2024年1月25日木曜日

アメリカンエアラインズが過去最大の売上高を計上

 

アメリカンエアラインズ、通期売上高が過去最高の530億ドルに

アメリカン航空は、運航実績の向上と2023年までの需要の持続により、当初の市場予測を上回る結果を得た


概要

  • 四半期収益が1%減少したが、530億ドル(約7.8兆円)の収益で記録的な通年決算となった

  • 純利益は、運航経費の急増により97.6%減の1,900万ドルとなった

  • アメリカン航空は2023年に負債32億ドルを削減し、2024年の第1四半期の業績は低迷するものの、通期見通しは楽観的に予測している


調な第4四半期に続き、レガシーキャリアのアメリカンエアラインズは、売上高530億ドルという記録的な年末決算を記録した。


財務内容

四半期収益は2022年の同時期と比べ約1%縮小し、貨物が34.1%縮小したにもかかわらず、前年同期比の営業収益は2022年から2023年にかけて約8%増加した。

 収入の急増にもかかわらず、第4四半期の運航経費の急増は、同航空会社の純利益を97.6%減の1,900万ドルに引き下げた。燃料価格と税金の7.7%減は、ボーナスと給与の15.3%増、整備と修理の19.1%増、賃貸料と着陸料の10%増で吸収された。アメリカンのメインライン従業員数は1.2%増の103,200人、リージョナルサービスは過去12ヶ月で4.3%増の28,900人となった。

 全体的なキャパシティ、利用可能座席数、ロードファクターの増加により、年末での純利益は8億2200万ドルに増加した。運航信頼性は引き続き高く、2023年までアメリカンとパートナーにより約200万便が運航され、ロードファクターは平均83.5%であった。

 運航目標数項目を達成する一方で、アメリカンは2023年までに負債を32億ドル削減し、2025年の負債削減目標の75%を達成した。

 木曜日の発表で、ロバート・アイゾムRobert Isom CEOは、運航が強化される中、2023年までの業績を指摘した。アイゾムCEOは次のように説明した、

「当社のネットワークとトラベル・リワード・プログラムの強さ、若く簡素化された機材、運航の信頼性、そして卓越したチームによって支えられています。今後とも、お客様に信頼性の高い運航をお届けし、さらに効率的な航空会社を構築するために事業の再構築に注力してまいります」。


2024年以降の展望

2024年の第1四半期は低調に推移する見込みで、搭乗率は8.5%上昇する一方、1株当たりの調整後損失は0.15ドルから0.35ドルになると予想されている。だが通期の見通しは著しく楽観的で、調整後の一株当たり利益は2.25ドルから3.25ドルの間となる。旅客需要は2024年まで持続すると予想されている。

 2024年に入り、ボーイング737 MAXプログラムの生産で制限となる連邦航空局(FAA)の決定を受けて、アメリカンは短・中距離路線での運航に制約を受ける可能性がある。アメリカンは現在、71機の737 MAX 8を発注しており、今年納入されるのは少なくとも20機と予想されている。ロイターの取材に応じたアメリカンのCFOデボン・メイ Devon Mayは、FAAの生産命令は納入に「ささやかな」影響を与える見込みだと述べた。

 アメリカンは、将来のナローボディ機の発注先としてボーイングを候補に挙げているが、エアバスやエンブラエルの可能性も視野に入れている。

 しかし、アイゾムCEOはボーイングが現在も抱えている問題に批判的だ。今週初め、イソムCEOは同社の品質管理に関する問題を「受けいれがたい」と非難し、ボーイングの責任を追及するつもりだと述べた。■


American Airlines Scores Record Full Year Revenue Of $53 Billion

BY

MOLLY RUSSELL

https://simpleflying.com/american-airlines-full-year-revenue-2023-53-billion-dollars/



2024年1月23日火曜日

サウスウェストのパイロットへの29%昇給含む新労働条件の成立。経済の拡大とはこういうことなのでしょう。

 

サウスウエストエアラインズのパイロットが29%の昇給を伴う新協約に暫定合意

組合員の98%以上が投票した。


ウスウエスト航空のパイロットは、29.15%の昇給とスケジュールおよび報酬の改善を即時提供する新協約に暫定合意した。


条件更新

サウスウエスト航空のパイロット協約案に関する直近の投票は、98.8%の投票率だった。3年以上にわたる交渉の末、「ビッグ4」と呼ばれる米航空会社の中で唯一協約が結ばれていなかったサウスウエストは、投票したパイロットの92.73%がサウスウエストパイロット組合(SWAPA)と同社の暫定協約を承認した。この協約には、直ちに29.15%の昇給、その後3年間は4%の昇給、その後は3.25%の昇給が含まれている。

