2022年10月31日月曜日

国防総省による持続可能航空燃料SAFへの投資は民間航空にも影響を与える可能性。

 

 

SAF_Refuel

ミー・ドリトル将軍といえば、第二次世界大戦中の戦闘指揮官としての活躍が一般に知られているが、1930年代、ドリトルがシェル石油の重役として、戦争への最大の貢献をしていた。1930年代、ドリトルは当時使われていた87オクタン燃料に代わる新等級の航空燃料、100オクタン製造に投資するようシェルを説得した。100オクタン燃料は、エンジン技術の進歩と相まり、アメリカの航空機に競合他社に対する性能上の優位性をもたらした。まさに先見の明であった。

新燃料は、速度や上昇率、離陸距離の短縮など、性能を向上させた。これは、連合国空軍が最終的に勝利するため使用した多くの技術の1つだ。戦時中の100オクタン価燃料の大量使用は、次世代の民間航空機に燃料を供給した。今日でも、一般的な航空機は、ヨーロッパや日本の上空でアメリカの戦闘機や爆撃機を動かしたのと同じ100オクタン価燃料を改良したものを使用している。

今日、民間産業と政府には、国防に提供する新燃料、すなわち持続可能な航空燃料(SAF)に投資する機会がある。1930年代同様に課題はあるものの、米国に大きなチャンスだ。国防総省がSAFを一定量購入すると約束すれば、民間投資を促し、国家安全保障に有意義な利益をもたらすだろう。SAFは、100オクタン価と同等の性能向上は見込めないが、その他の戦略的利益をもたらすので、検討の価値がある。利点には、エネルギー安全保障の向上、国防用航空燃料価格の安定化、外交的勝利などが含まれる。米国は、エネルギー源の最先端に位置する100年に一度の機会を得ており、この機会を逃す手はない。 

持続可能な勝利へ

国防総省の最大の航空燃料消費者は空軍で、年間約70億ドルを航空燃料に費やす。米国は相当量の原油埋蔵量に恵まれているものの、市場力学と無縁ではない。わずかな価格変動でも、国防予算に大きな影響を与える。例えば、ロシアのウクライナ侵攻やその他のインフレ圧力により、国防総省は2022年に燃料費を予想より30億ドル多く使うことになった。イラン・イラク戦争やイラクのクウェート侵攻など、その他の歴史的な出来事も価格上昇を招いた。燃料価格の大変動は、国防総省の効果的な計画・予算編成能力に悪影響を及ぼす。中東などでは、石油市場への懸念から、米国が物価安定を確保するためにコストのかかる軍備を展開・維持するケースもある。

持続可能な航空燃料は、こうした問題の軽減に役立つ。現在、SAFは、持続可能な原料から作られ、消費者の要求に応じ10%から50%の割合で通常の燃料と混合される。原料は、持続可能な航空燃料の構成要素だ。研究者たちは、ハイドロプロセシング・エステル&脂肪酸(HEFA)、アルコール・トゥー・ジェット(AtJ)、ガス化・フィッシャー・トロプシュ(gas/FT)、パワー・トゥ・リキッド(PtL)の4つの主要な原料経路を開発してきた。いずれも、基本的には現在の化石燃料と同じ炭化水素の連鎖を構築する。例えば、ネスレは食品メーカーから使用済み食用油を回収し、民間航空会社向け航空燃料に精製している。重要なのは、これらの原料は国内で調達できるため、アメリカの政策立案者が生産と価格設定をコントロールできることだ。さらに、現在燃料の大半を船で輸送しているハワイなど、戦略的に重要な地域に持続可能な航空燃料精製所を建設できるというメリットもある。

今日の持続可能な航空燃料は、航空機の性能をわずかに(1パーセントのオーダーで)向上させることができ、NATOの相互運用性で管理可能な問題があるものの、ロジスティクス要件に変更を加える必要はない。例えば、NATOの航空燃料パイプラインである中欧パイプラインシステムは、現在サステイナブル燃料に対応していない。しかし、米国はこの面で先導的な役割を果たしており、適切な投資で欧州のモデルとなる可能性がある。 

