2023年7月15日土曜日

デルタが記録的売上、利益を第2四半期に計上。パンデミック後の回復はまだ続き、ビジネス需要でさらに売上増を狙う。今後はアジア太平洋路線の回復に期待か。

 Delta A350 Delta-1

デルタによると、パンデミックの制限解除から1年が経過した今も旅行需要は堅調に推移している。


デルタエアラインズが記録的な売上を報告しており、COVID-19後の回復が本格化し、持続可能であるとの楽観的なメッセージを伝えつつ、第2四半期決算シーズンの幕開けを飾った。



アトランタが拠点の同社は7月13日、第2四半期利益18億3000万ドルを発表した。同四半期の売上高は156億ドルで、昨年の138億ドルから13%増加した。上半期の売上高は283億ドルで、2022年上半期を22%上回り、経営陣は、好調さは2023年一杯続くと見ている。


グレン・ハウエンスタインGlen Hauenstein社長は、同社の四半期決算説明会でアナリストに次のように語った。「この増加は、パンデミック関連の旅行制限がほぼ解除された1年後も、旅行に対する『溜め込み需要』が残っていることを示すものだ」。

「需要はとても熱いが供給は少なかった。人々はただどこかへ行きたがっていました」と、エド・バスティアンEd Bastian最高経営責任者(CEO)は付け加える。


同社によれば、国際線、国内線ともに需要は好調で、記録的な収益に貢献した。今後も「2桁」増収が期待される。


国際線旅客収入は、6月30日終了の四半期において前年同期比61%増となり、収益性は過去最高となった。南欧諸国が大西洋横断便の需要を牽引し、太平洋横断便は日本の再開と大韓航空との合弁事業の業績が寄与した。

ラテンアメリカも引き続き好業績をあげており、チリのLATAMとの合弁事業統合は「順調に進んでいる」と同社幹部は語る。


「国内線、国際線ともに、目に見える範囲では旺盛な需要があります」とハウエンシュタインは付け加えた。「この先に大きなチャンスがあり、この勢いに興奮しています」とハウエンシュタインは付け加えた。


デルタによれば、当四半期の国内線旅客収入は8%増加し、キャパシティも同様に増加した。


「本当に素晴らしい夏を迎えるでしょうし、同様に素晴らしい冬を迎えることが目標です」とバスティアンは付け加えた。


当四半期の最終日6月30日は、伝統的に繁忙期となる独立記念日の長期休暇の一部でもあったが、同社は「業界新記録の取扱高を記録し、史上最高の売上高を記録した」とハウエンスタインは付け加えた。


収益性が高い法人旅行部門も、従業員の帰社を求める企業が増加し、増収となったと幹部は言う。デルタ航空が法人顧客を対象に実施した調査によると、約93%が今第3四半期に「前四半期比で出張が増加する、または変わらない」と予想している。


しかし、このセグメントにもっと大きな可能性がある、とバスティアンは付け加える。2019年のパンデミック前のレベルとの比較はまだ行われているが、「経済規模が2019年より約20%拡大している事実を忘れている」。


それを念頭にビジネス需要には改善の余地が「たくさんある」と彼は言う。


しかし、同社がフル回転させている一方で、デルタ航空含む米国の航空会社に必然的に影響を与えるコロナウイルス後の不調がまだ残っている。


「航空インフラはまだ脆弱です」とバスティアンは言い、航空機納入の遅れや訓練の必要性を挙げた。「ギャップは長期にわたり残ると予想しています」。


7月13日未明、デルタはさらに12機のエアバスA220-300の発注オプションを行使したと発表し、小型の-100型機を含むエアバスA220-300の確定発注数は131機となった。


スカイチーム加盟の同社は2018年、A220の米国初の運航会社となった。同社は現在、A220-100(109席)を45機、-300(130席)を16機保有している。本日発表されたオプションを行使し、デルタ航空は追加70機のA220-300を発注している。また、A330-900も1機発注している。■


Delta kicks off Q2 airline earnings with record revenue and ‘robust demand’ | News | Flight Global

