2022年5月27日金曜日

破綻エアラインに共通する5つの原因とは。成功した経営者の語る驚くべき内容。

  

 

Aircraft crashing into the water abstract concept.

GETTY

 

 

破綻した航空会社には、意外なほど共通の理由がある。

 

ンナム、ブラニフ、ピープルエクスプレス。最近では、ノルウェージャン・エアやWOW。航空業界には成功例も多いが、驚くような失敗例もある。失敗した航空会社が他社に買収され、路線、機材、社員が新たな人生を歩むこともある。USAエアウェイズがそうだった。また、その航空会社で働いていた人や、利用していた人にとって、その航空会社が思い出のひとつになってしまうこともある。

 

 

 あらゆるタイプの航空会社が失敗してきたが、失敗の理由はすべて似通ったパターンだ。航空会社の失敗には重要な理由が5つあり、理由を知り、回避することは、将来の失敗を減らすのに役立つ。その5つを紹介したい。

 

コスト抑制に失敗

筆者が勤めていた航空会社で新しく最高財務責任者を募集した際のことだ。候補者が当時勤めていた会社より同社が小規模だったため、躊躇していた。候補者のCEOは、「しかし、わが社は60億ドル企業であり、コスト面でも大企業だ!」と言ったそうだ。冗談のような話だが、このような状態は、世界各地の破綻会社の多くに共通している。

 航空会社の大部分はプライステイカーだ。つまり、自社で価格設定をコントロールできず、市場が設定した価格に適応する。しかし、各社はコストのほとんどをコントロールしている。失敗した航空会社は、達成可能な収益と発生コストのギャップに適切に対処していなかった。これは、より多くの収益を期待できるビジネスモデルを選択したものの実現しなかったときに、そのビジネスアプローチをサポートする資金を使い切っていたからかもしれない。非効率的な契約を結んだり、「今投資すれば収益はついてくる」というアプローチを取ったからかもしれない。どんなビジネスモデルでも、ほとんどの航空会社は効率的になることができ、コストコントロールは航空会社にとって重要である。ユナイテッドの「ネクスト」では、コントロール可能なコストは4つの重要な柱の1つだった。

 

 

成長を急ぎすぎた

航空会社は、規模が大きくなればなるほど、固定費をもっと広く分散させることができるという、スケール・エコノミーに優れたビジネスだ。航空会社の失敗の中には、急速に成長しすぎて、成長を管理できなくなったことが原因もある。この「先手必勝」アプローチは、結局、会社の配慮を散らし、乗客に不満を抱かせ、路線が十分に成長するより前に外部資本を必要とすることが多い。管理できる成長と加速した成長のバランスが、繁栄する航空会社と衰退する航空会社の違いとなる。

 急成長で、乗務員訓練に大きな負担がかかり、ネットワークの多くが「スプールアップ」モードになる。ASMを増やし、ASMあたりのコストを下げようとするあまり、会社は収益曲線に大きく遅れをとることになる。また、十分なリソースを持たずすべてを守れなくなり、競争的な戦いをすることになる可能性も出てくる。成長は良いことだが、過度な成長は命取りになる。

 

路線の逸脱

ピープル・エクスプレスがニューアークからブリュッセルまでボーイング747を飛ばしたこと、小さくて若いアメリカ・ウエストがフェニックスから名古屋まで飛んだことを忘れられる航空ファンはいるだろうか?こうした行動は、以前の成功から大きく逸脱し、各社を財政的に破綻させた。WOWも同様で、小型のナローボディのエアバスA320やA321でのフライトに成功していたのに、アイスランドからアメリカ西海岸に飛ぶため非常に高価なエアバスA330ワイドボディをリースした。導入機材は他の機材よりも優先的に路線投入された。アイスランドの季節性は適切に考慮されていなかった。他方で短距離用の小型機では、季節により就航地を変えてコントロールできた。

