2022年6月11日土曜日

次期エアフォースの塗装案をバイデン政権が決定。トランプ色は拒否。いかにも党派で分断の米国の象徴。

 

Photo: Chris Loh | Simple Flying


れほど驚くべきことではないかもしれないが、次期エアフォース・ワンのカラーリングがどうなるかは大きな疑問であった。今までは。



 バイデンが第46代大統領に就任して1年半になる。就任式がパンデミックの真っ只中に行われたこともあり、次期エアフォース・ワンのカラーリング問題は、優先順位からかけ離れていた。しかし、現政権がトランプ前大統領提案のダークブルー塗装を採用しないことがようやく確認された。


コスト増が理由

Politicoによると、大統領と現政権は、ダークブルー塗装によるコスト増を理由に、トランプ前大統領が提案したエアフォースワンのカラーリングを採用しないとある。

 レンダリングで見た方も多いと思うが、2019年に公開されたトランプのデザインは、ダークレッドのストライプの下にダークブルーを腹部とエンジンに施すのが特徴だ。この塗装は、工業デザイナー、レイモンド・ローウィがジョン・F・ケネディ大統領向けに1962年に確立したカラーリングに取って代わるものとして設定された。 

 当時、新デザインについてABCニュース取材に応じたトランプ大統領は、次のように語っている。

「赤、白、青 だ。エアフォースワンは素晴らしいものになる。世界一、最高級になる。赤、白、青がふさわしいと思う」。


現行のカラーリングは、「エアフォース・ツー」や、アメリカ空軍が保有する他のVIP輸送機にも採用されている。写真 Mathieu Marquer via Wikimedia Commons


ダークサイド...

この決断へは、最初は首をかしげるかもしれない。改良型747-8iの2機は新品かつ未使用で、デザインにかかわらず新しいカラーリングが必要だ。では、あるカラーリングが他のカラーリングよりもコストがかかるのはなぜか?

 空軍による最近の調査は、提案中のカラーリングの暗色は機体温度を上昇させる可能性があると結論づけている。

 「VC-25B下部の暗色は、一部コンポーネントの現在の制限を超える温度上昇に寄与するかもしれないと結論づけられた」-Ann Stefanek, US Air Force spokesperson via Politico

 匿名でPoliticoに語った政権関係者は、トランプのカラーリングで「エンジニアリング、時間、コスト」を押し上げる可能性があると付け加えた。最近のニュースを見ていない人のため補足すると、エアフォース・ワンの代替プログラムはすでに予算オーバーで、スケジュールも遅れている。


トランプ大統領が提案した塗装。Photo: Boeing


中立の場はない

深く分裂した米国にとって、バイデン政権による今回の決定は、追加プログラム費用の報告で正当化されたものの、政治判断と見なされる可能性が高い。

 未公表の(あるいは未確定の)予算額を節約するというが、VC-25Bのカラーリングに関する決定は、非常に多くの象徴性を持っている。「どのデザインが似合うか?」という問題以上に、むしろ、トランプ前大統領提案の塗装にすれば、本人を視覚的に思い起こさせることになり、その思いは数十年続くことになっただろう。超音速の代替機が開発されるまで。

 上記のような理由で、カラーリングの審議で国内が二分されたわけだが、今回の報道と決定で、前大統領の支持者が動揺するのは間違いない。それでも、ようやく答えが出たことで、同機の就航など、もっと重要な内容が前進するのはいいことだ。■


It's Official: Trump Air Force One Livery Gets Scrapped By Biden Administration

BY

CHRIS LOH

https://simpleflying.com/trump-air-force-one-livery-scrapped/


Source: Politico, ABC News

About The Author

Chris Loh (2070 Articles Published)

Deputy Editor - An experienced photographer and video producer, Chris is a journalistic natural. Degree educated with a wealth of traveling history, Chris’ insight into routes, networks, and...


