円安の影響で日本発の国際線需要が伸び悩んでいることに注目する海外勢

 

Weak Yen Hinders Japanese Outbound Travel

BY

CHARLOTTE SEET

PUBLISHED 18 HOURS AGO

Flights out of and within Japan have become too expensive for Japanese travelers.

Photo: Getty Images


日本発の国際便、日本国内便ともに国内旅行客に割高感がぬぐえない

アジア有数の技術先進国で、独自の文化や歴史を持つ日本は、常に世界中の観光客やビジネスマンにとり重要なホットスポットであった。しかし、日本は9月中旬に全面再開したばかりで、長期にわたり海外からの旅行が厳しく制限されてきた。再開後、日本の旅行事情はどのように変化したのだろうか。

増加する訪日外国人旅行者

6月に特定旅行団体が入国を許可され、海外旅行が再開された。8月末の世界全体の旅客数は約12万人と、流行前の2割程度の水準で推移した。翌9月には約20万5,000人と順調に数字を伸ばしたが、増加は緩やかで、日本経済が真に恩恵を受けるには至らなかった。

しかし、日本がすべての制限を撤廃し、ビザなし渡航を許可し始めると、日本行きの航空券の予約は3週間で3倍以上になった。また、海外の航空会社も日本へのフライトを増やし始めた。そして、10月には純粋に訪日外国人旅行者が増加し、前月の約20万5千人から推定49万8千人へ急増した。パンデミック前水準には及ばないものの、規制緩和で訪日客は約3割増加した。

Photo: Getty Images


今年に入り米ドルに対し20%近くも円安になったことが、需要を喚起している。円安は、インバウンド、特に欧米人旅行者の日本への渡航を促し、商品やサービスが相対的に安くなり、贅沢できるようになる。欧米からの旅行者が増えれば、日本は中国人観光客の減少を心配する必要はなくなる。

国内外旅行の見通し悪化

残念ながら、円安は日本へのインバウンド旅行には適しているが、アウトバウンド旅行については、国内の人々が高すぎると感じているため、同じことは言えない。外国から日本への航空券が需要に応じ高騰したのとは逆に、日本から外国への航空券は大流行前の2割程度の水準で低迷している。

さらに、円安は国内旅行需要にも影響し、日本国内の都市間の航空券はかなり割高になっている。日本航空全日空ピーチ・アビエーションジップエアなど大手は、アウトバウンド需要の不足をインバウンド需要で補おうとしている。

しかし、エア・ドゥスカイマー春秋航空など、航空会社すべてが恵まれているわけではない。国内需要の不足が、パンデミックからの回復を遅らせている。円高が始まらない限り、日本人旅行者が海外に出ることはないだろうから、出国者数の推移はすぐに変わりそうにない。では、日本国内の旅行はどうか。

割引制度で補助金を支給

国内観光を促進し、日本人旅行者がより手頃な価格で航空旅行を楽しめるようにするため、日本政府は来年まで国内旅行補助金制度を実施する。国民旅行割引プログラムとして知られ、現在政府は1人1泊7日11,000円(79ドル)を上限に支給している。

このお金は公共交通機関や国内航空券に使うことができ、プログラムには買い物券や食事券も含まれる。しかし、2023年からは補助金の上限が1泊7日で約7,000円(50.50ドル)に引き下げられるようだ。金額は下がっても、日本の国内航空会社の安定的な回復に期待が持てそうだ。■



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