 ひとつ成功しても、他の成功は予測できない。イースタン航空のパイロットは、同社倒産で職を失い、一緒に新しくキウイ航空を立ち上げたが、初日から財政的に大失敗した。飛行機の操縦ができることと、財政的に成功した航空会社の経営とは、関係がない。航空会社の中には、過剰なまでに野心的な機材構成にこだわり、会社のすべてに負担をかけつつ、事業範囲を拡大した会社もある。すべての人にすべてを提供しようとするのも、失敗のもとであり、失敗した航空会社が踏襲している誤りである。高収益のニッチを見つけた航空会社は、ニッチから脱却する決定の前に、熟考する必要がある。ライアンエアーサウスウエストが成功し続けているのは、これを理解しているからだ。

 

細部へ気を配らなかった

航空会社というのは、いいときは比較的利益率の低いビジネスだ。数百ベーシスポイントのコスト増が、利益と損失の分かれ目となる。航空会社の失敗には、細部まで十分な注意を払わなかったことが一因となることがある。例えば、スケジュールの効率や、機材が飛行の間に地上で過ごす時間「ターン・タイム」などが挙げられる。また、あらゆる契約書に目を通し、どこにコストアップやエクスポージャーの可能性があるかを知ることも、一例である。しかし、最も大きな例は、会社がどこで利益を上げ、どこで損失を出しているかを知り、その結果を改善するため物事を変える意欲を持つことだ。

 筆者がスピリット・エアラインズのCEOに就任したばかりの時点で、オンライン旅行会社のエクスペディアは、売上の3%、販売コストの25%を占めていた。会社はエクスペディアの利用が気に入っていたが、エクスペディアがスピリットしか選択肢がないときに最安値だけを売り、スピリットに多大な料金を請求していることを認識できていなかった。そこで、わずかな収益をリスクにさらす価値があると判断し、エクスペディアとの契約を解除した。5年ほどして、スピリットは大幅リストラされた契約でエクスペディアに復帰した。アメリカンエアラインズでのキャリアの初期に、当時のCEOボブ・クランドールが、大規模な従業員イベントで、ある支店長に、その支局が前月にウェスに費やした金額を尋ねるのを聞いた。そして、「もし、あなたが支店を運営していて、ボロ布にいくら使っているか知らないのなら、あなたは自分の支店のことをよくわかっていないことになる」と、観衆に語りかけた。航空会社の経営には、細かな点まで気を配らなければならないし、気を配らなければ、コントロールできなくなることもある。失敗した航空会社には、真正面にぶつかってくる車を見ていない会社が多い。

 

データより感情に基づく意思決定

「あの路線はうまくいくはずだ」と凡庸なルートプランナーが口にする。、過去12ヶ月間、赤字だったのに、その路線をネットワークに残しておくのである。業績に結びつかないビジネス目標を決めてしまうことが、多くの航空会社が失敗してきた原因だ。例えば、「お客さんは無線LANが大好きなんです」と言っても、無線LANには相当なコストがかかり、誰もその料金を払わないので、航空会社のマージンは縮小してしまう。機材決定から、座席の構成、ネットワークの決定、従業員の行動まで、失敗した航空会社は、数字に従ったり、何が本当に起こっているかを示すダッシュボードを作成せず、直感で行動することが多いのが共通する。何かが間違っているとわかっていれば、解決できる可能性は高い。しかし、何をすべきかについて感情に任せ議論するのであれば、財務状況の悪化を覚悟しなければならない。

 


 

もちろん、航空会社の破綻理由は他にもある。スコットランドのロッカビー上空で起きたパンナム103便の爆発事故は、同社の終焉直前の事件となったが、それ以前にも、上記5項目のうち少なくとも4項目で同社は苦しんでいた。大胆なアイデアを持った大物が航空業界にごろごろしているが、アイデアのすべてがうまくいったわけではない。今日、最も成功している航空会社は、ここに示した5つの項目のいずれにもひっかからない。苦労せず、直感のまま戦略を立てるような航空会社が最終的に失敗する。■

 

Five Big Reasons That Airlines Fail

 

Ben BaldanzaContributor

 

May 26, 2022,05:02pm EDT

 

Ben Baldanza

Ben Baldanza

Follow

I am the former CEO of Spirit Airlines, where my strong team transformed the company into the highest margin airline in North America and created a new model for air travel in the US. I now serve on the board of JetBlue Airways, am Chairman of Six Flags Entertainment, am an Adjunct Professor of Economics at George Mason University, and co-host the top 1% podcast Airlines Confidential.


