出典:ボーイング | Simple Flying
ボーイング737MAX7がついにFAA型式認証を取得
It’s Official: Boeing 737 MAX 7 Secures FAA Type Certification
Simple Flying
ポール・ハートリー
2026年8月3日 午後2時40分(EDT)公開
エアバスとCFMインターナショナルは、エアバスA380に搭載したRISEオープンファンエンジンの初期バージョンの飛行試験を行う
Credit: Airbus
Aviation Week
2026年7月24日
ライアンエアのマイケル・オリアリーCEOにとって、事態は明白だ。「ボーイングとエアバスが新しいジェット機プログラム開発に頭を抱えている」と、彼はファーンボロ航空ショーの開幕週に語った。「おそらく2040年代の終わりまでは、新しいジェット機プログラムの必要性は生じないだろう。」
ボーイングでさえ――同社のケリー・オルトバーグCEOは、同社が製造する新型ナローボディ機のスケジュールが先送りされると述べていた――この見解には同意していないと推測するのが妥当だろう。もちろん、エアバスも同意しない。同社はファーンボロで、2030年にA320neoファミリーの後継機を投入する計画を再確認した。エアバス商用機部門のCEOラース・ワグナーは、この動きが「ビジネスモデルのバランスを再調整する、一生に一度の機会」にもなると述べた。エアバスは、とりわけ今後数十年にわたり、同プログラムのサービス分野において、より積極的な役割を果たすことを目指している。
エアバスは2028年までにエンジンアーキテクチャを選定する必要がある
同社は、実物大の主翼延長部の設計、製造、飛行試験を行う計画だ
エアバスはまた、ファーンボロ航空ショーにおいて、今後数年以内に予定されている決定に向けたさらなるステップを明らかにした。主要要素は、推進システムの選定、複合材料で作られた、より効率的で長く薄い主翼の適切な設計の確立、より効率的な新しい生産システムの開発、そして将来のアップグレードに向けて可能な限りオープンな設計とすることである。
「潜在的なゲームチェンジャーと見なしているものは、当社のグローバル・プラットフォーム・システム・アプローチに関連するあらゆる要素と結びついています。なぜなら、この次世代機は、技術の進化を取り込める十分な強靭性を備えたシステム・プラットフォーム上に構築する必要があるからです」と、エアバスの「未来の航空機(Aircraft of Tomorrow)」研究・技術担当上級副社長、カリム・モカデムは述べた。
「これはこれまで誰も成し遂げたことのないことです」と彼は付け加えた。「この航空機を、時間の経過とともに価値が下がるのではなく、むしろ新しい技術を組み込むことができるため、良い意味で価値が高まる資産として捉えることがおそらく非常に大きな野心となります。」
将来プログラム責任者のブルーノ・フィシェフーは自らの立ち位置を「エアバスにおいてめったにない特権的な立場にあります」と述べた。「準備を整え、ローンチに向け万全を期す時間があります。」エアバスの次期単通路機の正式な発表は、暫定的に2030年と設定されている。しかし、当然ながら、これにはマイルストーンの達成や、重要な決定を下せる状況にあることが条件となる。
「決定の最大の要因は、エンジン選定で確信を築くことです」とフィシュフェーは述べた。「そのためには、成熟化の段階を乗り越える必要があります。最も野心的な目標は、[GEエアロスペースとサフランによる『持続可能なエンジンのための革新(RISE)』]の『オープンファン』です。性能、メンテナンス、その他の要素の面で、これが機能することを自ら確信する必要があります。」
エアバスとCFMインターナショナルは、このエンジンの初期バージョンをA380に搭載して飛行試験を行うことで合意している。両社とも、試験飛行の時期については明らかにしていない。しかし、エアバスが現在のローンチスケジュールを守りたいのであれば、オープンファン・アーキテクチャを採用するか、それとも伝統的な構成に戻るかの決定は、2028年頃に行わなければならないと、業界関係者は見込んでいる。
コンセプトをさらに検証するための根本的な決定がなされた後も、飛行試験はその後も相当期間にわたり継続される。フィシュフーは、「一部の技術については、ダクト付きエンジンでの代替案で試験を行うのが理にかなっている」と強調した。
エアバスは、主翼や、細長い複合材製主翼がオープンローターエンジンと組み合わされた際の挙動など、他の技術についても同様の試験を実施する必要がある。
