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2025年12月12日金曜日

ブーム・スーパーソニックは超音速旅客機の開発に先立ちAIデータセンター向け発電タービン開発へ戦略転換(FlightGlobal)

 

やはり超音速旅客機の復活には障壁も高いのでしょうか、同社は開発資金調達とともに新型エンジンの知見を得る意味でも陸上で運転するデータセンターの膨大な発電需要に目をつけたようです。

ジョン・ヘマーディンガー 2025年12月10日

Boom Supersonic Overture

Source: Boom Supersonic


超高速航空機の開発企業ブーム・スーパーソニックは戦略を転換し、まずAIデータセンター向け発電タービンを開発し、その収益で旅客機「オーヴァチュア」の開発資金を賄う方針を打ち出した。

12月9日に明らかになったこの動きは、デンバー拠点の同社にとって大きな転換点となる。同社は2014年の創業以来、超音速旅客機の復活というビジョンを頑なに貫いてきた。

ブームの創業者兼最高経営責任者(CEO)であるブレイク・ショルは、目標が依然として最優先事項であると主張し、発電分野への転換は、最終的にオーヴァーチュアを市場に投入するための明確で具体的な手段を提供すると説明している。

出典:Boom Supersonic

ブームのショルCEO、オーヴァーチュア開発が依然として同社の最優先課題と表明

「航空機から目を離しているわけではない。ただ、まずエンジンを市場に送り出すだけだ」とショルはFlightGlobalに語った。「これはオーバーチュア開発の順序変更であり、最終的には加速剤となる」とショルは付け加えた。「これにより超音速飛行は、従来よりはるかに早く復活するだろう」。

ただしオーバーチュア事業は「短期的な遅延」が生じる見込みで、ショルはブームが依然として約5年以内に顧客へ航空機を引き渡す目標を維持していると述べた。

新戦略の発表に際し、ブームはダルサナ・キャピタル・パートナーズ主導の資金調達ラウンドで追加3億ドルを獲得したと明らかにした。この資金は、同社が計画する天然ガス燃焼式42MW発電タービン「スーパーパワー」の開発に充てられるという。

デンバーに拠点を置くAIインフラスタートアップのクルーソーは、自社のAIデータセンター向けにスーパーパワータービン29基を発注している。これによりブームは同エンジンで12億5000万ドル相当の受注を確保したとしている。

ブーム社は、この計画が合理的だと説明している。スーパーパワーのコア部分は、同社がオーバーチュア向けに開発中のタービン「シンフォニー」のコアとほぼ同一となるからだ。オーバーチュアは乗客60~80名を乗せ、マッハ1.7での飛行を目指している。

Boom Superpower power turbineBoomが構想する発電用タービン「Superpower」出典:Boom Supersonic

ブームの方針転換は、AI分野の機会と航空機エンジン開発の難しさの両方を反映している。数年前、主要エンジンメーカーが撤退した後、同社はフロリダ・タービン・テクノロジーズの支援を得て、ほぼ独自でこのエンジンの開発に着手した。一部観測筋は、スタートアップが乗り切れるにはこのプロジェクトがあまりにも高価で複雑と見ていた。

ショルは現在、オーヴァーチュアのエンジン開発には「数十億ドル」の費用がかかると述べている。しかもブームはエンジンの信頼性を顧客に証明する必要がある。

こうした困難な状況の中でショルは2件の電話を受けた。1件はブームの初期投資家であるOpenAIのサム・アルトマンCEOから、もう1件はAIインフラスタートアップCrusoeの共同創業者カリー・キャヴネスからだった。

「二人とも『ブレイク、優先順位を変えろ。まず発電タービンを開発し、飛行機は後回しにしろ』と言ってきた」とショルは語る。

この戦略は「極めて合理的」で「オーバーチュアの最大の問題を解決する」と彼は付け加える。「当社は…発電用タービンを販売し、信頼性データを収集するつもりだ」。

シュールは、発電タービンの販売でオーバーチュアに必要な資金は全て賄えると主張しており、新たに調達した3億ドルは「実際には今後必要となる最後の投資資金だ」と述べた。

スーパーパワータービンは、個々のAIデータセンターに電力を供給することを目的としている。ジェネラル・エレクトリックなどの企業が製造する同様のパワータービンと競合する見込みだ。