2022年6月10日金曜日

アメリカン・ジェットブルーの北東アライアンスに司法省が異議を唱えている理由とは

 アメリカンとジェットブルーによる北東部アライアンス(NEA)をめぐる米司法省の訴訟について。


Photo: Getty Images



 メリカンエアラインズジェットブルーに対する米国司法省の反トラスト法違反訴訟について、裁判所は本日、審理を進めると発表した。同訴訟の裁判日程は、今年の9月26日に決まった。

 連邦政府は9月、マサチューセッツ州連邦地方裁判所レオ・ソロキン判事に対し、両航空会社の北東アライアンス提携解消を命じる申し立てを行なった。申し立てには、アリゾナ、カリフォルニア、DC、フロリダ、マサチューセッツ、ペンシルバニア、バージニアの各州が賛同し、連邦政府とあわせ訴えを起こした。





 この協定は、アメリカンエアラインズとジェットブルーが、ニューヨーク=ボストン線でそれぞれの便を販売し、マイレージプログラムを提携するものだ。訴訟では、提携が反競争的な行為につながり、スロットに制約がある北東部の各空港で運賃が高くなると主張している。

 しかし、両航空会社は、協定によって、この地域で支配するユナイテッドエアラインズとデルタエアラインズに対抗できる交渉力と集団的能力が高まったと主張している。アメリカンの広報担当者は、Simple Flyingにコメントを求められ、今後の手続きに楽観的な見方を示した。

 「北東アライアンスで可能になる消費者の大きな利益と競争の激化を実証する機会を楽しみにしている」。

 アメリカンは、北東部市場におけるデルタとユナイテッドの強い影響力に対抗しようとしている。写真 Vincenzo Pace|シンプルフライング


 アメリカンとジェットブルーは不正行為を否定し、訴えの却下を申し立てた。裁判所は本日の決定で、原告の主張が9月に持ちこたえられるかどうかについて何の見解も示さず、現在の関心事は却下の申し立てに集中している。


北東アライアンスの提携の始まり

 当初の認可では、ジェットブルーとアメリカンは、北東アライアンスの前進を可能にするため、DOT(運輸省)との一連の妥協に合意するよう要求された。ネットワークとサービスレベルの約束、組織間のコミュニケーションの制限、DOTへの定期的な報告、スロット分割などの要求があった。

 最終合意で、アメリカンとジェットブルーは認可条件として、ニューヨークJFK空港で少なくとも7、ワシントン・レーガン・ナショナル空港(DCA)で6の発着枠を売却するよう要求された。両航空会社は価格面での調整も認められていない。

 ジェットブルーとアメリカンは、ボゴタ、カルタヘナ、メデジン、カリへのフライトを開始する。

 両航空会社は提携が大きな成功を収めたと称賛している。アメリカンはジェットブルーと発着枠の交換が可能になり、顧客に路線オプションがより多く増えた。アメリカンはニューヨークのジョン・F・ケネディ国際空港(JFK)に集約し、ジェットブルーはJFK、ラガーディア空港(LGA)、ニューアークリバティ国際空港(EWR)から路線網を拡充している。


今日とこれからのアライアンス

アメリカンは新規路線を相次いで発表し、この協定が大きな役割を果たしたと強調している。ニュージーランドとウルグアイへの長距離路線に加え、アメリカンは北東アライアンスと共同で新路線6つを開設する。ラ・ガーディア空港からは、アーカンソー州リトルロック(LIT)とオクラホマ州タルサ(TUL)への通年路線のほか、ノースカロライナ州アッシュビル(AVL)とフロリダ州キーウェスト(EYW)への季節便を運航する。

 JFK空港からは、モンテレイ(メキシコ)(MTY)およびバミューダ(英国海外領土)(BDA)への通年便が追加される。ジェットブルーは、今年のニューヨーク到着便のピーク時に、北東アライアンスで1日500便の運航を見込んでいる。

 ジェットブルーは、アライアンスを立ち上げてから競争が激化し、ラ・ガーディア空港でこれまでで最も目立つ位置にまで同社が成長したことを強調した。同航空は声明で、北東アライアンスが消費者に大きな利益をもたらすと信じており、法廷で引き続き確固たる主張を展開すると述べた。

 「アメリカン航空との北東部アライアンスは、北東部に第3の有力な競争相手を生み出すことにより、顧客に大きな利益をもたらしている。我々は、今年9月に事実を提示した後、裁判所がこちらに有利な判決を下すと確信している」。

 ジェットブルーとアメリカンは、提携が乗客に多くの利益をもたらし、競争力を高めると主張している。写真JetBlue


 同じ格安航空会社のスピリットも以前、アメリカンとジェットブルーの提携が競争抑制につながると懸念を表明していた。同社は、この提携によって顧客により高い航空運賃につながり、競争が最も厳しい国内4つ市場で消費者に害を及ぼすと指摘している。■



American Airlines-JetBlue Antitrust Trial To Go Ahead In September

BY

JONATHAN E. HENDRY



2022年6月7日火曜日

航空運賃の高騰が止まらない。米国は4月だけで17%増。永遠に高止まりのままではないはずなのだが....

