中国規制当局が航空便運行を徐々に緩和の方向。北京から始める。国内国外のエアラインに吉報になるか。

 


中国の航空規制当局は国際商業便運航を今月から順次再開すると発表した。



中国は、アジア太平洋地域の中で最も重要な市場の一つだ。同国は世界で最も厳しいパンデミックボーダー体制を敷き続けている。ようやくパンデミックから脱却したことを意味するのか、徐々に再開され始めようとしている。そして、北京では2年超ぶりに国際定期便運航が再開された。


北京から順次開放

コロナウイルスの発生後、中国民用航空局(CAAC)は2020年初頭に北京への国際線直行便の到着を禁止した。北京行き乗客は、事前に承認された都市のいずれかに着陸し、検疫を受けてから首都に向かう必要があった。北京に行く手間もさることながら、中国にさまざまな検疫規則があるため、中国国内の移動も困難だった。

 結局、中国は世界から孤立し、中国渡航を希望する人は、様々な条件と混乱の長いリストに直面せざるをえなくなった。国際線は週1便に制限され、国内線も制限された。また、入国者の中からCOVID陽性者が検出された場合、搭乗者数の制限や、国家権限でフライトが完全停止される可能性もあった。

 こうした規制が中国に与えた劇的な効果を強調するように、今年7月26日時点の中国発着国際線は100便未満で、2019年同日の2,883便から大きく減少した。


中国の航空会社における国際線再開の準備は十二分に整ってきた。


 とはいえ、国内市場が大きいため、中国の航空市場は当初こそ早く回復した。しかし、政府のゼロCOVID政策により、オミクロン変種をきっかけに徹底的ロックダウンが行われ、回復に影響を及ぼした。4月の国内線の1日の総運航便数は約2,000〜3,000便で、前年同月の4分の1以下となった。しかし、主要ハブ空港の再開に伴い、8,000便超まで回復してきた。

 一方、中国はいつまでも閉鎖的で国内線だけに頼っているわけにはいかないと考え、CAACは今月初め、国際商業航空を徐々に再開すると発表した。北京を皮切りに、特定国との交渉で、増便を目指すという。


航空各社は運行再開へ準備中

国内航空会社の動き

北京が世界に開かれたことで、中国の航空会社は国際路線網の再開に胸を躍らせているはずだ。エアチャイナは、北京-パリ直行便や人気の高い北京-ドバイ線など、アジアやヨーロッパへの国際路線を再開する予定である。

 一方、厦門航空は、国際路線を再開し、徐々に便数を増やす意向を表明した。中国東方航空は、週130便以上の国際線を運航する意向で、大規模な国際線カムバックを計画している。海南航空は北京からベオグラードへのフライトを再開し、北京モスクワ線、北京東京線などを新設する予定である。

上海航空は、シンガポールへ線を再開するなど、週20便以上の国際線を運航する。


外資系航空会社

中国の航空会社と同じように、外国の航空会社も北京へのフライトを計画するのに忙しくしている。全日本空輸は、東京成田-北京便を毎週月曜日に運航再開した。その後、成田-北京線を再開して往復便としてから、木曜日を含むように増便する予定である。

 また、エールフランスは、パリ-北京線を週1便で再開し、両首都間の接続を強化する。エティハドは、2020年3月23日のアブダビ-北京線就航に続き、アブダビから毎週水曜日、ボーイング787-9ドリームライナーによる定期便で北京線再開の準備が整っている。


結論

 アジア太平洋地域の国際線旅客数は、残念ながらまだ大流行前のレベルをはるかに下回っているが、力強い改善が見られるようになり、北京の再開は適切なタイミングで行われる。中国起点の旅客が加われば、地域の回復が加速するのは間違いない。そして、中国がさらに開国を進めれば、今年末には、この地域が大流行前の水準に近づく可能性すらある。■


China Reopens Beijing For International Flights

BY

CHARLOTTE SEET

PUBLISHED 17 HOURS AGO


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