777Xのフライトテスト中断。GE9Xエンジンで想定外の不具合が見つかったため。現在調査中で、路線就航がまた遅れるのは必至か

 

 


GE9X

Credit: Guy Norris/Aviation Week

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ボーイングは、GE9Xエンジンに関する不特定問題に関してGEエアロスペースとの共同調査を待つ間、777-9の試験飛行を一時的に中断している。

10月6日の試験飛行中に発生したと見られるこの問題の詳細は、ほとんど発表されていない。この問題が特定エンジンに限定されたものなのか、特定の製造バッチに限定されたものなのか、あるいはもっと深刻な設計上の欠陥が新たに発見されたのか、評価が待たれる。

777-9のローンチカスタマー、エミレイツのティム・クラーク社長は、エンジン問題が深刻なら、すでに遅れているFAAの型式検査承認(TIA)が遅れる可能性があると警告している。今のところ、エミレイツは2025年7月に同機をデビューさせる予定だ。

「12月6日には、エンジンに問題がないかどうか、言い換えれば、バッチなのか、それともエンジン全体の設計に問題があるのかについて情報を得ます」とクラークは言う。「ボーイングは1月に飛行試験プログラムを再開させたいと考えている。来年半ばまでの予定のTIAは、比例配分される。もし、GEが再設計で、再度、全試験工程を実施しなければならないとしたら、月単位で後退することになる」。

ボーイングは、当初2021年初頭の予想だったTIAの時期についてコメントを拒否している。「当社はFAAに委ねています。FAAと連携して、認証試験に先立ち、文書と分析を成熟させる作業を続けています」と同社は述べている。しかし、一方でボーイングは、エンジン問題が調査中であることを認めている。

「GEエアロスペース社が最近発生したGE9Xエンジンの問題を調査しており、徹底的な調査と適切な処置が完了次第、航空機テストを再開する予定」とし、ボーイングは、「安全性は当社の最優先事項であり、当社のサプライヤーと技術チームは、顧客や規制当局と透明性をもち協力しながら、必要な時間をかけて調査をサポートします」と述べている。

「GEは、GE9Xの認証取得後のエンジニアリングテスト中に発生した技術問題を検証中で、飛行試験再開をサポートする調査結果についてボーイングと緊密に連携しています」と、エンジンメーカーGEは述べている。詳細は明らかにされていないものの、事故の中心はホットセクションのタービンエリアと考えられている。「エンジンが爆発したため、エンジンは解体された」と、クラークは付け加えている。

この問題は、10月6日まで777Xテスト機材で唯一飛行していた777-9開発機WH001の試験中に発生したと考えられている。飛行試験の関係者によると、乗組員は約1,700時間、2,600サイクルを経過したエンジンの熱超過評価を行っていたという。

GE9X開発に問題がなかったわけではない。2018年2月、同社所有の飛行テストベッドでのGE9Xの初飛行は、高圧コンプレッサーの可変ステーターベーンのレバーアームに問題が発見されたため、延期された。その後、圧縮機固定子の再設計により、777-9の初飛行は約半年遅れ、2020年1月になった。■

Boeing 777X Flight Tests Halted After GE9X Incident

Guy Norris Jens Flottau November 30, 2022

https://aviationweek.com/air-transport/aircraft-propulsion/boeing-777x-flight-tests-halted-after-ge9x-incident

 


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