また、軍用機には戦術的なメリットもある。よりきれいに燃焼する燃料は、性能をわずかに向上させるだけでなく、飛行機雲の発生を抑え、どちらも戦闘機にとって戦術的な利点となる。さらに、エネルギー密度の高い燃料を製造することで、航空機の積載量と航続距離を増加させる可能性もある。

課題

短期的な課題として、原料や精製コストが高いため、SAFは現在のところ通常のジェット燃料にコスト競争力がないことがある。また、市場のインセンティブも課題だ。製油所の建設には多額の資本投資が必要で、同燃料への需要がどの程度あるのか、また、その需要が投資を正当化できるのか、正確には不明。しかし、国防総省がSAF購入を約束すれば、民間投資の触媒となりコストを下げ、企業が低い資本コストを確保して立ち上げコストを支援できる。このような購入は、SAF産業に大きな影響を与えるだろう。

政府の初期投資は、イノベーションのテーマであり、特にエネルギー分野のイノベーションにはつきものである。政府により刺激された需要は、しばしば技術革新、投資、新規市場参入と相互作用し、供給を増加させ価格を下げる。例えば、1930年代、空軍が100オクタン価にこだわったことで、民間投資家は生産能力の増強と技術革新を進め、それが精製コストの低減につながった。1930年代前半、100オクタン価のガソリンは1ガロン30ドル以上したが、低オクタン価のガソリンは20セントであった。1940年代半ばには、15セント程度で販売されるようになった。石炭、石油、太陽光、風力など、再生可能エネルギーについても同様の傾向がある。したがって、持続可能な航空燃料も今後数十年の間に同様の傾向をたどると考えるのが妥当であろう。

もちろん、米国は二酸化炭素の排出量を減らすことができると同時に、輸入化石燃料に代わる代替燃料を国内で作り出す利点もある。このように、明らかな環境への影響を超えて、供給源の多様化とサプライチェーン管理という国家安全保障上の要請も、持続可能な燃料コストを引き下げる幅広い投資を促進するはずだ。

緑の連合

アメリカの最も忠実な同盟国や潜在的パートナーの多くは、気候変動を今世紀最大の問題のひとつと見ている。特に、米国が中国と影響力を争う南太平洋地域では、その傾向が強い。アメリカは、中国との差別化を図り、各国を取り込む中で、気候変動緩和への投資を協力の柱とできるだろう。

アメリカの政治体制や生活様式が中国と差別化しているという意見も多いが、自分の家がすぐに水没してしまうようでは、資本主義や民主主義のメリットは少ない。したがって、島嶼国家は、民主主義国家との同盟を望むとしても、気候変動を緩和するインフラへの中国の投資を受けることを合理的に選択する。中国はすでに太平洋地域での外交努力に多大な投資を行っており、安全保障や援助に関する協定を多数結んでいる。中国がこのような進出を果たした理由のひとつは、太平洋諸島の国々が、周囲の気候変動に伴って必要となるプロジェクトの資金調達能力に懸念を抱いているためだ。ソロモン諸島の当局者が指摘するように、「(中国は)...気候変動に対する世界的な取り組みをリードするために、リーダーシップとコミットメントを示している」のである。

米国は、同盟国や将来のパートナー国が気候関連インフラに投資する際で重要パートナーであるべきである。その要素の1つとして、SAFの精製所や貯蔵施設を建設し、地元開発に拍車をかけることができる。この取り組みは、既存のエネルギー生産者と行うことで、賛同者を増やし、市場安定性を確保し、民間資本を活用できる。また、戦略的に意義のある分野に的を絞り投資することも可能です。例えば、フィリピンは現在、韓国と台湾から輸入するジェット燃料に大きく依存している。食用油や廃棄物原料を活用すれば、年間1億6000万ガロン(B-52爆撃機約3000機分)を現地生産できる可能性がある。これは同盟国への経済支援となるだけでなく、航空燃料施設のネットワークが貿易の途絶から影響を受けにくくし、太平洋におけるアメリカの戦力投射に資する。