By Pilar Wolfsteller14 July 2023


ゆくゆくはアラスカ経由で日本までの路線開設を狙うノーザンパシフィックがまず米本土西部で路線運行を開始。機材は中古757に統一。いつ日本まで飛ぶ日が来るのか注目。

認証規制により就航が遅れていたノーザンパシフィックエアウェイズがオンタリオ国際空港から商業運航を開始した

待望のノーザン・パシフィックの路線就航がついに実現した。認証規制のため就航が延期されていたが、本日午後オンタリオ国際空港から就航開始した。

新しい航空会社の立ち上げ

写真 ノーザン・パシフィック航空

ノーザン・パシフィックを所有するFLOAT Alaska LLCのCEO、ロブ・マッキニーによると、この航空会社の立ち上げは719日がかりのプロジェクトだったという。すべての規制当局の承認を経て、就航を数回延期した後、マッキニーは土曜日(7月8日)に連邦航空局からノーザン・パシフィックの運航認可の電話を受けた。それから約1週間が経ち、就航便が飛んでいる。


ノーザン・パシフィックの就航便は、南カリフォルニアのオンタリオ国際空港からラスベガスのハリー・リード国際空港への路線である。最終目標は、アメリカ本土からアラスカのアンカレジでのストップオーバーを経由してアジアに向かう路線の立ち上げだ。しかし、当面の間、マッキニーはオンタリオ-ラスベガス間の未開拓市場を特定し、同航空はカリフォルニア州とネバダ州の都市間を週1往復する。

ノーザン・パシフィックが機材にボーイング757を選び、すでに4機保有している。フォワード・スタジオのチーフ・クリエイティブ・オフィサーであるエドモンド・ユオがデザインしたカラーリングをまとった757は、すでに多く注目を集めている。ボーイング757の機首はどこにいてもすぐに見分けがつくが、ユオによるデザインならなおさらだ。ノーザン・パシフィック航空の757型機はボーイング機らしくなく、コックピットの窓の周りに黒いマスクが施されている。

「ボーイング757-200型機のコックピット外枠に "ラクーンマスク "を採用したのは、象徴的な同機を更新し、現代化する意図的な試みでした。さらに、マスクのコンセプトは、過去の旅客機のデカールへのオマージュであると同時に、カラーリングのデザインに個性とセンスを加えるより広範な計画の一部でもありました」。

今日のフライトに使用された757は28年前の機体だが、ノーザン・パシフィックが内装を完全に改装したため、そうは思えないだろう。この飛行機はN628NPとして登録され、以前はUSエアウェイズとアメリカンで飛んでいた。USエアウェイズは1995年5月に757を引き渡した。アメリカン航空が757の退役を決定したCOVID-19の流行が始まる2013年12月まで運航された。

7H777

搭乗に先立ち、ノーザン・パシフィックはオンタリオのゲートでセレモニーを行い、マッキニー、同空港のアティフ・エルカディ最高経営責任者(CEO)、FLOAT Alaska LLCのジョシュ・ジョーンズ取締役会長が挨拶した。乗客にはノーザン・パシフィックのバッグが手渡され、ノーザン・パシフィックの名前が入った飛行機型の特製クッキーが振る舞われた。

7H777便は、ハリー・リード国際空港の管制運用のため、約1時間遅れでオンタリオ国際空港を離陸した。14:00に出発し、15:00にラスベガスに到着する予定だったノーザン・パシフィックの就航便は、14:57にカリフォルニアを離陸し、15:37にラスベガスに到着した。離陸後まもなく、NH777便はFlightRadar24アプリで最も追跡されたフライトとなり、一時は3万人以上が追跡した。■

Northern Pacific Airways Finally Launches Flights

BY

LUKAS SOUZA


2023年7月13日木曜日

アメリカン、ジェットブルーのノースイースト・アライアンスが裁判所命令で解散へ。今や米国のビッグ4はアメリカン、デルタ、サウスウェスト、ユナイテッドという顔ぶれだ。

 


Northeastern Alliance


NYC Russ/Shutterstock


アメリカンエアラインズとジェットブルーエアウェイズは、ノースイースト・アライアンス(NEA)を7月末をもって解消し、ニューヨークとボストン市場で4年間にわたり優位を保ってきたデルタエアラインズとの競争に決別する。


 

裁判所命令による決別は7月29日に正式発表される予定で、ジェットブルーは7月10日にマサチューセッツ州連邦地裁に通知した。

 申請書によると、両当事者は7月19日までに、「本件の最終的な差止命令および判決の条件案、または当裁判所に残るその他の問題に、この終結がどのような影響を与えるか」についての説明を提出する予定である。

