2024年3月18日月曜日

英国国防相の乗機へのGPSジャミングで浮き彫りになったロシアのEW活動は民間機にも危険を及ぼす

 (この記事はターミナル2と同時掲載です)

GPSの脆弱性が目立ってきており、より強靭なシステムの運用は待ったなしでしょう。あるいはもう存在しているのかもしれません。ロシアはあらゆる手段を講じてでも西側の脆弱性をついてきます。The War Zone記事からのご紹介です。この事件は民間航空にとっても大きな脅威ですね。




英国国防相はポーランドから帰国する際、ロシアのカリーニングラード飛び地近くを飛行していた

国当局は、グラント・シャップスGrant Shapps英国国防相が乗った英空軍のダッソー900LXビジネスジェットが最近、ロシアのカリーニングラード飛び地付近を飛行中にGPS妨害に遭ったことを確認した。ロシアはヨーロッパをはじめ、世界各地で電子攻撃を行っており、民間機、軍用機(乗員なしのシステムも含む)、船舶に影響を与えていることが知られている。しかし、英空軍機が特別に意図された標的だったのか、それとも、この地域では珍しくないGPS妨害作戦が集中的に行われた地域を通過しただけなのかは定かではない。

 『タイムズ・オブ・ロンドン』が電子戦攻撃を最初に報じたのは、シャップス大臣がポーランド北東部のオルジシュを訪問した後の3月13日のことだった。同国防長官は、ポーランド国防省のウラディスワフ・コジニアク=カミシュ国防相と軍事訓練場で会談し、冷戦後最大のNATO軍事演習である「ステッドファスト・ディフェンダー24」に参加中のポーランド軍とイギリス軍と一緒に行動した。

 シャップス大臣は訓練場でのスピーチで、「より危険な世界」を踏まえ、英国は国防費を現在の国内総生産(GDP)比2.27%から3%に引き上げるべきだと訴えた。ウクライナ紛争については、プーチン大統領について、「これを解決するために必要なことは、彼が東に戻り、2年前に侵略に踏み切った民主国家から出て行くことだ。それがこの事態を収束させる方法だ」。

 3月13日発言にとどまらず、シャップスは広くイギリスとヨーロッパでロシアがもたらす脅威についてオープンに発言してきた。

 ダッソー900LXは、RAFでエンボイIV CC Mk1の呼称で軍高官と外交官を世界各地に輸送する任務を担い、合計14人の乗客を乗せることができる。RAFは2機運用している。軍所有だが、民間登録されている。4月1日から完全に軍登録で運用されるようになる。

 英首相リシ・スナクの報道官は『ガーディアン』紙に、ダッソー900LXが英国に戻る途中、ロシアのカリーニングラード付近で障害が発生したことを確認した。

 スナク政権の広報担当者は、「ポーランドから戻る途中、カリーニングラード近辺を飛行した際、一時的にGPS(全地球測位システム)が妨害された」と述べた。地理的に大ロシアから切り離された、バルト海に面した非常に戦略的なロシアの飛び地カリーニングラードは、主要軍事拠点で、オルジシュから200マイル(約8.6キロ)以内の場所に位置している。

 攻撃を受け、GPS接続は約30分間妨害され、機体位置を特定するため代替手段を使用しなければならなかった。GPSは正確な航空ナビゲーションのため広く利用されているが、航空機にはGPSが失われた場合の冗長システムがあり、乗務員は他の手段でナビゲートするよう訓練されている。機内の乗客も一時的にインターネット接続を失った。しかし、同上広報担当者は、これが "航空機の安全を脅かすものではなかった "と指摘した。

 シャップス代表団の一員でもあったテレグラフ紙の防衛担当編集者ダニエル・シェリダンによれば、同機に対する最初の、表向きはより短時間の電子戦攻撃は、3月13日の朝、オルジシュに向かう途中のカリーニングラード近辺を飛行中に経験されたという。

 記事の冒頭で述べたように、GPSジャミングは広い範囲で実行可能だ。そのため、シャップスの乗機が特別に狙われたかどうかを確実に確認することは困難で、英国は証拠を提示していない。それでも、飛行経路はロシアのレーダーで容易に追跡できただろうし、飛行追跡サイトでも確認できたはずだ。

 また、オープンソースの情報アナリスト、マーカス・ヨンソンによれば、同日、この地域で多数の航空機(約511機)が妨害されたている。ヨンソンはまた、ジャマーが個々の航空機を標的にしたものである可能性についても疑問を呈している。