 この新協約は2028年まで有効で、報酬の引き上げ以外にも、スケジュールの改善、出産・育児休暇、会社が提供する障害補償、退職金の引き上げ、業界をリードするスコープ保護の継続などが盛り込まれている。

 ケーシー・マレー組合長は次のように述べた、

 「これは長い間待ち望んでいたことであり、パイロット・グループの団結があってこそ、この協約の成果を達成することができた。この新しいCBAは、パイロットが長い間求めてきた保障と保護をもたらすものです」。

 マレーは、協約の実施には時間がかかるとし、組合は航空会社と協力し、生活の質の変更ができるだけ早く行われるよう努力すると付け加えた。マレーは最後に、長い交渉期間にわたるパイロットたちの支援と信頼に感謝した。

サウスウエストの労使関係担当副社長であるアダム・カーライルは、次のように述べた、

「当社のパイロットは、安全性、ホスピタリティ、そして人々の生活に重要なものを結びつけるというサウスウエストの約束を守る世界一流の飛行士です。この協定は、パイロットに正当な報酬を与え、当社の運航ニーズをサポートするものです」。


背景

12月、組合はパイロットを代表して航空会社と基本合意(AIP)に達した。その後、理事会が開催され、協約を組合員(パイロット)の投票に付すかどうかが決定された。AIPが成立した時点で、新協約の効果は120億ドル相当との報道があったが、賃上げの詳細は共有されていなかった。現在その詳細が発表され、4年間で約45%の賃上げが含まれている。

 新協約は、サウスウエストが最近直面している問題である人員削減の助けになるはずだ。非常に高い離職率にもかかわらず、同社は航空機に十分なパイロットを採用することに問題はないと述べている。ボブ・ジョーダンBob Jordan最高経営責任者(CEO)によると、若い副機長で離職率が際立って高く、デルタ航空、アメリカン航空、ユナイテッド航空のような大手航空会社に就職していた。

 高い離職率に対処するため、サウスウエストは新入社員の最低飛行時間を半分に減らした。これは、FAA(連邦航空局)が義務付けている要件に反しているわけではなく、リージョナル航空会社を辞めたいパイロットがメインライン参入を容易にするものであることに注意することが重要である。■



Breaking: Southwest Airlines Pilots Tentatively Agree To New Contract With Immediate 29% Raise

BY

LUKAS SOUZA


2024年1月20日土曜日

737MAX10を開発中のボーイングに自信を示す(示さざるを得ない)デルタエアラインズCEO


ボーイングでトラブルが続いているが、デルタCEOのエド・バスティアンは、ボーイング737-10 MAX発注100機を維持する構えだ

要旨

  • デルタCEOはボーイングの側に立ち、最近の事件にもかかわらず、その成功に自信を示した

  • デルタは、ボーイング737-10 MAXの燃費を評価し、100機のボーイング737-10 MAXを購入する

  • ボーイング737-10 MAXは、FAA(連邦航空局)の最終認証取得に向けた試験飛行中

ch-aviationのデータによると、デルタの機材構成は53.4%とわずかにボーイングに傾いている。しかし、ボーイング機材は増加傾向にあり、ナローボディ機で最大となる737 MAX 10を100機発注する予定だ。エド・バスティアン最高経営責任者(CEO)は、アラスカ航空1282便の737 MAX 9ドアプラグの事故にもかかわらず、ボーイングへの信頼はゆるいでいないと明らかにしている。

「成功するためには同社が必要だ」

デルタのエド・バスティアンCEOは1月19日、ビジネスネットワークCNBCの朝の人気番組『Squawk Box』で、ボーイングの状況について考えを語った:

「ボーイングは私たちの業界、歴史にとって非常に重要な存在であり、私たちは同社の成功を必要としている。それは間違いない。当社では毎日500機以上のボーイング機を完璧に飛ばしています」。

インタビューの大半は、デルタのクレジットカード・パートナーシップに関するものだったが、デルタがボーイング737-10 MAXを100機発注したことが話題に上った。MAXシリーズをめぐる報道を考えると、デルタがこの発注に前向きな姿勢を崩していないことを確認するには適切なタイミングだった。

前週、バスティアンCEOはCNBC取材にこう答えていた。

「ボーイングは私たちの産業、経済にとって極めて重要な存在です」。

デルタ航空の737-10 MAX計画

デルタ航空は2022年からボーイング737 10 MAX導入の計画を持っていた。

とはいえ、2024年1月現在、737 10 MAXはまだテスト飛行を経て、有償運用のためのFAAの最終認証を取得しようとする段階である。しかし、デルタは737 10 MAXを100機取得することを確約しており、持続可能性戦略の一環として同機導入を位置づけており、20~30%の燃料効率向上が理由であると明らかにしている。