第一段階として、エアバスは「Wing of Tomorrow」研究プログラムの一環として、2029年までにA321neoを用いて、実験的な高アスペクト比主翼延長部の飛行試験を行う計画だ。同社は、「さまざまな翼形状が実際の飛行条件下でどのように機能するかを評価する」ため、今後3年間で実物大の翼延長部を設計・製造し、飛行試験を行うとしている。
数メートルに及ぶこの追加の翼端部は、「飛行中に完全に展開される折りたたみ式翼の状態を再現する」とエアバスは説明する。「これらには、飛行中の挙動を捉え、翼幅の延長が航空機の操縦性にどのような影響を与えるかを評価するための包括的な試験装置が搭載される予定だ。」
「主翼は飛行効率を向上させる最大の手段の一つであり、だからこそ『Wing of Tomorrow』は当社の次世代単通路機にとって極めて重要なのです」と、『Wing of Tomorrow』プログラム責任者のスー・パートリッジは述べた。「この飛行試験キャンペーンにより、従来の設計上の限界に安全に挑戦し、主翼を長くすることの利点を探求することが可能になります。」
「翼の大きさや形状を考えると、複合材料の使用が不可欠です」とフィシュフーは語った。「機体のその他の部分については、まだ決定を下す必要があります。これは非常に画期的な翼なのです。」
このプロジェクトが単に航空機だけに関するものではないことは言うまでもない。「新しいプログラムは、製品面において最高水準であるだけでなく、生産システムでも大きな飛躍を遂げ、あらゆる面で効率性を高め、短期間で極めて円滑な量産立ち上げを実現すべきだと考えています」と、エアバスの生産担当エグゼクティブ・バイスプレジデント、フロラン・マッスー・ディ・ラバケールは述べた。「そのためには、従来のシステムの枠にとらわれず、統合という観点から大胆に考える必要があります。」
エアバスは、自動化やデジタルツールの導入をさらに進めるとともに、人工知能(AI)の活用も模索している。「これは、何か新しいものを生み出す大きなチャンスだ」とマッスー・ディ・ラバケールは語った。「変わらない部分もある。最終組立ラインもあれば、整備ラインもあり、航空機を組み立てるという基本は変わらないが、その方法はこれまでとは異なるものになるだろう。」
エアバスは、「フューチャー・サプライヤー・エンゲージメント(FUSE)」と呼ばれるイニシアチブの下、次世代単通路機(NGSA)向け「eAction」プログラムにおいて、システムと潜在的なパートナーの参画を拡大している。
詳細は明らかになっていないが、エアバスはこのプログラムを通じて、A320neoの後継機に適したシステム技術の成熟度を評価すると同時に、月産75~100機という生産ペースに対応できるサプライヤー能力を判断しているようだ。
このプロセスでは、一種の模擬提案依頼書(RFP)を発行し、サプライヤー候補が標準的な契約上の義務や産業上のコミットメントを負わずに、詳細な技術レベルでエアバスと緊密に連携できるようにしている。
サプライヤー業界筋によると、eActionにおけるエアバスの関与は、737の後継機となるボーイングの新型単通路機プロジェクトにおける同社の関与よりも、現時点ではより深いレベルにあるという。しかし、ボーイングは、エンジンメーカーなどの主要請負業者と、高レベルで緊密に連携している。
サプライチェーンとの関与での度合いの違いは、次世代製品の発売スケジュールにおいて両機体メーカーの間に生じつつあると思われる隔たりと符合している。エアバスは2030年までにA320後継機の開発を正式承認する目標を堅持している一方、オルトバーグは最近本誌に対し、ボーイングの次期完全新機種の発売計画が後ろ倒しになったと述べ、発売時期が次の2020年代のかなり後半になる可能性が高いと示唆した。
「当社は両社と非公開の場で話し合えるという点で独自の立場にある」と、GEエアロスペースのCEO、ラリー・カルプは述べた。「しかし、これがどのように展開し、いつ展開するのかを、誰一人として正確に把握しているとは思わない。当社の姿勢は、確実に準備を整えておくことにある。そして、『オープンファン』こそが次世代の決定的なアーキテクチャだと考えている。とはいえ、明日すぐに『オープンファン』を搭載した機体を市場投入することはできない。」
オリアリーにとっては、それは何の問題もないことであり、そもそも近い将来に何かが実現するとは予想していないのだ。「誰かが『スター・トレック』のような移動手段を実現し、人々を世界中に瞬間移動させ始めるまでは、今後10年から15年は737 MAXやA320、A320neoが主流であり続けるだろう」。■