 攻撃の正確な発生源を完全に特定することはできないが、「ロシア領であるカリーニングラード近郊で航空機がGPS妨害に遭うのは珍しいことではない」と同上広報担当者は指摘する。カリーニングラードは重度に軍事化されており、報告によると、複数の既知の、そして強く疑われる固定電子戦サイトがある。

 また、ロシアは携帯型、車両搭載型の電子戦システムも多数保有している。これらはGPS信号を妨害できるだけでなく、偽情報を発信することもできる。これにはGPS信号の「なりすまし」も含まれ、航空機が意図したコースから外れる可能性がある。これはGPS妨害よりも狡猾で、乗組員が異なる場所にいると信じ込まされる可能性があるため、より危険である。

 電子戦の専門家で本誌寄稿者であるトーマス・ウィジントン博士は『タイムズ』紙に、「表向き、ロシアがやろうとしていることは、主に配備、基地、兵力集中、さらにはロシア国内の戦略目標を衛星航法誘導兵器から守るため、これらの地域で自国の資産を守ることだ」と語っている。

 もちろん、RAFは過去にも同様の電子戦攻撃を経験している。おそらくロシアが仕組んだものだろうが、航空機のGPSナビゲーション・システムを妨害しようとしたのだ。以前お伝えしたように、地中海東部のキプロスにあるアクロティリ空軍から飛び立った輸送機は、そのような攻撃に対処を迫られた。英国軍用機以外にも、ロシアは近年、敵対国に対して数々の電子戦攻撃を行っており、特に米軍機を巻き込んでいる。

 3月13日、ダッソー900LXの機内で直ちに危険にさらされた者はいなかったようだが、この事件が潜在的に危険でなかったとは言えない。英国政治と欧州政治におけるシャップスの知名度を考えると、この事件はロシアの電子戦攻撃をめぐる安全保障上の懸念に再び光を当てたことになる。

 問題は、ロシアの行動が航空を妨害することによって、潜在的な標的を守る以上の結果をもたらしていることだ。別の防衛関係者も同様に、このような攻撃は「民間航空機に不必要なリスクを与え、人々の命を危険にさらす可能性がある」と同紙に語った。言い訳はできないし、ロシア側としては無責任極まりない。

 今回の事件は、はからずもロシアの電子戦能力の高さと、GPS接続を執拗に妨害する姿勢に注目させる結果となった。■


GPS Jamming Of U.K. Defense Secretary's Jet Highlights Russia's Regional EW Activities

BYOLIVER PARKEN|PUBLISHED MAR 17, 2024 3:35 PM EDT

NEWS & FEATURESLAND


2024年3月16日土曜日

ボーイング、エアバスの2月引き渡し実績。ボーイングはエアバスに大きく差をつけられ、今後も追いつく公算は少ない。ボーイングは根本から改善しない限り伸びないだろう。

 



ボーイング対エアバス 2月の引き渡し機数の勝者は?


概要

  • ボーイングは2月に27機を納入、エアバスは49機だった。ボーイングは問題に直面中で、納入数が減少する公算が高い

  • 今年最初の2カ月で54機を納入したボーイングは、生産と認証の問題に苦しんでいる

  • エアバスは2023年にボーイングを上回り、納入と受注で新記録を樹立


ーイングは2月に27機の民間機を納入し、49機を納入したライバルのエアバスに引き離された。ボーイングは現在も生産に問題を抱えているため、今年中に納入される航空機は当初の予想を大幅に下回りそうだ。


ボーイングとエアバスの2月の納入機数

昨年はエアバスが生産と納入で「勝利」したと広く考えられているため、ボーイングは2024年に向け勝利を取り戻そうと躍起になっている。残念なことに、アラスカ航空1282便の事故の影響や、現在も続く生産と認証の問題など、同社にとって今年は非常に悪いスタートとなった。


ボーイングは2月に27機の民間航空機を引き渡したが、エアバスはそのほぼ倍の49機を顧客28社に引き渡した。両メーカーとも1月の引き渡し数は例年より少なかったが、エアバスは2月も好調で、昨年を3機上回った。しかし、ボーイングは規制当局による監視強化や品質管理問題で苦戦を続けており、先月は前年より1機少ない引き渡しとなった。


ボーイング

ボーイングの27機の納入機には、MAX17機、ドリームライナー7機、米海軍向けP8-ポセイドン1機、767型機2機(1機は米空軍向けタンカー、もう1機はフェデックス向け貨物機)が含まれる。アラスカ航空事件後のMAX生産の減速で、ボーイングは今月、1月より8機少ないMAXを納

