2022年11月30日水曜日

777Xのフライトテスト中断。GE9Xエンジンで想定外の不具合が見つかったため。現在調査中で、路線就航がまた遅れるのは必至か

 

 


GE9X

Credit: Guy Norris/Aviation Week

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ボーイングは、GE9Xエンジンに関する不特定問題に関してGEエアロスペースとの共同調査を待つ間、777-9の試験飛行を一時的に中断している。

10月6日の試験飛行中に発生したと見られるこの問題の詳細は、ほとんど発表されていない。この問題が特定エンジンに限定されたものなのか、特定の製造バッチに限定されたものなのか、あるいはもっと深刻な設計上の欠陥が新たに発見されたのか、評価が待たれる。

777-9のローンチカスタマー、エミレイツのティム・クラーク社長は、エンジン問題が深刻なら、すでに遅れているFAAの型式検査承認(TIA)が遅れる可能性があると警告している。今のところ、エミレイツは2025年7月に同機をデビューさせる予定だ。

「12月6日には、エンジンに問題がないかどうか、言い換えれば、バッチなのか、それともエンジン全体の設計に問題があるのかについて情報を得ます」とクラークは言う。「ボーイングは1月に飛行試験プログラムを再開させたいと考えている。来年半ばまでの予定のTIAは、比例配分される。もし、GEが再設計で、再度、全試験工程を実施しなければならないとしたら、月単位で後退することになる」。

ボーイングは、当初2021年初頭の予想だったTIAの時期についてコメントを拒否している。「当社はFAAに委ねています。FAAと連携して、認証試験に先立ち、文書と分析を成熟させる作業を続けています」と同社は述べている。しかし、一方でボーイングは、エンジン問題が調査中であることを認めている。

「GEエアロスペース社が最近発生したGE9Xエンジンの問題を調査しており、徹底的な調査と適切な処置が完了次第、航空機テストを再開する予定」とし、ボーイングは、「安全性は当社の最優先事項であり、当社のサプライヤーと技術チームは、顧客や規制当局と透明性をもち協力しながら、必要な時間をかけて調査をサポートします」と述べている。

「GEは、GE9Xの認証取得後のエンジニアリングテスト中に発生した技術問題を検証中で、飛行試験再開をサポートする調査結果についてボーイングと緊密に連携しています」と、エンジンメーカーGEは述べている。詳細は明らかにされていないものの、事故の中心はホットセクションのタービンエリアと考えられている。「エンジンが爆発したため、エンジンは解体された」と、クラークは付け加えている。

この問題は、10月6日まで777Xテスト機材で唯一飛行していた777-9開発機WH001の試験中に発生したと考えられている。飛行試験の関係者によると、乗組員は約1,700時間、2,600サイクルを経過したエンジンの熱超過評価を行っていたという。

GE9X開発に問題がなかったわけではない。2018年2月、同社所有の飛行テストベッドでのGE9Xの初飛行は、高圧コンプレッサーの可変ステーターベーンのレバーアームに問題が発見されたため、延期された。その後、圧縮機固定子の再設計により、777-9の初飛行は約半年遅れ、2020年1月になった。■

Boeing 777X Flight Tests Halted After GE9X Incident

Guy Norris Jens Flottau November 30, 2022

https://aviationweek.com/air-transport/aircraft-propulsion/boeing-777x-flight-tests-halted-after-ge9x-incident

 


2022年11月28日月曜日

円安の影響で日本発の国際線需要が伸び悩んでいることに注目する海外勢

 

Weak Yen Hinders Japanese Outbound Travel

BY

CHARLOTTE SEET

PUBLISHED 18 HOURS AGO

Flights out of and within Japan have become too expensive for Japanese travelers.