2022年5月24日火曜日

ボーイングのスターライナーがISSへのドッキングに成功。今回は無人実証飛行だが、7名を運ぶ手段となる。

 



Photo: NASA


ーイングCST-100スターライナーが、国際宇宙ステーションとの初のドッキングに成功した。無人旅客宇宙船「スターライナー」は、2019年の初ミッションがソフトウェアの不具合で失敗した後、2度目の試行でドッキングに成功した。



 5月20日19時28分(CT)、ボーイングCST-100スターライナーのカプセルが国際宇宙ステーション(ISS)に初めてドッキングした。

 スターライナーはUnited Launch Alliance(ULA)のアトラスVロケットでフロリダ州のケープカナベラル米宇宙軍基地から打ち上げられ、約26時間後にドッキングが行われた。

 ボーイング・ディフェンス、スペース&セキュリティ社長兼CEOのテッド・コルバート Ted Colbertは、次のように述べた。

 「本日のスターライナーによるドッキング成功は、宇宙飛行士を安全かつ確実に軌道に乗せるためのリハーサルとして、重要なステップとなった」。

 軌道上飛行試験-2(OFT-2)は、宇宙飛行士が搭乗しない状態で完了した。カプセルは、スターライナーの自律制御システムとヒューストンの地上管制官により誘導され、ISSにいる宇宙飛行士が制御能力を確認するためカプセルを操作することもあった。

 ボーイング・スペース&ローンチ社上級副社長のジム・チルトンJim Chiltonは、以下付け加えた。

 「スターライナーは、ランデブーおよびドッキングで安全で自律的な能力を実証しました。NASAのために宇宙ステーションへの輸送サービスが可能な民間宇宙船の仲間入りができたことを光栄に思います」。

 2019年12月の軌道飛行試験(OFT)がソフトウェアの不具合により失敗に終わった後、2回目の試行で成功した。ボーイングは昨年夏にも、宇宙船の燃料バルブの問題でテストを中止していた。


ミッションは完全無欠ではなかった


スターライナー・カプセルは最終的に任務を完了したが、すべてが計画通りに進んだわけではない。

 まず、木曜日の打ち上げ時に、12基のスラスタのうち2基が早く切れ、スターライナーの飛行制御システムが自身のスラスタを作動させざるを得なくなった。ボーイングとNASAは、これによる飛行へのリスクはないとしている。

ボーイングはその後、チャンバー圧力の低下でスラスター2つが早期に切断されたと付け加えた。同社はまた、スターライナーの熱制御システムがテスト中に想定外の動作をしたのを調査しているが、カプセル内の温度は安定していると述べている。

 また、スターライナーのグラフィックとドッキングリングの問題により、ISSとのドッキング操作が予定より約1時間遅れた。この問題は最終的に解決され、ドッキングは成功裏に行われた。


スターライナーの今後

スターライナーは水曜日までISSとドッキングを維持する。この間、ISSのクルーは宇宙船の点検やシステムのチェックアウトを行い、地上管制官は飛行中に収集されたデータを評価する。

 ISSに滞在中のNASAのボブ・ハインズ宇宙飛行士は、次のように語った。

 「地球低軌道への商業的アクセスを提供し、ISSを維持し、人類を月に、そして最終的には火星に戻すというNASAの目標に向けた素晴らしいマイルストーンとなりました。有人宇宙飛行における偉大な業績は、長い間、歴史に刻まれます」。

 帰還のため、カプセルはISSから切り離され、スラスターで地球の軌道に戻る。

 7人乗りスターライナーは、最終的に地球とISSを結び有人飛行を行う。■



Boeing Starliner Successfully Docks At International Space Station

BY

LUKE BODELL

PUBLISHED 2 DAYS AGO



2022年5月23日月曜日

An-225再製造をゼレンスキー大統領が発表。費用はロシア賠償金から賄うとしているが....