入した。ボーイングにとって唯一の明るい兆しは、中国がMAXの納入再開を許可した後、中国の顧客に6機のMAXを納入したことである。


同社は今年最初の2ヶ月間で、42機のMAXを含む54機を納入した。変更またはキャンセルされた注文を調整した後、ボーイングは今年これまでに15件の純受注を獲得しており(すべて2月)、うちMAXが10件、ワイドボディが5件となっている。


エアバス

エアバスの49機の納入の大部分はA320neoファミリーのプログラムで、先月39機を納入した。


2023年2月の46機の納入実績をわずかに上回ったことで、欧州の航空機メーカーは今年に入りキャンセルもなく、これまで33機の新規受注を計上した。受注はすべてワイドボディのA350プログラム(デルタエアラインズから-1000型機20機、エチオピア航空からの-900型機11機、未公表の顧客2社)に対するもので、定価は-900型機が約3億1500万ドル、-1000型機が約3億6000万ドルである。


昨年はどうだった?

ボーイングがエアバスより良い2023年を過ごしたと主張する人は皆無だろう。ボーイングは2023年に合計528機を納入したが、エアバスの合計735機に大差をつけられた。エアバスも2,319機の新規受注(2,094機の純受注)という新記録を達成した。


エアバスは2024年中に800機の納入を達成したいと考えており、これは月平均66機以上に相当する。ボーイングについては、現在進行中の問題が今年の納入に大きな影響を与える。直近では、サウスウエストエアラインズがMAXジェットを当初の79機から大幅に減る46機の納入となる見込みを明らかにした。■


Boeing Vs. Airbus: Who Delivered More Planes In February?

BY

LUKE BODELL

https://simpleflying.com/boeing-airbus-deliveries-february-2024/


2024年3月15日金曜日

アラスカが自動チェックイン機での紙搭乗券利用を廃止

 


  • アラスカエアラインズは、自動チェックイン機での紙搭乗券の利用を廃止し、のチェックインはモバイルのみへ移行する

  • 乗客は事前のオンラインチェックインで、アプリまたはウェブサイトからデジタル搭乗券にアクセスする

  • バッグタグステーションが導入され、必要に応じて係員がお手伝いする


アラスカエアラインズは、キオスク端末からの紙の搭乗券の発行を終了する。乗客はデジタル機器から搭乗券にアクセスし、自宅でプリントアウトできるようになる。


アラスカエアラインズの搭乗客は、モバイルのみのチェックインに移行するため、空港の自動チェックイン機で搭乗券を印刷することができなくなる。このペーパーレス化は、単に持続可能性の問題だけではない。アラスカ航空の目標は、乗客が空港のドアから保安検査場まで5分以内に到着することであり、デジタル化でチェックインの行列やキオスクを完全になくすことで、その達成をめざす。


アラスカエアラインズが就航中の空港の大半では、2023年末までに自動チェックイン機を撤去しており、乗客は航空会社のアプリや公式ウェブサイトからアクセスできるオンラインシステムでチェックえインし、搭乗券を携帯電話で受け取ることになる。

 これは基本的に、空港のキオスクですべてを管理するのではなく、空港への到着前にデバイスでチェックインしなければならなくなる。同社はキオスクシステムはロビーエリアの混雑につながるため時代遅れであるとし、多くの乗客がいずれにせよチェックイン手続きのほとんどを携帯電話で行っていると説明している。

 モバイル機器を使用できない乗客や特別なサポートが必要な乗客のため、同社は引き続きカスタマーサービスを用意する。重要なのは、一部の航空会社とは異なり、パスの印刷に係員が必要な場合にも追加料金を請求しない。


チェックインの様相が変わる

航空会社のチェックイン変更は、2023年4月に初めて発表された。空港の自動チェックイン機や紙搭乗券の廃止に加え、バゲージタグ・ステーションが導入された。乗客一人一人の負担を増やすという意見もあるが、チェックイン時の行列がなくなるのであれば、ほとんどの乗客はこの妥協案にまったく異論がないだろう。

 預ける手荷物がない場合は、携帯電話の搭乗券を持って直接セキュリティエリアに進むことができる。アラスカは、約25年前に米国の航空会社として初めて自動チェックイン機を導入して以来、チェックイン革新のパイオニアで、自動チェックイン機の撤去でも初となった。