ショールは、ブーム製品はクリーンシート設計のタービンを基盤としているため優位性があり、競合製品に見られる高温環境下での性能劣化も起こさないと説明する。

ブーム社は既にデンバー近郊でスーパーパワータービンの製造を開始している。来年中に初期試験運転を完了し、2027年に最初の納入を予定している。■


Boom Supersonic pivots to develop electricity turbines for AI data centres before supersonic airliner

By Jon Hemmerdinger10 December 2025

https://www.flightglobal.com/airframers/boom-supersonic-pivots-to-power-generation-before-overture-development/165637.article


2025年1月29日水曜日

ブームの XB-1デモ機が超音速飛行に成功(The War Zone)―ターミナル1(民間航空)、ターミナル2(軍用航空)共通記事とさせていただきます

ブーム・スーパーソニックのXB-1デモンストレーターが今日11分余りで超音速に達した。YouTubeのスクリーンショット



音速超えのマイルストーン達成は重要な進展で、ブーム・エアロスペースは超音速民間機を飛ばした初の民間企業となった


ブーム・スーパーソニックのXB-1実証機が音速の壁を破り、オーバーチュアとして知られる55人乗り超音速旅客機の設計につながる取り組みで大きなマイルストーンとなった。同社のプログラムは民間航空のみならず、軍事的にも重要な意味を持つ可能性がある。


ブーム・スーパーソニックのXB-1デモンストレーターが初めて音速の壁を越え、超音速に達した。 YouTubeのスクリーンショット


 同機は、元米海軍の飛行士でブームのテストパイロットであるトリスタン・"ゼペット"・ブランデンブルグによって、カリフォルニア州モハベ航空宇宙港を離陸し、マッハ1.1の速度を記録した。 飛行中、XB-1はA.J. "フェイス "マクファーランドが操縦するATACミラージュF1とT-38タロンの2機の超音速ジェットに随伴された。飛行中、XB-1は3回超音速領域に突入し、30分強の飛行の後、モハベに無事着陸した。


テストパイロットのトリスタン "ゼペット "ブランデンブルグが操縦するXB-1は、本日カリフォルニア州モハベ航空宇宙港から離陸した。


YouTubeスクリーンショット追撃機ミラージュF1を従えたXB-1。 



1947年10月、世界で最も有名なテストパイロット、チャールズ・E・"チャック"・イェーガーが人類で初めて音速の壁を破ったX-1ロケット機にちなみ名付けられたベルX-1超音速回廊の地図。 アメリカ空軍


 XB-1は、X-1、ノースアメリカンX-15、ロッキードSR-71ブラックバードなどの歴史的な初飛行を基に、"テストフライトバレー"で飛行する最新の超音速プラットフォームとなった。

 最終的に、XB-1の最高速度はマッハ2.2(時速1,687.99マイル)程度になると予想されている。

 「ベビーブーム」とも呼ばれるXB-1は、オーバーチュアの3分の1スケールの技術実証機である。2024年3月22日にモハベで初飛行を行った。その飛行中、XB-1は最高速度238ノット(時速273マイル、マッハ0.355)で飛行し、高度7,120フィートを達成した。その際、チーフ・テストパイロットであるビル・"ドク"・シューメイカーが操縦し、T-38タロンのチェイス機を操縦する "ゼペット"・ブランデンブルグが飛行をモニターした。

 ブーム・スーパーソニックは2020年10月7日、米国の民間登録コードN990XBを持つXB-1を発表した。同社は2016年11月、オーバーチュア計画を発表して約8カ月後に、このデモンストレーターを開発していると初めて発表した。

 XB-1は全長62.6フィート(約1.6メートル)、細長いデルタ翼の平面形状で翼幅は21フィート(約1.6メートル)である。炭素繊維複合材、高度なエイビオニクス、デジタル最適化されたエアロダイナミクスなど、洗練された技術がふんだんに使われている。