  

ターミナル1-2共通記事です

 

The An-225, known as Mryia, taking off from Ukraine.ゼレンスキー大統領はAn-225再製造を発表したが、同機の初代パイロットは再製造は決して容易でなく、完成機は全く別の機体になると見ている。

 

レクサンドル・ハルネンコOleksandr Halunenkoは、ヴォロディミル・ゼレンスキー大統領が、ホストメル空港を占拠したロシア軍により破壊された世界に一機しかないAn-225貨物機の新型機を製造すると発表したのを聞いて、喜んでいる。

 しかし、「ムリーヤムリーヤ」(ウクライナ語で夢)の愛称で知られる世界最大の航空機の初代パイロットのハルエンコは、代替機は別の機体になると見ている。

 ハルネンコは土曜日の午後、The War Zoneに「全く別の航空機になるだろう」と語った。

 ハルネンコはムリーヤの設計に携わっていた。

 1988年12月21日の初飛行でハルネンコが操縦した機体は、大部分が当時のソビエト連邦のシステムで構成されていた。

「ムリーヤ-2では、ヨーロッパやアメリカなどのシステムに置き換える必要があります」「ハルネンコ)。

 

ハルネンコはアントノフAn-225の設計も助けながら初飛行を実施した。 Photo courtesy of the Halunenkos

 

 

 新しい機体は、再度テストを繰り返すことになる。

 「結果として別の機体になる」「外見はムリーヤ-1と同じでも、中身は全く違う」。

 先週、ゼレンスキー大統領は、ウクライナ学生とのオンラインミーティングで、新たなムリーヤを作る意向を表明した。

 インタファクス・ウクライナ通信によると、大統領は、「新規製造に8億ドルが必要」と述べ、「トルコ大統領に第2ムリーヤの製造提案を訴えたが、資金が確保できなかった」 と述べた。

 「しかし今回は、資金の問題ではなく、志の問題です。ウクロボロンプロムUkroboronpromのアントノフチームから声が出た。これは、我が国のイメージの問題であり、今回の戦争で亡くなった優秀なパイロットの問題でもある」

 ゼレンスキー大統領は、ロシアが2月24日に侵攻を開始して以来、国を守り命を落としたウクライナのパイロットに新機を捧げる構想を発表した。

 「彼らがどれほどのことをしてくれたか、今日、我々はマリウポルに残った人々の命、特にアゾフスタルの命をどれだけ救ったかを語ることができる......。どれだけのパイロットが、武器から水まで、すべて運ぶために命を捧げたことか。そして、どれだけの負傷者を運んだことか。多数が英雄的に死亡した」とゼレンスキーは語った。「英雄の記憶のためミリヤを製造することこそ、正しい国家の立場だ」。

 

ロシアの砲撃で破壊された世界最大のアントノフ An-225 ムリーヤ貨物機の残骸。(Photo by Metin Aktas/Anadolu Agency via Getty Images)

 

 しかし、新型ムリーヤの製造でゼレンスキーが語った見積もりは、アントノフが属するウクライナの防衛産業コングロマリット、ウクロボロンプロムの数字よりはるかに低い。

 ウクロボロンプロムは2月27日、新型ムリーヤの建造に30億ドル以上の費用と5年の歳月がかかると発表した。巨額な数字に思えたが、ロシアからの戦争賠償金でまかなうという。

 「ウクライナは、侵略国に代金を支払わせるべくあらゆる努力をする」と、ウクロボロンプロムはウェブサイトで楽観的に述べている。「占領軍は機体を破壊したが、我々の共通の夢は破壊できない」。

