2025年3月31日月曜日

ロンドン・ヒースロー空港の停電の余波で12億ドルという多額費用が発生する可能性(Simple Flying) ― エアライン側が電力システム更新の費用負担を求められるのでは理不尽過ぎますし、乗客に負担のしわ寄せが行くのは必至です

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London Heathrow Airport

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数週間前、ロンドン・ヒースロー空港(LHR)で火災のため停電が発生した。フライトが中断し、乗客が数日間避難し、航空会社がこの事故による財務上のマイナス影響をいち早く指摘したのは当然である。短期的には、火災によりヒースロー空港は24時間以上にわたる閉鎖を余儀なくされたが、この事故の長期的な影響はまだ十分に議論されていない。

 近隣の変電所の火災が原因で、世界で2番目に旅客数の多い空港が機能停止し、同空港を主要ハブ空港とする航空会社の運航に大きな悪影響を及ぼした。空港の突然の閉鎖で、1,300便以上のフライトがキャンセルされ、ヴァージン・アトランティック航空やブリティッシュ・エアウェイズなど、ヒースロー空港をハブ空港とする大手航空会社に大きな経済的打撃を与えた。


ロンドン・ヒースロー空港

IATA/ICAOコード LHR-EGLL

国名 イギリス

CEO ジョン・ホランド=ケイ

ターミナル2|ターミナル3|ターミナル4|ターミナル5


今回の事件で航空会社の株価がどのような影響を受けるかを詳しく見る

ロイターのによると、事件直後、イギリスの航空会社の株価は、特に空港と関係の深い航空会社にとってかなり深刻な打撃を受けた。例えば、英国のフラッグ・キャリアであるブリティッシュ・エアウェイズの親会社インターナショナル・エアラインズ・グループ(IAG)の株価は、取引時間中に4%以上下落し、最終的には1.9%以上安で取引を終えた。


さらに、ヒースロー空港と関係がある、あるいはヒースロー空港に投資している複数の企業を含む、その他の旅行・レジャーセクターの銘柄も2%を超える下落を見せた。世界的な関税政策や欧州の地政学的な不確実性など、投資家を不安にさせる幅広い経済の不確実性の中で、これらの下落は起こった。ヒースロー空港の火災にもかかわらず、英国株式市場の広範な指数であるFTSE100とFTSE250は小幅な上昇を記録した。


ヒースロー空港の事故は、旅行業界における短期的な混乱と短期的な株価下落にとどまらず、航空会社にとってコストへの影響という長期的な懸念も生じさせている。同空港のトーマス・ウォルドバイ最高経営責任者(CEO)は、現在、複数の異なる電源の切り替えが可能な先進的な電源システムを導入する可能性を模索していることを明らかにした。


ウォルドバイは声明の中で、システムのアップグレードには12億ドル以上の費用がかかる可能性があると指摘した。現在の運営モデルでは、ここまでの大規模な資本支出は、空港の主要航空会社に課される着陸料の値上げによって賄われることになる。


このため、多くの航空会社で、ヒースロー空港での運航コストが間もなく大幅に増加する可能性があり、間違いなく収益性が悪化する。火災の結果、航空会社は乗客への払い戻しや支援金の支払いに加え、ヒースロー空港発着便の運航でより多くの経費を支わざるを得ない状況に追い込まれている。


では、航空会社にはさらにどのような考慮事項があるのだろうか?