MAXの効率性は、主にエンジン1基あたり28,000ポンドの推力を発生できる大型のLEAP-1Bターボファンによるものだ。また、前世代のエンジンよりも静かなため、空港も満足している。

さらに、デルタ航空のファクトシートによると、737 10 MAXの座席配置は以下の通り:

結論

デルタ、ボーイング737-10 MAXの発注ポジションを維持している。しかし、バスティアンCEOがCNBCに明言したように

「我々は、機体が完全に安全で、完全に、完全に安全であるという1,000%の確信を持ち、全員がそれに署名するまで、737-10 MAXを手にすることはない」と釘もさしている。

時間が解決してくれるだろう。■

Delta CEO Confident In Boeing While Awaiting 737 MAX 10

BY

JOE KUNZLER


2024年1月17日水曜日

合併案を阻止された ジェットブルーとスピリットエアラインズ両社の次の展開は?

 

Merger Blocked: What's Next For JetBlue & Spirit Airlines




ジェットブルーとスピリットエアラインズは、合併に反対する判決を受け、異なる未来をそれぞれ歩むことになりそうだ。



  • 裁判官はジェットブルーとスピリットの合併に反対する判決を下したが、両社は判決を不服とし控訴に希望を残している

  • 合併は失敗に終わったが、ジェットブルーは将来に希望を抱いている

  • スピリット航空は、債務状況を考慮すると、先行き不透明な状況だ


サチューセッツ州連邦地裁のウィリアム・ヤング判事は、ジェットブルーとスピリットの合併に関する判決の冒頭で、航空業界の将来を予測するのは難しいと述べた。同判事は、移動可能な資産を持つ動きの速い産業であり、その周期的な性質から、「経済状況の変化に対する航空業界の対応は、ほとんど予測不可能である」と指摘した。それでも、米国連邦反トラスト法は、将来を予測しようとしながらも、競争市場を維持することを目的としている。

 今回のケースでは、合併に反対して提訴した判事、ひいては各州と米司法省(DOJ)は、もし2社が合併したら、米国の消費者は苦しんでいただろうと結論づけた。メリック・ガーランド司法長官によれば、合併が実現すれば航空券の値上がりと選択肢の減少に苦しむことになっていたはずの何百万人もの旅行者にとっての勝利であると述べた。

 6つの州、司法省、コロンビア特別区が自分たちに有利な判決の成功を祝う中、2社は今異なる未来に直面している。では、ジェットブルーとスピリット航空の今後はどうなるのだろうか?


合併への希望を持ち続ける

共同声明の中で、両社は判決に同意できないと述べ、ジェットブルーとスピリットの合併で、アメリカの航空市場はより競争力を増し、選択肢が増え、より多くの旅行者がより安い運賃で利用できるようになると信じていると付け加えた。さらに、ジェットブルーは同地区のレオ・ソロキン判事から解散を命じられたノースイースト・アライアンス(NEA)を解消し、その他の救済措置を講じたことで、司法省が指摘した反競争的な懸念は取り除かれたはずであるという主張だ。

 「判決を検討中であり、法的手続きの一環として次のステップを評価している」と共同声明は続けた。

 判決を見ると、判事は社が2つの異なるカテゴリーに属し、ジェットブルーは格安航空会社またはハイブリッド航空会社、スピリットは超低価格航空会社とされた。同判事は、航空会社は通常、「ビジネス」または「レジャー」旅行者というラベルを貼っているにもかかわらず、異なる顧客層に対応していると付け加えた。

 その結果、合併は消費者にとってスピリットの超低運賃を排除することになり、判事は「ジェットブルーは、スピリットの価格設定とネットワーク計画を、ジェットブルーの収益性をサポートするために再構成する能力と動機を持つことになる」と述べた。ジェットブルーの最高財務責任者(CFO)であるアーシュラ・ハーリーは、すぐには何も変わらないと主張したが、ヤングは、スピリットの価格設定と路線決定はすぐに変わる可能性が高いと述べた。


 したがって、航空会社側が判決を不服として控訴を試みても、ジェットブルーがすでにフロンティアとアレジアントとの2つの分割契約に合意していることを考えれば、あと何回分割を提案できるかが問題となる。しかし、連邦地裁判事は、これらの譲歩には、最低限のサービス契約や、2社がかつてのスピリットの路線を運航するパイロットと航空機を持っているといの保証が含まれていないことを考慮し、消費者にとって同じレベルのサービスが確保されているかどうかを懸念した。