「ムリーヤは、間違いなく生まれ変わる。ウクライナの航空と航空貨物部門へ意図的に損害を与えたロシア連邦に費用を負担させる」。

 アントノフの設計チームは、An-124ルスランを拡張して、ムリーヤを作成した。胴体と翼幅を延長し、エンジンを2基追加し、胴体の延長部分を主翼の前後に配置し、ツイン垂直フィンの象徴的な尾翼を作り、着陸装置のタイヤを32本に増やし、後部貨物ドアを削除した。

6基のイフチェンコ・プログレス/ロタレフD-18T3軸ターボファンエンジンは、それぞれ最大推力約52,000ポンドを発生した。

 双尾翼の構造により、ロシアのスペースシャトル「ビュラン」のような大型で重い貨物の外部搭載が可能となった。

 ムリーヤは飛行期間中、最大重量含む数々の世界記録を樹立した。2001年9月11日、ハルネンコの操縦で、総重量250トン以上のタンク5基を飛行させた。

 ソ連崩壊後は、宇宙機器輸送からチャーター機として、民間企業や政府・軍を相手に活躍した。2021年7月にはドイツからナミビアに医療物資を運ぶフライトなど、破壊の前はCOVID関連物資の輸送に多数活躍した。最後のミッションでは、2021年10月に天津からオーストリアのリンツまでCovid19の検査キット110トンを届けた。

 ルスランとは異なり、アントノフはAn-225の完成機1機と追加機体部分一基を生産した。

 未完成の機体部分はウクライナのどこかに保管されているが、それが新しいムリヤに使われるのかは不明だ。ゼレンスキー大統領もウクロンボロンプロムもその点には特に触れていない。

 ハルネンコは、ミリアの破壊を子供が殺されるのになぞらえて、ここまで巨大な航空機の新型の製造は簡単ではないと述べた。

 「うまくいけば、とてもいいことだ」「しかし、非常に困難です」。

 今月初めのインタビューでは、資金調達が大きな障害と語っていた。

 「残念ながら、大規模投資が必要です。ウクライナには資金がない。寄付で作るしかない」。

 新しいAn-225の費用として、アントノフはクラウドソーシングで資金調達を開始した。

 しかし、5月2日のFacebookの投稿によれば、集まったのは4,200ドル余りだ。

 つまり、新しいAn-225は、まだ夢の段階だ。

 

アントノフのFacebookページ。


 ムリヤを愛したハルネンコ(76歳)は、新造ムリヤに乗ることはないだろう。

 ムリーヤ-2が離陸しても、彼がヨークを握ることはないだろう。

 「年齢が年齢だからできない」妻のオルハ・ハルネンコは、The War Zoneにこう語った。■


$800M Needed To Build A New An-225 ムリーヤ Cargo Jet Zelensky Says

 

Oleksandr Halunenko, the An-225’s first pilot, says doing so won’t be easy and will end up a very different aircraft.

BY

HOWARD ALTMAN

MAY 23, 2022 3:17 PM

THE WAR ZONE


2022年5月22日日曜日

C919生産仕様初号機が初飛行。機体価格が想定以上に高く、欧米他社との差が少ないことに驚きの声。

 C919

MSN007が初飛行で上海から離陸した

Credit: State media Xinhua

 

COMACのC919初期生産仕様機が5月14日初飛行に成功し、遅れていたナローボディ同機での商業運航が近づいてきた。

 

 

 

 同機MSN007は現地時間午前6時52分、上海浦東空港を離陸した。3時間2分の飛行の後、同機は同空港に着陸した。

 COMACによると、「パイロットとエンジニアは事前に設定のタスクをすべて遂行し、機体の状態も良好だった」。

 登録番号B-001JのC919初号機は、中国東方航空に納入される予定だ。上海を拠点とする同社は、2021年3月に5機のC919を確定発注し、同型機のローンチカスタマーとなった。中国東方航空は2021年末に初号機を受領する予定でしたが、認証の遅れにより、就航開始は2022年末に延期されている。