ドイツのフランクフルトを拠点とするイェンスは、エグゼクティブ・エディターとして、『エイビエーション・ウィーク』の民間航空を担当するグローバル記者チームを率いている。
ガイは『エイビエーション・ウィーク』のシニア・エディターで、技術および推進システムを担当している。コロラドスプリングスを拠点としている。
クリスティン・ボイントンは、『エイビエーション・ウィーク Network』のシニアエディターとして、南北アメリカにおける航空輸送を担当している。
グラハムは、『エイビエーション・ウィーク』の技術関連報道を統括しており、航空宇宙業界全体のエンジニアリングと技術に焦点を当て、特に航空、航空宇宙、防衛分野にとって戦略的に重要な技術の特定に注力している。
Joe Anselmo Guy Norris June 25, 2026
ジョー・アンセルモ(司会): エイビエーション・ウィークのポッドキャスト『Check 6』へようこそ。編集局長のジョー・アンセルモです。
ドナルド・トランプ米大統領が北京を公式訪問し、大きな注目を集めるニュースが発表されました。中国がボーイング製民生航空機200機を購入することに合意したのです。これは北京政府にとって、実に9年ぶりとなるボーイングへの大型発注であり、貿易戦争、737 MAXの運航停止、そして深刻な地政学的緊張によって続いていた長年の「枯渇状態」に終止符を打つものとなりました。
しかし驚くべきことに、ウォール街(金融市場)の反応は極めて冷淡でした。この発表の直後、ボーイングの株価は下落しました。投資家やアナリストは、失われた時間を取り戻すような、もっと桁違いのメガディール(超大型契約)を期待していたようで、多くの人々が「ボーイングにとって今日の中国市場は、かつてほどの重みがあるのだろうか」と疑問を呈しています。
本日はこの戦略的シフトを議論するため、民間航空担当エグゼクティブ・エディターのイェンス・フラットウ、技術・推進担当シニア・エディターのガイ・ノリス、そして特別ゲストとして、メリアス・リサーチのアエロスペース・防衛・宇宙部門ディレクターで、エイビエーション・ウィークの寄稿コラムニストでもあるスコット・ミカスをお迎えしました。
スコット、まずはあなたから始めましょう。市場の反応を解説してください。10年前なら「大勝利」として祝福されたはずの中国からの200機発注が、なぜ今回ウォール街を失望させたのでしょうか?
スコット・ミカス: これはまさに、典型的な「噂で買って事実で売る(buy the rumor, sell the news)」ケースでしょう。大統領の訪中に至るまで、市場では中国が門戸を広く開け、大規模な発注――噂では300機から400機規模――を行うのではという期待や憶測が飛び交っていました。それによってボーイングが抱える目先のホワイトテイル(買い手未定の完成機)在庫を一掃し、将来の納入スロットを確保すると考えられていたのです。
そのため、公式発表が「200機」という数字に留まったとき、市場は「これだけなのか?」と受け止めました。発表前にボーイングの株価は非常に強い値動きを見せていたため、利益確定の売りが出た形です。しかし、もっと本質的な部分として、ウォール街は現在のボーイングのビジネスモデルにおいて、中国が長期的な構造として本当に重要なのかという根本的な疑問を抱いています。10年前、ボーイングは世界の新造機需要の約20%〜25%を中国が牽引すると予測していました。しかし現在、ボーイングはインドや中東といったその他急成長市場、あるいは米国内のネットワーク拡大へ軸足を移すことで、中国がなくても生き残り、それどころか受注残を堅実に積み上げられることを証明してしまったのです。
イェンス・フラットウ: ヨーロッパやグローバルの視点から補足します。今回の発注は、市場の勢力図がいかにエアバス側に傾いているかを浮き彫りにしました。ボーイングが10年近く中国から締め出されていた間に、エアバスは大量の受注を獲得し、天津の最終組立ラインを拡張し、同国内で圧倒的なシェアを築き上げました。ボーイングにとって200機の発注は確かに喜ばしいとはいえ、「エアバスが中国における欧米製航空機の筆頭サプライヤーとして確固たる地位を築いている」現実を根本的に覆すものではありません。さらに、北京政府とビジネスを行う地政学的リスクは、信じられないほど高いままです。
ジョー・アンセルモ: 運用やテクノロジーの側面から見てみましょう。現在、航空業界で議論されている中国に関する最大の懸念の一つは、単に「誰が飛行機を買うか」だけでなく、サプライチェーンや、台湾有事のような潜在的なリスクについてです。これは現在のボーイングの戦略的思考にどう影響しているのでしょうか?