テスト飛行中のXB-1。 ブーム・スーパーソニック


XB-1はまた、超音速領域へ推進するための一風変わった推進システムも備えている。3基のジェネラル・エレクトリック製J85-15ターボジェットで合わせて12,000ポンド以上の推力を発揮する。広く使われているJ85は、ノースロップF-5やT-38などにも搭載されている。XB-1が発表されて以来、J-36との仮称で中国に先進無尾翼戦闘機として別の3発機も登場した。

 XB-1に比べ、オーバーチュアは全長201フィート(約1.6メートル)で、巡航速度はマッハ1.7(時速1,304マイル)、最大速度はマッハ2.2を達成する。 航続距離は最大4,500海里を見込んでいる。


Boom Supersonic社の旅客機Overtureの完成予想図。 ブーム・スーパーソニック


 マッハ1達成は同社にとって大きな成果であり、将来の超音速旅客機オーバーチュアにつながる重要な意思表示でもある。

 超音速旅行をより多くの旅行者に手頃な価格で提供することを目的として過去に成功した事業者はない。大洋横断路線の所要時間を大幅に短縮することを意図したこの航空機は、「航空会社にとってファーストクラスやビジネスクラスと同様の運賃で採算が取れるよう......設計されている」と同社ウェブサイトは記している。このようなパフォーマンスを有償で利用できたのは、英仏のコンコルドが最後だったが運賃は同等のビジネスクラスの何倍もした。そして、2003年末に商業的な超音速飛行から引退した。


British Airways Concorde taking-off with undercarriage retracting and afterburners. (Photo by: aviation-images.com/Universal Images Group via Getty Images)

ブリティッシュ・エアウェイズのコンコルドが、アンダーキャリッジを格納し、アフターバーナーを点火して離陸する。


 コンコルドに先立ち就航したソ連のツポレフTu-144は、世界初の民間超音速輸送機として1975年に運航を開始した。 しかし、わずか100回ほどの商業飛行を行っただけで、乗客を乗せていたのはその半分にすぎない。同機はその後、NASAの委託を受けるなど、超音速研究機としてキャリアを終えた。

 ブームは過去に、オーバーチュアの1機あたりの製造コストは2億ドルと主張していた。さらに同社のウェブサイトには、「オーバーチュアのオーダーブックは130機に達し、アメリカン航空、ユナイテッド航空、日本航空からの予約も入っている」と記されている。

 ブームによれば、2026年に最初のオーバーチュアを完成させ、2027年に試験飛行を開始、2029年までに型式証明を取得する予定だという。 この計画は非常に野心的であり、さらに多くのハードルを越えなければならない。

 商業市場以外では、オーバーチュアの軍事用途の可能性も見逃せない。2020年からブームは高速エグゼクティブフライト用のオーバーチュアの可能性を視野に入れ、米空軍と協力してきた。政府高官を超音速で移動させることはユニークで非常に名誉ある能力だが、オーバーチュアのデザインは、人員だけでなく貨物の迅速な輸送の可能性も提供する。

2022年7月、ノースロップ・グラマンとブームは、米軍と同盟国軍のために特別にオーバーチュア派生型を開発する協力を発表した。当時ブームは、軍用型は "迅速な対応ミッション "に理想的と指摘していた。


チーフフライトテストエンジニアのニック・シェリカがナレーションを担当した、XB-1の10回目のテストフライトでこう語っている:

「特殊な能力を備えたこの航空機は、医療物資の運搬、緊急医療避難、あるいは従来の航空機よりも高速で広大な地域を監視するために使用することができる。「特殊任務用のオーバーチュアは、様々なシナリオにおいて、他の航空機や地上資産を調整するためにも使用できる」。

 それ以来、オーバーチュアの「軍用型」の開発を進める努力が続けられている。 2023年9月、ブームはノースロップ・グラマンとの協力関係を基に、防衛アドバイザリー・グループの発足を発表した。このグループは、航空機が投入する「国家安全保障任務」の特定を支援することが目的だ。

 しかし、オーバーチュアの商業用途と同様に、軍事化されたバージョンを軌道に乗せるという見通しにも困難が伴う。

 とはいえオーバーチュアの成否を分けるのは商業市場である。先行プログラムの歴史は、商業的な超音速飛行を現実のものにすることがいかに難しいか、特に手頃な価格で実現することがいかに難しいかを示している。しかし、それがブームの最大の目標であることに変わりはない。

 XB-1で音の壁を打ち破ったブーム・スーパーソニックの功績を振り返る価値は大いにある。この野心的な計画に何が待ち受けているにせよ、このエキゾチックなテスト機は、それ以前に登場した超音速のパイオニアたちと同様に想像力をかき立てるのは間違いない。■


Boom! The XB-1 Demonstrator Jet Has Gone Supersonic

Hitting the Mach 1 milestone is an important development and makes Boom Aerospace the first private company to fly a supersonic civil jet.