実施

SAFのリスクを最小化し、その有用性を証明するために米国はすでに多くのステップを踏んでいる。例えば、2007年に米空軍は、C-17航空機で持続可能な航空燃料の有効性を実証した。2016年には、米海軍が「偉大なるグリーン・フリート」を実証した。航空団を含む空母打撃群全体が、数ヶ月間、グリーンエネルギーと持続可能な航空燃料で運用された。そして、持続可能な航空燃料の使用をより広く試験的に行う条項が、2023年の国防権限法に盛り込まれている。

こうした成功に基づき、代替エネルギー能力を構築するために、国防総省は今後数年間、一定量のSAFを購入する約束をする必要がある。具体的には、パイロット・プログラムではなく、国防総省は新規および既存の生産者と交渉し、一定の量と価格を保証する必要がある。たとえば、国防総省は2028年から、1ガロン5.25ドルで、年間2億ガロンのSAFを購入することを約束できる。

ここで、民間企業が例を示せる。例えば、アメリカン航空は最近、2027年から年間1億ガロンの持続可能な航空燃料を、1ガロン約5.50ドルで購入すると発表した。これは市場全体の大幅な増加を意味するが、2027年までに予想される生産量を考えれば、実際の影響は小さい。このコストは、現在の市場価格でジェット機が使用する標準燃料ジェットAよりも高いが、アメリカン航空は4つを達成した。まず、将来にわたって燃料価格の安定を図ることができた。2つ目は、石油を使わない燃料を確保したこと。3つ目は、サステナビリティのリーダーとしてのマーケティング。第四に、持続可能燃料生産者へ需要の確実性を示したことだ。これらの利点は、生産者の計画能力と収益増加能力を高め、将来のコスト削減につながる可能性が高い。ルフトハンザユナイテッドなどの航空会社も同様の取り組みを行っている。  

結論

SAF購入に国防総省の予算を投じる必要性は、民間企業や既存の政府投資に排除されている、という批判があるかもしれない。しかし、最小限の投資で、具体的な利点2つが得られる。たとえば、製油所を西海岸やハワイ諸島など、太平洋作戦に必要な物流上の利点を持つ地域に集中できる。第二に、国防総省の投資は民間企業の資金調達を促進し、初期コストをはるかに上回る利益をもたらしそうだ。

筆者の試算によると、国防総省が航空燃料の約10%を持続可能資源から調達した場合、近い将来、サービス利用者の燃料費が5〜10%増加する。このコストは、潜在的な石油市場の変動に対するヘッジまたは保険と考えることができ、戦略的石油備蓄の埋め合わせになる。

コスト増は、多くの人にとって短期的には受け入れがたいものであるが、100オクタンの例は、この種の投資に対する潜在的な見返りを示している。1930年代、陸軍省は100オクタン価のガソリンへより多く支払ったかもしれないが、その投資は第二次世界大戦中に多くの利益をもたらした。SAFも、同じ傾向をたどるかもしれない。現在はコストが上がるが、将来的には戦略的効果が持続する。

エネルギー革新の物語は、機会の物語だ。石炭から石油へ、87オクタン価から100オクタン価へ、エネルギー分野の革新は、賢明な国家に安全保障の向上を可能にしてきた。今日、SAFへの投資も同様に、21世紀を通じ戦略的に重要な利点をもたらす可能性がある。持続可能性に費やすお金は、国家の安全保障を犠牲にしない。むしろ、持続可能な防衛は、より優れた防衛かもしれない。■

 

Sustainable Aviation Fuel: Investing in the Future - War on the Rocks

DAVID ALMAN

OCTOBER 25, 2022

COMMENTARY

 

David Alman is an officer and pilot in the Air National Guard. He holds a B.S. and M.S. in aerospace engineering. He is admittedly passionate about environmentalism and, when not flying jets, can be found in Americas national parks. The views expressed here are his alone.

