Swiss Air より
エアバスが開発を進める小型旅客機「A220-300」の高密度(160席)レイアウトに対し、欧州の航空会社から関心が寄せられています。
欧州商談の3〜4割が160席型を検討
2026年10月、北アイルランド・ベルファストで開催された欧州地域航空会社協会(ERAA)総会にて、エアバスの欧州地域社長兼営業責任者であるヨハン・ペリシエ氏が明かしたところによると、現在同社が欧州で進めている営業案件のうち30〜40%で、160席仕様の導入が検討されているとのことです。
160席仕様は、2026年5月にアジアの格安航空会社(LCC)エアアジアから150機を受注したことで大きな注目を集めました。従来の座席数から10席増やすため、非常脱出基準に適合させるよう主翼上に左右1カ所ずつ脱出ハッチを追加配置しています。型式認証はカナダ運輸省より2028年に取得予定です。
さらに大型の「-500」型への需要と生産体制
エアアジアの顧問を務めるトニー・フェルナンデス氏をはじめ、エアフランス-KLM、デルタ航空、エア・カナダ、ルフトハンザグループなど主要各社は、185席規模となる胴体延長型「A220-500」の開発を強く要望しています。
ペリシエ氏は大型化への需要を認識しているとしつつも、「現在は既存の-100型および-300型の生産拡大が最優先事項であり、新型の投入時期は今後の判断となるが、開発自体は『いずれ実施される(When)』段階だ」と述べています。
エアバスは2028年までにA220シリーズの生産能力を月産13機へ引き上げる計画を掲げています。これに伴い、ベルファストにある主翼製造工場を約6,221平方メートル拡張し、2028年前半の完成を目指しています。(なお、同シリーズの納入数は2024年に75機、2025年に93機を記録しており、現在の受注残は-300型が約1,000機、-100型が約100機です。)
納入枠の再配分と新規顧客開拓
ラトビアのエア・バルティックが連邦破産法第11章に基づく再建手続きに入ったことで、一時的に納入枠の空きが生じました。ただし、同社が保有していた40機分の発注は申請前に見直されており、該当枠はすでに他社へ再配分され、同社の受注データはリストの最後尾へ回されたとペリシエ氏は説明しています。
一方で、A220シリーズの販売自体は既存・新規問わず堅調に推移しています。特にエアバスが注力しているのがターキッシュ エアラインズへの提案です。同社はエアバスの他機種を幅広く導入していますが、リージョナル機や小型の単通路機を保有していないため、A220の導入は非常に戦略的な意義を持つとみられています。
エンジン問題の改善見通し
これまで運航トラブルや運航停止(AOG)の原因となっていたプラット・アンド・ホイットニー・カナダ製エンジンの粉末冶金部品問題についても、耐久性の向上が着実に進んでいます。ペリシエ氏は「大幅な改善が見られており、来年には予備部品不足に伴う運航停止は発生しない見込みだ」と力説しました。