 本日の判決は、司法省にとって重要な勝利となる。


成長の見込み

それでも、ジェットブルーは131機のエアバス機を発注しており、その内訳はA220-300が76機、A321neoが55機である。しかし、ジェットブルーにとって最重要な市場であるニューヨーク地区を含め、すべての航空会社にとって制限要因である発着枠、着陸権、ゲートなどの空港に関するインフラ制約を考慮すれば、いずれ成長の限界にぶつかる可能性がある。同地域では、連邦航空局(FAA)が、航空管制官(ATC)の人員不足を理由に、スロットの柔軟性免除をすでに10月27日まで延長している。

 ジェットブルーで退任が迫る最高経営責任者(CEO)のロビン・ヘイズと、現最高執行責任者(COO)で次期CEOのジョアンナ・ジェラハティは、従業員に宛てた手紙の中で、スピリットの資産統合の有無にかかわらず、同社には明るい未来があると述べた。幹部たちによれば、ジェットブルーは過去20年間成功させてきたように、「単独でのオーガニック・プランを活性化させ、より多くの市場シェアを獲得するために戦い続け、大手航空会社から顧客を獲得する」。経営幹部は、スピリット買収がジェットブルーの成長を加速させたであろうことを認めており、同航空会社は今後数週間以内に2024年の計画を発表する。

 同時に、米国内の他の航空会社も成長するだろう。エアバスとボーイングのOrders & Deliveriesのデータによると、米国内の航空会社からの単通路航空機の未完了注文はそれぞれ950機と1,322機である。これは、両メーカーのワイドボディ機に対する相当量の受注残を除いたものである。

 したがって、ジェットブルーにとって、ジェットブルーも運航しているエアバスA320ファミリーの航空機を多く保有し、ブランドの存在感を高めるために重要な市場で不動の資産を多く持つ航空会社を買収することは理にかなっている。米国運輸省(DTS)のデータによると、2022年11月から2023年10月までの国内市場シェアは、ジェットブルーが5.4%、スピリット航空が5.1%であった。仮に合併が成立していたら、買収により市場シェア10%超の航空会社が誕生することになり、ユナイテッド航空のシェア16.1%にはまだ及ばないが、国内第4位の航空会社となる。

 ジェットブルーがアラスカ航空やハワイアン航空のような他のハイブリッド航空会社を買収しようとするならば、理にかなっていたかもしれない。とはいえ、これらの航空会社はネットワークや機材の構造が根本的に異なるため、ジェットブルーとスピリット航空の合併よりも、お互いの事業を統合して一体化することがさらに難しくなる可能性がある。

 アラスカ航空とハワイアン航空は2023年12月に合併を発表しており、市場シェア8.1%の国内第5位の航空会社が誕生する可能性がある。同様に、この合併が裁判になった場合、両社のいずれかが、裁判を監督する裁判官から有利な判決を受けるために行う可能性のある譲歩は除外される。後者の航空会社の株主はすでに合併を提訴している。


スピリット航空の将来

ヤング判事の裁定により、スピリット航空は合意された分割手数料の一部としてジェットブルーから7000万ドルを受け取ることになり、超低コスト航空会社の株主は4億ドルを得ることになるが、同社は問題を抱えているようだ。ロイター報道によると、TDコーウェンのマネージング・ディレクター兼シニア・アナリストのヘラン・ベッカーはスピリットは別の買い手を探す可能性が高いという。

 ベッカーは、フロンティア航空が再びオファーを出す可能性があるとしながらも、ジェットブルーのオファーが全額現金による買収であるのに対し、同社は取引の一部として自社株の利用を望んでいると述べた。同アナリストは、フロンティアとスピリットの提案以来、ジェットブルーの株式価値は60%以上下落していると指摘した。

 スピリットの2023年第3四半期証券取引委員会(SEC)提出書類によると、長期債務は33億ドルで、利用可能な資産は14億ドルだった。この格安航空会社は2022年は赤字で、ヤングの提出書類によると、2023年に4億6700万ドルの損失を見込んでいた。超低コストの同社は2019年以降、黒字を出していない。TDコーウェンのアナリストはまた、連邦破産法第11章に基づく破産手続き、あるいは清算が より可能性の高いシナリオであることを強調した。

「スピリット再建のシナリオは限られていると考えている。同社は最近、セール・アンド・リースバック取引を通じて4億1900万ドルの現金を調達した」とベッカーは結論づけた。