The author is indebted to Damian McLoughlin for his expertise and feedback. Any errors are the author’s alone.

Image: U.S. Navy photo by Mass Communication Specialist 3rd Class Ian Thomas.



2022年10月29日土曜日

アメリカンエアラインズがパイロットに給与20%アップを提示。上級機長の時給換算は400ドル超に。

 





アメリカンエアラインズは新契約で、パイロットに2年間で給与アップ20%を提案している。


新提案

3年以上にわたる交渉で、アメリカンエアラインズはパイロットに2年間で20%の昇給を提示している。現在のオファーでは、パイロット給与は前倒しで12%、1年後に5%、さらにその後1年ごとに2%ずつ引き上げられる。

 今回の提示は、6月末にパイロットに提示されたものより3%高い。アメリカンは6月、ユナイテッドエアラインズとパイロット組合が18ヶ月で14%昇給の暫定合意に達した直後に、17%の昇給を提示していた。

 組合の交渉委員会は会社提案を受け入れたが、最終的には連合パイロット協会幹部と一般組合員の承認が必要となる。

 パイロットは労働条件とスケジュール改善を求めて闘っているが、そのた契約交渉と同様に金銭が焦点となっている。契約案では、上級機長の時給はほぼ432ドル、新任の一等航海士の時給は101ドルになる。

 新提案に関する話し合いは月曜日に始まる予定だったが、連合パイロット協会のエド・シチャー会長によると、手続き上の問題で協議は中止されたとのことだ。

 噂では、一方あるいは双方は、11月1日(火)に新しい取締役会に交代する現取締役会の最後の行為として、10月31日(月)までに署名を望んでいたようだ。

 アメリカンは10月24日(月)にオファーを出したが、組合理事会にオファーが提示された日から、パイロットグループに決定を送る前の投票まで7日間が必要という規則がある。手続き上の問題がなければ、投票は現理事会の最終日に行われることになる。

 Simple Flyingは連合パイロット協会に問い合わせたが、記事公開時点では回答は得られていない。


その他アメリカンエアラインズの最新ニュース

 この冬(南半球では夏)、アメリカンエアラインズは中南米とカリブ海地域の93都市へ週2,000便以上のフライトを運航する。この数字は、2019年冬期スケジュールから24.3%増えている。

 2022年末に、アメリカンはこの地域で最大の運航規模となる。

 「パンデミックの最重要時期を経て、アメリカンは、地域全体で見られる信じられないほどの需要に対応するべく、ラテンアメリカとカリブ海で輸送容量を強化し続けてきました。当社は、この地域のリーディングエアラインとしての地位を強化し続け、お客様が望む目的地への比類ないアクセスを提供できることを非常に誇りに思っています」。アメリカンエアラインズ 中南米・カリブ海地域担当副社長 ホセ・フレイグJose Freig

 2,000便の多数は以前の路線の再開で、一部は増便か新路線となる。10月末には、マイアミ=モンテビデオ線を再開し、週3便で運航する。

 11月には、マイアミからキューバの5都市、ホルギン、サンタクララ、サンティアゴ、ベラデロ、カマグエイへの運航を開始する。アメリカンの中南米路線で最も注目すべきは、約2年ぶりにニカラグアのマナグアに戻ってきたことだ。

 ラテンアメリカはアメリカンのネットワークにとって不可欠な存在で、2022年第3四半期には15億ドル以上の収益をもたらした。平均搭乗率87.4%は、アメリカンが就航する市場の中で最高で、利回りは2番目に高く、年間40億ドル以上の収益をもたらした。


  • American Airlines
  • IATA/ICAO Code: AA/AAL

  • Airline Type: Full Service Carrier

  • Hub(s): Charlotte Douglas International Airport, Chicago O'Hare International Airport, Dallas/Fort Worth International Airport, Los Angeles International Airport, Miami International Airport, New York JFK Airport, LaGuardia Airport, Philadelphia International Airport, Phoenix Sky Harbor International Airport