一方、中国東方航空は5月10日に証券取引所へ通知を出し、C919 4機、COMAC ARJ-21 24機、エアバス A350-900 6機、ボーイング 787-9 4機の合計38機の取得のために150億元(22億ドル)を調達する計画を表明した。

 注目すべきは、今回の申請で初めてC919とARJ-21の価格が明らかになったことだ。C919は1機9900万ドル、ARJ-21は1機3800万ドルである。国営COMACの9,900万ドルという価格は、業界アナリスト予想の5,000万ドルの2倍近くで、欧米の同業他社に迫る水準だ。ボーイング737-8の定価は1億2160万ドル、エアバスA320neoの定価は2018年1月で1億1060万ドル。

 C919の機体価格が比較的高いため、同機は欧米の同型機に対し競争力が劣るが、同型機を国内で展開する場合、空港や航空当局から優遇を得られることは既定の方針だ。

 CFM Leap 1Cエンジン2基を搭載したC919は、2017年に初飛行した。■

 

 

COMAC's First Production C919 Takes Flight; Price Higher Than Estimate | Aviation Week Network

Chen Chuanren May 16, 2022


2022年5月21日土曜日

ルフトハンザがボーイング応援の発言。買い手市場の今だからこそ、ボーイングには元気になってもらいたい?

 ルフトハンザのカーステン・シュポアCarsten SpohrCEOが、ボーイングの業績回復、復活を信じていると発言した

エアラインとしても機材メーカーの健全な競争があったほうが商売上得なので落ち目のボーイングにエールを送ったのでしょうね。


Photo: Boeing


ーイングは、ルフトハンザ・ドイツ航空のカーステン・シュポアCEOから心強い発言を得た。シュポアCEOは米国に滞在中で、経営難に陥ったボーイングを応援するため時間を割いた。シュポアは、ボーイングが問題に直面していることを認めながらも、ルフトハンザは同社を強く信じており、同社は再建と回復を遂げるだろうと述べた。


ボーイング、ルフトハンザCEOの後押しを受ける

ボーイングは最近、市場シェアを大きく失い、ライバルのエアバスに受注を奪われている。737 MAXの失敗、787ドリームライナーと777Xプログラムの遅れが、同社の足かせとなり続けている。しかし、ロイターによると、シュポアは今週ワシントンで、問題があっても、ボーイングをしっかり支持していく姿勢を示した。



「アメリカの象徴としてのボーイングは立ち直るはず」と述べた。ルフトハンザはボーイングの大口顧客だった。だが最近では、ボーイング747-400と747-8の27機、エンブラエルとボンバルディアのリージョナルジェットを除けば、ルフトハンザはエアバスを使用している。しかし、シュポアCEOは、ボーイング関係者を含む聴衆に対し、「ボーイングを信頼している」と語った。


ルフトハンザ CEO のカーステン・シュポア Photo: Lufthansa


ルフトハンザがボーイング受注を後押し

ルフトハンザはボーイングに、32機の787-9、2機の777貨物機、777-8貨物機、20機の777Xの未達発注を有する。しかし、ルフトハンザはA350、A320neos、A321neosなど、エアバスにほぼ2倍の機数を発注している。ルフトハンザが今後導入する機材は、数ではエアバスに偏っているが、金額では、60機以上のボーイングのワイドボディが、エアバス向け発注額に匹敵する。

 ルフトハンザはボーイングの旅客機777Xと貨物機777-8のローンチカスタマーとなる。ボーイングは、ルフトハンザがボーイング旅客機で初めてカスタマーになった長い歴史を継続すると述べている。シュポアCEOは今週、同社が、多くの航空会社のようにドリームライナーや777の発注を減らすのではなく、なぜ増やすのかという質問をはぐらかす際に、歴史を利用した。

 しかし、シュポアCEOのボーイングへの態度は、単純に同社を慮ってのものではない。ボーイングに関しては、買い手市場だ。ルフトハンザCEOは、ボーイングと価格交渉する条件が整ったと言った。ルフトハンザが今月初めにボーイングへ発注を増やしたのも、おそらくそのためだろう。同社は、決定は航コストの削減、燃料効率の向上、最先端の顧客体験の提供のためと説明していた。


