


By 

Mia Ping-Chieh Chen


https://simpleflying.com/turbulence-incidents-rise-new-south-korean-campaign-promotes-seat-belt-use-planes/


2024年2月1日木曜日

民間航空にも危険が迫っている。ロシアによるGPS妨害がバルト海地区で日常茶飯事になっていることからNATOの忍耐力が試されている。なぜ日本が安全だと言い切れるのでしょうか。

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A screengrab of reported navigation issues in the airspace over eastern Europe on Jan. 19, 2023. (GPSJam screengrab)


ウクライナ戦争は、安価な無人航空機の使用からこれまでにない規模の情報戦まで、現代の戦場における新戦術を前面に押し出した。しかし、同時に最新の電子戦も展開されている。ロシアによる可能性が高い、危険な干渉らしきものについて米大統領による国家宇宙ベース測位ナビゲーション・タイミング国家諮問委員会のメンバー、デイナ・ゴワードDana Gowardが分析した。

公開されている航空機追跡データベースによると、1カ月以上前から、バルト海沿岸地域を飛行する航空機は、GPS信号への各種干渉を経験している。場合によっては、GPS受信機が電子的に捕捉されたり、航空機が意図したルートから何マイルも外れているように「スプーフィング」されたりしているようだ。

妨害やなりすましは以前からあるが、この地域ではほぼ毎日何らかの妨害が行われており、定期的に広範かつ重大な妨害が行われている。ウクライナ侵攻を支援するNATO諸国への嫌がらせとして、ロシアがこの活動の背後にいることはほぼ間違いないとされてきた。

このような妨害行為は、何千機もの民間航空機に危険を及ぼすものであるが、国際的な圧力は今のところ妨害行為を止めることができないため、NATOは相応の行動をとる時期に来ている。

12月25日と26日、ポーランド北部とスウェーデン南部の広い範囲が影響を受けた。翌週の大晦日には、フィンランド南東部の広い範囲で航空機の乱れが報告された。1月10日、13日、16日にはポーランドの北半分が主な標的となった。19日には、スウェーデン南部とポーランド北部が影響を受けた。直近では1月24日にエストニアとラトビアが標的となった。

いずれの場合も、妨害は民間航空機が搭載する航空安全ADS-Bシステムによって検知され、ウェブサイトGPSJam.orgに表示された。

テキサス大学ラジオナビゲーション研究所の大学院生ザック・クレメンツによるクリスマス妨害の分析。クレメンツ氏はGPSの妨害について研究しており、地球低軌道上の衛星から発生源を突き止めることに関して発表している。

インタビューで彼は、広範囲に広がる送信機多数が関与していると判断したと述べた。あるものはGPS信号を妨害してサービスを拒否していた。しかし、少なくとも1個の送信機は、航空機を偽装し、計器が実際の位置から遠く離れ、円を描いて飛行しているように見せていた。

「サークル・スプーフィング」現象は、船舶では頻繁に観察されてきたが、航空では今回が初めての報告であった。

クレメンツによれば、ロシア国内がスプーフィングの発生源であることは間違いないという。「航空機がスプーフィングによる影響を受け始めた地点と、航空機が本物のGPSを取り戻した地点から、スプーファーはロシア西部のどこかにいることがわかる。「興味深いことに、航空機がスプーフィングされた場所は、ロシアの退役したスモレンスク軍事空軍基地から約1キロの野原である」。

スタンフォード大学のジクシー・リュウ大学院研究員は、クリスマスの妨害にはほぼ間違いなく多くの妨害機が関与していることを筆者に確認した。以前の研究でリュウは、ADS-Bデータを使ってGPS妨害の発生源を地理的に特定している。

モスクワは広範囲に及ぶ妨害行為を否定していると報じられているが、ウクライナのメディアは、「...2023年12月中旬以降、ロシアのバルチック艦隊の部隊がカリニングラード州でEW(電子戦)システムBorisoglebsk-2を使って演習を行っている 」と報じている。

