2026年7月1日水曜日

JetZeroがBWB設計を改訂し、まず実証機の初飛行を準備中―成功すれば民間航空機の概念を変えそうだが保守的なエアライン業界が飛びつくかは不明

 JetZeroがBWB設計の改訂版を公開、実証機の初飛行準備も進む

JetZero Reveals Revised BWB Design As Demonstrator Takes Shape


https://aviationweek.com/aerospace/emerging-technologies/jetzero-reveals-revised-bwb-design-demonstrator-takes-shape

Art credit: JetZero Caption: JetZero's BWB demonstrator will feature V tails and winglets rather than the original wingtip rudders

JetZeroのBWB実証機は、当初の翼端ラダーの代わりにV字尾翼とウィングレットを採用する。画像提供:JetZero

JetZeroは、年末に予定されている初飛行準備評価に向け、ブレンデッド・ウィング・ボディ(BWB)実証機の設計変更を明らかにした。

米空軍の資金援助を受けている実物大のデモンストレーターは、2027年後半に初飛行を行う予定だ。

BWBデモンストレーターや計画中のZ4旅客機の以前のイメージ図に描かれていた翼端ラダーは、V字尾翼とウィングレットに置き換えられた。また、後部胴体上部にエンジンを搭載する配置も変更された。

JetZeroは6月11日、サンディエゴで開催された米国航空宇宙学会(AIAA)の航空フォーラムの特別セッションで、改訂版設計の詳細を明らかにした。

チーフ・デザイン・オフィサーのジョン・ヴァスバーグによると、V字尾翼はエンジンの騒音遮蔽効果をもたらすほか、ラダーをより後方に配置することで、静的安定性マージンが5%という比較的短い機体のトリム調整を効果的に行い、巡航効率を最大化できるという。

実証機は、主にBWBの空力効率と、予測される揚力対抗力比22を検証するため製造中だ。同社は、2030年代初頭に就航する航空機で、従来型の「チューブ・アンド・ウィング」構成と比較して、ミッション時の燃料消費量を20%削減することを目指している。

JetZeroは、「Pathfinder」プログラムの一環で、6.25%スケールのSV-4モデルの動画を公開した。Z4の代理チーフエンジニアであるノーム・プリンセンによると、この縮小模型は、実機の飛行制御法則を検証するために使用されているという。

明らかになったもう一つの重要な変更点は、プラット・アンド・ホイットニー製のPW2040エンジン2基をどのように搭載するかという点である。デルタエアラインズが提供した、ボーイング757に搭載されていたエンジンは、本来は主翼下に吊り下げる設計のため、上部取り付けには改造が必要となる。

JetZeroは以前、エンジン上部の既存の主翼パイロン取り付け部に接続する湾曲したフレームを用いたデュアルパイロン配置を計画していた。しかし、今回マクドネル・ダグラスMD-11の中央エンジンを支える「バンジョー」フレームに似た設計に変更された。

荷重は、PW2040上部のエンジン支持ボックスから、バイパスダクトの内部固定構造を伝って、BWBの上部胴体に取り付けられた単一の下部パイロンへ伝達される。ナセル下部のダイバータチャネルが、境界層の吸入を防ぐ。

最悪の条件(90度の横風、最大24kt)であっても、計算流体力学(CFD)シミュレーションによれば、エンジンによる境界層気流吸入は確認されていない。「実質的に歪みは生じず、エンジンの許容限界に対しゼロである」とヴァスバーグは述べた。

JetZeroは、量産型Z4に搭載するエンジンの評価を現在も続けている。推進システム責任者のロマー・フレイジャーによると、ナセルを単一のパイロンに取り付けると、荷重状態にエンジン構造に歪みが生じる可能性があるため、傾斜パイロンやサイドマウントなど、さまざまな取り付け方法を検討しているという。

翼幅178フィート、総重量260,000ポンドの実証機の組み立ては、パートナー企業ノースロップ・グラマン傘下のスケールド・コンポジットで進められている。「予定通り、予算内です。すべてのマイルストーンを達成しています」と、JetZeroのエンジニアリング責任者フロレンティーナ・ヴィスコッチは述べた。

政府チームの主任エンジニアであるNASAのフェイ・コリアーによると、システム統合審査は5月下旬に完了している。同氏は、実証機プログラムの予算が、初飛行準備審査までの見積もりである8億ドルを下回っていることも付け加えた。

ヴィスコッチによると、チーム全員が拠点を置くカリフォーニア州モハーベで実証機の主要部品が組み合わされつつあり、スケールドでは150人が交代制で取り組んでいるという。燃料タンクは完成し、コックピットは組み立て済みで、主翼外板と機体本体の製造が進められており、着陸装置も社内で製造されている。

BWB実証機が形になりつつある一方で、JetZeroはZ4の設計を進めている。Z4は、翼幅200フィート、巡航速度マッハ0.8、航続距離5,000海里の250席中型旅客機で、利用可能座席マイルあたりの燃料消費量において、ボーイング767より30~50%優れた燃費性能をめざす。また、JetZeroは、米空軍に提案中のZ4派生型である空中給油機バージョンの設計も成熟させつつある。■

グラハム・ワーウィック

グラハムは、『Aviation Week』誌の技術関連報道を統括しており、航空宇宙業界全体のエンジニアリングと技術に焦点を当て、特に航空、航空宇宙、防衛分野において戦略的に重要な技術の特定に注力している。



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