Thomas Newdick

https://www.twz.com/air/boom-the-xb-1-demonstrator-jet-has-gone-supersonic


 

2025年1月12日日曜日

ブーム・スーパーソニックの超音速試験機XB-1が11回目の試験飛行に成功し、2025年に向けて加速中

 



BoomXB1Flight11_1 (16x9)

Photo: Boom Supersonic


ブーム・スーパーソニックBoom SupersonicのXB-1は、11回目のテスト飛行で音の壁に近づいた。11回目のテストフライトでは、超音速飛行のストレスに対応できることを確認するため、動圧dynamic pressureに焦点を当てた。


動圧に対する強度試験

1月10日のブーム・スーパーソニックのブログによると、マッハ0.95に達したトリスタン・"ゼペット"・ブランデンブルク・チーフテストパイロットによる44分間の第11回テスト飛行は、XB-1を383KEAS(ノット等価対気速度)の動圧にかけたとある。しかし、対気速度における動圧とは何だろうか?


XB-1はなぜ動圧テストしているのか?

XB-1は超音速飛行で動圧にかけられ、大気の質量を押し進める、つまり空気を押し進める機体の構造的完全性を保証する必要がある。XB-1は、マッハ1や音速を超える複合材構造など、概念の実証を意図したものだ。同社CEOであるブレイク・ショルが以前本誌に語ったように、XB-1はBoom Supersonicのコンセプトの証明だ、

「この機体は、私たちが知らないことを発見し、人間が安全に操縦できる民間超音速機を作るために本当に必要なことを発見するために、学ぶために製作したものです」。

 コンコルドもTu-144超音速輸送機もほとんどの戦闘機も炭素繊維を使用していないため、超音速旅客機に複合材を使用したデータはほとんどない。それが、ブームが超音速旅客機オーバーチュアを製造する前にXB-1をテストする必要性であり、炭素繊維構造の耐久性をチェックするための動圧試験が必要なのだ。しかし、XB-1は他に何を成し遂げてきたのだろうか?


マッハ1に近づく

この特別な11回目の試験飛行で、XB-1はマッハ0.95に達した。これは音速への道のりの95%に相当する。

XB-1が音速あるいはマッハ1を達成するためには、XB-1がそのストレスに耐えられるという確信がなければならない。 XB-1の開発に使用されたプロセスと材料は、ブーム・スーパーソニックの将来の超音速ジェット旅客機オーバーチュアの開発にも使用される。


XB-1_FT10-4


Boom Supersonic Overture flying rendering


しかし、XB-1のテスト飛行では、テレメトリーなどの問題に対処し、AR(拡張現実)システムがバードストライクに耐えられるか確認するため、当初予定されていた10回以上のテスト飛行が必要となる。


超音速飛行の前に12回目の試験飛行の可能性

ブレイク・ショルCEOがXで語ったように、XB-1には「GPSと無線の問題」があった。ブーム・スーパーソニックでは安全文化は組織の基本であり、手を抜くことはない。


拡張現実システムへの懸念

ショルCEOはまた、XB-1の飛行中に良好な視界を可能にする拡張現実システムがバードストライクを起こしたとツイートした:

しかし、それでもXB-1はマッハ1に近づいている。


10回目のテスト飛行も成功

12月19日、XB-1は標準的な旅客機の巡航高度である海抜32,417フィートでマッハ0.95を達成し、以前記録されていたフラッターの問題を解決した。また、万が一に備えて、XB-1の安定性増強なしでのハンドリングテストも行われた。 XB-1が初の超音速飛行に近づくにつれ、リスクを軽減するのに役立つ。