Photo: Getty Images


日本発の国際便、日本国内便ともに国内旅行客に割高感がぬぐえない

アジア有数の技術先進国で、独自の文化や歴史を持つ日本は、常に世界中の観光客やビジネスマンにとり重要なホットスポットであった。しかし、日本は9月中旬に全面再開したばかりで、長期にわたり海外からの旅行が厳しく制限されてきた。再開後、日本の旅行事情はどのように変化したのだろうか。

増加する訪日外国人旅行者

6月に特定旅行団体が入国を許可され、海外旅行が再開された。8月末の世界全体の旅客数は約12万人と、流行前の2割程度の水準で推移した。翌9月には約20万5,000人と順調に数字を伸ばしたが、増加は緩やかで、日本経済が真に恩恵を受けるには至らなかった。

しかし、日本がすべての制限を撤廃し、ビザなし渡航を許可し始めると、日本行きの航空券の予約は3週間で3倍以上になった。また、海外の航空会社も日本へのフライトを増やし始めた。そして、10月には純粋に訪日外国人旅行者が増加し、前月の約20万5千人から推定49万8千人へ急増した。パンデミック前水準には及ばないものの、規制緩和で訪日客は約3割増加した。

Photo: Getty Images


今年に入り米ドルに対し20%近くも円安になったことが、需要を喚起している。円安は、インバウンド、特に欧米人旅行者の日本への渡航を促し、商品やサービスが相対的に安くなり、贅沢できるようになる。欧米からの旅行者が増えれば、日本は中国人観光客の減少を心配する必要はなくなる。

国内外旅行の見通し悪化

残念ながら、円安は日本へのインバウンド旅行には適しているが、アウトバウンド旅行については、国内の人々が高すぎると感じているため、同じことは言えない。外国から日本への航空券が需要に応じ高騰したのとは逆に、日本から外国への航空券は大流行前の2割程度の水準で低迷している。

さらに、円安は国内旅行需要にも影響し、日本国内の都市間の航空券はかなり割高になっている。日本航空全日空ピーチ・アビエーションジップエアなど大手は、アウトバウンド需要の不足をインバウンド需要で補おうとしている。

しかし、エア・ドゥスカイマー春秋航空など、航空会社すべてが恵まれているわけではない。国内需要の不足が、パンデミックからの回復を遅らせている。円高が始まらない限り、日本人旅行者が海外に出ることはないだろうから、出国者数の推移はすぐに変わりそうにない。では、日本国内の旅行はどうか。

割引制度で補助金を支給

国内観光を促進し、日本人旅行者がより手頃な価格で航空旅行を楽しめるようにするため、日本政府は来年まで国内旅行補助金制度を実施する。国民旅行割引プログラムとして知られ、現在政府は1人1泊7日11,000円(79ドル)を上限に支給している。

このお金は公共交通機関や国内航空券に使うことができ、プログラムには買い物券や食事券も含まれる。しかし、2023年からは補助金の上限が1泊7日で約7,000円(50.50ドル)に引き下げられるようだ。金額は下がっても、日本の国内航空会社の安定的な回復に期待が持てそうだ。■



2022年11月25日金曜日

中国南方航空がワンワールド加盟?

 

噂は数年前もあったが、今回は本物か?

ワンワールド・アライアンスが中国南方航空をグループに加える検討をしていると報じられている。数年前、中国南方航空がスカイチームアライアンスから離脱した際にも同じ噂が飛び交っていたが、今回はどうか。


中国南方航空はワンワールドに加盟するのか?

中国南方航空は4年前にスカイチームアライアンスを脱退し、ワンワールド加盟の数社と密接な関係を築いている。ワンワールド・アライアンスの主要航空会社カタールエアウェイズアメリカンエアラインズは、ともに中国南方航空に約 5% 出資している。ブリティッシュエアウェイズも中国南方航空と広範なパートナーシップを結んでおり、中国南方航空はFinnairのコードシェアパートナーでもある。

中国南方航空は中国最大の航空会社だ。北京と本社がある中国南部の広州の2か所に主要なハブ空港を有する。パンデミック以前、中国は世界で最も急成長している航空市場の1つで、中国の航空会社をアライアンスに参加させることは、不可欠だった。

ワンワールド・アライアンでは、加盟予定企業や交渉内容、詳細については、公表できる段階に達するまでコメントできないと述べている。

Photo: Airbus


ワンワールド・アライアンスの主要メンバーであるブリティッシュ・エアウェイズとアメリカンは、中国南方航空の加盟見込みに非常に協力的といわれる。現時点で、中国南方航空はワンワールド・アライアンスへの加盟を正式申請していない。

キャセイパシフィックと中国南方航空は共存できるか?