重要なのは、英国政府が新電力システム建設を支援すると決定すれば、こうした懸念が解消される可能性があることだ。ヒースロー空港が国民にとって重要であること、そしてヒースロー空港で主要なオペレーションを行っている英国を拠点とする航空会社と英国政府との友好的な関係を考えれば、このような懸念は解消される可能性がある。しかし、英国では予算に対し懸念が高まっており、この支出が許可される可能性は低い。■


$1.2 Billion: London Heathrow Airport Could Face Hefty Costs As Blackout Aftermath Continues

By 

Alexander Mitchell


London Heathrow Resumes Operations Completely After Power Outage

London's biggest airport has resumed opertions as normal after causing global travel chaos on Friday


https://simpleflying.com/london-heathrow-airport-hefty-cost-blackout-aftermath/


 

2025年3月30日日曜日

年間発着枠を50万人に拡大する成田拡張計画に米国が関心を示す(Aviationweek

成田国際空港のCEOは、滑走路の追加工事と旅客・貨物施設の改修で年間発着枠を30万回から50万回に拡大すると述べた



田国際空港(NRT)株式会社の田村 明比古社長兼CEOによると、日本への旅客・貨物輸送量を増加させる野心的な計画は、新滑走路を増設し、3つのターミナルを1つに統合することにかかっている。 

 東京羽田空港(HND)は「容量制限に直面している」ため、現在の年間発着枠49万回を超えて拡張することは非現実的であるのに対し、NRTには容量を拡張する余地があると、田村社長は3月26日にワシントンで開催された日本国際交通観光学会民間航空シンポジウムで語った。

 「予想される需要増を考慮すれば、首都圏の空港容量を増強することは不可欠だ」と説明し、HNDに拡張の余地がほとんどないと指摘した。

 「このため、日本政府は、まだ拡張が可能な成田に新しい滑走路を建設するプロジェクトを進めている」と田村社長は述べた。

 新しい滑走路の長さは3,500m(11,480フィート)で、成田空港で3番目の滑走路となる。なおNRTの第2滑走路も2,500mから3,500mに延長される。

 田村社長によると、滑走路の整備に加え、旅客・貨物施設の刷新により、NRTの年間発着枠は現在の30万回から50万回に拡大する。

 「新滑走路だけでは十分ではありません。旅客ターミナルと貨物ターミナルも改良されなければなりません...3つある(現在の旅客)ターミナルは1つに統合し、新貨物ターミナルは高速道路の近くに建設されます」。

 また、「空港から東京都心まで約30分で移動できるようにする」鉄道整備も計画されている。「周辺地域には、航空に適した産業を誘致するための空港都市が開発される。

 田村社長は、新しい貨物ターミナルは「荷主にとって非常に便利になる」と述べ、この施設は「ターミナルを非常に効率的で生産的にする最大レベルの自動化」を特徴とすると付け加えた。

 日本の国土交通省は、滑走路工事は2020年代終わりまでに完了する可能性があると示しているが、すべてのプロジェクトの具体的なスケジュールは確定していない。

 中山理映子国土交通省大臣官房審議官航空局によると、2024年の訪日外国人旅行者数は年間36.9百万人を記録し、2023年の25.1百万人から47%、2019年から16%増加した。さらに、日本は2030年までに、2024年の2倍以上となる60百万人の外国人旅行者誘致を目指していると付け加えた。

 貨物輸送量の増加もNRTの大きな目標であり、NRTは現在、貨物取扱額で日本最大の航空・海上港湾である。田村社長によれば、NRTは日本への全貨物額の17%を取り扱っており、東京の海港は11%で2位だという。

 米国運輸省のシンディ・バラバン副次官補(航空・国際担当)によると、日米の航空輸送市場は、パンデミック以前のレベルまで完全には回復していないものの、力強さを見せているという。 彼女はシンポジウムで、2024年の日米間の旅客数は前年比25%増の920万人だが、それでも2019年から13%減になると語った。

 「とはいえ、日本はアジアへの米国最大の旅客ゲートウェイとしてトップの座を維持している」とバラバン氏は述べた。「このトラフィックの多くは、もちろん、羽田と成田の2つの空港がある東京発着である」。