結論 「テスト飛行には高いリスクが伴う」

ブーム・スーパーソニックは、航空機システム担当シニア・マネージャーのエリン・ヤングの特集記事を掲載した。ヤングは次のように語っている、

「飛行試験プログラムを成功させるためには、可能な限り多くの時間を飛行させる必要があると想像するかもしれませんが、実際はその逆です。私たちの役割は、リスクを管理し、制限することです。飛行回数と飛行時間を最小限に抑えながら、各フライトで収集される科学的データを最大化することで、それを実現しています。私たちは、より短く効率的な飛行で安全に目標を達成することを目指しています」。

 そのため、1時間未満で構成し計画的にペース配分されたテスト飛行が実施されている。ヤングはライトテストについて次の用に説明している。

「ブームのフライトテストは厳格かつ進歩的です。各フライトには、次のテストに進む前に達成すべきベンチマークがあります。そして、プログラムの核心は安全性です。XB-1はドローンではありません。生身のパイロットが操縦しています」。


Boom's Supersonic XB-1 Speeds Into 2025 With Successful 11th Test Flight

By 

Joe Kunzler


https://simpleflying.com/supersonic-xb-1-2025-successful-11th-test/





2024年6月17日月曜日

ブーム・スーパーソニックがノースカロライナでオーバーチュア・スーパーファクトリーを公開。日本航空も発注の民生超音速旅客機生産の準備が同地で行われる

 


The Boom Supersonic Overture factory ribbon cutting

Photo: Jonathan E. Hendry




「航空発祥の地」で米国初の超音速旅客機が製造され、地域に数千名分の雇用をもたらす


  • Boom Supersonicがノースカロライナ州にOverture Superfactoryを開設し、雇用を創出するとともに超音速航空機の新時代を切り開く

  • 歴史的意義、人材プール、経済成長の可能性からノースカロライナがそのオーバーチュアに選ばれた

  • オーバーチュア・スーパーファクトリーは、年間33機を生産し、組立ラインを増やす可能性もある


超音速の次世代旅客機を開発中のブーム・スーパーソニックは、ノースカロライナ州にオーバーチュア・スーパーファクトリーを本日正式に開所した。同施設は、地元に数千名相当の雇用を創出し、コンコルド以来の旅客用超音速航空機を生産する。

 オーバーチュア・スーパーファクトリーは、ノースカロライナ州グリーンズボロのピードモント・トライアド国際空港(GSO)内にある。

A Boom Overture flying above the clouds.


  ブームの超音速旅客機オーバーチュアは、最大100%の持続可能な航空燃料(SAF)で現在の民間機の2倍の速度で飛行する。

 新しく完成した施設のお披露目は、オーバーチュアの超音速実証機であるブームのXB-1の初飛行に続くものだ。同機は、米連邦航空局(FAA)からマッハ1を超える特別飛行許可を受けた初の民間機で、現在は亜音速での試験飛行を行っている。

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 工場は予定より早く、安全上の事故もなく建設された。180,000平方フィートの施設には、10,000立方ヤードのコンクリート、1,700トンの構造用鋼鉄、120マイルの電線、4.5エーカーの金属壁パネルが含まれる。本日のテープカットセレモニーで、ブーム・スーパーソニックの創設者兼CEOであるブレイク・ショルは、この場所が歴史的見地からいかに重要であるかを指摘し、このイベントが超音速航空旅行の将来にとっていかに重要であるかを強調した:

 「私たちは、ライト兄弟が見つけたものをここで見つけました超音速飛行の未来に興奮し、その未来を共に創るために手を取り合う準備ができている情熱的なコミュニティです」。

 「当社がここグリーンズボロで建設しているものは、トライアドの外でも重要な意味を持つ。全国的に、いや、世界的に影響を与えるだろう」。


 グリーンズボロでの作業は、製造工程の開発、組立ラインの流れの最適化、オーバーチュア生産に向けたスタッフの準備に使用される先進的なテストセルユニットから始まる。オーバーチュアの初号機は2030年までに納入の予定だ。


ノースカロライナ州の航空ブーム

「航空発祥の地」として知られるノースカロライナ州は、120年以上前にライト兄弟が最初のテスト飛行に選んだ場所である。それ以来、アメリカンエアラインズのような航空会社がシャーロットにハブを設置し、国際航空会社がローリー・ダーラム国際空港(RDU)に集まるなど、同州は航空面で大きく成長した。

