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ボーイングの4月実績、新規受注7機、引き渡し24機でエアバスとの差が更に広がった

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  Photo: Coby Wayne | Shutterstock SUMMARY ボーイング、2024年4月の航空機受注は7機のみ 引き渡しは24機にとどまる n ボーイングは4月、安全性への懸念と内部告発の影響から、受注と納入の激減に直面した。 エアバスは4月にボーイングを上回り、激しい競争を見せた  FAAによるボーイング737 MAX 9の飛行停止措置は、品質上の懸念や検査上の問題が報告され、納入に影響が出ている ボ ーイングの4月の航空機受注は7機と低迷した。同社は、内部告発問題や、飛行中にプラグドアが吹き飛んだ アラスカエアラインズ AS1282便事故の反動で、メディアの嵐に直面している。米連邦航空局は、ボーイング737 MAXの生産を制限している。これは、ボーイング737 MAX型機で早く生産するため安全性を犠牲にしていることを複数関係者が公表したためである。米規制当局はまた、787ワイドボディの生産ラインにおける検査記録の改ざん疑惑でも調査している。  今回の7機の発注には、777-9が2機、787-10が未公表の顧客向けに2機、イスラエルの EL AL 向けの787-9の3機が含まれている。  引き渡し数もわずか24機と、2022年2月以来の低水準に落ち込んだ。とはいえ、欧州の超低価格航空会社 ライアンエアー 向けの1500機目となる737 MAXの完成と引き渡しを祝った。 4月の納入機 ライアンエアーは4月に3機の737 MAX 8-200を受領し、さらに3機のMAX 8が エア・インディア・エクスプレス に納入された。ワイドボディ型では、787が日本の 全日空 に4機、ホノルルを拠点とする ハワイアン航空 に1機、上海を拠点とするスターアライアンスの接続パートナーである 吉祥航空 に1機納入された。767型機2機は UPS 向け貨物機、777F型機2機は エバー航空 と カタール航空 に納入された。  納入の遅れは、FAAによる737 MAX 9飛行停止措置に起因するもので、AS1282便事故の原因である非常口プラグのロックボルトの紛失が判明した171機が運航停止となった。問題が解決した後も、FAAは32件の内部告発が米国労働安全衛生局に提出されたことを明らかにした。 ロイターの報道によると、ボーイングは、MAXの生産が遅れているのは、アラス

6月のノルマンディー上陸作戦80周年で退役軍人チャーター便をアメリカン・エアラインズがパリへ運行する

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  An American Airlines Boeing 787-9. JanValls/Urbanandsport /NurPhoto via Getty Images アメリカンエアラインズは、6月6日のDデイ上陸作戦80周年記念で、第二次世界大戦の退役軍人70名をフランスに送る。 アメリカンエアラインズは、第二次世界大戦の退役軍人70人のためフランスへのチャーター便を運航すると発表した。 今年はDデイ上陸作戦から80周年。 旅はダラス・フォースワース空港での壮行パレードから始まる。 第 二次世界大戦の退役軍人数十人が、Dデイ上陸作戦80周年を記念してフランスへの無料フライトを楽しむ。  アメリカンエアラインズ(AA)は退役軍人70名をチャーター便のボーイング787-9ドリームライナーで飛行させると発表した。5月31日のパリへのチャーター便運行に先立ち、ダラス・フォートワース空港での夕食会と壮行パレードから始まる。  退役軍人一行はパリで2日間を過ごした後、ノルマンディー地方で一連の行事に参加し、最後にアメリカ人墓地で式典を行う。  2月、デルタエアラインズも同様の計画を発表した。デルタ航空は3年連続で、60人の第二次世界大戦の退役軍人をノルマンディーに直行させる予定だ。  AAが搭乗させる退役軍人の一人は、アメリカン航空の傘下に入ったピードモント航空の元パイロット、フランク・ペリーだ。彼は砲塔砲手として陸軍航空隊に所属していた。  アメリカ海軍の退役軍人フェリックス・マウリツィオもこのフライトに参加する。彼は、Dデイに弟を含む兵士たちをオマハ・ビーチに運んだ上陸用舟艇の1つに搭乗していた。  AAの最高執行責任者であり、自身も退役軍人のデイビッド・シーモアは、「英雄的な退役軍人たちがノルマンディーに戻る手助けをする一翼を担えることを光栄に思います。  「今回の特別な旅は、英雄たちと、彼らが私たちの自由のために払った犠牲に対する私たちの感謝の表現であるだけでなく、彼らの並外れた物語に光を当て、彼らの遺産を後世に残す一助となることを願っています」。■ American Airlines is flying 70 World War II veterans to France for the 80th anniversary of the D-Day landin