 アラスカは、顧客の約4分の3がすでにデジタル搭乗券を使用しており、新しいプロセスによって90%以上がそうなることを期待していることを指摘し、この方針変更を支持した。変更の一環として、アラスカは、アンカレッジ(ANC)、ロサンゼルス(LAX)、ポートランド(PDX)、サンフランシスコ(SFO)、シアトル(SEA)のハブ空港のロビーエリアの再開発に25億ドルを投資する。


Alaska Airlines Officially Ditches Paper Boarding Passes At Airport Kiosks

BY

LUKE BODELL


2024年3月14日木曜日

737MAXでまたも問題発生。今度はスポイラーの配線。設計とあわせ製造工程に大きな欠陥がボーイングに潜んでいるようだ。

 Aviation Week記事からのご紹介です。



737 MAXで2022年に指摘スポイラー配線問題が再燃、860機に影響


FAAは、ボーイング737 MAXのスポイラーワイヤーの束の擦れを検査する規則案を発表した。

 3月11日付の耐空性指令(AD)草案は、現在公開されている2023年7月の製造者向け通達に基づくもの。同公報には、2022年半ばまでに生産された約860機(うち207機が米国登録機)のライン番号別に、影響を受ける737 MAXがリストアップされている。ワシントン州レントンで737の主翼を製造しているボーイングは、これまでに737 MAXを約1600機製造している。

 ボーイングがこの問題を知ったのは、ある運航会社で1機の航空機で数回の飛行中に「複数の異常なスポイラー展開」を報告した小時点であったと、FAAのAD草案は述べている。調査の結したところ果、スポイラーコントロールワイヤーの束が、右翼後縁に沿った着陸装置のビームリブと接触して摩擦していたと判明した。FAAによると、原因は「製造中に発生したスポイラーワイヤーバンドル取り付けの不適合」であった。

 FAAの規則案は2023年のボーイング社通達に基づいているが、同社は当初、2022年5月のサービスレターを通じて運航会社に警告を発していた。少なくとも一部の運航会社は、その文書に記載された指示に基づいて検査を実施した。そのうちの1社であるサンエクスプレス航空は、FAA(最終的な指令は他の規制当局でも採用される可能性が高い)に対し、2022年の指示に基づき実施された作業について、未決の義務化事項の遵守に向けた単位を与えるよう要請している。

 FAA案は、ボーイングの2022年サービスレターには言及していない。ボーイングは、2023年7月に詳細な "要求事項速報 "を発表している。

 ボーイングは声明で、「当社は2022年に、特定のワイヤバンドルにおける摩耗の増加に対処する737 MAXの量産機用の解決策を開発した。「2023年7月、就航中の機体について運航会社に指示を出した。標準的な規則制定プロセスに従い、FAAは影響を受ける機体に対する解決策を義務付けており、運航会社に対してガイダンスを発表している。当社は、検査が完了するまで引き続きお客様をサポートする」。

 その他型式のの737には影響はない。

 2023年7月の通達では、擦れ問題の原因については触れていないが、点検すべき4つの箇所をピンポイントで指摘している。ワイヤー束の周囲の構造物との必要なクリアランスは、ルーティングクランプから0.5インチ以内の部分は0.13インチ、それ以外の部分は0.25インチである。破損していないバンドルは、この仕様を満たしていない場合、調整することができる。破損したバンドルは直ちに修理しなければならない。

 ボーイング社は、影響を受けた航空機の年齢や耐用年数など、就航中の発見に関する詳細情報の提供を拒否した。

 最終命令ではなく規則案が発行されたこと、36ヶ月の遵守期間が提案されたこと、影響を受ける機体には最も古い737 MAXが含まれていることから、擦過傷の発生はゆっくりと進行するものと思われる。

 ボーイングが737 MAXに導入した変更点の中に、フライ・バイ・ワイヤ式スポイラーシステムがある。飛行制御システムに直接接続された737 MAXのスポイラーは、以前の737の設計と比べていくつかの機能を追加している。

 特定の条件下でスポイラーをたわませることで翼の曲げ荷重を軽減するマヌーバ負荷軽減機能もこの一部だ。また、737 MAXのスポイラー・システムは、稀に発生するエレベーターやエルロンの制御ジャム・シナリオにおいて、パイロットにより多くの飛行制御面能力を提供する。■


Boeing 737 MAX Spoiler Wiring Issue Flagged In 2022, Affects 860 Aircraft

Sean Broderick March 13, 2024

https://aviationweek.com/air-transport/safety-ops-regulation/boeing-737-max-spoiler-wiring-issue-flagged-2022-affects-860


2024年3月13日水曜日

エアラインからボーイングへの不満が高まる。サウスウェストは予定していた引き渡しを諦め、人員計画まで見直している。ボーイング離れにもなりかねない。

 