 

乗客は戻りつつあるがエアラインは対応できているかPhoto: Getty Images


航空運賃の値上げに多くの乗客が悩んでいるが、これは恒久的な変化なのか、それとも航空業界のフイールドの一部に過ぎないのか?


近、航空券を予約しようとして、価格にびっくりしなかっただろうか。人手不足、燃料費高騰、キャパシティ不足が重なり、世界各地で航空運賃が急上昇中だ。これは新しい常識なのか、それとも航空券の価格サイクルの波の一部なのか。


米国で航空運賃が高騰中、だが市場により様相は異なる


労働統計局によると、大規模市場のアメリカでは、航空運賃は過去12ヶ月で25%上昇している。4月だけで16.8%も上昇した。航空会社と乗客はこ同様の状況が他の場所でも再現されているのを目にしており、異なる形で展開中の市場もある。



 少なくとも米国では、旅行需要急増で満席だ。しかし、座席数は、パンデミック前より減少したままだ(今夏の運航便数は2019年夏より12%少ない)。これは主に、パイロット不足が原因で、単純な需給の問題だ。

 通常なら、航空会社には朗報となる。乗客1人当たり収入が増え、運行機数が減るため、全体の運航コストが下がる。しかし、航空会社は、高騰するコストに直面しているため、今回はそうではない。

 「9月と秋が心配です。燃料代はどんどん上がっている。航空会社は、人件費、燃料費、空港使用料が上がっているのに気づいている。航空会社は大きなインフレ圧力に直面して、航空券価格を上げる必要がある。ある時点で、消費者は『よし、旅行はもういいや、もう二度と飛行機には乗らない』と言うだろう」と、コーウェンのシニアリサーチアナリスト、ヘラン・ベッカーは月曜日のブルームバーグTVで語った。


需要の伸びで航空運賃が上昇中の米国


興味深い議論だ。航空運賃の高騰で、レジャー志向の旅行が延期される可能性はあるが、多くの旅行は非自由旅行であり、乗客はAからBへの移動のため雇用主や顧客に経費を請求する。

 米国では、国内旅行需要の急増が航空券価格上昇に拍車をかけている。しかし、米国で購入される国際航空運賃は、全体としてパンデミック前に比べて大幅に安くなっている。しかし、他の市場では、国際線航空券を購入しようとすると別の状況だ。

 ほとんどの市場で航空券の値上げが見られるが、その経験と要因は市場別に異なる

 「夏は売り切れです」とベッカーは米国市場について語った。「6月、7月、8月に旅行しようと思っていた人は、おそらく4月か5月に航空券を購入したでしょう。航空会社は航空券の値上がりに警鐘を鳴らし、フライトのキャンセルも出ている。運航面から見ると、本当に悲惨な夏になる」。

 旅行関係者によると、航空運賃を抑えるには、コツがあるという。空席があれば、マイレージのポイントを使うのもいい。最後のポイントは、日程の柔軟性だ。市場により異なるが、購入タイミングが重要だ。米国では、国内線航空券は1〜3ヶ月先が最も安く購入できるとされる。国際線は2カ月から8カ月前が最安値とされている。

 では、航空運賃の高騰は今後も続くのか、それとも一時的なのだろうか。歴史的に見ると、航空運賃は人件費や燃料費などによって、高値と安値が繰り返される。いずれは、過去のように、再び運賃は下落する。しかし、いつになるのか?おそらくその日はそう遠くない。■


Rising Air Fares: Are Higher Flight Prices The 'New Normal'?

BY

ANDREW CURRAN


2022年6月6日月曜日

ボーイングは自信たっぷりだが、787は今年夏に納入再開できるのか

 

Photo: Getty Images


ボーイングは今夏の納入再開に自信たっぷりだが......