米国とポーランドのアナリストによれば、この干渉は、国境付近で西側の影響力が強まっていることに対するロシアの対応の一環だという。12月中旬、米軍とポーランド軍はポーランド北部でイージス対ミサイルシステムを作動させた。その直後、トルコ議会はスウェーデンのNATO加盟に道を開く行動を開始した。

ロシアのこのような反応は前例がないわけではない。2022年、ウラジーミル・プーチン大統領はフィンランドとスウェーデンがNATOに加盟しようとするならばと脅した。その後、フィンランドのサウリ・ニーニスト大統領はジョー・バイデン米大統領と会談し、防衛関係の改善を話し合った。その後間もなく、フィンランド南部、カリニングラード、ロシア、バルト海近辺の上空を飛ぶ飛行機がGPS妨害を報告し始めたと『ガーディアン』紙が報じた。

最近の妨害やなりすまし事件でポーランドに焦点が当たっているのは、ポーランドの新しいアメリカ製対ミサイル・システムの重要性を軽視しようとするロシアの努力かもしれない。同様の妨害は、米国がウクライナに供給した精密兵器の多くにも及んでいる。ポーランドのイージス施設はGPSではなく高出力レーダーを主に使用しているとはいえ、今回の干渉はシステムに対する国民の信頼を損なう狙いの可能性がある。

また、一部オブザーバーは、ポーランドでの干渉が戦略的なスワウキ・ギャップを通る道路にも及んでいると指摘している。ポーランドのリトアニア国境に平行する全長40マイルのこのルートは、ロシアの盟友ベラルーシとバルト海に面したロシアのカリニングラードを直接結んでいる。軍事アナリストは以前から、この地域はヨーロッパの陸上紛争で重要地点になると考えてきた。

これらの攻撃は、国際空域や海域を航行する他国の航空機や船舶を標的にしてきた。また、NATO加盟国の主権領土やインフラにも影響を及ぼしている。

さらに、生命と財産に多大なリスクをもたらしている。

大手国際航空会社の上級機長ジョー・バーンズは、「GPS信号が利用できなかったり、何らかの形で危険にさらされたりすると、大きなリスクにさらされる」と語った。バーンズ機長はまた、GPSとその関連問題についてアメリカ政府に助言を与える委員会のメンバーでもある。「GPSへの干渉は事故のリスクを高め、ほとんどの場合システムの速度を落とし、フライトをより長く、より高くする」。

GPS信号への偶発的な干渉は、2019年にアイダホ州サンバレーで民間旅客機の墜落を引き起こしかけた。航空関係者はその後、国際民間航空機関(ICAO)にGPS妨害を緊急課題として挙げた。翌年、ICAOはすべての国に対し、この問題の重大性に留意し、適切な行動をとるよう呼びかけた。国際海事機関も同様の呼びかけを行っている。

安全上の懸念に加え、GPSやその他の衛星信号への意図的な干渉は、国連の国際電気通信連合(ITU)の全加盟国によって合意された国際法および規制に違反する。2022年の通達でITUは、2021年に記録された航空関連の衛星ナビゲーション干渉万件以上の事例を挙げている。同通達は、このような行為が有害な干渉に対する規則に違反することを強調し、次のように述べている。「......一般に『GNSS(全地球航法衛星システム)ジャマー』と呼ばれる装置や、航空機に有害な干渉を引き起こす可能性のあるその他の違法な干渉装置の使用は、無線規の第15.1号によって禁止されている......」。

国際社会は、バルト海で見られるような電子戦が戦争であることを認識しなければならない。そして、宣戦布告がないにもかかわらず、ロシアは他国、特にNATO加盟国を標的とした一連の低レベル攻撃を意図的かつ組織的に行っている。

国際機関による話し合いや宣言が機能していないことも明らかだ。問題は悪化するばかりだ。

NATOと国際社会には、適切かつ比例的な対応で選択肢があり、速やかに検討され、採用されるべきである。例えば、新しい衛星の周波数割当てはITUが管理している。他国の衛星の信号を日常的に妨害していると判明した国に対して、新たな割り当てを拒否することは適切であると思われ、良い第一歩となる。