ボーイングはより良い会社になるべき」: サウスウエストCEO


ボーイング737MaXの引き渡しの遅れが、サウスウエストエアラインズのボブ・ジョーダン最高経営責任者(CEO)から鋭い批判を浴びている。3月12日に開催されたJPモルガンのインダストリアルズ・カンファレンスで、ジョーダンは同航空の2024年の成長計画が非常に厳しくなっていると説明した。

「ここで働いているものは全員、文化を見直せ」とジョーダンは言う。「私たちは皆、2年後、5年後、10年後にもっと強いボーイングを必要としています。そしてそれは、納期の遅れよりも優先される。ボーイングはより良い会社になる必要があります」。

 ダラスを拠点とするサウスウェストは、2024年の737MaXの納入数を、以前予想していた79機から46機へ下方修正した。

 サウスウエストは以前、2024年に737 Max 7の納入を断念したことを明らかにしている。

 サウスウェストは、新機材の供給が制限される中、機材の増加に対応し、採用計画を削減しはじめた。

 ボーイングはジョーダン発言に対し、「生産システム全体の品質を強化するための改革を実施し、すべての規制要件を満たす高品質の航空機を提供するために必要な時間をかけることに全力を注いでいる」と主張している。

 「当社は、これらの問題に対処するための当社の行動について、大切な顧客と緊密に連絡を取り続ける」と付け加えた。

 一方、サウスウエストは、大幅に削減された増便計画に対応するため、「積極的かつ緊急に」コスト削減に注力している、とジョーダンは発言。パイロット採用計画を半減させ、2024年通年では客室乗務員の採用を従来予想より60%減らす。

 同社はカスタマーサポートとサービスで採用を停止し、また、CAEとのコラボレーションであるDestination 225 Cadet Pathwayに登録された候補生を除き、4月1日にパイロット採用クラスを停止すると最近発表した。客室乗務員の採用も同じ日に凍結される。

 「全体として、2023年比で人員は横ばいから事前のガイダンスに比べ、確実に減少して年を終える予定です」と彼は言う。

 ジョーダンは、単一タイプの運航会社から脱却する可能性についても言及したが、それは "大きな飛躍となる "と認めた。

 サウスウエストは現在、227機の737マックスと591機の旧型機737NGのボーイング・フリートで運航している。また、476機のMaxジェット機の未注文を保有している。

 「複数機種に移行するコストを計算したら、かなりの額になりました。我々は定期的にメーカーと話をし、選択肢を比較しています」。

 ユナイテッドエアラインズのスコット・カービー最高経営責任者(CEO)は会議に先立ち、米連邦航空局が737Max10の型式認証でさらに遅れるため、エアバスA321neoの発注を検討していると述べた。■


‘Boeing needs to become a better company’: Southwest CEO

By Howard Hardee13 March 2024

https://www.flightglobal.com/fleets/boeing-needs-to-become-a-better-company-southwest-ceo/157345.article


2024年3月8日金曜日

電動航空機の規模はどこまで拡大するか。100人乗りリージョナル機構想を米新興企業が発表。

 電動航空機はどこまで現実になるのでしょうか。その鍵を握るのがバッテリー技術であることはあきらかで全固体電池もそのひとつですが、有望な技術が手の届くところまでそろってきました。航空機の構造もこれまでの常識を破るものとなれば、民生航空の世界も大きく変わりそうですね。ただし、当面はリージョナル航空が主な舞台になりそうです。技術がどんどん進歩していくのでビジネスも対応を迫られますね。Aviation Week記事からのご紹介です。


An array of 22 electric ducted fans is integrated into the leading edge of the Whisper Jetliner’s wing.

Credit: Whisper Aero


ウィスパーエアロ、100席の電気旅客機コンセプトを発表


ウィスパー・ジェットライナーの主翼前縁には、22基の電動ダクトファンが組み込まれている。

クレジット:Whisper Aero


超静音推進装置の開発会社ウィスパー・エアロWhisper Aeroは、2050年までに航空業界が排出量ゼロを達成できるよう、100人乗りのバッテリー式リージョナル旅客機のコンセプトを提案している

 ウィスパー・エアロは米国の新興企業で、NASAのプログラムのもとで、このコンセプトをさらに発展させる提案書を提出した。

 ウィスパー・ジェットライナーは、翼の前縁に組み込まれた電動ダクト・ファンを備え、上面に送風を行う。これにより揚力係数と翼面荷重が増加し、巡航揚力対抗力比が向上する。