4年前、中国南方航空がスカイチームアライアンスから離脱した際、Simple Flying は、中国南方航空がワンワールドに加盟した場合、キャセイパシフィック航空に生まれる影響を分析した。キャセイパシフィックと中国南方航空の本社は100マイル以内に位置しており、論理的には2つの航空会社が同じアライアンスに加盟すると複雑な事態になようだ。

2018年、Simple Flyingは、中国南方航空がキャセイパシフィック航空と競合する気はなく、共同事業契約の可能性を広げていると報じた。当時、キャセイパシフィック航空は長距離国際線、中国南方航空は国内線と、両社は全く異なるフォーカスを持っていた。

ワンワールド・コネクトへの加盟か

中国南方航空はアライアンスの正式正式メンバーではなく、ワンワールド・コネクトのパートナーになる可能性がある。 ワンワールド・コネクトは2018年発足し、航空会社と乗客が完全に加盟しなくてもアライアンス加盟特典の一部を受けられるアライアンスの「ライト」メンバーシップだ。中国南方航空がコネクトパートナーで加盟すれば、他のワンワールド航空会社の乗客が中国国内に乗り継ぐ際に、中国南方航空を利用できるようになる。

2018年11月、アラスカエアラインズは、特定の地域でコネクトパートナーを活用する可能性があると発表した。この発表は、フィジー・エアウェイズがこの新商品の創設メンバーになることが決まった矢先のことだった。

中国南方航空

  • IATA/ICAOコード CZ/CSN

  • 航空会社の種類 フルサービスキャリア

  • ハブ(複数可) 北京大興空港、広州白雲国際空港

  • 設立年 1988

 

ワンワールド

  • ビジネスタイプ 航空会社アライアンス

  • 設立日 1999-02-01

  • CEO Rob Gurney 

  • 本社所在地 米国、ニューヨーク

  • 加盟航空会社 アラスカ航空、アメリカン航空、ブリティッシュ・エアウェイズ、キャセイパシフィック航空、フィンエアー、イベリア航空、日本航空、マレーシア航空、カンタス航空、カタール航空、ロイヤルエアマロック、ロイヤルヨルダン航空、スリランカ航空


China Southern Airlines May Join oneworld Alliance


BY

LUKAS SOUZA

PUBLISHED 1 DAY AGO


Lukas Souza

(250 Articles Published)

United States Lead - Lukas flew for the first time before his first birthday and has loved aviation since his earliest memory. He combines a passion for aviation, storytelling, and photography.


2022年11月24日木曜日

スクートがIATAに正式加盟。LCCの加盟で多様なエアラインの声が反映されることへ。スクートの躍進ぶりに改めて注目。

 


ンガポールエアラインズグループの格安航空会社スクートが国際航空運送協会(IATA)に正式加盟した。この発表は、スクートがIATAの運航安全監査(IOSA)に合格したことを受けたもの。監査は、航空会社の運航における安全性の国際基準を定め、IATAの会員資格を得るため必要だ



 設立10周年を迎えたばかりの同社は、アジアが旅行制限の緩和を続ける中、国際ネットワークを急速に再構築している。親会社のシンガポール航空と同様、スクートは国際線に大きく依存しり、国内線はない。スクートのCEOLeslie Thngは、この発表に喜びを表明した。

「IATA会員になれたことを光栄に思います。この国際的な認定は、乗客の安全を守る当社の献身的な取り組みを確認してくれました。この10年間、当社は運航の回復力を強化し、お客様の体験を向上させ続けてきました。

「今後も、この業界において、価値ある旅を再定義し、向上させる道を切り拓いていきたいと考えています」。



加盟の必要条件

IATAへの加盟は、定期便および非定期便の航空サービスを運航する航空会社のみに開かれている。加盟を希望する航空会社は、客室乗務員の有無にかかわらず、商業貨物便または旅客便に使用される、最大認証離陸質量が5,700kg(12,566lb)以上の2人乗り多発機であることを条件とする。

 IATA運航安全監査登録を維持し、航空会社の運航管理および制御システムを評価するため作成された、国際的に認知された評価システムのIOSAプログラムに準拠することが、IATA加盟の条件だ。

 IATAの正式会員となったスクートは、国際的な航空会社の代表者が集まり、航空業界における優先事項を決定するIATA会議に出席できるようになった。直近の総会はドーハで開催され、IATAは炭素排出量の純ゼロ化などのトピックを議論した。来年のIATA年次総会は、イスタンブールで開催される。