 米司法省(DOJ)は2021年9月にアメリカンとジェットブルーを提訴し、ボストンで裁判が昨年開かれた。5月19日の判決で連邦判事は、アメリカ北東部における両社提携は違法かつシャーマン独占禁止法に違反すると述べた。

 ジェットブルーは最近、裁判を争い続けるのではなく、同地域での競争に有害であるとした提携解消の裁判所命令に従い、NEAを解消すると述べた。

 「ジェットブルーは、NEAを継続できないとの裁判所の判断に不服を申し立てないという難しい決断を下した」。

 しかし、アメリカンは、司法省が下した「誤った司法判断」と、NEAが「非常に競争促進的」であったと主張し、裁判の裁定と戦い続けることを誓っていた。

 フォートワースに本社を置く同社は7月5日、「アメリカンは上訴を進める」と述べた。「ジェットブルーは素晴らしいパートナーだ」。

 この提携で、アメリカン航空とジェットブルーはニューヨークとボストンを拠点とし、収益の共有、スケジュール調整、コードシェア、フリークエント・フライヤーへの特典提供で、相互乗り入れを実現した。

 ニューヨークが拠点のジェットブルーは現在、代わりにスピリットエアラインズの38億ドル買収案に集中する。

 実際、ジェットブルーはスピリット買収を優先しているようで、この買収は2024年前半の完了を目指す。

 ジェットブルーはニューヨークのラガーディア空港にあるスピリットの資産をライバルの超低価格航空会社フロンティアエアラインズに譲渡する分割契約を6月に結んだ。

 スピリットは、ジェットブルーの「合併契約に含まれる先行契約」の一部として、ラガーディア空港のゲート6つのと離着陸スロット22をフロンティアに譲渡する。

 ジェットブルーはNEAの最近の破綻を踏まえ、アメリカン、デルタ、サウスウエストエアラインズ、ユナイテッドエアラインズの 「ビッグ4」航空会社に全国的な低運賃の競争相手をもたらすという計画を「再考し、支援する」べきと主張している。

「我々は、司法省と協力し、司法省が抱くはずの懸念に前向きに対処する」。■


American, JetBlue make Northeast Alliance break-up official | News | Flight Global

By Howard Hardee13 July 2023


2023年7月9日日曜日

IATA最新データが示す航空旅客実需は2019年水準にあとわずかまで回復。ただし、アジア太平洋地区は遅れが目立つ。一方、航空貨物は対照的。

 

世界の航空旅客輸送量は今年5月に2019年比で96.1%に達し、3年続いた赤字の後、業界はいよいよCOVID-19前の需要レベルに近づいてきた。



航空業界団体IATAの最新データは、今年の急速な回復傾向を反映し続けており、2022年末時点のトラフィックは2019年レベルの76.9%であった。


売上旅客キロ(RPK)で測定すると、5月の世界国内市場は2019年のレベルを5.3%上回り、2ヶ月連続でパンデミック前のデータを上回った。後者の指標は、中国市場の再開のおかげで、年明け以降急激に上昇している。


それでも、アジア太平洋地域の航空会社は、5月のRPKが15%減と、危機以前の水準から最も遅れている(ただし、この数字は2022年12月時点では-43.5%であった)。


対照的に、中東の航空会社の5月のRPKは2019年のレベルを16.2%上回り、急上昇したことがIATAのデータで示されている。ただし、これは2019年5月にドバイ国際空港の滑走路が閉鎖され、フライトが制限されたため、2023年比較が人為的に膨らんだことが一因だ。中東の航空会社のRPKは、4月のCovid前のレベルに対して12.1%減少していた。


北米の航空会社でも、5月のトラフィックは2.1%増と危機以前の水準を上回り、最近の回復傾向をより確実に反映している。IATAによると、その他地域の航空会社は2019年水準に近い状態が続き、ヨーロッパのRPKは1.9%減、アフリカの航空会社のトラフィックは0.9%減、ラテンアメリカのRPKはわずか0.4%減であった。


キャパシティの面では、ラテンアメリカ、中東、北米の航空会社は利用可能座席キロ(ASK)が2019年5月の水準を上回り、それぞれ2.2%増、6.3%増、1.8%増となった。