 2023年6月にスタートアップが発表した9人乗りのウィスパー・ジェット・コンセプト機と同様に、ジェットライナーは水平尾翼をアウトボードに配置し、水平尾翼と垂直尾翼は翼端のブームに取り付けられている。これにより、水平尾翼は翼の上面吹き出しによるダウンウォッシュを受けない、とウィスパーCEOのマーク・ムーアMark Mooreは言う。

 同社は、NASAのAdvanced Aircraft Concepts for Environmental Sustainability(AACES)プログラムで、2050年までにネットゼロ航空実現への道を提供する目的で設計開発の提案を提出した。フェーズ1では、総額800万ドルの資金が提供される。

 AACESは、2010年のNASAのN+3研究に続くもので、2035年に就航可能な超高効率旅客機のコンセプトを開発する。ここからNASAのボーイングX-66Aサステイナブル・フライト・デモンストレーターが誕生し、2028年にロングスパン、低ドラグの遷音速トラスブレース翼の飛行試験が計画されている。

 ウィスパーは推進システムの開発会社であり、9人乗りと100人乗りの両コンセプトの目標は、超静音で超効率的な電動ダクテッドファンが、バッテリー駆動のリージョナル航空機を示すことである。

 「ゼロ・エミッション航空機に移行し、既存の航空機を退役させることが合理的な経営判断となるように、バッテリー電気航空機が炭化水素ベースのソリューションに勝てるかどうかを確かめたかったのです」とムーアは言う。

 「当社の技術が今後20年間でどのような方向に向かうのか、そしてそれが他の技術革新、特にバッテリー電気による地域モビリティ市場の活性化とどのように一致するのかを予測したかったのです」とムーアは付け加える。

 2020年に設立されたウィスパー社は、推力10ポンドのスラスターを55ポンドの無搭乗機で飛行させたが、米空軍のAFWERXイノベーションユニットとの契約により、推力数千ポンドまで電動ダクトファンをスケールアップすることを研究している。

 同社のイアン・ヴィラIan Villa最高執行責任者(COO)は言う。「当社の基礎となる技術は、拡大可能です。「当社はすでに、最初の概念実証である10ポンドの超静音・超効率スラスターの8~10倍の推力を発生できる量産可能なスラスターを製造し、テストしています」。

 NASAのAACESプログラムに入札するために、ムーアは言う。「当社はコンセプトをまとめました。当社の技術予測されるもが、実現可能な航空機のコンセプトと一致し、2050年という時間枠でネット・ゼロ・エミッションを達成するためにどのような合理的な期待があり、またそうあるべきかの段階を設定することができる確信があったのです」。

 民間航空機のマッハ0.78の巡航速度では、ウィスパーの推進システムのファン圧力比は理想に近い1.2であり、ギアード・ターボファンの1.4と比較すると、推進効率は5〜10%高い、とムーアは言う。

 ジェットライナーには22のダクトファンがあり、各1メガワットの電動モーターで駆動され、1,970ポンドの推力を発生する。総重量はエアバスA220-100の139,000ポンドに対し160,000ポンド。このうち、14.6メガワット時のバッテリーは51,250ポンド(エネルギー重量割合32%)を占めるが、A220の燃料は39,000ポンド(28%)である。

 ウィスパーは、2050年までにバッテリーのエネルギー密度を、セルレベルで800Wh/kg以上、パックレベルで640Wh/kgになると予測している。これにより、航続距離は770マイル(4メガワットのタービンをベースとしたレンジ・エクステンダーで予備エネルギー需要を賄う)となり、A220の3,500マイルと比較される。

 しかし、500マイルの旅にかかるエネルギーコストは、ジェットライナーが733ドルであるのに対し、A220は2,100ドルである。「私たちは、既存の炭化水素ベースのタービンが1,000マイル未満の航続距離では太刀打ちできないところまで到達しようとしています」。

 バッテリーの償却費は、バッテリーのリサイクルが確立されるにつれて変化するとウィスパーは見込んでいるため、この計算には含まれていない。ムーアも「バッテリーの量が多い」と認めている。「1キロワット時あたり400ドルとしても、600万ドルのバッテリーです」。

 このバッテリーは一般的なアメリカ国内旅行で70%放電され、45分で再充電され、ウィスパー社は2,000〜2,500サイクルの耐用年数を見込んでいる。全固体電池が実用化されれば、10,000サイクルまで延びる見込みだという。