 IATA会員になることで、スクートは航空安全やセキュリティ、運航効率や卓越性、持続可能性といった重要な分野におけるIATAのトレーニングも受けることができるようになった。また、航空業界の専門家の能力を強化するためのプログラムも利用できる。IATAのアジア太平洋地域担当副会長フィリップ・ゴーは、スクートを協会に歓迎した。

「スクートをIATAのメンバーとして迎え、大変うれしく思います。ローコストキャリアであるスクートがメンバーになることで、当協会における意見の多様性がさらに高まるでしょう。COVID-19の影響から回復しつつある業界の持続的な成長に向けて、スクートのチームと協力することを楽しみにしています」。


スクートの着実な成長

スクートは、パンデミック後に力強く復活した。10月には、前月比8%増の729,400人の旅客をネットワークで輸送た。スクートは現在、エアバスA320-200を14機、A320neo6機、A321neo9機、ボーイング787-8が9機、787-9 10機など、60機を保有している。

 2012年6月の就航以来、スクートは6,700万人以上のお客様をお迎えした。同航空は2017年7月にタイガーエア・シンガポールと合併し、スクートブランドを維持した。同航空は一貫して路線網の再構築を進めており、現在11月は56都市へのフライトを提供している。


スクートを利用する旅行者は、親会シンガポールエアラインズグループのマイレージプログラム「クリスフライヤー」のマイルを獲得・交換できる。■


A Key Milestone: Singaporean Low-Cost Carrier Scoot Joins IATA


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JONATHAN E. HENDRY


About The Author

Jonathan E. Hendry

(149 Articles Published)

Journalist - Jonathan served as an International Air Cadet Exchange Ambassador to Canada, and was stationed at RAF Lakenheath as a Staff Sergeant in the U.S Air Force. With a passion for discovering new destinations, he has visited over 70 countries from Azerbaijan to Zimbabwe. Jonathan holds honors degre


2022年11月19日土曜日

クロスオーバーナローボディ機は乗客、客室乗務員双方に好評。大型機並みの快適装備が搭載されている。

  

 

内エンターテインメントやコネクティビティなどのアメニティ、適度な広さのパーソナルスペース。プレミアムキャビンには、快適な設備がたくさんあります。

しかし、客室乗務員にとっては、快適な客室は「オフィス」でもある。客室乗務員にとってキャビンは、仕事をする上でも快適でなければなりません。

 

エンブラエルEジェットE2シリーズやエアバスA220シリーズなどクロスオーバー・ナローボディ機は、最もモダンな客室が導入されている。両機種とも内装はクリーンシートで、開発では航空会社のフォーカスグループで多くの議論が交わされ、最終的に完成した。

ヘルヴェティックエアウェイズHelvetic Airwaysのキャビンクルー責任者であるターニャ・バンガール・バンガールTanja Banghardは、その他職場と同様に、全体がポジティブな雰囲気であれば、スタッフの気分も高まり、生産性も向上すると認めている。ヘルヴェティックは、のE190-E2とE195-E2をそれぞれ8機4機運航しており、スイスにかわり4機のE190-E1も運航している。

「当社の客室乗務員は、新型空機で働くことにとても感謝しています。また、E2はお客様にも大変好評で、特に明るく心地よい雰囲気とレッドカーペットのおかげで、お客様は気持ちよく機内に入れるんです。乗務員へのフィードバックも好意的で、社員のモチベーションと誇りになっています」(バンガール)。

「機内の作業スペースも、客室乗務員の希望と要求に応じて設計されています。例えば、調理室のレイアウトや、最新型のコンロ、コーヒーメーカー、湯沸かし器です。また、大型のオーバーヘッドビンは搭乗手続きを簡素化し、乗務員の日常業務が容易になりました。さらに、可動式仕切り板により、わずかな手順で機内の状況に合わせてキャビンを構成できます。これらの設備で短距離路線やチャーター便でも、快適で効率的な乗務員の作業環境のもと、お客様にプレミアムなサービスを提供することができます」。

エアバルティックairBalticのキャビンスペシャリスト、ゲイティス・スタンガGatis Stangaは、同社のA220について、同様の感想を述べている。「2016年にエアバスA220-300運航を開始して以来、乗客とチーム双方から圧倒的な好評をいただいています。私たち客室乗務員は、この機種で働くことが大好きで、最新のテクノロジーを備えた新しい環境だからです」。