 日本がハブ空港として成田を強化することで、米国とアジア太平洋地域、特に航空旅行で最も急成長している地域のひとつ東南アジアとの重要な接続性を維持している。

 日本航空の小山 雄司執行役員経営企画本部長は、訪日外国人旅行者数が増加している一方で、「日本の人口は減少の一途をたどっている」と指摘し、訪日外国人旅行者の取り込みの重要性を強調し、

「北米は国際線にとって最も重要な地域です」と付け加えた。■



Tokyo Narita Expansion Plan Aims To Increase Annual Slots To 500,000

Aaron Karp March 27, 2025

https://aviationweek.com/air-transport/airports-networks/tokyo-narita-expansion-plan-aims-increase-annual-slots-500000



2025年3月29日土曜日

アメリカン航空がダラス・フォートワース=ロンドン・ヒースロー線を1日5便へ増やす

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Photo: Austin Deppe | Shutterstock


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Photo: American


AA DFW-LHR

Image: GCMap

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米の航空会社は3月30日より夏ダイヤに切り替える。同日、アメリカン航空はダラス・フォートワースからロンドン・ヒースローへの出発便を過去最高の1日5便に増やし、同線は、同社で最も就航便数の多い長距離路線となる。さらに重要なことに、Cirium Diioのデータを調べると、長距離路線でここまでの頻度の路線はこれまで12年間なかったことがわかる。

 ワンワールド・アライアンスと大西洋路線ジョイントベンチャーを組むブリティッシュ・エアウェイズが、3月29日にテキサスへのエアバスA380運航を終了するため、1日5便に増便される。10月下旬に復帰する際には、ボーイング777-200ERを投入する予定だが、変更される可能性もある。


アメリカンで最も就航便数の多い長距離路線

Cirium Diioによると、世界最大の航空会社であるアメリカンエアラインズは、北半球の航空夏期シーズン(3月30日~10月25日)に70以上の長距離国際路線を運航する。その中には、長距離路線で世界有数の空港であるヒースロー空港への10路線も含まれている。


70以上の路線網のうち、1日の離陸回数が5回以上となるのは1路線のみ:ダラス/フォートワースからヒースローへの路線だ。2024/2025年冬、アメリカン航空は片道4,128海里(7,645km)のこの空港ペアに1日3〜4便就航していた。

 これまで、この市場に1日4便以上のフライトはなかった。スケジュール分析によると、この便数が初めてあったのは、767-300ER(現在は退役)と777-200ERが投入された2012年6月であった。

 3月30日よりアメリカンは初めてダラス・フォートワース-ヒースロー線を1日5便に切り替える。ただし、5月と6月の37日間は1日4便に戻る。

 アメリカンは、BAがこの路線を夏期で終了することによる不足分を補うため、過去最高の便数を提供する。同社は10月25日(ヒースロー発)まで1日5便を運航するが、26日にBAが復活するため、その後は1日4便に戻る。

 アメリカン航空が長距離路線で1日5便以上を運航するのは、ニューヨークJFK空港からヒースロー空港へ1日5〜6便を運航していた2013年以来となる。

スケジュールは?

アメリカンの新しい夏期スケジュールは以下の通り。追加サービスは太字で示されている。

ヨーロッパで最も忙しい空港への12時45分到着は、5番目に遅い着陸となる。次いでフェニックスが12:50、ダラス/フォートワースが14:25、ロサンゼルスが16:05、ニューヨークJFKが21:40となる。 後者はアメリカン航空唯一の昼間のヨーロッパ行きフライトである。


Flight number/aircraft

Dallas/Fort Worth-Heathrow times (local)

Flight number/aircraft

Heathrow-Dallas/Fort Worth times (local)

AA50 (777-300ER)

15:10-06:25+1

AA51 (777-300ER)

08:20-12:25

AA20 (777-300ER)

17:45-09:00+1

AA21 (777-300ER)

10:30-14:50

AA80 (777-300ER)

19:35-10:50+1

AA79 (777-300ER)

12:00-16:20

AA154 (777-200ER)