  • Year Founded: 1926

  • Alliance: oneworld

  • CEO: Robert Isom

  • Country: United States


American Airlines Offers Its Pilots A New Contract With A 20% Raise

BY

LUKAS SOUZA


2022年10月25日火曜日

思ったより大きく損傷していた大韓航空A330はセブ空港の運用を止めていた。機体は修理の範囲を超えており現地で抹消か。

 Photo: Getty Images

大雨の中、3度目の着陸試行で同機は滑走路をオーバーシュートし、セブ発着の航空便は停止している。

10月23日(日)夜、フィリピンのセブ・マクタン国際空港で、大韓航空のエアバスA330で着陸事故が発生した。乗客162名と乗員11名を乗せた同機は、悪天候の中、2次回着陸を試み、滑走路をオーバーシュートしました。航空会社は現在、負傷者がなく、乗客全員が無事に避難したと確認している。

大雨の中、3度目の着陸を試みる

エアバスA330-200型機(登録番号:HL7525)は、ソウル仁川国際空港(ICN)発セブ島行きKE631便として、現地時間19時20分に離陸した。悪天候のため、パイロットはCEBへの着陸を2度中止せざるを得なかった。しかし、23時7分に行われた3度目の着陸で、同機は滑走路をオーバーシュートし、エンジンと機体に大きなダメージを受けた。幸いにも、負傷者はいなかった。

大韓航空は月曜日に、乗客は現地3つのホテルに案内され、代替便が手配されていると発表した。また、1997年から続いていた大韓航空の死亡事故ゼロ記録を打ち切っていたかもしれない事故の原因究明を続けている。最新の報道によると、同機はセブ空港のランウェイ04のすぐそばで立ち往生しており、フライトトラッキングサービスによると、同空港発着のフライトは火曜日まで停止したままだ。

同空港はソーシャルメディアで、現地時間月曜日の16:00から18:00の間に出発する便のサービスを一時的に再開すると述べている。しかし、フライトトラッキングサービスによると、離陸した便はないようだ。

社長自ら謝罪

一方、同航空のKehong Woo社長は、同航空のウェブサイト上で次の声明を発表している。

「2022年10月23日にマクタン・セブ国際空港で発生した弊社KE631便の事故について、心からおわびを申し上げたいと思います。今後、現地航空当局および韓国当局とともに徹底した調査を行い、原因を究明してまいります。弊社は常に安全を最優先にして運航しており、お客様にストレスとご不便をおかけしたことを心からお詫び申し上げます」。

Photo: Getty Images

同便の乗客の中には、事件を比較的冷静に受け止めている人もいるようだ。■

  • Korean Air
  • IATA/ICAO Code:KE/KAL

  • Airline Type:Full Service Carrier

  • Hub(s):Incheon International Airport

  • Year Founded:1969

  • Alliance:SkyTeam

  • CEO:Walter Cho

  • Country:South Korea



Korean Air Airbus A330 Accident: What We Know So Far

BY

LINNEA AHLGREN

PUBLISHED 22 HOURS AGO



以下Aviation Safety Networkでの追加情報です。


大韓航空631便(エアバスA330-322)はフィリピンのマクタン-セブ国際空港(CEB)の滑走路22に着陸した後、滑走路逸脱した。

 機体は滑走路端をオーバーランした後、22番滑走路のILSローカライザーアンテナアレイに激突した。機体はアンテナアレイに衝突する前にノーズランディングギアが崩壊したようだ。

 このフライトは10:20 UTCにソウル-仁川国際空港(ICN)を出発し、CEBに向かうフライトであった。14:12UTCにCEBの滑走路22への最初のアプローチを中止したが、これは1800フィート上空で積乱雲が発生し、悪天候のためと思われた。