ガイ・ノリス: それは極めて重大な要素です。もし中国が台湾侵攻のような強硬な地政学的行動に出たら、欧米による即座の制裁によって、航空宇宙関連の取引は完全に凍結されるでしょう。機体納入は一瞬でストップします。
しかし、もう一つの側面もあります。中国は欧米による「二社独占(デュオポリー)」を打破しようと必死になっています。737 MAXやA320neoのライバルとなるナローボディ機「COMAC C919」の販売を強力に推し進めています。現在のC919は、CFM製のLEAP-1Cエンジンなど、欧米製の部品に深く依存していますが、中国は長期的な戦いを挑んでいます。彼らは航空産業を欧米から完全に切り離す(デカップリング)ために、独自の技術、特に「CJ1000」エンジンプログラムに巨額の投資を行っています。ボーイングは、中国国内で技術を共有したり組立作業を行ったりすることに知的財産流出のリスクが伴うことを熟知しているため、2000年代初頭に比べ遥かに慎重な姿勢をとっています。
ジョー・アンセルモ: では今回のポッドキャストの核心的な問いに戻ります。ボーイングが今後も成功を収め、収益性の高い航空宇宙の巨人であり続けるために、もはや中国は「不可欠」な存在ではないのでしょうか?
スコット・ミカス: 結論から言えば、かつてのような意味では「必要ない」と言えます。中国はもはや、企業の成否を分ける市場ではありません。誤解しないでいただきたいのは、ボーイングが200機の受注を拒むことは絶対にありませんし、これらの納入から得られるキャッシュフローは同社の貸借対照表の改善に確実に貢献します。しかし、戦略的な位置づけは根本的に変わりました。世界の航空需要は過去最高水準にあり、航空会社は喉から手が出るほど機体を求めているため、ボーイングの受注残は非常に健全な状態です。今日のボーイングにとって最大の課題は、顧客を見つけることではなく、自社の内部サプライチェーンと製造品質の問題を解決し、売却済みの飛行機を「実際に組み立てて納入すること」にあります。現在のボーイングの成長戦略において、中国は中核となる柱ではなく、あれば嬉しい「ボーナス」のような存在になっているのです。
ジョー・アンセルモ: 世界の航空宇宙ダイナミクスにおける、実に興味深いシフトですね。イェンス、ガイ、そしてスコット、貴重な洞察をありがとうございました。今回の『Check 6』はここまでです。Apple PodcastsやSpotifyでのフォローをお忘れなく。また、最新の分析については aviationweek.com をご覧ください。それでは、素晴らしい一週間をお過ごしください。■
Joe Anselmo Jens Flottau Guy Norris Scott Mikus May 22, 2026
https://aviationweek.com/podcasts/check-6/podcast-does-boeing-need-china-anymore
エアバスとボーイングの最新状況 Aviation Week編集者による解説