21:20-12:45+1

AA153 (777-200ER)

15:10-19:30

AA78 (777-300ER)

22:59-14:25+1

AA81 (777-300ER)

16:25-20:39


2025年7月に焦点を当てると、1日2便以上出発するアメリカンの長距離路線は以下のようになる。もちろん、これは他の時期にも変わる可能性がある。 機材は使用順に記載。

  • ダラス/フォートワース発ヒースロー行き:1日5便(777-300ER/777-200ER)

  • ニューヨークJFK→ヒースロー:毎日4便(777-300ER/777-200ER)

  • シャーロット→ヒースロー:毎日3便(777-200ER/777-300ER)

  • シカゴ・オヘア空港からヒースロー空港:1日3便(787-9型機)

  • ロサンゼルス→ヒースロー:ダブルデイリー(777-200ER/777-300ER)

  • ロサンゼルス~東京羽田:ダブルデイリー(787-8型機)

  • マイアミ〜ブエノスアイレス:ダブルデイリー(777-200ER/787-8)

  • マイアミ~ヒースロー:ダブルデイリー(777-300ER型機)

  • マイアミ~サンパウロ・グアルーリョス:ダブルデイリー(777-300ER/787-8)

  • フィラデルフィア~ヒースロー:ダブルデイリー(787-9)

2004年以降のアメリカの長距離路線を分析すると、ニューヨークJFK空港からヒースロー空港へはかつて1日6便の離陸があったことがわかる 最後にこれだけの便数があったのは、正確には17年前の2008年3月28日である。■


American Airlines Grows This Long-Haul Route To Record 5 Daily Flights This Weekend

By 

James Pearson

https://simpleflying.com/american-airlines-grows-this-long-haul-route-to-record-5-daily-flights-this-weekend/



2025年3月28日金曜日

航空機の長距離飛行性能が向上してもハブ空港の地位は危うくならない(Aaviationweek)

 

Gemini



世代機材のポイント・トゥ・ポイント性能が向上しても、ハブ空港の役割が低下することはないと航空業界幹部は、考えている。

 26日にパースで開催された「ルート・アジア2025」のパネリストたちは、最新のナローボディ機や中型ワイドボディ機によって、二次市場間のノンストップ路線が増えており、運行が経済的に成り立つようになったと指摘した。このため、大規模ハブ空港を迂回する路線が増加している。

 しかし、この傾向はハブ空港を経由するトラフィックの減少にはつながっていない、とボーイング地域マーケット・ディレクターのミユル・サンダルワンは語った。特に、東南アジアや南アジアなど、今後20年間で年平均7%の需要増が見込まれる地域では、二次路線を増やすだけでなく、大型ハブ空港を後押しするだけの十分な需要増があるとサンダルワンは予測している。

 ナローボディーの長距離バージョンを除いても、新世代のナローボディーの基本モデルの能力の高さは、より多くのネットワーク機会を生み出している、とインディゴのプランニングと収益管理の責任者アビジット・ダスグプタは述べた。

 テクノロジーの進化は、新たなレベルの航空機効率をもたらし、航空会社が「その効率を範囲に再投資することができれば、多くの新しく興味深い市場が開かれる」とダスグプタは述べた。

 長距離のポイント・トゥ・ポイント運航とハブ・アンド・スポーク・アプローチは矛盾しない、とダスグプタは言う。 これらのビジネスモデルは「常に共存してきた」ものであり、最新型の航空機を導入することで、どちらも新たな路線を増やすことになるだろう、と述べた。

 多くの路線は直接接続するには需要が細すぎるため、ハブ空港でのトラフィックを「集約する役割が常に存在する」とダスグプタは指摘した。 

 エアバスやボーイングが製造する新世代ナローボディは、航空会社にとってヨーロッパからサウジアラビアへの直行路線を開設する機会を増やしたと、サウジアラビア・エア・コネクティビティ・プログラムのマジド・カーンCEOは述べた。