 組み立てラインは、地元経済に大きな影響を与えると予想されている。ノースカロライナのエコノミストは、ブームの製造プログラムが本格稼働することにより20年間で少なくとも323億ドルの経済成長が見込まれ、スーパーファクトリーが直接雇用を2,400人以上生むと見積もっている。

 同施設では、オーバーチュアを年間33機生産でき、同じ敷地内で2つ目(そして3つ目の可能性もある)の組立ラインを開発する計画がある。オーバーチュア・スーパーファクトリー・キャンパスには、ユナイテッドエアラインズ、アメリカンエアラインズ、日本航空含む航空会社の顧客が超音速機を引き取るデリバリー・センターも設置される。

 同地が選ばれたのには、準備の整ったスペースや地元の人材プールなど多くの理由がある。ノースカロライナ州は、デューク大学やノースカロライナ大学をはじめとする研究機関で知られ、イノベーションに情熱を燃やす高度な人材を輩出している。ロイ・クーパー・ノースカロライナ州知事は、このイベントで関係者やジャーナリスト(Simple Flyingを含む)を前に、この施設の完成の早さを強調した:

 「2年半前、私たちはこの素晴らしいプロジェクトを発表するためこの空港に来ました。1年半前、私たちはこのプロジェクトに着工し、そして今日、テープカットを行いました。プロジェクトの進行について語るなら、超音速と言えるでしょう」。

 BRPHによって設計され、BE&K Building Groupによって建設されたオーバーチュア・スーパーファクトリーは、LEED認定を受け、同等の製造施設と比較して少なくとも40%以上のエネルギー効率向上が見込まれている。■


https://simpleflying.com/boom-supersonic-factory-opens-in-nc/


2024年4月17日水曜日

FAAの特別許可によりブームの実証機XB-1が米大陸上空で超音速テスト飛行の実施が可能となった

 



Credit: Boom


米連邦航空局、XB-1の超音速テストを許可


米連邦航空局(FAA)はブームのXB-1デモンストレーターの超音速陸上試験を特別に許可した。

 この特別飛行許可(SFA)は、民間超音速機のテストに対してFAAが発行した初のもので、現在、軍用機以外の航空機はすべて、米国内の陸上でマッハ1以上の飛行を禁じられている。この許可は、3月22日にカリフォルニア州のモハベ航空宇宙港で行われたXB-1の初飛行に続くもので、今後飛行範囲を拡大する道を開く。

 SFAは、制限空域R-2508コンプレックス、特にブラック・マウンテン超音速コリドーおよびエドワーズAFB周辺のR-2515空域内の高高度超音速コリドーの一部で超音速XB-1の試験飛行を実施することを許可している。SFAはまた、ノースロップT-38/F-5チェイス機が超音速でXB-1に随伴することを認めている。

 FAAによる認可は、予想される超音速飛行プロファイルを30,000フィートまでカバーし、現在から2025年4月までの間にXB-1と追撃機の合計20回のペア飛行に制限されている。

 ブームによると、FAAの措置後、XB-1テストチームはマッハ1までの性能と操縦性を確認するため、飛行範囲を計画的に拡大する。これには、すべてのシステムの飛行中チェックと、フラッター境界までの安全マージンを示す複数のテストポイントが含まれる。超音速に到達するまでに、合計10〜20回の飛行が計画されている。

 最初の超音速試験飛行は、ブームのテストパイロットであるトリスタン・"ゼペット"・ブランデンベルグが行う。Aviation Week誌の取材に対し、ブランデンバーグは「3回の超音速飛行を計画します。マッハ1.1、1.2、1.3です。各フライトで非常に多くのガスと空域を必要とするため、そのうちのひとつしか行う時間がないからです。そのため、私たちは数分間コンディションを整え、飛行品質と操縦品質のブロックを取得し、空域かガス欠のまま、帰還しなければなりません」。