 ムーアは、オランダの新興企業エリジアン・エアクラフトElysian Aircraftが1月に発表したエアバスA320より大きい90人乗り電気航空機のコンセプトの背後にある「大きいことは良いことだ」という考え方を繰り返した。

 「実際、大きければ大きいほど効率は高くなります。空虚重量率が低いほど、より多くの航続距離を確保するためにバッテリーの質量割合を増やすことができるのです」と彼は言う。

 ウィスパーは、サウスウエスト含む航空会社が、収益性の低い路線が廃止したため、平均飛行距離が401マイルから678マイルに伸びたことに触れ、「ジェットライナーのコンセプトは、中規模都市にまたがる地方空港を活性化させるために、典型的なアメリカ国内距離で必要とされる航続距離を満たすことができる」と言う。

 ウィスパーのNASA向け提案は、航空システムの中でジェットライナーを総合的にとらえ、米国の小規模空港数千箇所から運航し、小規模な地域社会への旅客・貨物航空サービスを回復させることにある。

 「騒音が少なく、すべての空港を開放し、地域社会に影響を与えず夜間も運航できる推進システムが設計できれば、夜間でも貨物便の運航が可能になります」とヴィラは言う。

 「私たちは、この航空機をどのように旅客機に使用できるかだけでなく、大型パレットにどのように使用できるかも検討してきました」と彼は言う。アウトボード水平尾翼は、後部胴体の構造をなくし、尾翼をスイングオープンさせ、旅客席や貨物パレットを "カセット "として積み込むことができる。

 地上では、翼端のブームを回転させて機外水平尾翼を垂直位置まで上げることもできるため、機体のスパンが短くなり、空港の狭いゲートエリアを利用できるようになるという。■


Whisper Aero Unveils 100-Seat Electric Airliner Concept

Graham Warwick March 04, 2024


https://aviationweek.com/air-transport/aircraft-propulsion/whisper-aero-unveils-100-seat-electric-airliner-concept



2024年3月6日水曜日

GEは航空宇宙の専業メーカーに再編 4月2日より




ジェネラル・エレクトリック(GE)の取締役会は、4月2日にエナジー事業ヴァーノバ Vernova の分社化案を承認した。

この動きは、2021年11月にGEが明らかにした、3つの中核事業のうち2つを分離し、航空宇宙製品に特化して前進する計画の完了を意味する。▼GEのラリー・カルプ最高経営責任者(CEO)は2月29日、「GEヴァーノバとGEエアロスペースは、エナジー転換をリードする立場にあり、GEエアロスペースは今日、明日、そして未来の飛行を定義する立場にある」と述べた。「私たちは皆、このチャンスと責任に胸を躍らせています」。「計画されたスピンオフの完了後、GEはGEエアロスペースとして運営されます。▼GEは、2023年1月に最初のスピンオフ(ヘルスケア部門、現在はGEヘルスケアという独立した上場企業)を完了しており、ヴァーノバも独立した上場企業になる予定だ。▼三分割計画の一環として、GEはすでにエンジン製造部門の名称をGEエイビエーションからGEエアロスペースに変更しており、カルプはそのCEOでもある。▼GEによると、3月7日に開催される投資家向け説明会で、GEエアロスペースを独立した事業とする計画について詳細を明らかにする予定だという。▼GEエアロスペースは、サフラン・エアクラフト・エンジンズとの合弁会社CFMインターナショナルを通じて、ボーイング737マックスやエアバスA320neoファミリーに搭載されるリープ・ターボファンなど、各種航空機エンジンを製造している。▼また、開発中の777-9向けGE9Xを含むワイドボディジェット用ターボファン、ターボプロップ、ヘリコプター用ターボシャフト、軍用ジェットエンジンも製造している。■


Board approval sets up GE to become standalone aerospace company on 2 April | News | Flight Global

By Jon Hemmerdinger1 March 2024


2024年3月4日月曜日

ボーイングはスピリット・エアロシステムズ買収を検討中。同社はボーイングから分離独立して生まれた企業。製造工程強化の選択肢としてFAAの要求に応えるものか。

 


ボーイングがスピリット・エアロシステムズ買収を検討中


合併できれば、製造工程の多くがボーイングの直接管理下に置かれる



  • オフ

    ボーイングは、サプライチェーンの統合と製造工程の安全性向上のため、スピリット・エアロシステムズの買収を検討していると報じられている。

  • オフ

    スピリットは、ボーイング737 MAXプログラムの重要な部品サプライヤーで、各種翼、パイロン、ナセルを提供している。


ーイングは、サプライチェーンを統合し、生産工程全体の安全性を高めるために、主要サプライヤーの買収を検討していると報じられている。ボーイング737 MAXプログラムに部品を提供するスピリット・エアロシステムズは、2005年にボーイングから分離独立して生まれた。