 ここ数ヶ月の間に発表された、あるいは開設されたサウジアラビアへ路線は、新型ナローボディがなければ実現しなかっただろう、とカーンは指摘した。■


Aircraft Range Increases Will Not Spur Hub Declines, Executives Predict

Adrian Schofield March 27, 2025


https://aviationweek.com/air-transport/airports-networks/aircraft-range-increases-will-not-spur-hub-declines-executives



エイドリアン・スコフィールド

ニュージーランドを拠点とするエイビエーション・ウィークのシニア航空輸送エディター。 アジア太平洋地域の民間航空を担当。


2025年3月27日木曜日

70%以上も: 米国・カナダ間の航空需要が大幅に減少中

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Photo: Unaccompanied Media | Shutterstock


行データ会社OAGのデータによると、カナダとアメリカ間のフライト予約が今後数ヶ月で75%も減少していることが明らかになった。


崩壊するフォワード・ブッキング

大手GDS(グローバル・ディストリビューション・システム:編注)サプライヤーからのフォワード・ブッキング・データを使用したOAGによると、データは非常に憂慮すべき減少傾向を示している。

今年3月と2024年3月のカナダからアメリカへのフォワードブッキングを比較すると、4月から9月にかけて、75.7%も減少している月があった。

OAGによるデータ


Data by OAG

Forward bookings from Canada to the US (March 2024 snapshot)

Forward bookings from Canada to the US (March 2025 snapshot)




April

1.2 million

295,982

May

817,912

226,982

June

649,878

184,720

August

370,228

103,914

September

223,160

65,680



「ここまでの急激な落ち込みは、旅行者が予約を控えていることを示唆しており、広範な貿易紛争を取り巻く不確実性が続いているためと思われる」。"


写真 ロビン・ゲス|シャッターストック

このデータは、レガーが2月に行った調査を裏付けるものだ: "カナダ人旅行者の約半数(48%)が、2025年にアメリカを訪れる可能性は昨年より低くなると答えている。


関連

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直前予約?

エア・トランザットは国境を越えた状況を注視していることを明らかにした。

 同社はフォートローダーデール・ハリウッド国際空港(FLL)とオーランド国際空港(MCO)の2つの空港に就航するのみで、米国市場へのエクスポージャーは多くないが、経済環境から乗客が直前予約をする可能性が高いかを注視している。

 それでも、エア・トランザットの社長兼最高経営責任者(CEO)であるアニック・ゲラールは、3月30日から始まるサマーシーズンに向けて好調な予約期間に入る中、「状況の推移を注意深く見守っている」と述べた。


写真 Rix Pix Photography|シャッターストック

 ウェストジェットのCEOアレクシス・フォン・ホーエンスブロイは、カナダCTVニュースに対し、ドナルド・トランプ米大統領によって関税が発表されて以来、カナダからアメリカへの予約が大幅に減少していると語った。「個人的には非常に失望している。 貿易戦争は、この国、この大陸、この世界に必要な最後の手段だと思います」。

 エア・カナダは、2月13日に2024年業績を発表した際、2025年の調整後EBITDA(利払い・税引き・減価償却・償却前利益)を34億カナダドル(23億ドル)から38億カナダドル(26億ドル)と予想していたが、そのガイダンスは、一部、「輸出または輸入に対する関税の賦課(または賦課の脅し)に関する政府の声明または行動、および関連する結果の潜在的な影響」に左右されると述べた。


キャパシティ変更

航空分析会社Ciriumの航空会社計画ツールDio Miのデータが示すように、これまでのところ、3月から10月にかけてカナダ・アメリカ間のキャパシティはほとんど調整されていない。

 2025年と2024年の同じ8ヶ月間を比較すると、航空会社はカナダからアメリカへの路線で便数を4.1%、座席数を4.5%追加しており、旅程を変更した航空会社はカナダのみである。