 ブームのチーフ・テストパイロット、ビル・"ドク"・シューメーカーは、XB-1の最初の12分間の飛行で飛行性能の評価を行ない、2回目のテストミッションでも飛行する予定である。これはAOA(迎角)を16度まで上げ、サイドスリップの評価も行う。ダンパー(安定性増強システム)が使われるのも初めてとなるとシューメーカーは付け加えた。着陸装置も2回目のフライトで初めて格納・伸張される。

 ブランデンブルグは、XB-1のフラッター励振システムを評価する3回目のミッションに搭乗する予定である。フラッターとは、空力力と慣性力の相互作用により発生する自励不安定現象を指す。■


FAA Clears Boom For XB-1 Supersonic Tests

Guy Norris April 16, 2024

https://aviationweek.com/air-transport/safety-ops-regulation/faa-clears-boom-xb-1-supersonic-tests


2024年3月22日金曜日

ブーム・スーパーソニックがXB-1デモ機の初飛行に成功、超音速商業飛行の復活が近づいてきた

 ブーム社には確か日本航空も出資しているはずですが、記事には出ていませんね。Simple Flying記事からのご紹介です。初飛行であり、超音速飛行はこれからですので、早とちりは不要ですが、ともかく関係者の努力を褒め称えたいと思います。


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Photo: Boom Aerospace


  • XB-1は初飛行で試験目標を達成し、超音速旅客機復活に向け重要な一歩を踏み出した

  • 安全で効率的な超音速旅客機の製造方法を学ぶ上で、XB-1の重要性をショールCEOが強調している

  • ブーム・スーパーソニックは、超音速旅客機の革命を目指し、オーバーチュア以上の大型機も視野に入れている


ブーム・スーパーソニックのXB-1は、本日(2024年3月22日)初飛行を行った。ブーム・スーパーソニックにとってXB-1は、コンコルド以来の超音速旅客機となるオーバーチュアの製造にむけた小型試験機だ。


初飛行は控えめな目標を達成した。

 ブーム・スーパーソニックによると、登録番号N990XBのXB-1は、初飛行で「すべての試験目的」を達成した。初飛行は、海抜7,120フィート、最高速度238ノット(時速274マイル)で行われた。XB-1の初飛行は、X-1が音速の壁を破り、X-15が高度と速度の記録を目指してテスト飛行し、SR-71ブラックバードのテスト飛行と同じ空域、カリフォルニア州のモハーベ航空宇宙港で行われた。

 XB-1はブームのチーフ・テストパイロット、ビル・"ドク"・シューメーカーにより飛行され、テストパイロットのトリスタン・"ゼペット"・ブランデンブルグがT-38の追跡機を操縦した。シューメーカーは元米海軍パイロットで、この歴史的偉業について次のように語った、

 「XB-1チームの全員がこの偉業を誇りに感じているはず。献身的で才能あるプロフェッショナル多数とこの旅を共有できたことは光栄でした。このマイルストーン達成で得た経験は、ブームの超音速旅行復活にとってかけがえのないものとなるでしょう」。

 ブームのブレイク・ショール Blake Scholl CEOはこう付け加えた、「本日、XB-1は、1947年にベルX-1が初めて音の壁を破ったのと同じ神聖な空域で飛行しました。2014年にブームを設立して以来、この飛行を心待ちにしていました。世界中の乗客に超音速旅行を届けるという私たちの道において、これまでで最も重要なマイルストーンとなります」。

 しかし、ショールにとってXB-1とは、X-1、X-15、SR-71と同じ歴史的な空域を共有するだけではない。XB-1の重要性を次のように語っている。

 「私がXB-1について考える方法は、想像してみることです。当社はまったく新しい会社です。そして、我々がパート25として最初に作るのは、安全性が重要視される40万ポンドの超音速旅客機です......。私自身はとても楽観的ですが、それがうまくいくとは自分でも思っていません。だから、私たちはこの機体を作り、あらたな発見をし、民間用の超音速飛行機、それも人間が操縦できるほど安全な飛行機を作るために本当に必要なことを発見するために、学ぶのです」。

 ショールはさらに、XB-1はブーム・スーパーソニックが新しい米国の旅客機メーカーとして超音速機の製造方法を学ぶためだけでなく、次のように説明した。、「超音速ジェット機をどのように設計し最適化するか、航空力学から推進力、システム統合に至るまで、技術的な教訓を得ることができます」。