大韓航空が747-8の5機を売却、米国で核戦争指揮用のE-4B後継機に改修する原型機となる

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tjdarmstadt/Wikimedia Commons 米空軍の次期『終末の日』機改修用に大韓航空機材を調達 大韓航空が保有する747-8型機5機を、E-4B後継機を製造するSNCに売却することを決定した 先月、米空軍のサバイバブル・エアボーン・オペレーション・センター(SAOC)機の製造改修を受注したシエラネバダ・コーポレーション(SNC)は、大韓航空からボーイング747-8を5機譲り受けた。各機は、空軍の老朽化した747-200ベースのE-4Bナイトウォッチ「ドゥームズデイ・プレーン」の後継機として改造されることは間違いなさそうだが、現段階では、SAOC機が何機実戦配備されるのか不明だ。  ロイター通信によると、大韓航空は昨日の取引所への提出書類で、保有する5機をSNCに売却することを確認した。取引額は6億7,400万ドルで、大韓航空の航空機近代化計画の一部となる。大韓航空によると、機材譲渡は2025年9月に予定されている。 SNCが購入する具体的な機種を大韓航空は明らかにしなかったが、この件に詳しいとされる情報筋はロイターに、747-8であると語った。また、SNCにも確認を求めている。 大韓航空には現在9機の747-8があり、368席の3クラス構成で運航されている。このうち、HL7644は747として製造された最後の機体である。その他の候補機体については、最も古い機体が2015年8月に大韓航空に引き渡されている。そのため、これらの機体は入手可能な747の中では最も若い部類に入るが、それでも日常運航に伴う定期的な消耗は避けられないだろう。 現在のE-4Bのうち2機(E-4Aとして完成)は、もともと民間旅客機になる予定だったが、実際に就航することはなかった。航空会社が発注をキャンセルすると、国家緊急空中司令部(NECAP)プログラムの下で空軍向けに改造された。 当時お伝えしたように、SNCは4月27日、SAOCを開発する130億ドル以上の契約の交付先として発表された。現行のE-4Bに代わるこの航空機は、大統領他の高官が、あらゆる潜在的な事態のもとで、核攻撃の指揮を含む任務を遂行できるようにするために重要な役割を果たす。 SNCは、ボーイングが昨年契約を辞退した後、この契約を勝ち取るための議論の余地のない候補として浮上していた。 空軍は現在4機のE-4Bを運用し

エミレイツが現有機材191機を改修し、サービス向上を図る

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  Credit: Airbus エミレイツエアラインズ は、エアバスA380型43機とボーイング777機28機の全面改修を計画しており、プレミアムエコノミーの提供を強化する改修プログラムを191機に拡大する。 エミレイツの当初計画では、67機のA380と53機の777を全面改装する予定だった。9月にA350が導入されるエミレイツは改修プログラムの進行に伴い、2025年2月までに42都市にプレミアム・エコノミー・シートを導入する。 エミレイツのティム・クラーク社長は、「A380と777でより多くの機体に最先端のキャビン製品を導入するため、改修プログラムへの数十億ドル規模の投資を上積みしており、すべてのキャビンにおいてクラス最高の製品群により顧客体験を向上させるという明確なコミットメントを示す。「最新世代のシート、最新のキャビン仕上げ、現代的なカラーパレットを装備した機材が増えることは、より多くのお客様に両機種で一貫して当社のプレミアム製品を体験していただくための重要なステップでとなる」と述べている。 同社は、パンデミック後の旺盛な旅行需要に対応するため、A380の就航を再開するなど、機材能力の増強に努めている。2月、クラークは88機のA380が復活したが、大規模な改修とMRO作業により、最後のA380が運航を再開するのは2026年初頭となると述べた。 2月のイベントでクラークは、777-9では計画通り2025年に一号機を受領することはなく、引き渡しは2026年にずれ込む可能性があると懸念を表明した。 ルフトハンザ・ドイツ航空もボーイング777-9の納入がさらに遅れることを予想しており、初号機の納入は現在の計画である2025年より遅い2026年になる見込みであると、5月初めに同社のイェンス・リッターCEOが述べた。 エミレイツは、自社のエンジニアリングセンターで機体の改修作業を自社で管理し、現場内外でパートナーやサプライヤーと協力しており、これまでに22機のA380型機を改修したと述べた。7月には、最初の777型機の内装が刷新される予定であり、1機あたり約2週間かかる作業となる。 エミレイツは、「計画には、ファーストクラスの改装、1-2-1の座席配置に刷新された新ビジネスクラスシート、24席のプレミアムエコノミーが含まれており、顧客はより多くのプレミアムな選択肢から選