ジョー・アンセルモ: Check 6へようこそ。Aviation Week Networkの編集局長、ジョー・アンセルモです。 さて、今から30年以上前、砂漠の嵐作戦が始まった頃、当時の国防長官ディック・チェイニーは、アメリカの軍事作戦の激しさを表現するために「かつてないほどビジネスは順調だ(Business is booming like never before)」という、今では有名になった言葉を残しました。今日、世界の地政学的な混乱、ウクライナや中東での戦争、そしてサプライチェーンの絶え間ない混乱を目の当たりにしている私たちは、民間航空機の二大巨頭ボーイングとエアバスについても、ある意味で同じことが言えるのではないかと考え始めています。彼らのビジネスは、まさに「爆発的」です。
今週、両社は最新の四半期決算を発表しました。そこで、この数字の裏側にある真実を読み解くために、当社の専門家チームを招集しました。ワシントンからはビジネス・エディターのマイケル・ブルーノ、フランクフルトからはエグゼクティブ・エディター(民間航空担当)のイェンス・フロッタウ、そしてロサンゼルスからはシニア・エディターのガイ・ノリスです。
マイケル、まずはあなたから始めましょう。ボーイングの決算についてですが、デビッド・カルフーン(CEO)は、同社が「正しい道」に戻ったと我々に信じ込ませようとしているのでしょうか? 実際の数字と、彼が投資家に伝えた内容を教えてください。
マイケル・ブルーノ:そうですね、カルフーンCEOのメッセージは、非常に「一貫性を保とうとするもの」だったと言えるでしょう。彼は、ボーイングが依然として「回復途上にある」というストーリーを強調しました。 数字を詳しく見てみると、ボーイングの第3四半期の売上高は181億ドルで、これは前年同期比で13%の増加となりました。これは、市場予想をわずかに上回る数字です。最大の要因は、787ドリームライナーの納入が再開され、ペースが上がっていること、そして737 MAXの納入も、以前の極端な停滞に比べればマシになっていることです。
しかし、一方で「痛み」も依然として存在します。純損失は16億ドルに達しました。これは主に、防衛・宇宙・セキュリティ部門(BDS)における固定価格契約のプログラム、具体的には新しい「エアフォースワン(VC-25B)」や「スターライナー」カプセル、さらにはMQ-25無人給油機などで追加費用が発生したためです。 投資家が最も注目していたのは「フリーキャッシュフロー」でした。今四半期は4億4000万ドルのマイナス(流出)でしたが、これはウォール街が予想していたよりもずっと良い結果でした。ボーイングは「2023年通年で30億ドルから50億ドルのプラスのキャッシュフローを実現する」という目標を据え置いています。これは、彼らが第4四半期に膨大な数の航空機を納入できると自信を持っていることを示唆しています。
カルフーンCEOが強調していたのは、「サプライチェーンの混乱を管理できており、生産レートを上げる基盤は整っている」という点でした。もちろん、これにはガイが後で話してくれるであろうスピリット・エアロシステムズの問題などの「但し書き」が付きますが、全体的なトーンとしては「嵐は去りつつあり、あとは実行するだけだ」というものでした。
ジョー・アンセルモ: イェンス、大西洋を挟んだエアバス側はどうでしょうか。決算発表では、ギヨーム・フォーリ(CEO)からどのようなトーンが感じられましたか?