IATAデータによると、アジア太平洋の航空会社のASKは2019年5月に対し11.7%減少し、ヨーロッパの航空会社のそれは3.1%減少し、アフリカの航空会社は3.9%減少した。


世界全体のキャパシティは2019年の96.1%で、トラフィックの数字と一致した。


5月の世界全体のロードファクターは81.8%で、COVID-19以前の水準と同等で、パンデミック発生以来、このマイルストーンが達成されたのは初めてとIATAは指摘している。


一方、IATAのデータによると、航空貨物部門では、感染前レベルに対し比較的堅調な利回りを維持しながらも、需要の落ち込みが続いている。同協会によると、5月の世界需要は前年同月比5.2%減で、貨物トンキロで測定した輸送能力は同14.5%増であった。


COVID-19危機の間、航空貨物は好調に推移し、港湾作業の遅延や輸送コストの高騰といった一時的要因で拍車がかかった。このため、前年同月比は、2020年から2022年にかけてトラフィックとキャパシティが旅行制限で大きく影響を受けた旅客市場より、より適切なものとなっている。■



Global airline passenger traffic closes to within 4% of pre-Covid levels | News

By Lewis Harper8 July 2023


2023年7月8日土曜日

アイスランデアがA321XLRを発注。超長距離単通路機はエアラインに新しいビジネスモデルを提供するだろうが、乗客にとって快適なフライトになるのだろうか。

 

アイスランデアは、2029年納入予定でエアバスA321XLR型機の購入契約を締結した。

 同航空はまた、SMBCアビエーション・キャピタルと2024年から運航機材に加わるA321LR4機の長期リース契約を締結した。 

 この動きは、アイスランデアにとって転換を意味する。現在の機材は、737-8および9、旧型757-200、757-300、767-300ERを含むボーイング機と、リージョナル路線のデ・ハビランド・カナダ製ダッシュ8ターボプロップ機で構成している。  

 エアバスとの新たな契約により、アイスランデアはA321XLRを13機確定発注し、さらに最大12機の購入権を持つ。納入は2029年に開始される。

 A321XLRは2022年に初飛行を完了しており、2024年には単通路機で最長の航続距離で就航する。 

 SMBCアビエーション・キャピタルとのリース契約は、2024年第4四半期にエアバスから引き渡される予定のA321LR型機4機が対象だ。

 「A321XLRは、当社のビジネスモデルをさらに強化し、柔軟性を高め、将来の成長の機会を提供しながら、持続可能性への当社の取り組みをさらに支援します」とアイスランデアのボギ・ニルス・ボガソン社長兼CEOは述べた。

 エアバスのチーフ・コマーシャル・オフィサー兼エアバス・インターナショナルの責任者クリスチャン・シェラーは、「エアバスに信頼と信用を寄せていただいたアイスランデアに心から感謝いたします。「A321XLRの卓越した性能を活用することで、貴社の航空会社は、目覚ましい効率性とCO2排出量の大幅な削減を実現し、持続可能な成長の道を歩んでいます」。■


Icelandair Makes Airbus Shift With A321XLR Order | Aviation Week Network

Helen Massy-Beresford July 06, 2023


Helen Massy-Beresford

Based in Paris, Helen Massy-Beresford covers European and Middle Eastern airlines, the European Commission’s air transport policy and the air cargo industry for Aviation Week & Space Technology and Aviation Daily.


2023年7月7日金曜日

気になるニュース ユナイテッドの737MAXでエンジン火災。燃料漏れが原因とNTSBが予備報告している。

 


先週ニューアークで発生したユナイテッドエアラインズのボーイング737MAX9型機のエンジン火災は、燃料漏れが原因であった可能性があると米国運輸安全委員会(NTSB)が予備報告書で発表した。



同機はUA2376便として運航され、フォートローダーデール発、2時間半のフライトの後、現地時間6月28日10時19分にニューアーク・リバティー国際空港に到着した。NTSBは7月7日発表の報告書で、乗務員5名と乗客179名の誰にも怪我はなかったと述べている。NTSBは調査を続けている。