ーイングCEO、デイビッド・カルフーンDavid Calhounは、787プログラムに関してボーイングと連邦航空局(FAA)間の進展について楽観的な見方を示している。先月、FAAは787の納入再開に向けたボーイング文書に満足せず、プログラムはさらに後退した。


787の進捗に自信たっぷりのボーイング

カルフーンは、金曜日の決算説明会で、ボーイング787ドリームライナーについて自信を示した。同社は昨年6月からドリームライナーを納入しておらず、約115機の航空機が製造ずみで納入を待っている。



FAAはボーイングの検査計画関連書類で一部が不完全として送り返した。このため、ボーイング787ドリームライナーの納入は結局2022年中には再開されないとの懸念が高まっていた。


ボーイングは、今夏に787納入を再開すると示唆している。ゲッティ イメージズ


 ボーイングは、今年中の納入再開を目指し、4月下旬に書類を提出した。しかし、ボーイングは、この件で納品再開への道を閉ざすことはないと確信している、とカルフーンは付け加えた。


 「申請書を提出することでFAAが何を望んでいるかがわかり、自信がつきました。そして、その道を進んでいることを確認できたのです。申請書の提出日よりも、そして提出前よりも、間違いなく気分が良くなっています」。


FAAとの協働を強調するカルフーン

連邦航空局では、今年初めにスティーブ・ディクソンが任期5年の半ばで長官を退き、トップの交代が行われた。

 カルフーンによると、交代が787の進捗に影響を与えることはなかったという。さらに、ボーイングCEOは、両者の間に敵対関係があることを否定した。

 カルフーンはこう語る。

「正直なところ、非常にシームレスです。そして、チームはステップアップしている。そして、この仕事のほとんどは、現場オフィスで行われている。だから、私たちの本当の関係が築かれるのはそこだ。必要であれば、私は私たちのチームを守るし、彼らもまた彼らのチームを守る。しかし、私たちはバトルをしているのではありません。そういうことではないんだ。この2年で、私たちがすべてのステップで透明でストレートであるということが、かなり認識されたと思うんです。彼らは、アメリカの産業が成功するのを見たいのです」。


航空会社は今夏の納入再開を期待しているが

ボーイング社も顧客も、今夏にも787が納入される見通しを楽観視しているようだ。

 787では、約480機の未完了の注文と115機のドリームライナーがすでに製造ずみだ。新しいジェット機を待っている大手顧客には、ルフトハンザ、エミレーツ航空、アメリカン航空、カタール航空がある。

 ルフトハンザは、先月32機のドリームライナーの発注を拡大し、夏に787-9ドリームライナーの初納入を予定しているという。

 一方、エミレーツは、ボーイング787は少なくとも2024年まで納入されないとみており、ドリームライナーが自社の航空機にふさわしいのか再検討中と述べている。■


Boeing Increasingly Confident With 787 Delivery Resumption

https://simpleflying.com/boeing-confident-with-787-delivery-resumption/


2022年6月4日土曜日

燃料不足が深刻なスリランカ、外国航空会社に復路用の燃料の持ち込みを推奨

 



Photo: ADB Safegate



リランカでは深刻な燃料不足のため、外国航空会社にあらかじめ準備するよう通知している。



 スリランカの経済危機は、燃料供給に深刻な打撃を与え、同国はすべての外国航空会社に対し、復路分の燃料を搭載するよう要請している。航空業界以外にも、同国の他のほぼあらゆる分野に燃料不足の影響が出ていることを受けての通告だ。

 スリランカ民間航空局は、国際線運航各社に対し、コロンボに出発する前に燃料を満タンにするよう要請した。復路分の燃料を確保するためだ。

 Simple Flyingは最近、国営航空会社スリランカ航空が、ヨーロッパとオーストラリアへの長距離便の一部で、燃料の必要量を満たすために南インドへ迂回を余儀なくされている様子を報じた。他の航空会社も、今後は独自に手配しなければならないようだ。

 スリランカ民間航空局のレイハン・ワニアッパ局長はブルームバーグ取材に応じ、このような状況を説明した。

 「航空燃料が不足しており、状況を管理する必要があるため、航空会社にスリランカへの運航時に必要な燃料を携行するよう要請した。航空会社は一定の追加物資を持ち込んでいるが、こちらも在庫から供給している」。

 スリランカに就航する航空会社には選択肢は2つある。復路分の燃料をタンクに入れて出発するか、第3国に立ち寄り燃料補給するかだ。ブルームバーグの報道によると、エミレイツはドバイから燃料をタンカー輸送し、シンガポール航空もスリランカへのフライトで必要量以上の燃料を搭載している。

 残念ながらスリランカ航空には、その選択肢はない。長距離便の一部では、ティルヴァナンタプラムやチェンナイといった南インドの都市、あるいはドバイを給油先に選択している。