 フライトクルーは2回目のアプローチの位置を決めたが、滑走路のしきい値を越えた直後14時26分に中止された。

 その後、航空機は約30分間ホールドパターンに入り、3回目のアプローチが試みられた。

 15:08UTC(現地時間23:08)に同機は滑走路22に着陸し、滑走路をオーバーランした。

 22番滑走路の着陸可能距離(LDA)は3310mである。



2022年10月24日月曜日

新しい混合型需要(出張+レジャー)への対応に舵を切るアメリカンエアラインズも業績は好調。キャパシティを減らしながら増収増益へ。

  

 

Credit: American Airlines

 

メリカンエアラインズの幹部は、企業の出張需要が変化したことで、いわゆる「混合型」出張の増加に対応すべく航空機の客室やスケジュールを調整し、創造的な対応を余儀なくされていると述べた。

 

投資家やアナリストを前に、アメリカンのチーフ・コマーシャル・オフィサーであるヴァス・ラジャは、出張とレジャー両方の要素が混在する旅行、つまりブレンド・トラベルの需要は、旅客収入の約45%にまで拡大しており、リモートワークが普及し、数百万名の労働者が従来のオフィス環境から切り離されたことを反映していると述べている。

第3四半期(Q3)の旅客収入に占める割合はわずか25%だったが、大流行前と異なり、混合型旅行は現在、従来のビジネス出張の約2倍の売上高を占めている。しかし、従来型ビジネストラベルの構成も変化しています。契約企業による売上は旅客収入全体の5〜8%に過ぎないのに対し、中小企業を含む非契約・非管理企業が17〜20%を占めていると、ラジャは述べた。

ラジャによると、アメリカンのスケジュールは、ピーク時とオフピーク時に均等に配分され、同時に最も効率がいいハブ空港に集中するようにしているという。

アメリカンは、変化する旅行パターンに適応するために、提供商品を調整している。ラジャによると、ビジネスクラスの座席は、現在同社のプレミアム収入の大部分を占める混合型旅行者に人気があると証明されている。

「ビジネスクラスのシートの質は大きく向上しており、率直に言って、(ファーストクラスを)取り除くことで、お客様が最も望み、最も喜んでお金を払うビジネスクラスのシートをもっと提供できます」(ラジャ)。

アメリカンは新しいトレンドに対応するため、需要が最も高い場所に資産を集中させるよう、ネットワーク変更も行っている。同社は、効率的がいい短距離路線に切り替えるため、長距離路線のシェアを大流行前より約15%減らした。以前は長距離路線が会社全体の約30%を占めていたが、現在は20%に近いとラジャは述べている。

ラジャのコメントは、アメリカンが第3四半期に4億8300万ドルの純利益を計上し、2022年の3四半期で連続黒字となったのを受けてのものだ。旅客収入は135億ドルで、四半期の運航キャパシティが10%減少したにもかかわらず、2019年水準から13%増を記録した。 

アメリカンは第4四半期も黒字となる見通しで、5~7%減らしたキャパシティにもかかわらず、2019年から11~13%増収となる見込みだ。

同社は、2023年通年のキャパシティが2019年レベルの95~100%になると推定している。■

American Airlines Sees Shift To ‘Blended’ Travel; Ups Premium Offerings | Aviation Week Network

Ben Goldstein October 20, 2022

 

Based in Washington, Ben covers Congress, regulatory agencies, the Departments of Justice and Transportation and lobby groups.


2022年10月22日土曜日

定時運行実績で世界ランク一位二位を日本のエアラインが獲得。ただし、アジア限定ではもっと高いエアラインがある。

 


Photo: Vincenzo Pace | Simple Flying


9月は日本の航空会社が上位2位を占めた



Cirium発表のAirline On-Time Performance Report9月版によると、日本航空ANAが定時運航で世界で最優秀航空会社2社に選ばれた。