 買い手の候補としては、777パートナーズやインディゴ・パートナーズなど、格安航空会社をブランドポートフォリオに持つプライベート・エクイティ企業が考えられる。前者はカナダのフレア航空とオーストラリアを拠点とするフレア航空を、後者はフロンティア航空、ジェットスマート、リンクス・エア、ボラリス、ウィズ・エアに出資または所有している。■


Merger Blocked: What's Next For JetBlue & Spirit Airlines

BY

RYTIS BERESNEVIČIUS


2024年1月16日火曜日

2023年第3四半期の米国航空運賃は7%下落したが、 旅客需要も減少した。




概要

  • 2023年第3四半期の米国内平均航空運賃は第2四半期から7%近く減少し、旅客需要もわずかに減少した

  • 減少にもかかわらず、現在の平均航空運賃は、COVID-19パンデミック最盛期の2020年第3四半期を下回る水準にとどまった

  • 空港の規模は国内線の平均航空運賃に影響し、中規模空港は大規模空港や小規模空港よりも競争力のある価格を提供している。


1月16日、米国運輸省(DOT)は、国内の平均航空運賃が2023年第2四半期と比較して7%近く減少したことを明らかにした。この航空運賃には、手荷物料金、座席のアップグレード、座席指定オプションの追加料金などのオプションサービスの料金は含まれていない。また、旅客需要も2023年第2四半期に比べ若干減少した。


低下する国内線運賃

航空運賃では、DOTはインフレ調整後と調整前の航空運賃の両方を分析する。2023年を通して、国内線の平均運賃は比較的同程度で推移している。2023年第1四半期のインフレ調整後平均航空運賃は389ドル、第2四半期のインフレ調整後平均航空運賃は395ドルであった。しかし、2023年第3四半期は平均価格が低下した。

 米国では、第3四半期の平均航空運賃は368ドルで、395ドルと記載された第2四半期のインフレ調整後の航空運賃と比べて6.9%減少した。インフレ調整前のい第2四半期の航空運賃は392ドルと記載されていた。 

 近年、パンデミックは別として、価格は大幅に下落している。COVID-19パンデミック前の2018年第4四半期では、インフレ調整後の国内航空運賃の平均は437ドルで、最近の最高値から15.9%減少した。COVID-19パンデミックの最盛期である2020年第3四半期には、インフレ調整後の平均国内航空運賃はわずか289ドルだった。

 DOTはまた、国内線の平均運賃は各空港の運営レベルによって変化することを指摘している。発着旅客数が200万人以上の最も繁忙な空港の国内線平均運賃は369ドル。発着旅客数10万~50万人の小規模空港の国内線平均運賃は375ドル。中規模空港は、より競争力のある航空運賃を設定している傾向があり、旅客数150万人〜200万人、100万人〜150万人、150万人〜100万人の空港は、それぞれ357ドル、356ドル、359ドルと低い航空運賃を設定している。


第3四半期の需要は減少

DOTはまた、第2四半期の旅客需要が8,880万人とわずかに減少したことを明らかにした。第3四半期はさらに減少し、8,660万人となった。

 この旅客数は、米国でCOVID-19の大流行後、旅客需要が徐々に平常に戻ってきた後の数字である。例えば、6月だけで、米国は2022年と比べて旅客数が9%近く急増した。シアトル・タコマ国際空港(SEA)は1,530万人の旅客を記録し、過去最も忙しい夏を記録した。


 US Airfares Dropped 7% In The Third Quarter Of 2023

BY

JUSTIN FOSTER



2024年1月14日日曜日

静かなSSTの実現をめざしたX-59超音速試験機がロールアウト。商用超音速クルーズ飛行が復活する契機になるか注目。

NASAが進めてきた静粛SSTの実証機が完成しました。予定より遅れたもののの初飛行に向け準備を始め、米国上空で実証飛行をし、地上住民のフィードバックを集める目論見のようです。マッハ1.4での巡航飛行をめざします。今回の記事はT1・T2共通とします。The War Zone記事からのご紹介です。


NASA's X-59 supersonic test aircraft, developed by Lockheed Martin's Skunk Works, has finally been rolled out.