 情報筋によると、スリランカ航空はチェンナイよりもティルヴァナンタプラムの方がフライト時間が短く、燃料費も若干安いため、同地を好んで利用している。スリランカ航空はメルボルン便とフランクフル便の給油に同市を使用しており、さらに4便が同市に立ち寄る。

 スリランカは、石油製品を購入する資金繰りに苦労している。同国では、電力など基本的な生活必需品が不足し、大規模インフレに直面している。航空機燃料は優先順位が低いようだ。

 しかし、コロンボ空港を運営するAirport and Aviation ServicesのG.A. Chandrasiri会長は、「空港や航空会社のオペレーションに影響はない」「単なる予防措置だ」と言い切っている。

 それでも航空会社には、コロンボでの燃料関連の遅延を避けるため、慎重な行動が勧告されている。■


Airlines Flying To Sri Lanka Asked To Carry Extra Fuel

BY

GAURAV JOSHI


2022年5月27日金曜日

破綻エアラインに共通する5つの原因とは。成功した経営者の語る驚くべき内容。

  

 

Aircraft crashing into the water abstract concept.

GETTY

 

 

破綻した航空会社には、意外なほど共通の理由がある。

 

ンナム、ブラニフ、ピープルエクスプレス。最近では、ノルウェージャン・エアやWOW。航空業界には成功例も多いが、驚くような失敗例もある。失敗した航空会社が他社に買収され、路線、機材、社員が新たな人生を歩むこともある。USAエアウェイズがそうだった。また、その航空会社で働いていた人や、利用していた人にとって、その航空会社が思い出のひとつになってしまうこともある。

 

 

 あらゆるタイプの航空会社が失敗してきたが、失敗の理由はすべて似通ったパターンだ。航空会社の失敗には重要な理由が5つあり、理由を知り、回避することは、将来の失敗を減らすのに役立つ。その5つを紹介したい。

 

コスト抑制に失敗

筆者が勤めていた航空会社で新しく最高財務責任者を募集した際のことだ。候補者が当時勤めていた会社より同社が小規模だったため、躊躇していた。候補者のCEOは、「しかし、わが社は60億ドル企業であり、コスト面でも大企業だ!」と言ったそうだ。冗談のような話だが、このような状態は、世界各地の破綻会社の多くに共通している。

 航空会社の大部分はプライステイカーだ。つまり、自社で価格設定をコントロールできず、市場が設定した価格に適応する。しかし、各社はコストのほとんどをコントロールしている。失敗した航空会社は、達成可能な収益と発生コストのギャップに適切に対処していなかった。これは、より多くの収益を期待できるビジネスモデルを選択したものの実現しなかったときに、そのビジネスアプローチをサポートする資金を使い切っていたからかもしれない。非効率的な契約を結んだり、「今投資すれば収益はついてくる」というアプローチを取ったからかもしれない。どんなビジネスモデルでも、ほとんどの航空会社は効率的になることができ、コストコントロールは航空会社にとって重要である。ユナイテッドの「ネクスト」では、コントロール可能なコストは4つの重要な柱の1つだった。

 

 

成長を急ぎすぎた

航空会社は、規模が大きくなればなるほど、固定費をもっと広く分散させることができるという、スケール・エコノミーに優れたビジネスだ。航空会社の失敗の中には、急速に成長しすぎて、成長を管理できなくなったことが原因もある。この「先手必勝」アプローチは、結局、会社の配慮を散らし、乗客に不満を抱かせ、路線が十分に成長するより前に外部資本を必要とすることが多い。管理できる成長と加速した成長のバランスが、繁栄する航空会社と衰退する航空会社の違いとなる。

 急成長で、乗務員訓練に大きな負担がかかり、ネットワークの多くが「スプールアップ」モードになる。ASMを増やし、ASMあたりのコストを下げようとするあまり、会社は収益曲線に大きく遅れをとることになる。また、十分なリソースを持たずすべてを守れなくなり、競争的な戦いをすることになる可能性も出てくる。成長は良いことだが、過度な成長は命取りになる。

 