イェンス・フロッタウ: ジョー、エアバス側のトーンは、ボーイングと対照的に「慎重、かつ極めて現実的」なものでした。ギヨーム・フォーリCEOは、勝利宣言などしていません。 数字を見れば好調です。売上高は前年同期比で12%増の149億ユーロ。しかし、彼らが直面している最大の問題は、自分たちの工場の中ではなく、サプライヤーの工場、特にエンジンの製造現場で起きていることです。
フォーリCEOは、プラット・アンド・ホイットニー(P&W)のGTFエンジンに関する問題を非常に深刻に捉えています。ご存知の通り、粉末冶金の欠陥により、A320neoファミリー数百機が点検のため長期の地上待機を余儀なくされています。これはエアバスのせいではありませんが、彼らのビジネスを直撃しています。 さらに、彼は「複雑なサプライチェーン」についても言及しました。これは単にエンジンだけでなく、座席の供給、原材料、さらには航空機を構成する数百万個の小さな部品すべてを指しています。
エアバスは今年は720機の納入目標を維持していますが、これを達成するには、第4四半期に「垂直に近い急勾配」の増産を達成しなければなりません。9月末までの納入実績は488機ですから、あと232機をたった3ヶ月で届けなければならないのです。これは昨年より厳しい状況です。また、A320ファミリーの生産レートを「月産75機」にする2026年の目標についても、彼は「変更はない」と言いつつも、それがどれほど困難な道であるかを言葉の端々に滲ませていました。
ジョー・アンセルモ: ガイ、生産現場のスペシャリストであるあなたに聞きたいのですが、今のイェンスの話を聞いてどう思いますか?エアバスとボーイング、両社とも「もっと作りたいのに、部品が来ない」という同じ壁にぶつかっていますよね。
ガイ・ノリス: その通りです、ジョー。イェンスが言ったように、これはもはや「特定の部品が足りない」というレベルではなく、サプライチェーン全体の「体力不足」の問題です。 ボーイングの場合、直近の大きな障害はスピリット・エアロシステムズが製造した737の胴体部分でした。後部圧力隔壁に開けられた穴の問題です。これにより、ボーイングは修正作業のため納入ペースを落とさざるを得ませんでした。カルフーンCEOは「これは第3四半期の数字に影響したが、第4四半期には回復する」と言っていますが、現場では依然として細かな手直しが続いています。
一方で、エンジンについては、P&W問題がエアバスに打撃を与えている一方で、ボーイング(737 MAX)が採用しているCFMインターナショナルのLEAPエンジンも、完全に無傷ではありません。LEAPはP&Wのような大規模なリコールはありませんが、耐久性の問題やスペアパーツの不足が常に議論の的になっています。 航空機メーカーは今、まるで「モグラ叩き」をしているような状態です。一つの問題(例えば半導体不足)を解決すると、今度は別の場所(例えば着陸装置の鍛造品)で問題が噴出する。両社とも受注残は山のようにありますが、それを「現金」に変える製造ラインが、サプライヤーという細い糸で繋がっている脆い状態なのです。
マイケル・ブルーノ: ガイ、その点に関連して付け加えたいのですが、今回の決算で注目すべきは「在庫」の積み上がりです。 ボーイングもエアバスも、完成間近なのに「あと一つの部品」が足りないため引き渡せない機体を、滑走路脇に並べています。これは財務的には「棚卸資産」として計上され、キャッシュを圧迫します。彼らが必死に「第4四半期にはこれらを全部吐き出す」と言っているのは、そうしないと年間の財務目標が達成できないからです。
ジョー・アンセルモ: ガイ、話題を変えて、市場の「明るい兆し」についても話しましょう。パンデミックの最中、誰もが「大型ワイドボディ機の時代は終わった」と言っていました。A380は退役し、4発エンジン機は姿を消すと。しかし今、逆のことが起きていますよね?
ガイ・ノリス: まさにその通りです。皮肉なものですよね。パンデミックの間、誰もが「これからは効率的な小型機(ナローボディ機)だけで、中距離や長距離を飛ぶ時代になる」と予測していました。しかし、蓋を開けてみれば、国際線の需要は爆発的に回復しました。ボーイングの決算発表で驚いたのは、787ドリームライナーへの自信です。彼らは現在、月産5機で生産していますが、これを2025年か2026年までに月産10機に引き上げる計画です。受注リストを見れば分かりますが、ユナイテッドやサウジアラビアの新しい航空会社リヤド・エアなどから、途方もない数の注文が入っています。
さらに、長く待たされている777Xについても、カルフーンCEOは「2025年の初号機納入に向けて順調だ」と断言しました。エミレイツのような大口顧客が、この機体を喉から手が出るほど欲しがっているのです。