乗務員にとって大きな違いは、キャビンのデザインや業務に必要なバイヤー備品(BFE)に影響を与えられることだ。スタンガは、その利点を認識している。「私たちは、客室内レイアウトについて、意見を述べる機会を持ち、本当に有益な結果を生みました。私たちが意見を出した例に、ギャレーのレイアウトがあります」。

ヘルヴェティックも、サプライヤー提供の機器(SFE)ではなく、独自の選択を行った。バンガールによると、同社の意見に基づいて導入されたE2sの非標準装備には、機内温度調節器(デュアルゾーンで機内の温度調節をより良くする)、モバイル機器充電用USBポート(2席につき2つ)、訓練用ダブルフライトアテンダントシート、移動困難な乗客(PRM)用のトイレ、通路側カーテン付き可動クラス仕切り、2席につき3個目の酸素マスク、航空会社が独自に選んだムード照明が含まれているという。

バンガールは、同社の客室乗務員が、以前の機体と比較して、より効率的に仕事できるとみているE2sの要素についても強調している。「ライトグレーの機内はE1よりはるかに明るいのは一目瞭然です。大きな窓も重要な役割を担っています」。

「キャビンサイドのムードライトは色を変えることができ、快適な空間の演出に役立ちます。E2には温度ゾーンが2つあるので、温度をより正確かつ迅速に調節できます。さらに、E1より静粛性が向上し、特に機体後部で顕著に現れています。

「さらに、頭上の荷物入れも大きくなりました。リージョナル機では、手荷物だけ持って移動するお客様が多いので、これは非常にありがたいことです。E2型機のドアは、搭乗用も主翼上の非常口も、操作がしやすくなりました」。

「技術的にも大きく変わりました」とバンガールは言う。「E2のCMS(キャビン・マネジメント・システム)は最新鋭で、フライト時間から誰がどのくらい前にサービスボタンを押したかの表示まで、より多くの情報を提供します。さらに、E2の全座席に、携帯電話やタブレットなどモバイル機器を充電できるUSBポートが設置されており、お客様から大変喜ばれています」。

スタンガは、エアバルティックがエアバスA220-300の誇らしい大使であると述べ、「機内には、客室乗務員の業務を容易にするアイテムがあります」という。

「まず、カスタマー・サービス・ディスプレイです。これは、各客席の上部にある特別なスクリーンで、飛行中に移動地図を表示します。このディスプレイがあれば、乗客はフライト中のすべての情報を簡単に見ることができ、客室乗務員に尋ねる必要がありません。出発前には、すべての乗客にはっきりと見えるように、このディスプレイを使い安全に関する説明をしています」とスタンガは説明。

「ムードライティングは、フライトのさまざまな場面で、乗客の気持ちを光で表現するオプションです。例えば、夜間の着陸時に、日の出のような演出で乗客の目を覚まさせたり、クリスマスの光の演出で華やかさを演出したりできます」という。

「最後に、キャビン・マネジメント・システムによって、乗務員は機内温度やドアの状態をモニターし、乱気流の際にはシートベルト着用サインを点灯させ、何らかの情報が必要な場合にはACARSシステムを通じオペレーションセンターに通知できます」(スタンガ)。

航空会社の最前線に立つスタッフは、顧客を維持するため最高品質のカスタマーサービスを提供する必要があり、ポジティブな環境で働くことが目標に大きく貢献する。航空会社とクロスオーバー・ナローボディ・ジェットOEMのコラボレーションは、乗客と客室乗務員の双方に利益をもたらしている。■

Crossover Jet Cabins Giving Crews A Welcoming Workplace | Aviation Week Network

Bernie Baldwin November 15, 2022


アジア太平洋地区の航空需要回復の遅れは中国市場にあり。一方で、今再開されても対応できない旅行業界の事情もある。

 

 

  • 中国政府が再開に向け段階的アプローチをとる可能性

  • 短期的には交通量の大幅増加は考えにくい

 

 

 

国の国際航空市場の再開が、アジア太平洋の航空業界の見通しで主要なワイルドカードのままだ。中国の航空輸送量の回復は同地域の完全回復に不可欠だが、それがいつ、どのように実現するかで、不確実性がまだ多く存在している。