ルフトハンザCEOの明確かつ意図的な支援

カーステン・シュポアは、納期について多く語らなかった。おそらく、納期を過ぎたボーイング機を抱えるその他航空会社のCEOと同様、日数を数えるのを諦めたのだろう。しかし、他社のCEOと違い、シュポアCEOはボーイング社に苦言を呈するのではなく、意図的に支援している。

 最近では、777Xでボーイング社の問題が話題になっている。777Xプログラムは2013年に始まり、当初は2020年の初飛行が予定されていた。しかし、そのスケジュールはどんどん後ろ倒しになっている。4月には、777Xの型式認証取得が2024年後半になりそうとのニュースが流れ、最初の納入は2025年半ばから後半に予想されている。最も先見の明のあるCEOの忍耐力を試すような遅れだ。

 シュポアCEOのボーイング支持表明は、ボーイングにとって良い一日の締めくくりとなった。水曜日には、IAGは50機のナローボディMAXジェットと100機の追加オプションの発注にサインした。これは、エアバス社に対し待望の勝利となった。■


Lufthansa CEO Voices His Support For Boeing

BY

ANDREW CURRAN

PUBLISHED 2 DAYS AGO

Source: Reuters


2022年5月14日土曜日

ブームが開発中の超音速旅客機のインテリアなど情報が開示され、より快適な乗客体験の実現をめざしていると判明。

超音速旅客機の再開へ期待が集まる中、同分野のリーディングカンパニーが乗客を感動させることになるのか。



Photo: Boom Supersonic


しく登場する超音速旅客機は、コンコルドと比較にさらされる。しかし、コンコルドの初飛行から50年の歳月が流れており、乗客の飛行体験にも改善を期待したいところだ。



 コンコルドは、乗客にとって快適とはいえなかった。座席は狭く、窓は小さく、高騒音だった。同機の運航会社は、シェフの食事やビンテージシャンパンなど、機内サービスで快適さの欠如を補っていた。

 CNNのリチャード・クエストが語るように、妥協はあったが全体として爽快な体験だった。

 「コンコルドは狭く、100席ほどしかなかった。オフィスチェアやバケットシートのような座席で、窓はとても小さかった。だが笑みがこぼれない乗客はいなかったはずだ」。


コンコルドの客室 Photo: dschwen via Wikimedia


 しかし、そこに妥協のない新顔が現れた。ブーム・スーパーソニックBoom Supersonicが近々発表する旅客機オーヴァチュアOvertureは、最初から最後まで素晴らしい乗客体験の提供を目標としている。このコンセプトを実現するため、Boomは自社内で開発に取り組んでいる。


インテリアを自社開発

 エアバスボーイングが、エアバス・エアスペース仕様のような独自インテリアを提供しているが、通常、客室デザインの専門家とのパートナーシップで開発している。航空会社は、客室の備品や色、素材、仕上げについて最終的な決定権を有する。

 ブームの顧客も、オーヴァチュアのインテリアソリューションのカスタマイズを要求することは間違いないが、Boomによるキャビンスペースへの革新的な取り組みは止まらない。Simple Flyingは、同社の創設者兼CEOブレイク・ショールBlake Schollに、オーヴァチュアでの旅行体験がどこまで魅力的になるのかインタビューした。

 「当社の目標は、まったく新しい乗客体験を提供し、機内に入ったときよりも降りたときに気分がよくなるようにすることです。OEM他社と異なり、当社では乗客体験の開発に社内投資しており、信じられないほど有能なデザインチームが取り組んでいます」。


100%SAFで飛行するオーヴァチュアでカーボンニュートラルの飛行が実現する。Photo: Boom Supersonic

 