2023年6月28日、ユナイテッド航空のボーイング737Max9で燃料漏れが原因でエンジン火災が発生した可能性がある。


「フライトクルーによると、地上滑走中に第1エンジン火災の警告表示を確認した。「乗務員は第1エンジンを停止し、消火ボトル1本を放出し、火災警告表示は停止した。

「No.1エンジンから目に見える煙や火は出ていなかったので、飛行機はゲートまで牽引された。ゲート到着後、整備担当者はNo.1エンジンからの燃料漏れの証拠を確認した。「第1エンジンのスラストリバーサーのドアを開けて目視点検したところ、エンジンケースと外面に熱損傷とすすが確認された」。


同機はN37516の登録で、Ciriumのフリートデータによると、2020年12月末にユナイテッド航空に引き渡された。Ciriumによると、ユナイテッドは同型機を66機保有しており、さらに13機を発注中である。


さらなる情報を求められたユナイテッドは「調査中であることは確認できる」と答えた。


シカゴが拠点のユナイテッドは、悪天候が数日間に渡り続いたため、東海岸のハブ空港ニューアークを苦しめた運行のメルトダウンに対処する最中であった。ユナイテッドのスコット・カービー最高経営責任者(CEO)は、問題の多くはFAA(連邦航空局)の航空管制官不足のせいと非難したが、FAAを率いるピート・バティギグ米運輸長官は、人員配置の問題が混乱に寄与したが、ほんのわずかだと反撃した。■


US NTSB investigating engine fire on United Airlines’ Boeing 737 Max | News | Flight Global

By Pilar Wolfsteller8 July 2023\

2023年7月3日月曜日

宇宙太陽光発電所SBSPが実現に近づいてきた。大量のクリーンエナジーが宇宙から地上へビーム送信されればエナジー供給の構造は大きく変わる。さらに、地球以外に月屋小惑星での資源掘削にも効果を発揮しそう。

 


ターミナル1・2共通記事です。


宇宙からの太陽光発電こそ米国が行うべき世界を変える賭けなのだ


カリフォーニア工科大学の研究者たちは、科学的に初めて、宇宙空間で発電された電力を地球に送り返してくるのに成功した。▼宇宙太陽光発電実証機は、長く望まれていた新しいエナジー源、宇宙太陽光発電(SBSP)の科学的根拠を証明するものだ。▼SBSPは、地上の太陽光を断続的にしている要因を排除し宇宙空間で太陽エナジーを回収することにより、クリーンなエナジーを供給し二酸化炭素排出量を削減する、まったく新しいベースロードエナジー技術を解き放つ。▼商業宇宙セクターの成長により打ち上げコストの急速な削減が見えてきたことで、今後数十年以内に経済的な事業になる可能性がある。▼欧州宇宙機関、中国、日本が、この研究開発を積極的に進めている。▼宇宙活動で世界のリーダーであるにもかかわらず、米国はSBSPで遅れをとり、地政学的な競争相手にこの新興分野を奪われる恐れがある。▼要するに、米国には、官民一体で複雑な工学的、経済的、規制的課題を解決し、宇宙太陽光発電を開発・商業化する包括的戦略が必要なのである。▼エナジー市場が比較的安定していた10年間を経て、現代経済のエナジー・サービス依存が浮き彫りになりつつある。▼石油ブームと不況の加速など、パンデミックによるエナジー市場の混乱は、エナジー供給への短期投資を弱体化させた。▼ロシアのウクライナ侵攻は、エナジー価格の変動をさらに悪化させ、ヨーロッパが大きなエナジー供給国を失い、世界が第2位の石油供給国を失う見通しを高めた。▼さらに言えば、世界的な地政学的競争、特に米中間の競争が再燃し、エナジーや宇宙を含む戦略的産業をめぐる競争が激化している。▼こうしたことはすべて、悪化の一途をたどる気候変動と、可能な限り早く二酸化炭素排出量を削減する必要性に常に迫られている背景のもとで起きている。▼風力発電や太陽光発電の成長、その他先進的なエナジー技術の出現を考慮しても、世界はあらゆるクリーンエナジーを必要としている。▼さらに、レガシー火力発電所の引退が加速中で、発送電システムやベースロード電源システムの必要性はますます高まっている。▼宇宙空間での太陽光発電は、こうしたニーズすべてを1つのパッケージで満たすことができる。▼すなわち、システムのランピングをサポートするために迅速に発送電でき、非常に高い容量係数でベースロード電力を供給でき、直接排出がゼロで、回復力があり、これらすべてを同時に達成することができる。▼科学的な第一原理は単純だ。宇宙空間での太陽光発電は、大気を通過する必要がなく、雲に遮られることもなく、夜間もないため、地表の約8倍も強力である。▼この太陽光発電を地球に送り返すことができれば、つまり波長の長いマイクロ波で送り返すことができれば、地上市場は24時間365日クリーンなエナジー源を利用できるようになる。▼もちろん、このような事業の複雑さは些細なレベルではない。▼SBSPは1970年代に宇宙物理学者のジェラード・オニールにより初めて一般化されたが、コストが高止まりしていたこともあり、進展は一時的なものに過ぎなかった。▼スペースXのような商業宇宙イノベーターの台頭により、SBSPの経済方程式は逆転し始めている。▼再利用可能なロケット、既製の衛星機器、規模の経済が、宇宙へのアクセスコストを引き下げている。▼商業宇宙ステーションや宇宙空間での組立・製造のような新たな技術革新は、大規模で複雑な衛星設備の建設をサポートすることができる。▼月や小惑星から採掘される宇宙資源の可能性は、材料費をさらに削減する。▼多くの地域、特に絶望的なエナジー事情に直面している地域が気づき始めている。▼欧州宇宙機関(ESA)は、SBSP開発の野心的なカシオペア計画に着手した。▼根底にあるのは、ESAによる2つの研究結果で、最初の実用規模の実証プロジェクトのコストは200億ドル以下である。▼コストがかかるとはいえ、この価格設定は、ジョージア州における新型原子炉2基の建設など、エナジー巨大プロジェクトと同レベルである。▼中国は、SBSPをエナジーと宇宙大国になるための手段と考えている。▼2028年に地球低軌道、2030年に静止軌道での実験を計画している。



