Photo: Centrum Air
現在6機の航空機を保有するセントラム・エアCentrum Airは、ヨーロッパとアジアをワンストップで結ぶことに特化した中東の大手航空会社とはちがう。しかし、セントラム・エアはスピードで優位に立てると考えている。短い乗り継ぎ時間と理想的な地理的位置が組み合わさることで、タシケント乗り継ぎは価値ある投資になると同社は考えている。
同社を率いるフセイン・シェリフ・ファフミHussein Sherif FahmiCEOは、航空業界で40年近いベテランで、母国エジプトでの経験も豊富だ。ファフミCEOは本誌のディロン・シャーのインタビューに応じ、同社の現在および将来の計画を語った。同CEOは「航空ビジネスのあらゆる側面」に携わり「見逃したことはひとつもなかった 」と、自身の長年にわたる経験を振り返った。「私は本来、挑戦者ではあるが、リスクテイカーではない」。
セントラム・エアとは?
セントラム・エアは、格安航空会社モデルとプレミアム航空会社のモデルを組み合わせたハイブリッド航空会社だ。多くの点で、このモデルは、座席指定やその他の付帯サービスに課金し始めたフルサービスの航空会社(特にヨーロッパ)のモデルに似ているとCEOは指摘する。
Photo: Centrum Air
その一方で、同社は独自のチェックイン・サービスも提供し、タシケント経由のポイント・トゥ・ポイントとトランジット・トラフィックをミックスさせた広範なハブ・アンド・スポーク・ネットワークの導入を希望している。 ファーミは言う:「私たちは、タシケント経由で東から西へ、西から東へ、またインドからヨーロッパへ、さらに北東アジアへの旅客を取り込めるネットワークを設計しました。タシケントは、私たちの祖先が500〜600年前に行った、いわゆるシルクロードの中心地でした。そして、タシケントにはまだその美しく恵まれた地理的位置があるため、私たちはここをシルクロードにしようとしているのです」。
現在、セントラム航空は4機のエアバスA320ceoと2機のA321neo(7月と10月に納入)を含む6機を中東とアジアの数少ない国際都市で運航している。
理想的な地理的位置
セントラム航空は、その地理的優位性を最大限に活用したいと考えている。同CEOは、ウズベキスタンは35億人の人口に囲まれており、そのうち約15億人がインド、約13億人が中国、そして7億人が東南アジア、ロシア、韓国、日本に住んでいると述べている。計画では、ここまで広範な集客エリアに対応し、世界中の目的地へのトランジットの機会を提供する。
「私たちは東から最大で6時間半、西から最大6時間半の距離にある。 ちょうど真ん中なのです」。
実際、タシケント経由のフライトは、直行便に比べ時間がかからないものもある。「例えば、コペンハーゲンからバンコクに飛ぶ場合、その差は1時間です。例えば、直行便が11時間だとしましょう。タシケント経由だと12時間です。10時間も機内にいることができない乗客がいることを私たちは理解しています。地上での1時間、そして東南アジアまでの6時間よりも、5時間に分けたほうがいいのです」。
エミレーツ航空の同路線の所要時間は、地上での3時間を含めて約15時間である。セントラム・エアがヨーロッパ・アジア間のトランジット市場で成功を収めるには、乗り継ぎ時間の短さと価格の安さを重視することが重要になる。同CEOは、「競争の激しい市場に参入することになるが、そのような市場に参入することで、優位に立てる」と認識している。地上での所要時間が1時間では不可能な長時間の乗り継ぎの場合、ファーミCEOはタシケント市内を短時間観光する可能性さえ持ち出した。
「乗り継ぎ時間が4時間の場合、乗客はタシケント市内を2時間観光できます。多くの国籍の人が、到着時に、あるいはオンラインで非常に簡単なビザ入国手続きでビザを取得することができます。また、多くの国籍の人がウズベキスタンに24時間無料で入国できます。これは、世界中の多くのハブポイントでは利用できなませんが、私たちは恩恵を受けています」。
重要なトランジット市場には、ヨーロッパから極東までが含まれ、特にEUの地元航空会社が、ロシアの領空制限と需要の鈍化の結果、この地域へのサービスを削減していることを考えれば、なおさらである。 ヨーロッパの航空会社に対するロシアの空域制限は、セントラム航空にとって良いニュースなのかと尋ねると、ファーミは次のように答えた:「ロシアの空域(シベリア横断ルートまたは極地ルート)を使用していた航空会社が使用できなくなったので、当社は動向を注視しています。そして、ヨーロッパとアジアのちょうど中間地点にあるタシケントを拠点とするというユニークなセールスポイントを提供します」。
その他の重要な市場には、ヨーロッパからインド亜大陸への路線や、ヨーロッパとインドを結ぶ多くの友人や親戚の訪問(VFR)がある。
Photo: Centrum Air
ワイドボディとA321neoで機材を倍増
セントラム・エアは2025年7月までに、エアバスA330ワイドボディ機を2機導入し、合計13機体制とすることで、機材を2倍以上に増やしたいと考えている。地域航空会社から長距離航空会社へ戦略を転換することで、タシケントが世界的な地位を確立する。
納入スケジュールは以下の通り:
機種 機数 納入月
エアバスA320neo 2 3月、4月
エアバスA330ceo 2 1月、4月
エアバス A321ceo 2 3月
エアバスA321neo 1 7月
ファーミCEOによると、同社は2026年を睨んだ機材追加について協議中であるという。 2026年には24機を保有し、エアバスA320とエアバスA330ファミリーを同程度に混在させたいと考えている。また、パイロットを養成し、両方の機種で飛行できるようにすることで、柔軟性を高めたいとしている。
エアバスA330は、バンコクなど需要の高い幹線路線に使用される。 また、サウジアラビアへのハッジやウムラの宗教便など、季節性の高い路線にも投入される。このワイドボディ機は、エアバスA321LRでは航続距離的にアクセス不可能なサービスにも貢献するねらいがある。■
How Uzbekistan’s Centrum Air Will Do 1-Stop Europe-Asia Flights Faster Than Anyone Else
By
https://simpleflying.com/centrum-air-1-stop-europe-asia-faster-than-anyone-else/
0 件のコメント:
コメントを投稿