NASA capture



完成したX-59がパームデールで正式にお披露目された


NASAはロッキード・マーティンの有名な先端プロジェクト部門スカンクワークスと、X-59静粛超音速技術実験試験機(QueSST)をデビューさせた。製造が完了し、初飛行へのカウントダウンが始まった。


カリフォーニア州パームデールにある米空軍第42工場内のスカンクワークス施設で行われた本日のロールアウトの模様はさまざまなプラットフォームで生中継された。


X-59は白い機体、NASAの "ソニックブルー"の下面、主翼の赤いアクセントの塗装で燦然と輝いている。


「これは、NASAとX-59チーム全体の努力と創意工夫によってのみ可能となった大きな成果です。わずか数年で、野心的なコンセプトが現実のものとなりました。NASAのX-59は、旅のあり方を変え、より短時間で私たちをより身近な存在にしてくれるでしょう」。(NASA副長官パム・メルロイ)


X-59プロジェクトの歴史は2016年まで遡り、NASAは当初、2020年の初飛行を望んでいた。最近では、昨年を目標としていたが、このマイルストーンは今年後半になる。NASAによると、直近のスケジュールの遅れは、QueSSTチームが「2023年中に技術的課題数点」を解決しなければならなかったためだという。


NASAによると、初飛行の前に、X-59は「統合システムテスト、エンジン走行、タクシーテスト」を受ける。QueSSTジェットがカリフォーニアのエドワーズ空軍基地に併設されているNASAのアームストロング飛行研究センターに移動する前、初飛行と他の多くのテスト飛行はすべてプラント42で行われる予定である。


NASAは初期の飛行試験が成功すれば、QueSSTプロジェクトの計画された3段階のうちの最初の段階が終了することになると述べている。


アームストロングでは、本格的な作業が始まる。X-59はNASAの静粛超音速技術ミッションの目玉である。


QueSSTの野心的な目標は、慎重な設計上の配慮によって、従来のソニックブームの騒音を "静かなソニック・ドーン"に低減できることを証明することである。そうすることで、X-59が "陸上での商業用超音速飛行を禁止する規則を再考する一助となる"ことを期待している。


米本土上空での商業用超音速飛行は1973年以来禁止されている。米軍でさえ、国家空域内で音速を超える航空機を運航できる場所と時間に大きな制限を受けている。世界の他の多くの国も、超音速飛行を禁止している。


X-59は、マッハ1.4、つまり時速約925マイルで陸上を飛行することが計画されており、そのユニークなデザイン、形状、技術を組み合わせることで、はるかに静かな騒音シグネチャーでこれを達成することができる。QueSSTプログラムの第2段階では、エドワーズ空軍基地上の超音速テストレンジでの飛行を含め、コア設計が設計通りに機能することを確認する。


第3段階は、地域対応研究段階とも呼ばれ、X-59は米国内のさまざまな場所で飛行を実施する。そして、その地域の人々からフィードバックを求める。過去には、これは携帯電話へのプッシュ通知で行われると言われており、NASAが「偽陽性」やデータ内のその他の異常値を評価するのに役立つ、実際には発生しなかった飛行に関するアラートを送信することも可能になる。


この第3段階は、現在のところ2025年から2026年の間に実施されると予想されているが、対象地域はまだ特定されていない。NASAは以前、国内4~6都市がこの研究に参加する可能性があると発表している。


ワシントンのNASA本部で航空研究を担当するボブ・ピアース副管理官は、「QueSSTの背後にある野心的なレベルとその潜在的な利益を考えるとゾクゾクする」と述べた。「NASAは、この唯一無二のミッションから生み出されるデータと技術を、規制当局や産業界と共有する予定です。陸上での静かな商業的超音速飛行の可能性を実証することで、米国企業に新たな商業市場を開拓し、世界中の旅行者に利益をもたらすことを目指します」。


X-59には驚くべき特徴がある。


Key design features of the X-59.&nbsp;<em>Lockheed Martin</em>

Key design features of the X-59. Lockheed Martin


最も注目すべきは、全長99.7フィートの約3分の1を占める、驚くほど長い機首である。翼幅も30フィート弱。この細く先細りの機首は、超音速領域とその周辺で発生する衝撃波を分散させるために調整されており、地上でのソニックブームの原因となっている。


A head-on view of the X-59 before it received its paint scheme. <em>Lockheed Martin via NASA</em><br>塗装前のX-59を真正面から見たところ。NASA経由ロッキード・マーチン


X-59のコックピットの配置も非常に異例で、パイロットは機体の長さのほぼ半分に位置し、前方に窓はまったくない。その代わりにパイロットは、この航空機のために特別に開発されたエックスインターナル・ビジョン・システム(XVS)で外界を見る。このシステムは、コックピット内の4Kモニターと一連の高解像度カメラを使用する。


A graphic render of the inside of the X-59 cockpit including the XVS.&nbsp;<em>Lockheed Martin</em>

XVSを含むX-59のコックピット内部のグラフィックレンダリング。ロッキード・マーティン


X-59のシングルF414-GE-100ターボファンは、F/A-18スーパーホーネットのエンジンを、このジェット機のために特別に設計したものだ。このエンジンは、主にスムーズな下面を確保するために胴体上部に搭載されている。これも超音速の衝撃波に対処する設計で、この構成で衝撃波が機体後方に合流してソニックブームを引き起こすのを防ぐ。