定時運航成績が優秀な航空会社

データ分析会社Ciriumは、毎月、空港と航空会社の定時性レポートを発表している。このレポートは、毎月、世界中の何十万ものフライトを追跡している。

 9月の「世界の航空会社-メインライン」では、日本の航空会社が上位2位を占めた。日本航空の定時到着率は91.02%で、全日空も90.08%だった。Ciriumはそれぞれ14,693便と14,208便のフライトを追跡した。

 米国の航空会社であるデルタエアラインズは、89.21%のフライトが定刻に到着し、第3位となった。トップ5には、ラテンアメリカの航空会社アズールラタムがそれぞれ88.05%と87.4%でランクインした。

 Ciriumsの月次レポートでは、各大陸をメインラインとネットワークで分類できる。メインラインのカテゴリーでは、大手航空会社が運航するフライトすべてを分析し、航空会社パートナーは含まれない。ネットワークカテゴリーには、大手航空会社が運航するフライトと、航空会社が販売し、別の提携会社が運航するフライトが含まれる。


アジア太平洋地域-メインライン

日本航空とANAが世界的に上位2位を占めていますが、アジアでは3社が定時性を高めている。上海の格安航空会社春秋航空が、93.73%のフライトを定刻に到着させ、1位となった。

 アジア2位は、マレーシアのクアラルンプール近郊に拠点を置く、同じくローコストキャリアのタイ・エアアジアだった。エアアジアの定時到着率は92.32%だった。北京の格安航空会社、中国聯合航空も92.04%で日本航空やANAに勝っている。


Photo: Lukas Souza | Simple Flying


北アメリカ

北米は、幹線航空会社、地域航空会社を問わず、多くの航空会社が存在する大陸。北米の航空会社上位9社のうち7社がアメリカの航空会社だった。上位9社の航空会社は以下の通り。

  1. デルタエアラインズ - 89.21

  2. ユナイテッドエアラインズ - 86.87

  3. アラスカエアラインズ - 83.95

  4. アメリカンエアラインズ - 81.02

  5. サウスウエストエアラインズ - 76.78

  6. ウエストジェット - 74.14

  7. フロンティアエアラインズ - 74.07

  8. ジェットブルーエアウェイズ - 70.51

  9. エア・カナダ - 60.02


ヨーロッパ

ヨーロッパでは、最高ランクの航空会社は、北米のトップ航空会社より6%近く低く、アジア太平洋地域のトップ航空会社より10%低い。

 ノルウェー・エア・シャトルは、ノルウェー・エアから撤退した格安航空会社ですが、定時到着率が83.87%で、ヨーロッパの主要航空会社の中でトップに立った。

スペインのイベリアエアラインズは9月中に8,009便を運航し、うち83.87%が定刻到着した。同じくスペインのエア・ヨーロッパは、4,540便のうち81.14%が定刻に到着し、トップ3二残った。

残りの7つの航空会社は次の通り。

4. フィンエアー - 80.58

5. SAS - 79.7

6. オーストリアン - 79.38

7. ノルウェージャン・エア・インターナショナル - 79.17

8. LOT ポーリッシュエアラインズ - 76.68

9. ヴォロテア - 75.36

10. ブエリング - 74.04


 世界的に旅行需要の回復が続く中、多くの航空会社が人手不足、業務の圧迫、定時運行率の低下などに直面している。しかし、2022年を通して、航空会社は徐々に改善しており、この勢いは2023年に持ち越される可能性が高い。

Ciriumの空港および航空会社の定時運航レポートはこちらでご覧いただけます。

https://www.cirium.com/studios/on-time-performance/


The Most Punctual Airlines Worldwide In September

BY LUKAS SOUZA


2022年10月19日水曜日

ユナイテッドの今年第3四半期業績は過去最高。さらに次年度の成長を確信。エミレーツとの提携もスタート。


ユナイテッドエアラインズのスコット・カービーScott KirbyCEOは、2022年第3四半期は同社で過去最高の四半期となったと述べている。

ユナイテッドエアラインズは2022年第3四半期の業績を発表し、予想を上回り、第4四半期の楽観的な見方を高めた。2022年第3四半期、ユナイテッド航空は129億ドルの営業収益を記録した。