路線の逸脱

ピープル・エクスプレスがニューアークからブリュッセルまでボーイング747を飛ばしたこと、小さくて若いアメリカ・ウエストがフェニックスから名古屋まで飛んだことを忘れられる航空ファンはいるだろうか?こうした行動は、以前の成功から大きく逸脱し、各社を財政的に破綻させた。WOWも同様で、小型のナローボディのエアバスA320やA321でのフライトに成功していたのに、アイスランドからアメリカ西海岸に飛ぶため非常に高価なエアバスA330ワイドボディをリースした。導入機材は他の機材よりも優先的に路線投入された。アイスランドの季節性は適切に考慮されていなかった。他方で短距離用の小型機では、季節により就航地を変えてコントロールできた。

 ひとつ成功しても、他の成功は予測できない。イースタン航空のパイロットは、同社倒産で職を失い、一緒に新しくキウイ航空を立ち上げたが、初日から財政的に大失敗した。飛行機の操縦ができることと、財政的に成功した航空会社の経営とは、関係がない。航空会社の中には、過剰なまでに野心的な機材構成にこだわり、会社のすべてに負担をかけつつ、事業範囲を拡大した会社もある。すべての人にすべてを提供しようとするのも、失敗のもとであり、失敗した航空会社が踏襲している誤りである。高収益のニッチを見つけた航空会社は、ニッチから脱却する決定の前に、熟考する必要がある。ライアンエアーサウスウエストが成功し続けているのは、これを理解しているからだ。

 

細部へ気を配らなかった

航空会社というのは、いいときは比較的利益率の低いビジネスだ。数百ベーシスポイントのコスト増が、利益と損失の分かれ目となる。航空会社の失敗には、細部まで十分な注意を払わなかったことが一因となることがある。例えば、スケジュールの効率や、機材が飛行の間に地上で過ごす時間「ターン・タイム」などが挙げられる。また、あらゆる契約書に目を通し、どこにコストアップやエクスポージャーの可能性があるかを知ることも、一例である。しかし、最も大きな例は、会社がどこで利益を上げ、どこで損失を出しているかを知り、その結果を改善するため物事を変える意欲を持つことだ。

 筆者がスピリット・エアラインズのCEOに就任したばかりの時点で、オンライン旅行会社のエクスペディアは、売上の3%、販売コストの25%を占めていた。会社はエクスペディアの利用が気に入っていたが、エクスペディアがスピリットしか選択肢がないときに最安値だけを売り、スピリットに多大な料金を請求していることを認識できていなかった。そこで、わずかな収益をリスクにさらす価値があると判断し、エクスペディアとの契約を解除した。5年ほどして、スピリットは大幅リストラされた契約でエクスペディアに復帰した。アメリカンエアラインズでのキャリアの初期に、当時のCEOボブ・クランドールが、大規模な従業員イベントで、ある支店長に、その支局が前月にウェスに費やした金額を尋ねるのを聞いた。そして、「もし、あなたが支店を運営していて、ボロ布にいくら使っているか知らないのなら、あなたは自分の支店のことをよくわかっていないことになる」と、観衆に語りかけた。航空会社の経営には、細かな点まで気を配らなければならないし、気を配らなければ、コントロールできなくなることもある。失敗した航空会社には、真正面にぶつかってくる車を見ていない会社が多い。

 

データより感情に基づく意思決定

「あの路線はうまくいくはずだ」と凡庸なルートプランナーが口にする。、過去12ヶ月間、赤字だったのに、その路線をネットワークに残しておくのである。業績に結びつかないビジネス目標を決めてしまうことが、多くの航空会社が失敗してきた原因だ。例えば、「お客さんは無線LANが大好きなんです」と言っても、無線LANには相当なコストがかかり、誰もその料金を払わないので、航空会社のマージンは縮小してしまう。機材決定から、座席の構成、ネットワークの決定、従業員の行動まで、失敗した航空会社は、数字に従ったり、何が本当に起こっているかを示すダッシュボードを作成せず、直感で行動することが多いのが共通する。何かが間違っているとわかっていれば、解決できる可能性は高い。しかし、何をすべきかについて感情に任せ議論するのであれば、財務状況の悪化を覚悟しなければならない。

 


 

もちろん、航空会社の破綻理由は他にもある。スコットランドのロッカビー上空で起きたパンナム103便の爆発事故は、同社の終焉直前の事件となったが、それ以前にも、上記5項目のうち少なくとも4項目で同社は苦しんでいた。大胆なアイデアを持った大物が航空業界にごろごろしているが、アイデアのすべてがうまくいったわけではない。今日、最も成功している航空会社は、ここに示した5つの項目のいずれにもひっかからない。苦労せず、直感のまま戦略を立てるような航空会社が最終的に失敗する。■

 

Five Big Reasons That Airlines Fail

 

Ben BaldanzaContributor

 

May 26, 2022,05:02pm EDT

 

Ben Baldanza

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I am the former CEO of Spirit Airlines, where my strong team transformed the company into the highest margin airline in North America and created a new model for air travel in the US. I now serve on the board of JetBlue Airways, am Chairman of Six Flags Entertainment, am an Adjunct Professor of Economics at George Mason University, and co-host the top 1% podcast Airlines Confidential.