同時に、機体の他の部分は、より見慣れたものになっている。例えば、キャノピーと操縦席の要素はT-38タロンから、着陸装置はF-16バイパーから、生命維持装置はF-15イーグルのものを流用している。


NASAは昨年10月、「航空機にシステムを完全に統合し、それらが期待通りに動作することを確認するためには、余分な時間が必要である」と説明した。「チームはまた、航空機のシステムを制御する安全冗長コンピュータの一部の断続的な問題を解決している」。


アームストロング・フライト・リサーチ・センターでの将来の活動拠点から、X-59は、文字通り "ソニック・サンプ"を米国内の様々な地域へ持ち運び、地上住民が騒音レベルをどのように感じるかを確認するという、基本的なテスト・プログラムに着手する。


「NASAは、その情報を米国内外の規制当局に提供し、現在陸上での商業用超音速飛行を禁止している規則を調整する可能性があります」とNASAは付け加えている。


X-59Aの完成予想図。ロッキード・マーティン


X-59が期待通りに静かなら、その技術は将来の民間高速航空機の設計に活用できるだろう。しかし、これは大きな課題だ。


X-59がソニックブームの問題に十分に対処できるかどうかは不明だ。別のハードルもあるかもしれない。


元『エイビエーション・ウィーク』誌の記者で、航空宇宙を長年観察してきたビル・スウィートマンは昨年、APSE(空力/推進力/サーボ/弾性)効果という現象に懸念を示した。全米科学アカデミーの報告書によれば、APSE効果とは、航空機の機体構造、推進システム、飛行制御システム間の潜在的に有害な相互作用を指す。これらの問題は、米国の前世代の超音速輸送プロジェクト(SST)の妨げとなってきた。


「APSE問題を解決するには、フルサイズのXプレーンが必要である」、とスウィートマンは提言した。「そのための資金を得るチャンスがあるとは、誰も考えていなかった。しかし、X-59SSTは、ビジネスジェット機とは対照的に、同じ難題に直面するだろう」。


技術的な課題もさることながら、SSTの市場投入には、英仏のコンコードだけが達成した経済的な問題がある。コンコードは、その短いキャリアの間、途方もなく高い運航コストと市場の縮小に悩まされた。


X-59が前途に待ち受ける難題をクリアし、民間航空機の旅に革命を起こす可能性があるかどうかは、時間が解決してくれるだろう。■


X-59 Supersonic Test Jet Rolled Out At Skunk Works | The Drive

BYJOSEPH TREVITHICK, THOMAS NEWDICK|PUBLISHED JAN 12, 2024 7:21 PM EST

THE WAR ZONE

 

2024年1月12日金曜日

今回の事案は「品質の漏れ」と片付けるボーイングの社内価値観にFAAが徹底的調査で乗り込む。737MAX-9の飛行停止解除は目処たたず、ボーイングへの信頼度が低下している。

 ボーイングの社内品質問題の根は深いようです。さすがにFAAも今回は妥協の姿勢を見せておらず、調査を徹底的に進める姿勢のようです。対象の機材以外にもボーイング製品全般への信頼が低下してしまったのは誠に残念ですが、品質の追求が社内文化になっていない同社には抜本的な改善が必要なようですね。Forbes記事が伝えています。

NTSB Investigates Alaska Airlines Flight 1282 After Section Of Plane Blew Off During Flight


ボーイング737-9マックスの飛行停止措置:FAAは品質で妥協しない

ボーイングの737-9型機の飛行停止措置は延長される可能性が高い。アラスカエアラインズ1282便の急激な減圧につながった不具合に関して、連邦航空局がボーイングに正式調査を通知したためだ。

米連邦航空局(FAA)は木曜日、ボーイングに対し、「ボーイングで完成した製品が承認済み設計に適合していることを確認できず、FAAの安全規制に適合していなかったかどうかを判断するための調査を開始する」と正式に通告した。

「この事故はあってはならないことであり、二度と起こしてはならない」とFAAは報道声明で述べた。「ボーイングの製造業務は、法的責任を負うべき高い安全基準を遵守する必要がある」。

ボーイング、"品質の漏れ "を認める


今週初め、ボーイングCEOのデビッド・カルフーンは、ボーイング737-9 MAXで見つかった不具合、プラグドアのボルトの緩みを "クオリティ・エスケープ "と呼んだ。