 中国はパンデミック以前はアジア太平洋地域の多くの航空会社に最重要市場の一つであった。しかし、中国本土の国際線キャパシティは、厳格なCOVID-19渡航政策のため、現在は見る影もない。

 アジア太平洋航空協会(AAPA)の事務局長スバス・メノンは、中国は航空業界にとって「部屋にいない象」のような存在だと述べている。11月3日にシンガポールで開かれたCAPA - Centre for Aviation's Asia Summitで、メノンは、中国関連の交通量は、国内および国際線含め、この地域で流行前は40%にも及んでいたと述べた。

 中国依存度が、アジア太平洋地域の回復が世界の他地域より遅れている理由の1つだ。CAPAとOAGのデータによると、アジア太平洋地域の国際線輸送力は2019年水準の52.6%に達した。だが北米の95.3%、欧州の85.3%の回復率を大きく下回る。

 中国本土の国際線キャパシティは、パンデミック前の8%で、アジア太平洋地域の主要市場で最低の回復率となっている。

 中国政府は、到着時検疫を義務付けるなどCOVID-19対策に加え、発着するすべての国際航空会社を特定路線の一握りの便に制限している。ここ数週間は若干緩和され、追加フライトが許可され、検疫時間も短縮された。また、COVID-19の陽性例を一定数以上搭載するとフライトを停止する、いわゆるサーキットブレーカールールが撤廃されたのも変更点として挙げられる。しかし、これら修正でも、航空会社のキャパシティに変化はない。

 Centennial Asia AdvisorsのCEOであるManu Bhaskaran氏、政治的な要因と医療システムのロジスティックスが再開のタイムラインに影響を及ぼすと述べている。11月11日にバンコクで開催されたAAPA年次総会で、同氏は、政治面では、2023年3月の全国人民代表大会まで大規模な動きが発表されることはないだろうと述べている。

 中国政府は「非常に慎重で保守的なアプローチ」を取るだろうと、同氏は指摘した。「再開を急がず中国はおそらく、段階的に規制を撤廃していくだろう」。

このため、来年末までに中国発着の国際線が急増することはないだろう、と同氏は予測する。

 他のアジア航空会社と同様、COVID-19以前、中国本土は全日空(ANA)にとって重要な市場であった。当時、中国本土と香港の市場を合わせ、ANAの国際線旅客数の25%、収益の15%を占めていたと、ANAのアライアンス・国際担当副社長、宮川純一はAAPAイベントで述べた。

 ANAの中国本土への運航能力は流行前の20%しかないが、3月末までに約30%まで増やす目標と宮川は述べた。

 フィリピンにとっても中国市場は極めて重要であると、Cebu Pacificの最高商務責任者Alexander LaoはCAPA会議で述べた。中国本土は、COVID-19以前はフィリピンにとって2番目に大きな観光客の供給源であり、1位になる勢いだった。

 中国がCOVIDゼロ政策を近いうちに広く撤廃するとの楽観的な見方は少なくなっていると、ラオは述べてる。「航空会社の問題は、中国が(短期的に)再開しない場合、新しい市場や顧客の供給源はどこに、見つけるのかということです」。

 シンガポールのチャンギ空港グループの航空ハブ開発担当マネージングディレクター、リム・チン・キアットは、CAPA会議で、中国がいつ再開するかはまだ「全員が当てずっぽうで見ている」と述べた。しかし、これは今のところ必ずしも問題ではない、と言う。「短期的には、我々の仕事は我々のために切り開かれている」。「中国が開国するのを待っている間、十分すぎるほどの仕事がある」。

 中国の航空輸送が回復すれば、国際線の回復に追いつくために今でも緊張状態にある航空システムでさらに圧力がかかる可能性がある。

 ラオはアジア太平洋地域の多くの部分でネックがあり、「中国復帰前からあった」と述べた。彼は、中国の国際線の潜在的な増加を処理するために、地上業務の人員とリソースが不十分な空港があると疑問視している。

 中国本土市場の再開が漸進的で段階的なアプローチとなれば「旅行業界に朗報」と太平洋アジア旅行連合のCEOであるOLiz OrtigueraはCAPAイベントで言った。

 Ortiguera は旅行業界が各地で人手不足に直面しているので彼女に「中国が[他の市場] と同時に再開しなかったのはありがたい」と"話したあるホテルの幹部の言を引用した。

 「今こそ、中国が開放されたときのために準備をし、キャパシティを確認しておく必要がある」と彼女は語った。■

 

China's Return Is Key Issue For Asia-Pacific Region Airlines | Aviation Week Network

Adrian Schofield November 17, 2022

 

Adrian Schofield

Adrian is a senior air transport editor for Aviation Week, based in New Zealand. He covers commercial aviation in the Asia-Pacific region.