今後数十年間で、数百ギガワットのベースロード発電所を建設できる。▼特定の構成であれば、SBSP発電所が電力市場間で切り替えを可能にし、システムの信頼性を高め、可変的な再生可能エナジー源を柔軟に補完することができる。▼エナジー資源の経済的優位性に恵まれない国々は、自国のエナジーを安全に生産できるだけでなく、余剰の宇宙発電を世界市場に送ることで、輸出市場を開拓することができる。▼グリッド規模の電力だけでなく、SBSPは遠隔防衛活動から軌道衛星、月や火星の地表にある基地まで、さまざまな種類の高度なエナジー活動を支えることができる。▼宇宙ステーションはロケット打ち上げを必要とするが、ライフサイクルでの排出量は他のクリーン・エナジー源に匹敵すると思われる。▼しかし、アメリカは現在、この豊富なエナジー源に参加するめどが立っていない。▼アメリカでSBSPに取り組んでいるのは、国防総省とカリフォルニア工科大学というほんの一握りの団体だけである。▼NASAはパワービーミングに焦点を当てたプロジェクトに資金提供しているが、宇宙用途に限られている。▼米国機関および民間セクターに研究開発・商業化のロードマップが存在しない。▼広範な協調と需要の推進がないと、ユーティリティ・スケールのSBSP開発を支援する投資は不十分なままに終わる。▼広範なアメリカのイノベーション・エコシステムは未発展だ。▼エナジー省、国立研究所、電力部門の顧客といった、商業化エナジー技術を開発する上で最も重要な主体が、開発から抜け落ちていることが注目に値する。▼宇宙産業だけでは、この技術を解き放つことはできない。▼さらに、国務省、連邦エナジー規制委員会、連邦通信委員会のような、宇宙エナジーシステムに対する重要な政策・規制の場は、まだ十分な法的基盤を確立していない。


包括的な戦略とはどのようなものだろうか?▼今年初め、両著者は『Space Policy』誌に論文を発表し、技術開発プログラムがそのような戦略の要だと主張した。▼私たちは、官民パートナーシップの活用を提案し、価格を下げながら技術のリスクを段階的に取り除いていくことを提案した。▼小規模活動から始め、積極的だが実現可能なプログラムにより、2040年代に実用規模のコスト競争力のあるシステムに到達する。▼最近のインフラ法案で新設されたエナジー省クリーンエナジー実証室は、そのようなプログラムの完璧なホストとなるだろう。