 オーヴァチュアの路線就航は七年先の予定だが、ブームは客室内意匠で複数案を準備している。


ライフラットシートは不要

 オーバーチュアの高速飛行で、長距離路線ビジネスクラスの典型的なアメニティの多くが不要になる。大西洋横断便のビジネスクラスでは通常、シートがフルフラットになり、乗客は睡眠をとることができる。しかし、オーバーチュアはロンドンからニューヨークまでの所要時間を3時間30分に短縮すると約束しており、ベッド提供の優先順位は低くなる。

 しかし、だからといって乗客が機内で何か特別なものを手に入れられないというわけではない。ショールが説明してくれた。

 「座席は広く快適です。窓も大きく、6万フィート上空から見る地上や青空は格別です。全座席に大きなパーソナル・デバイス・エンターテインメント・スクリーンが設置されます。さらに、まだお話しできないのですが、新しい乗客体験の機能がいくつかつく予定です」。


ブームは大型窓をオーヴァチュアにつけ、乗客を感動させようとしているPhoto: Boom Supersonic 


 その機能は不明だ。窓の上のヘッドアップディスプレイで下界を覗いたり、超高速WiFiで機内接続したりと、なんでもありになりそうだ。いずれにせよ、技術中心のブームの姿勢と飽くなき情熱からすれば、おそらく壮大なものになるのだろう。


同機についてわかっていること

 同社は内装の仕様を示すレンダリングを多数発表している。全長205フィート(62.5メートル)の機体に、65人から88人の乗客が搭乗する。同サイズのコンコルド(203フィート/62m)が92人から128人の乗客を乗せたのと比べると、かなり少ない。


全席ビジネス仕様の1-1レイアウトは、快適さとプライバシー、パーソナルスペースを提供する。写真 Boom Supersonic


 コンコルドは、2-2レイアウトで、座席も決してゆったりとはしていないなど、機内に豪華さはなかった。これに対し、オーバーチュアでは、プライバシー、通路への直接アクセス、食事や仕事のための十分なスペースなど、上級乗客の求める条件をすべて満たすオールビジネスクラスの1-1レイアウトを謳っている。

 窓の大きさは、間違いなく驚きを与えるだろう。現行のドリームライナーの窓は、27.2×46.7cm(10.7×18.4インチ)と、民間機では最大だ。Boom社は、大きさを正確に特定していませんが、レンダリング画像は、これよりもかなり大きくなることを示唆している。ドリームライナーの大型窓は、カーボンコンポジット構造で実現されており、オーバーチュアもこれを採用する。


乗客は広い空間と作業スペースを手に入れることができる。写真 Boom Supersonic


 画像から、40インチピッチのビジネスクラスレベルの足元スペース、モダンな素材、広々としたトレイテーブルがわかる。全体として、かなり印象的なデザインに見えるが、ブームがどのように実現するのか、世界中が注目するはずだ。ショールはこう言っている。

「乗客がもっと長く乗っていたいと思えるものを作れと、チームに言い続けています」。

 東京-シアトル間は4時間半、パリ-モントリオール間は3時間45分と、機内で快適な時間を長く過ごすことはない。しかし、それこそが超音速旅客輸送USPであり、手頃なチケット価格が約束されている以上、将来はより多くの人が楽しめることになるかもしれない。


As Luxurious As Concorde? The Boom Supersonic Overture Passenger Experience

BY JOANNA BAILEY


Source: CNN

About The Author

Joanna Bailey (2703 Articles Published)

Managing Editor -  Joanna has worked in publishing for more than a decade and is fast becoming a go-to source for commercial aviation analysis. Providing commentary for outlets including the BBC, CNBC, Reuters Thomson and others, she works closely with IATA, AviaDev and various airlines and suppliers to get the inside track on the global marketplace.

ニューヨークJFK空港の新ターミナル・ワンは世界最高水準を目指す

  JFK New Terminal One ジ ョン・F・ケネディ国際空港の新ターミナル・ワンは、大規模に建設されており、国内だけでなく世界的にも最高のものとなることが期待されている。 ニューヨーク・ニュージャージー港湾局が190億ドルを投じて進めるJFK空港の改革の一環として...