増大するこの問題が大きな犠牲者を出したり、NATOが直接関与する武力紛争に発展する前に、より断固とした明白な行動をとる必要がある。■


Dana Goward is the president of the Resilient Navigation and Timing Foundation and a member of the US Presidents’s National Space-Based Positioning Navigation and Timing National Advisory Board. He formerly served as the Director of Marine Transportation Systems for the US Coast Guard.

https://breakingdefense.com/2024/01/as-baltics-see-spike-in-gps-jamming-nato-must-respond/


2023年11月18日土曜日

消息を絶ったままのMH370便で中国の裁判所が遺族に対する補償の審理を開始する----事件は来年で10年となるが依然真相は不明のままだ

 

Photo: ahmad.faizal | Shutterstock


SimpleFlyingの記事からです。

  • MH370便の悲劇に関連した支払い請求に対する法廷審理が中国でまもなく始まる

  • MH370便と乗客の運命はいまだ不明。

  • MH370便の捜索は2018年に打ち切られたが、破片などの証拠から、失踪の原因と思われる点で知見が得られている

マレーシア航空370便(MH370)の犠牲者の親族が補償金を受け取る可能性が出てきた。遺族の代理人が11月17日金曜日にこのニュースを明らかにした。MH370便がインド洋南部上空で消息を絶ち10年近くが経過している。様々な説が浮上しているが、ボーイング777-200ER型機と乗客の運命に関する決定的な説明は今もない。

航空機の失踪原因が未解明のため、マレーシア航空の正確な金銭的債務も不明のままである。これまでのところ、航空会社や乗務員に対する告発はないが、遺族は補償を望んでいると伝えられている。

ABC Newsによると、Jiang Hui氏の母親はMH370便に乗っていた。通知を受け取った後、彼は11月27日に法廷審問が始まり、12月中旬まで続くとソーシャルメディアに書き込んだ。ホイは、失われた人々の親族のための正義への希望をこう表明した:

「中国の法律が、過去10年間一銭の補償も謝罪も受け取っていない遺族に正義をもたらしてくれることを願っています。154人の中国人を含む239人の命が失われたことは、恥ずべきことです」。

ABCニュースは、中国の法制度は曖昧であり、刑事罰が決定できない場合、裁判官が法的または金銭的処罰を下す自由範囲が広いと指摘している。概要によると、北京の朝陽区中間裁判所で審理される予定だが、同裁判所のウェブサイトにはそれ以上の情報は掲載されていない。

MH370の捜索は、4年間にわたる激しい捜索の後、2018年に打ち切られた。それ以来、研究者たちは同機の運命の理由を説明するのに役立ちそうな証拠を発見してきた。最近では、マダガスカルの海岸に流れ着いた破片が、MH370便が意図的に墜落させられたとの説に貢献している。

7月には、一旦は海洋ゴミとして処理された破片が、MH370便の機首ホイールドアの一部だと確認された。40点以上の破片が発見されたものの、機体の大部分はまだ見つかっていないため、謎は未解決のままだ。

CNNによると、犠牲者の家族は3月、マレーシア政府に対し、米国を拠点とする海底探査会社オーシャン・インフィニティが残骸の新たな捜索を行うことを認めるよう求めた。2018年の捜索中止の際、マレーシア政府はオーシャン・インフィニティが飛行機を発見した場合、7000万ドルを支払うと申し出たと報じられている。それでも何も発見されなかった。

Voice370として知られる犠牲者の親族グループは、オーシャン・インフィニティが昨年1年間、捜索を成功させたことに自信を示していた。

「オーシャン・インフィニティは、この12ヶ月間、2014年の出来事をより深く理解するために大きな進歩を遂げました。「最終的に、これは捜索を成功させる可能性を大きく向上させた。

マレーシア、中国、オーストラリアは2017年、2年にわたる海底捜索を終えた。この捜索に1億3500万ドルの費用がかかったが、機体の痕跡は発見されなかった。■

Chinese Court Starts Compensation Hearings For MH370 Families

BY

CHANNING REID

PUBLISHED 1 DAY AGO

Next year will mark the 10th anniversary of the flight’s disappearance.