ユナイテッドの第3四半期

ユナイテッドの第3四半期は、事前予想を上回り、大きな成果で、励みとなる結果となった。同社の第3四半期の主なハイライトは以下のとおり。

  • 純利益9億2,400万ドル、調整後純利益9億2,700万ドル
  • 営業収益は1290万ドル、2019年第3四半期比13.2%増
  • 8億1,000万ドルの債務支払い
  • キャパシティは2019年Q3比で9.8%減
  • 第3四半期の定時到着率が会社史上2番目の高さ
  • エミレーツ航空と新たに提携し、コードシェア便を導入
  • フェニックス・スカイハーバー国際空港のターミナル3に真新しいユナイテッド・クラブを設置

ユナイテッドCEOスコット・カービーは、今回の四半期の成功は同社のスタッフの尽力の成果と述べている。
「今期、ユナイテッド従業員が、お客様のため素晴らしいパフォーマンスを発揮し、ほとんどの指標において、当社史上最高のオペレーションを実現したことに感謝しています。景気減速の懸念が高まっていますが、ユナイテッドではCOVIDの回復傾向が続いており、第4四半期、2023年以降も引き続き好調な業績を達成できると楽観視しています」。
ユナイテッドは、年末にかけて、COVIDの回復傾向が続くと考え、第4四半期の見通しについて初めて2019年を上回る水準に調整した。

第3四半期の主なハイライト


ユナイテッドの第3四半期の大きなハイライトは、間違いなく、9月14日に発表されたエミレーツとの新たな提携の発表だ。ユナイテッド航空とエミレーツは、ワシントン-ダレス国際空港でイベントを共催し、歴史的な発表を行った。
写真 Lukas Souza|シンプルフライング

新しいパートナーシップには、ユナイテッドのハブ空港とドバイからのエミレーツ便でのインターラインとコードシェア契約が含まれる。数年前まで、米航空会社は湾岸諸国の航空会社と関係が悪く、それぞれの政府から資金を受け取っていると非難の応酬だった。その意味で先月のイベントは重要だった。スコット・カービーとティム・クラーク卿両氏は、そのことを強調した。


「7年前ならトマトを投げつけられたでしょう。しかし、とにかく、この部屋、この格納庫にいる全員の熱意を目の当たりにし、両社とも、この一件でロックンロールする準備が整っています」と述べた。
 この発表は、大西洋路線を大幅に拡大したユナイテッドにとって、絶好のタイミングとなった。ユナイテッドの最も激しい競争相手のアメリカンエアラインズは、やはり湾岸諸国のカタールエアウェイズとの提携を拡大した。エミレーツ=ユナイテッドの提携すは、両社がソーシャルメディアで予告するまで、誰も予想していなかった。
 エミレーツは最近、ユナイテッドのスターアライアンスパートナーで北の隣人であるエア・カナダとのコードシェアを発表しており、スターアライアンス加盟を発表すると予想する人もいた。しかし、今のところその発表はなく、デルタエアラインズエティハドエアウェイズと提携を発表するかに注目が集まっている。■


United Airlines Reports A Q3 Operating Revenue Of $12.9 Billion

BYLUKAS SOUZA


Lukas Souza (187 Articles Published)

US Lead - Lukas flew for the first time before his first birthday and has loved aviation since his earliest memory. He combines a passion for aviation, storytelling, and


ご存知でしたか?空港で紛失した手荷物を購入できます(SimpleFlying)―鉄道遺失物販売と規模がちがいます。ロストバゲージが日本では少ないのならこのビジネスは成り立ちませんね

  Gemini. 空 港を利用して旅行し、荷物の大規模な移動を目の当たりにすると、「紛失した荷物はどうなるのか」という疑問が生じませんか。この疑問は2023年の記事で扱いましたが、SITAのような企業や彼らのWorldTracerサービスが、乗客と荷物を自動的に再会させるために...