2022年11月12日土曜日

ホンダジェット・エリートIIがFAA型式証明を取得。先進性能で次世代機の価格は700万ドル。

 



Photo: Honda


ホンダの新型プライベートジェット機がFAA型式証明を取得し、世界で最も先進的なプライベートジェット機になった



HondaJet Elite IIは、11月2日に米連邦航空局(FAA)から型式証明を取得した。ホンダは、10月に開催された「2022 NBAA Convention and Exhibition」でのお披露目を経て、エリートIIの型式証明を取得した。同機は、先代モデルのエリートSと共通点が多くあるものの、明確な違いもあり、次世代クラスに位置づけている。主な進化点は、航続距離の延長と先進のエイビオニクスだ。


次世代プライベートジェット

エリートIIには、他機種にない多くの最新技術が盛り込まれている。中でも注目すべきは、グラスコックピットだ。ほぼすべての最新ジェット機でも優れたエイビオニクスを提供するグラスコックピットで生産されているが、エリートIIはGarmin G3000エイビオニクス・パッケージを採用し、フライトコントロールに直接統合することで、航空機の能力を次のレベルへと引き上げている。

Photo: Honda


エイビオニクス・システムとフライト・コントロールの接続は、オートスロットル機能を提供する。これにより、希望する飛行形態に合わせて機体内部のコンピューターが出力を調整し、パイロットの負担を大幅に軽減するこ。また、緊急自動着陸機能も搭載され、このクラスで初めての機能となる。ホンダのフリート向けおよび中部大西洋地区のセールスディレクターであるマイク・マーフィーは、次のように述べている。

「オートランドは、緊急時に作動し、人間の介入なしに航空機を自律的に制御し着陸させます。自動化技術の統合と相まって、HondaJet Elite IIは信頼性の高い操縦を提供し、運航安全性を高め、パイロットの作業負担を軽減しより効率的な運用を実現します 」。

先進的な機能はコストがかかる。定価695万ドルのエリートIIは、市場で最も高価な4人乗りジェット機だ。しかし、先進の安全機能はコストに見合う価値があると見る向きが多いだろう。


効率的な機体

同機はゼロから設計され、従来の航空機よりも効率的な設計となっています。オールコンポジット製の機体は、可能な限り軽量化し、燃料消費を抑え、より経済的な航空機を目指している。また、他の多くの小型ジェット機より燃費の良いエンジンを使用しているため、時間当たり燃料消費量が少なく、全体の運航コストと二酸化炭素排出量を削減できる。ホンダは、燃料の総容量を200ポンド増やし、3,165ポンドを搭載できるようにした。


Photo: Honda


高燃費の設計と、燃料搭載の追加により、最大航続距離は1,547海里となった。これは、プライベートジェットで最も人気のあるルートのニーズをはるかに超える。マーフィーは、同機が最も一般的なジェット路線の多くに最も効率的に対応可能な完璧な装備であると、次のように話している。


「1,100海里は、最も人気のあるプライベートジェット路線のニュヨーク・マイアミ往復をカバーしています」。"


乗客4席とパイロット2席のみで、最大離陸総重量は11,100ポンドの離陸重量により、エリートIIはこのサイズのジェット機の中で最も性能と効率に優れた機体となっている。

Source: Aviation Today


HondaJet Elite II Gets FAA Certification - Here's What $7 Million Buys

BY

RILEY PICKETT


ご存知でしたか?空港で紛失した手荷物を購入できます(SimpleFlying)―鉄道遺失物販売と規模がちがいます。ロストバゲージが日本では少ないのならこのビジネスは成り立ちませんね

  Gemini. 空 港を利用して旅行し、荷物の大規模な移動を目の当たりにすると、「紛失した荷物はどうなるのか」という疑問が生じませんか。この疑問は2023年の記事で扱いましたが、SITAのような企業や彼らのWorldTracerサービスが、乗客と荷物を自動的に再会させるために...