イェンス・フロッタウ: エアバス側も同じですよ、ガイ。A350の生産レートを現在の月産5〜6機から、2026年には月産10機に引き上げる準備をしています。 特に注目すべきは「A350-1000」です。この最大モデルが、かつてのボーイング747やA380が担っていた役割、つまり「ハブ・アンド・スポーク」の主役として、主要路線で非常に重宝されています。また、A330neoについても、一時は受注が伸び悩んでいましたが、ここに来て再び注目を集めています。A321XLR(超長距離型小型機)の導入も控えていますが、それだけで全ての需要を賄えないことがはっきりしたのです。
マイケル・ブルーノ:もう一つ忘れてはならないのが「貨物機(フレイター)」の戦いです。これは今、両社にとって非常に重要な戦場になっています。歴史的に、貨物機市場はボーイングの独壇場でした。747F、767F、777Fと、彼らはこの分野で圧倒的なシェアを持っていました。しかし、エアバスはA350F(貨物型)を投入し、ボーイングの牙城を崩そうと真っ向から挑んでいます。
ガイ・ノリス:その通りです、マイケル。ボーイングも黙っていません。彼らは777-8Fという次世代貨物機を開発しており、すでに多くの受注を獲得しています。 面白いのは、これらすべての新型貨物機が「環境規制」によって突き動かされている点です。旧式で燃費の悪い貨物機は、2020年代後半には国際的な規制で飛ばせなくなる可能性があります。そのため、物流大手や航空会社は、今すぐに新しい、クリーンな貨物機を確保しなければならないのです。
ジョー・アンセルモ:つまり、旅客機でも貨物機でも、メーカー側は「売るものがない」のではなく、「作るのが追いつかない」という嬉しい悲鳴を上げている状況なわけですね。
マイケル・ブルーノ: ジョー、これらすべてのポジティブなニュースの一方で、私たちが注視しなければならない「逆風」も存在します。その一つがジェット燃料価格です。 現在、原油価格よりも、製油所のキャパシティ不足による「スプレッド(価格差)」が問題になっています。燃料費高騰は航空会社の利益を圧迫します。今のところ、旅客需要が非常に強いため、航空会社は運賃に転嫁できていますが、これがいつまで続くかは不透明です。もし景気が後退し、消費者が高い運賃を払えなくなれば、航空会社は新造機の導入スケジュールを遅らせるなどの判断を下すかもしれません。
ジョー・アンセルモ:地政学的なリスクについてはどうでしょうか? 冒頭で「ビジネスは順調だ」と言いましたが、中東の状況などは影を落としていませんか?
イェンス・フロッタウ:今のところ、直接的な注文のキャンセルといった動きは見られません。しかし、ギヨーム・フォーリも触れていましたが、中東はエアバスにとってもボーイングにとっても非常に大きな市場です。エミレイツ、カタール、エティハド、そしてサウジアラビアの航空会社。これらの企業の動きが地政学的な理由で停滞すれば、両社に大きな痛手となります。 また、中国市場も依然として「ワイルドカード(予測不能な要素)」です。ボーイングはようやく737 MAXの納入を再開しようとしていますが、米中関係の冷え込みが常にリスクとしてつきまとっています。
ガイ・ノリス: もう一つ付け加えるなら、労働力の問題です。サプライチェーンの混乱の根底には、熟練したエンジニアや整備士が業界を離れてしまい、戻ってきていないという事実があります。 ボーイングもエアバスも、そしてティア1、ティア2のサプライヤーも、新しい人材をゼロからトレーニングしていますが、これには時間がかかります。どれだけ高度な設計をしても、それを実際に組み立て、検査する「手」が足りなければ、月産レートを上げることは不可能なのです。
ジョー・アンセルモ: なるほど。つまり、要約するとこういうことですね。ボーイングもエアバスも、歴史的なレベルの受注残を抱え、製品に対する需要はかつてないほど高い。しかし、同時に、複雑すぎるサプライチェーン、熟練労働者の不足、エンジンの信頼性問題、そして不安定な世界情勢という、地雷原の中を歩いているような状態であると。
まさに「かつてないほどビジネスは順調(Booming)」ですが、それは非常に危ういバランスの上に成り立っているということですね。
皆さん、今日も素晴らしい分析をありがとうございました。マイケル・ブルーノ、イェンス・フロッタウ、ガイ・ノリス、ありがとうございました。
リスナーの皆様、今週のCheck 6をお聴きいただきありがとうございました。このエピソードが気に入りましたら、Apple PodcastsやSpotifyなどでぜひ評価やレビューをお願いします。また、AviationWeek.comでは、今回議論したトピックに関するより深い記事を読むことができます。それでは、また来週。
Joe Anselmo Michael Bruno Jens Flottau Guy Norris May 01, 2026
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