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昨年後半から中国とヨーロッパの航空市場が東側に大きくシフトすることが明らかになった。進行中のロシアとウクライナの戦争により、ロシア領空へのアクセスができないため、飛行時間と運航コストが大幅に増加し、最終的に中国やアジアの航空会社に対する利益と欧州の航空会社の市場競争力に影響が出た。
ヨーロッパの航空会社は、中国やアジア路線のキャパシティを削減し、中国系エアラインにがさらに西へ拡大する道を開いた。そして、中国の航空会社は、特に現在のIATA夏シーズンに向け、多くの路線を追加または再開している。 これに比べ、米国路線の伸びは鈍化しており、前四半期比の増加率は1桁台に留まっている。
航空分析会社Ciriumのデータによると、2025年第2四半期の中国-米国間のフライト数は、昨年の25%増という大幅な伸びに対し、第1四半期はわずか5%増にとどまった。 一方、中=ヨーロッパ線は約17%増で、これは前年同期からの伸びと同じだった。 ロシア路線はここに含まれていない。
ヨーロッパ-中国市場は急成長
Ciriumのデータを用いると、中国とヨーロッパ(ロシアを含む)間のフライト数は、2024年12月までの12ヶ月間と比較して今年12.5%増加しており、ほぼ完全に中国とロシアの航空会社が牽引しているが、ベラヴィア、エア・セルビア、フィンエアー、エールフランスも前年同期比で存在感を増している。
ロシア路線(双方向で約2,500便)の伸びを除くと、便数は10%弱増加した。 今年就航した中国-欧州路線(ロシアを除く)は以下の通り。
その他の関連路線としては、中国国際の西安-ミンスク線がある。同路線は12月28日に正式に就航し、年内に1便のみ運航された。同路線はA330で週1便運航される。
同様に、12月16日、ベラヴィアもベラルーシと中国を結ぶ路線を開設した。この路線は首都とウルムチを結び、週1便運航している。 この6時間のフライトはボーイング737-800で運航される。
海南航空は12月に成都-ウィーン線を週3便で開設した。エアバスA330-200を使用し、通年運航する。最後に、海南航空は昨年11月、COVID-19の流行により2020年2月に運休していたマドリード-深セン線も再開した。 この路線はボーイング787-9で週2便運航されている。
ヨーロッパから中国へのフライトは、(ロシアを除けば)マドリードが最も増加する。今年は2024年と比較して500便の増便が計画されており、この増便のかなりの部分は新規/再開便によるものだ。
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運航便数の増加は以下の通り:
北京(22%増、今年約100便増)
上海(8%増、27便増)
温州(14%増、13便増)
重慶便は昨年と同レベルを維持している。これらの便は海南航空がボーイング787-9で運航している。
スペインの中国路線が大きく伸びたのは今回が初めてではない。同様のレポートが2023年にSimple Flyingによって発表されている。
中国とアメリカの成長は減速しているのか?
米中間の成長は減速している。 これは現在進行中の貿易戦争(ボーイングのアジア諸国への納入が差し戻されている)と必ずしも関係があるわけではないが、それが役に立っていないことは間違いない。脆弱な政治情勢に伴い需要が鈍化する可能性があるため、両国間を運航する航空会社の成長見込みは薄い。
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具体的には、観光客や学生が減少する。アメリカは中国人の学生ビザや奨学金ビザの発給を取り締まり、一部を取り消した。観光に関しては、今月初めに中国外務省がアメリカへの旅行者に警告を発した。その内容はこうだ:「最近、米中経済貿易関係が悪化し、米国国内の治安情勢が悪化しているため、文化観光部は中国人観光客に対し、米国渡航のリスクを十分に見極め、慎重に渡航するよう注意を喚起している」。
とはいえ、これまでのところ、実際にスケジュールが減っているわけではない。 中国とアメリカを結ぶ航空会社は、海南航空と四川航空を除き、今年も増便もしくは便数を維持している。冒頭で述べた、2025年の第1四半期と第2四半期を比較すると伸び悩んでいるにもかかわらず、である。
状況がほぼ毎週変化することを考えれば、数字がどのように推移するかはすぐにはわからない。しかし、今のところ、中国の航空会社にとってヨーロッパ市場は安全な賭けかもしれない。■
Stepping Away From The US? Chinese Airlines Bank On European Flights
By
https://simpleflying.com/chinese-airlines-capitalize-european-russian-airspace/
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