サプライチェーンの統合が実現するか

カンザス州ウィチタが拠点のスピリット・エアロシステムズは、世界最大級の航空機構造物メーカーである。ボーイング737の胴体に加え、同社は統合型主翼と主翼部品、パイロン、ナセルのプロバイダーでもある。合併の可能性は、10月のボーイングによる多額の投資と、航空機組立工程における安全慣行をめぐる新たな精査に続くものだ。


ウォール・ストリート・ジャーナル紙によると、スピリット・エアロシステムズはボーイングと予備的かつ拘束力のない話し合いを持ち、"戦略的選択肢"を検討するためにチームを増員した。この交渉が、ボーイングと連邦航空局(FAA)の間で行われている進行中の協議に関連しているかどうかは、すぐには明らかにされなかった。


連邦航空局のマイク・ウィテカー長官は先週、ボーイング社幹部に対し、FAAが譲れない安全基準を満たす「体系的な品質管理上の問題」に対処するための解決策を考案するよう通達した。


複雑な問題

サプライヤーを買い戻せばボーイングの監視機能の強化をもたらす可能性があるが、それはさらなる複雑さをもたらすだろう。報告書によると、ボーイングは「売却後何年にもわたって何度も」買い戻しを検討してきたが、分割後の企業価値が高くなるなどの理由から、思いとどまったという。


このような決定により影響を受ける関係者のリストも長い。ボーイングが最終組立に集中するためにウィチタ部門とオクラホマ事業を売却したとき、新たに設立されたスピリット・エアロシステムズは、単一供給元から、複数の顧客と航空機プロジェクトの長いリストを持つ独立したグローバル・サプライヤーへとシフトした。


スピリット・エアロシステムのウェブサイトによると、同社は三菱リージョナルジェット(MRJ)のパイロンやベルV-280ヘリコプターの胴体も設計・製造しており、ボンバルディアのビジネスジェット機ラインにも複数の部品を提供している。


ヨーロッパでささやかれる変化

ボーイングがその生産能力の大半を国内で占める一方で、スピリットはイギリス、フランス、マレーシア、モロッコに施設を持ち、さまざまな顧客にサービスを提供している。


スピンオフ後、最初の動きとして、英国のBAEシステムズから航空構造事業部門を買収した。スピリット・ヨーロッパは、エアバスの機体サプライヤーとして最大級の規模を誇り、主要な翼構造のサプライヤーでもある。


『Bloomberg』は、エアバスが同社の買収について "予備的な協議 "を行っていると報じている。シンプル・フライングがコメントを求めたところ、スピリット・エアロシステムズの広報担当は、買収の可能性や現在進行中の話し合いについて、追加のコメントを拒否した。■



Boeing Considers Purchasing Supplier Spirit Aerosystems

BY

JONATHAN E. HENDRY


2024年2月29日木曜日

TSMC半導体工場の稼働開始で貨物取扱への影響を期待する鹿児島空港

 AviationWeek記事より

Credit: Kagoshima Airport

鹿児島空港(KOJ)は、隣接する熊本県にTSMCの第2半導体工場が建設される見込みであることから、同空港の貨物業務への潜在的な影響を想定している。

TSMCは2月24日に第1工場を開設し、本拠地の台湾以外で多角化を進めており、第2工場は年内に着工の予定だ。▼KOJの有村和久総務部長は、チップは主に日本国内で使用されるため、空港では半導体出荷をサポートするフライトの大きな需要は見ていないとRoutesに語った。▼しかし、鹿児島が拠点の企業もサプライチェーンでTSMCをサポートすることになるため、川下の活動が活発化すると同氏は予想している。▼半導体の倉庫は建設中だが、KOJの貨物取扱能力を拡大する当面の計画はないと同氏は述べた。▼京セラとソニーはともに鹿児島でチップ工場を操業中で、有村氏は、両社とTSMCが協力することで、貨物の流れが生まれることを期待していると述べた。▼有村氏は、主要市場の中国の回復のため、本土からのインバウンド需要が計画通りに進まなかったため、同空港の現在の優先事項はタイとベトナムからの航空会社と旅客を誘致することと述べた。■

https://aviationweek.com/air-transport/airports-networks/kagoshima-airport-assessing-impact-new-semiconductor-plants

Kagoshima Airport Assessing Impact Of New Semiconductor Plants

Chen Chuanren February 27, 2024