技術実証とコスト削減だけでなく、このようなプログラムがあれば、長期的規制の枠組みを確立する持続的な政策立案も可能となる。▼規制上の課題としては、他の衛星や地上ユーザーが現在使用中の電波スペクトルの利用、マイクロ波ビームの安全性やセキュリティに関する懸念への対応、規制の厳しいエナジー市場へのSBSPの統合などがある。▼なかでも最も重要な出発点は、バイデン政権と議会が、宇宙を利用した太陽光発電の開発を気候変動との戦い、エナジー安全保障の強化、2つの戦略分野における国際競争力の確保の国家的優先事項だと宣言することである。▼NASA、国防総省、エナジー省にまたがる省庁間調整により、政府投資を実験室での実現技術に向けることができる。▼民間主導のイノベーションは、学界と密接に協力し、イノベーションを実際の展開へ導き、段階的な展開でコストを削減できる。


最終的には、SBSPは21世紀のエナジー源のひとつになる可能性がある。▼風力、太陽光、原子力といった他のクリーンエナジー源を補完することで、米国とその同盟国のエナジー安全保障を確保しながら、今世紀半ばの世界的な脱炭素化を実現することができる。▼また、たとえ核融合のようなカーボンフリー技術が実用化されても、SBSPのユニークな特性が、SBSPへの投資を正当化するだろう。▼空想的に聞こえるかもしれないが、宇宙から送られる太陽光発電は、まさに今世紀の米国が行うべき、リーダーシップを定義し、世界を変える賭けなのである。■


July 2, 2023  Topic: Energy  Region: World  Blog Brand: Techland  Tags: EnergySpaceSolarSpace-Based Solar PowerRenewable EnergyTechnologyEnergy Security



Alex Gilbert is a Fellow and Ph.D. student at the Colorado School of Mines, and Director of Space and Planetary Regulation at Zeno Power.

Leet W. Wood currently works in energy policy and regulation at a DC not-for-profit. He received his doctorate from George Mason University in 2019.

Image: Shutterstock.


2023年7月1日土曜日

ボーイング、エアバスの新型ナロウボディ機の稼働実績はどうなっているか

 

Credit: Ryanair



ボーイングとエアバス両社の次世代ナローボディはどんな実績を上げているか?


先日のパリ・エアショーで1,000機近いA320と737 MAXファミリーが発注され、エアバスのA320ceoとA320neo、ボーイングの737-800と737-8(MAX 8とMAX 8200)の平均飛行時間が2019年以降どのように推移しているかを見てみよう。


737-8を皮切りにすると、2019年3月の接地から2020年12月のMAX再認証まで、平均利用率は再配置フライトとテストフライト数回を除き、ほぼゼロだった。しかし、737-8の平均利用時間はその後、1機あたり月220時間近くまで伸びている。現在、ライアンエアーとその姉妹会社が独占的に運航している737-8200は、737-8と比較して月間100時間も稼働時間が伸びている。これは、LCCで稼働率の高さを機材に求めているかを浮き彫りにしている。

 

737-800は2023年5月時点で月平均240時間近く稼働しており、平均稼働率は3番目に高い。サプライチェーン問題が新造機に影響し、プラット・アンド・ホイットニーGTFとCFM LEAPの両エンジンの信頼性と耐久性の問題がよく知られているため、運航会社は旧世代機材を飛行させ続けたいと考えている。安定した原油価格も後押しだ。原油価格が1バレルあたり85ドルを超えると、運航会社は、燃料の諸経費が増加する結果、機材構成について真剣な検討を迫られるだろう。


エアバスのA320ceoとA320neoを見てみると、新エンジン・オプション(NEO)モデルが、両型を保有する運航会社に好まれている。NEO(250時間以上)は2位につけており、2023年5月にはA320ceo(200時間)より月平均50時間多かった。NEOはGTFの影響を受けており、NEOの約45%がGTFを搭載しているため、平均稼働率が低下している。


以上のデータは、Aviation WeekのTracked Aircraft Utilizationデータツールでまとめた。■


Flight Friday: How Are Boeing And Airbus' Next-Generation Narrowbodies Faring? | Aviation Week Network

Daniel Williams June 29, 2023


Daniel Williams

Based in the UK, Daniel is the Manager of Fleet, Flight and Forecast data for Aviation Week Network. Prior to joining Aviation Week in 2017, Daniel held a number of industry positions analyzing fleet data.