クロスオーバーナローボディ機は乗客、客室乗務員双方に好評。大型機並みの快適装備が搭載されている。

  

 

内エンターテインメントやコネクティビティなどのアメニティ、適度な広さのパーソナルスペース。プレミアムキャビンには、快適な設備がたくさんあります。

しかし、客室乗務員にとっては、快適な客室は「オフィス」でもある。客室乗務員にとってキャビンは、仕事をする上でも快適でなければなりません。

 

エンブラエルEジェットE2シリーズやエアバスA220シリーズなどクロスオーバー・ナローボディ機は、最もモダンな客室が導入されている。両機種とも内装はクリーンシートで、開発では航空会社のフォーカスグループで多くの議論が交わされ、最終的に完成した。

ヘルヴェティックエアウェイズHelvetic Airwaysのキャビンクルー責任者であるターニャ・バンガール・バンガールTanja Banghardは、その他職場と同様に、全体がポジティブな雰囲気であれば、スタッフの気分も高まり、生産性も向上すると認めている。ヘルヴェティックは、のE190-E2とE195-E2をそれぞれ8機4機運航しており、スイスにかわり4機のE190-E1も運航している。

「当社の客室乗務員は、新型空機で働くことにとても感謝しています。また、E2はお客様にも大変好評で、特に明るく心地よい雰囲気とレッドカーペットのおかげで、お客様は気持ちよく機内に入れるんです。乗務員へのフィードバックも好意的で、社員のモチベーションと誇りになっています」(バンガール)。

「機内の作業スペースも、客室乗務員の希望と要求に応じて設計されています。例えば、調理室のレイアウトや、最新型のコンロ、コーヒーメーカー、湯沸かし器です。また、大型のオーバーヘッドビンは搭乗手続きを簡素化し、乗務員の日常業務が容易になりました。さらに、可動式仕切り板により、わずかな手順で機内の状況に合わせてキャビンを構成できます。これらの設備で短距離路線やチャーター便でも、快適で効率的な乗務員の作業環境のもと、お客様にプレミアムなサービスを提供することができます」。

エアバルティックairBalticのキャビンスペシャリスト、ゲイティス・スタンガGatis Stangaは、同社のA220について、同様の感想を述べている。「2016年にエアバスA220-300運航を開始して以来、乗客とチーム双方から圧倒的な好評をいただいています。私たち客室乗務員は、この機種で働くことが大好きで、最新のテクノロジーを備えた新しい環境だからです」。

乗務員にとって大きな違いは、キャビンのデザインや業務に必要なバイヤー備品(BFE)に影響を与えられることだ。スタンガは、その利点を認識している。「私たちは、客室内レイアウトについて、意見を述べる機会を持ち、本当に有益な結果を生みました。私たちが意見を出した例に、ギャレーのレイアウトがあります」。

ヘルヴェティックも、サプライヤー提供の機器(SFE)ではなく、独自の選択を行った。バンガールによると、同社の意見に基づいて導入されたE2sの非標準装備には、機内温度調節器(デュアルゾーンで機内の温度調節をより良くする)、モバイル機器充電用USBポート(2席につき2つ)、訓練用ダブルフライトアテンダントシート、移動困難な乗客(PRM)用のトイレ、通路側カーテン付き可動クラス仕切り、2席につき3個目の酸素マスク、航空会社が独自に選んだムード照明が含まれているという。

バンガールは、同社の客室乗務員が、以前の機体と比較して、より効率的に仕事できるとみているE2sの要素についても強調している。「ライトグレーの機内はE1よりはるかに明るいのは一目瞭然です。大きな窓も重要な役割を担っています」。

「キャビンサイドのムードライトは色を変えることができ、快適な空間の演出に役立ちます。E2には温度ゾーンが2つあるので、温度をより正確かつ迅速に調節できます。さらに、E1より静粛性が向上し、特に機体後部で顕著に現れています。

「さらに、頭上の荷物入れも大きくなりました。リージョナル機では、手荷物だけ持って移動するお客様が多いので、これは非常にありがたいことです。E2型機のドアは、搭乗用も主翼上の非常口も、操作がしやすくなりました」。

「技術的にも大きく変わりました」とバンガールは言う。「E2のCMS(キャビン・マネジメント・システム)は最新鋭で、フライト時間から誰がどのくらい前にサービスボタンを押したかの表示まで、より多くの情報を提供します。さらに、E2の全座席に、携帯電話やタブレットなどモバイル機器を充電できるUSBポートが設置されており、お客様から大変喜ばれています」。

スタンガは、エアバルティックがエアバスA220-300の誇らしい大使であると述べ、「機内には、客室乗務員の業務を容易にするアイテムがあります」という。

「まず、カスタマー・サービス・ディスプレイです。これは、各客席の上部にある特別なスクリーンで、飛行中に移動地図を表示します。このディスプレイがあれば、乗客はフライト中のすべての情報を簡単に見ることができ、客室乗務員に尋ねる必要がありません。出発前には、すべての乗客にはっきりと見えるように、このディスプレイを使い安全に関する説明をしています」とスタンガは説明。

「ムードライティングは、フライトのさまざまな場面で、乗客の気持ちを光で表現するオプションです。例えば、夜間の着陸時に、日の出のような演出で乗客の目を覚まさせたり、クリスマスの光の演出で華やかさを演出したりできます」という。

「最後に、キャビン・マネジメント・システムによって、乗務員は機内温度やドアの状態をモニターし、乱気流の際にはシートベルト着用サインを点灯させ、何らかの情報が必要な場合にはACARSシステムを通じオペレーションセンターに通知できます」(スタンガ)。

航空会社の最前線に立つスタッフは、顧客を維持するため最高品質のカスタマーサービスを提供する必要があり、ポジティブな環境で働くことが目標に大きく貢献する。航空会社とクロスオーバー・ナローボディ・ジェットOEMのコラボレーションは、乗客と客室乗務員の双方に利益をもたらしている。■

Crossover Jet Cabins Giving Crews A Welcoming Workplace | Aviation Week Network

Bernie Baldwin November 15, 2022


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