2023年10月21日土曜日

航空事故調査の完了が世界的に遅れている。最終報告までたどり着くのは半数以下。これでは空の安全確保がままならないとIATA/ICAOが警鐘を鳴らしている。

 



  • Photo: kcube - kaan baytur | Shutterstock


  • IATAが事故調査のコンプライアンス強化を求める


  • 最終報告書が作成される事故は、世界で半数に満たない

- 事故報告のコンプライアンスは世界的に低迷し、航空業界が事故から学び、安全基準を向上させることが困難になっている

- IATAの最新統計によると、2018年から2023年で事故242件のうち、最終報告書が提出されたのは47%で、うち12カ月以内に提出されたのはわずか39件だった

- リソース不足、熟練スタッフの不足、航空会社やパイロットによる犯罪化への恐怖などが要因だ



国際航空運送協会(IATA)は、事故報告のコンプライアンスと質の向上を目指しており、先月開催されたIATA世界安全運航会議(WSOC)で計画を発表した。

事故報告遵守の遅れ

民間航空旅行は今日、世界で最も安全な交通手段だが、IATAや国際民間航空機関(ICAO)は、業界のすべての利害関係者が厳格な安全基準に合致するよう努力している。

安全性の重要な側面のひとつは事故報告だ。事故原因に関する詳細情報がなければ、航空業界は事例から学び、改善ができない。残念ながら、世界中の事故調査機関はこの点で遅れをとっている。

IATAのウィリー・ウォルシュ事務局長は6月に以下述べた、

「事故調査プロセスは、世界的な安全基準を構築する上で最重要な学習手段です。しかし、事故から学ぶためには、完全かつアクセスしやすく、タイムリーな報告書が必要です」。

本誌は、9月にハノイで開催されたIATAのWSOC会議で、IATA安全担当グローバル・ディレクター、マーク・サールに話を聞いた。過去10年間、航空業界全体の安全基準は大幅に改善されたが、事故報告は年々悪化している。

IATAの最新の数字によれば、2018年から2023年の間に報告された242件の事故のうち、最終報告が出たのは113件(47%)に過ぎない。ICAO付属書13では、事故調査官は30日以内に予備報告書を提出し、その後12カ月以内に詳細な最終報告書を提出しなければならないとある。この期間内に最終報告書をまとめることは必ずしも可能ではないが、12カ月以内に提出できた最終報告書は113件のうち39件しかなかった。

複雑な問題

報告書の水準が十分でない理由には、さまざまな要因が絡んでいる。まず最も明白なのは、多くの国家が調査を適切に進めるリソースを欠いている。業界全体で深刻な人材不足があり、調査機関も適切な人材の確保に苦労している。

香港エクスプレス航空のルーベン・モラレス安全・リスク管理部長によると、航空会社やパイロットによる「犯罪化への恐れ」も調査プロセスを妨げ、事故に最も近い立場にある者が自由に情報を漏らすことを躊躇させる。

さらに、複数機関が調査に関与することが多く、ある程度の競争が生じている事実もある。

これにどのように対処できるだろうか。ICAOには事故調査機関に罰則を科す権限がないため、業界間の調整に重点を置き、事故報告の重要性を強調している。多くの地域では、高レベルの事故調査を行うリソースや訓練が不足しているため、IATAは訓練基準を強化し、各国に十分なリソースを確保したいと考えている。

IATAのサールは一部地域でリソースをプールするアイデアも提案した。独立した事故調査官を擁する国は世界で約40%に過ぎないため、地域調査機関を設立すれば、基準が大幅に上がるだろう。

報告書を提出するだけでなく、質の高い詳細な情報の提供を強調する声が業界に多い。事故では予備報告書の提出を必要とするが、調査官が詳細な最終報告書をまとめることができないのが現状だ。■

IATA Calls For Greater Accident Investigation Compliance

BY

LUKE BODELL