これはボーイングの社内用語であり、航空業界の品質保証実務では一般的に認識されたものではない。FAAが言及しているように、この不具合の一般的な表現は「不適合」である。航空安全を確保するためには、品質に『漏れる』余地はない。冗長なシステムとプロセスは、あらゆる航空機器の製造に関する規制とともに、飛行の安全を脅かす可能性のある もれを避けるように設計されている。

問題が発生した場合、そのプロセスは、何が問題だったのか、どのように発生したのか、どのように修正すればよいのか、そして今後再発しないようにするにはどうすればよいのかを正確に判断する。

ボーイングとスピリット・エアロ・システムズの品質慣行が問題に

航空アナリストのスコット・ハミルトンは、今回の出来事がボーイング737-MAX型機に関連する "品質漏れ"の傾向の一部であり、より憂慮すべき意味を持っていると指摘する。

「ここ数カ月、ボーイングとスピリットで品質保証に関する問題が相次いでいる」とハミルトンはこの事件に関する公開書簡の中で書いている。「先月、737のラダーにボルト欠落が発見された。スピリットによる737のアフタープレッシャーバルクヘッドの穴あけミスはその前に発見された。そして今回、ドアプラグのボルトの緩みや欠落がAS1282からの分離の原因となっているようだ。

航空会社はまた、"ドアプラグ"問題の影響を受ける機種を運用していない航空会社でさえも、ボーイングの品質に対する懸念を表明している。

ライアンエアーグループのマイケル・オリアリーCEOはロイター通信に対し、「ボーイングのような世界的なメーカーで起きてはならない些細な問題が航空機の納入で見つかっており、ボーイングは品質管理面でもっとやるべきことがあると思う」と語った。

エミレーツのティム・クラーク社長はブルームバーグに対し、「同社は以前から品質管理に問題を抱えており、今回もその現れだ」と語った。

ボーイングは大きすぎて潰せない

航空会社や規制当局にとっての課題は、ボーイングが民間航空機の米国唯一のメーカーであり、エアバスとともに世界的なメーカーの独占状態にあることだ。連邦航空局(FAA)が今回の事故について徹底的な調査を行うことを約束した以上、安全な航空機を供給し続けるためには、「品質漏れ」をもたらすボーイングの組織的な問題の解決が不可欠だ。

ボーイングは、「安全は当社の最優先事項であり、今回の事象が当社の顧客とその乗客に与えた影響を深く反省している」と述べ、この問題への対処を表明した。

現在の課題は、CNBCとロイターが報じたように、ボーイングがカルフーンの質問に答えることである:「社内検査で何が失敗だったの?あの見逃しを可能にした本来の作業のどこが破綻していたのか?」

国家運輸安全委員会の調査には、スピリットとボーイングの労働者を代表する労働組合である国際機械工組合も当事者として加わっている。

この事故による評判へのダメージやボーイング株価への影響だけでなく、ボーイングは現在訴訟に直面している。アラスカエアラインズ1282便の乗客に代わって、ボーイングに対し集団訴訟が起こされた。訴訟では、「ボーイングは、航空機の耐空性の継続だけでなく、設計とメンテナンス指示の安全性にも責任がある」と述べられている。

アラスカエアラインズは1282便の事故に巻き込まれた乗客に1500ドルの補償を提供したが、同社は "精神的苦痛"を理由に訴訟に直面する可能性もある。

アラスカとユナイテッドの欠航が拡大

「ドアプラグ」を装備したボーイング737-9型機の最大の運航会社であるアラスカエアラインズとユナイテッドエアラインズでは、機材が運行停止中の間、定員制限のためフライトをキャンセルしている。

両社とも、ボーイング737-9型機の「ドアプラグ」の点検中に、ボルトの緩みをさらに発見した。

NTSBとFAAの調査は、ボルトが納入時に緩んでいて、複数回の検査でその欠陥が見落とされたのか、あるいは設計上の欠陥や材料上の欠陥によって、運航中に時間経過につれて緩んできたのかを判断する必要がある。

航空各社は、運航を再開する前に、FAAによる不具合の根本原因および恒久的な修正手順に関する所見が必要となる。それには時間がかかるかもしれない。

「ボーイング737-9マックスの運航再開のスケジュールは、スピードではなく、一般市民の安全が決定する」とFAAはプレスリリースで述べている。■

Boeing 737-9 Max Grounding: FAA Leaves No Room For ‘Quality Escapes’

https://www.forbes.com/sites/marisagarcia/2024/01/12/boeing-737-9-max-grounding-faa-leaves-no-room-for-quality-escapes/?ss=aerospace-defense&sh=2bb545021681


Marisa GarciaSenior Contributor

Jan 12, 2024,06:58am EST



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