XB-1の試験内容

ブームによれば、XB-1がテスト内容は以下の通りだ:

拡張現実ビジョンシステム: 機首に取り付けらた2台のカメラは、姿勢と飛行経路を示すデジタル表示で補強され、高解像度のパイロット・ディスプレイに表示され、優れた滑走路視界を可能にする。このシステムにより、可動式機首の重量や複雑さを伴わずに空力効率が向上させることができる。


xb-1-foundations-augmented-reali - XB-1 cockpit
Photo: Boom Supersonic


デジタルで最適化された空気力学:数値流体力学シミュレーションを用い、XB-1のデザインを検討した。その結果、離着陸時の安全で安定した動作と超音速での効率性を両立させる最適な設計が実現した。

炭素繊維複合材:XB-1はほぼ全てが炭素繊維複合材料で作られており、強度と軽さを兼ね備えた構造で高度な空力設計を実現している。

超音速インテーク: XB-1のエンジン・インテークは、超音速の空気を亜音速まで減速させ、運動エネルギーを効率的に圧力エネルギーに変換する。


安全を重視する価値観の創造

 XB-1では安全文化safety cultureの構築も狙いだ。ショールCEOは、XB-1の開発と会社の戦略的目標の両方にとって、安全文化の構築がいかに重要であるかを本誌に語った。結局のところ、同社は人間が搭乗できる安全な航空機の製造を目指しており、テストは遠隔操縦車両(別名ドローン)で実施することも可能だった。ショールCEOはこう語っている、

 「私たちは安全文化を一から築き上げたいと思いました。そして、飛行機プログラムの運営方法も学びたかったのです」。

 ショールはブーム・スーパーソニックを、問題をオープンに議論でき解決される組織にしたいと考えている。毎日、安全面や品質面での懸念がないかどうかをチェックすることから組織はスタートする。

 さらに、ショールCEOはボーイングの安全文化に関するトラブルから学び、「世界トップクラス」の安全文化を持ちながら、結局はそれを壊してしまうことがあることを反面教師にしている。安全文化が壊れると「再構築が本当に難しい」。ショールの場合

「数十年単位で考えているのなら、100年後もここにいたいと思って起業するのなら、正しいことをすることは他のどんなビジネス目標とも矛盾しなくなる。すべてが一致している」。


XB-1の先に究極の目標

ショールはまた、ブーム・スーパーソニックがオーバーチュア製造以外にも目標を持っていることを本誌に語った。オーバーチュアはアメリカン航空やユナイテッド航空などから130機の注文と予約注文を受けているが、オーバーチュア・ツーの計画もある。

A render of the Boom Overture flying above the clouds.

Photo: Boom Supersonic


 ブームはより大型のオーバーチュアを作りたいと考えている。なぜか?ショールは本誌にこう述べている:「距離を超えた人間同士のつながりは重要です。より多くを可能にするために、私たちは今よりも速く、より手頃な価格で、より便利で、より持続可能な飛行ができるのです。超音速旅客機による空の旅を復活させるだけでなく、かつてないほど大規模に復活させ、最終的にはすべての乗客が長距離を移動する際の主要な交通手段にします。これが、ブーム・スーパーソニックが存在する理由です。単に復活させるだけでなく、超音速輸送の平等主義を生み出すのです」。


 ショールはまた、ブーム・スーパーソニックが米空軍と提携して超音速輸送機を開発し、世界的な混乱のリスクを減らせることを本誌に伝えた。ショールは、ブーム・スーパーソニックは現時点ではBoom製品が兵器プラットフォームになることには興味がないと述べた。


結論

XB-1が飛行試験を開始した今、オーバーチュア・ワンの初飛行までに多くの飛行が待ち受けている。この作業には、多くのエンジニアリングと弾力的な安全文化が必要となる。しかし、その第一歩となる初飛行は、本日2024年3月22日、ブーム・スーパーソニックで実施された。■


Boom Supersonic Completes First Flight With XB-1 Demonstrator

BY

JOE KUNZLER

PUBLISHED 6 HOURS AGO

Boom Supersonic XB-1 prototype has a first flight. Read on to see what XB-1 is testing and some thoughts from CEO Blake Scholl on the future of Boom.