2022年5月24日火曜日

ボーイングのスターライナーがISSへのドッキングに成功。今回は無人実証飛行だが、7名を運ぶ手段となる。

 



Photo: NASA


ーイングCST-100スターライナーが、国際宇宙ステーションとの初のドッキングに成功した。無人旅客宇宙船「スターライナー」は、2019年の初ミッションがソフトウェアの不具合で失敗した後、2度目の試行でドッキングに成功した。



 5月20日19時28分(CT)、ボーイングCST-100スターライナーのカプセルが国際宇宙ステーション(ISS)に初めてドッキングした。

 スターライナーはUnited Launch Alliance(ULA)のアトラスVロケットでフロリダ州のケープカナベラル米宇宙軍基地から打ち上げられ、約26時間後にドッキングが行われた。

 ボーイング・ディフェンス、スペース&セキュリティ社長兼CEOのテッド・コルバート Ted Colbertは、次のように述べた。

 「本日のスターライナーによるドッキング成功は、宇宙飛行士を安全かつ確実に軌道に乗せるためのリハーサルとして、重要なステップとなった」。

 軌道上飛行試験-2(OFT-2)は、宇宙飛行士が搭乗しない状態で完了した。カプセルは、スターライナーの自律制御システムとヒューストンの地上管制官により誘導され、ISSにいる宇宙飛行士が制御能力を確認するためカプセルを操作することもあった。

 ボーイング・スペース&ローンチ社上級副社長のジム・チルトンJim Chiltonは、以下付け加えた。

 「スターライナーは、ランデブーおよびドッキングで安全で自律的な能力を実証しました。NASAのために宇宙ステーションへの輸送サービスが可能な民間宇宙船の仲間入りができたことを光栄に思います」。

 2019年12月の軌道飛行試験(OFT)がソフトウェアの不具合により失敗に終わった後、2回目の試行で成功した。ボーイングは昨年夏にも、宇宙船の燃料バルブの問題でテストを中止していた。


ミッションは完全無欠ではなかった


スターライナー・カプセルは最終的に任務を完了したが、すべてが計画通りに進んだわけではない。

 まず、木曜日の打ち上げ時に、12基のスラスタのうち2基が早く切れ、スターライナーの飛行制御システムが自身のスラスタを作動させざるを得なくなった。ボーイングとNASAは、これによる飛行へのリスクはないとしている。

ボーイングはその後、チャンバー圧力の低下でスラスター2つが早期に切断されたと付け加えた。同社はまた、スターライナーの熱制御システムがテスト中に想定外の動作をしたのを調査しているが、カプセル内の温度は安定していると述べている。

 また、スターライナーのグラフィックとドッキングリングの問題により、ISSとのドッキング操作が予定より約1時間遅れた。この問題は最終的に解決され、ドッキングは成功裏に行われた。


スターライナーの今後

スターライナーは水曜日までISSとドッキングを維持する。この間、ISSのクルーは宇宙船の点検やシステムのチェックアウトを行い、地上管制官は飛行中に収集されたデータを評価する。

 ISSに滞在中のNASAのボブ・ハインズ宇宙飛行士は、次のように語った。

 「地球低軌道への商業的アクセスを提供し、ISSを維持し、人類を月に、そして最終的には火星に戻すというNASAの目標に向けた素晴らしいマイルストーンとなりました。有人宇宙飛行における偉大な業績は、長い間、歴史に刻まれます」。

 帰還のため、カプセルはISSから切り離され、スラスターで地球の軌道に戻る。

 7人乗りスターライナーは、最終的に地球とISSを結び有人飛行を行う。■



Boeing Starliner Successfully Docks At International Space Station

BY

LUKE BODELL

PUBLISHED 2 DAYS AGO