各地で続くGPS妨害が民間航空機に与えている影響に要注意

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  Photo: Simple Flying ヨーロッパ地域でGPSへの攻撃が急増し、フライトに影響が出ており、軍事的緊張に関連している可能性がある 概要  東ヨーロッパでのGPS妨害が数千便に影響を与えている  ロシアがバルト三国上空でGPS妨害をしたようだ この地域でのGPSスプーフィングの背後にはハイブリッド戦争戦術の可能性がある 数年前から、ロシアに隣接する北東ヨーロッパでGPS信号がスプーフィングされ、妨害されている。最近、この地域の何千機もの航空機に影響を与えた63時間に及ぶ攻撃でロシアが非難された。この地域で大規模かつ新たなGPS妨害攻撃が相次いでいるが、これは新しいことではない。  フランスの規制当局は、2022年にフィンランド周辺でのGPS妨害についてロシアを非難した(2018年には別の妨害事例もあった)。GPSは航空機のナビゲーション・システムの中核部分であり、これを妨害することは安全上のリスクをもたらす可能性がある。 東欧で相次ぐGPS妨害 最近、フィンランド、ポーランド、ヨーロッパのバルト三国上空でGPS妨害の報告が相次いでいる。英紙『ガーディアン』は4月22日、欧州発着の数千便が妨害電波の影響を受けたと報じた。その中にライアンエアーの2300便以上が含まれている。同紙は、その時点で延べ46,000機がバルト海上空でGPSの問題を記録したと述べている。  GPS(または全地球測位システム)は技術的にはより大きなGNSS(全地球航法衛星システム)の一部である。そのため、「GNSS妨害」と言った方が正確だろう。  様々な記事やコメンテーターが、GPS妨害でロシアを指弾している。GPS妨害問題のほとんどは、東ヨーロッパのカリーニングラード諸島を含むロシア近隣地域に集中している。なお、ロシアはGPS妨害の責任を認めていない。 2024年にGPSジャミングの影響を受けた地域: 北東ヨーロッパ:ポーランド、エストニア、ラトビア、ポーランド、ベラルーシ、リトアニア、フィンランド 東ヨーロッパ:ロシア、ウクライナ、バルカン半島近隣黒海地域(ウクライナ戦争関連) 中東/東地中海:トルコ、キプロス、イラク、シリア、レバノン 東南アジア:ミャンマー(ビルマ) 南アジア:インド、パキスタン(北部国境/支配線) 本稿執筆時点(2024年5月2日)では、GPSJAMの地

ラテンアメリカの好調な需要に支えられ、LATAMグループが史上最高の四半期利益を計上。

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  LATAM航空グループ、第1四半期利益が2億5800万ドルに到達 LATAM航空グループ、2024年第1四半期に2億5800万ドルの過去最高益を計上 利用可能座席キロ(ASK)でのキャパシティは、前年同期比で17.5%増加 LATAM航空グループは、ラテンアメリカの継続的な旺盛な需要から利益を上げ、第1四半期として過去最高の2億5,800万ドルの利益を計上した。 LATAMは5月3日、航空機のレンタル料収入や企業インセンティブプランに伴う従業員報酬など特別項目を調整した結果、前年比82%増の2億8,000万ドルの利益を計上したと発表した。 サンティアゴを拠点とする同社の収入は33億ドルに上り、2023年の同時期を18.4%上回った、と同社は付け加えている。旅客収入は21%増加したが、貨物業務は2.1%減少した。とはいえ、貨物収入は2019年の水準を40%超上回っている、とLATAMは言う。 「直近四半期は例外的に好調であったが、LATAMグループの事業の性質上、下期へ進むにつれ季節性に左右されることを認識することが重要である」とロベルト・アルボRoberto Alvo最高経営責任者(CEO)は言う。「第1四半期の好調な業績は、持続的で健全な需要の中、グループが事業を展開する市場において競争力を高め、コストとコスト抑制の面でより効率的なLATAMを反映したものです」。 同社の営業費用は、特に国際線における旅客数増加により、前年比13.9%増の28億8,000万ドルとなった。 就航都市すべてが「全体的に比較的良好な状態」だとアルボCEOは付け加えた。 同航空会社の当四半期の旅客輸送数は2,020万人で、2023年の同じ3ヶ月間から約19.4%増加した。LATMの国際線利用客は32.5%増加し、LATAMグループの関連会社であるチリ、コロンビア、エクアドル、ペルーの国内線利用客は26%、ブラジルは9.1%増加した。 「LATAM航空グループは、第1四半期中、関連会社が就航中の5つの国内市場のうち3つで引き続き首位となった。「LATAM航空チリは59%、LATAM航空ペルーは67%、LATAMブラジルは39%のシェアを獲得し、3月には41%のシェアを獲得した」。 2024年通年について、LATAMは航空需要の継続により、業績ガイダンスを引き上げた。システム全体のASKは