 これにはエア・トランサットとフレアーエアラインズが含まれ、2024年の同時期と比較して、3月から10月の間にそれぞれ22.1%と26.5%のフライトを削除しており、エア・カナダは0.6%だけ増やしている。

 当然ながら、刻々と変化する状況の中、トランプ政権は自国民に明らかな経済的被害が及ぶにもかかわらず一歩も引かず、代わりにカナダと欧州連合(EU)が協力すれば、米国は「2国それぞれがこれまで持っていた最高の友好国を守るため、現在の予定をはるかに上回る大規模な関税を両国に課す」と脅しており、キャパシティ数はまだ急遽変更される可能性がある。

 同時に、これまで予定されていたカナダからアメリカへの路線開設の中には、需要が航空会社に少なくとも一部のキャパシティを調整させたため、実現しないものもある。 これらはCiriumのDio Miのデータを使って以下に表示されている。■



Over 70%: Air Travel Demand Between The US & Canada Severely Declines


By 

Rytis Beresnevičius


2025年3月26日水曜日

NASAの火星探査機キュリオシティが大型有機分子を発見(Aviation Week)

 nasa

長鎖有機分子のデカン、ウンデカン、ドデカンを示す図。これまで火星で発見された有機分子としては最大の大きさである。出典:NASA



NASAの火星探査機キュリオシティが収集・分析した火星表面の岩石サンプルから、赤い惑星でこれまでに発見された有機物サンプルで最大のコレクションが発見された。

 米国科学アカデミー紀要(Proceedings of the National Academy of Sciences)に3月24日発表された調査結果によると、有機物はデカン、ウンデカン、ドデカンの分子化合物で、それぞれ炭素数10、11、12で構成されている。

 これらは、分析されたサンプルに保存されていた脂肪酸の断片であると考えられている。NASAゴダード宇宙飛行センターが3月24日に発表した最新情報によると、脂肪酸は地球上で生命の構成要素として認識されている有機分子のひとつである。

 しかし、アップデートでは、非生物学的な説明が可能であるとしている。

 「生物は、細胞膜の形成やその他さまざまな機能を果たすため脂肪酸を生成する。しかし、脂肪酸は、熱水噴出孔における水と鉱物の相互作用を含む、様々な地質学的プロセスによって引き起こされる化学反応によって、生命体なしでも作られる可能性がある。「同定された分子の出所を確認する方法はないが、それらをまったく発見できなかったことは、いくつかの理由からキュリオシティの科学チームにとってエキサイティングなことである」。

 キュリオシティ・ミッションの科学者たちは、これまでにも赤い惑星で小さくて単純な有機分子を同定してきたが、今回のより大きな分子化合物の発見は、火星の有機化学が、火星の生命の起源となるのに必要な複雑さに向かって進化したことを示す最初の証拠となる、とゴダード宇宙飛行センターは述べている。

 この発見は、「バイオシグネチャー」としても知られる、生命が存在する場合にのみ作られる大型有機分子が、火星の寒冷で砂漠のような環境で、何千万年もの間、強い放射線にさらされる過酷な地表の化学物質によって酸化されても破壊されず、火星に保存されている可能性を示唆している。

 「我々の研究は、現在でも火星のサンプルを分析することによって、火星に生命が存在していたとしても、過去の生命の化学的痕跡を検出できることを証明している」。

 NASAは現在、火星の古代のクレーター湖と河川デルタがあるジェゼロ・クレーターで、探査機パーセバランスが収集した火星表面のサンプルを入手し、地球に持ち帰るための、タイムリーでコストのかからないマーズ・サンプルリターンミッション戦略の選択肢を評価している。

 パーセバランスは2021年2月18日にジェゼロに軟着陸した。

 2011年11月26日に打ち上げられたキュリオシティは、2012年8月5日に火星のゲール・クレーターに着陸し、ロボットアームとドリルを装備して、クレーター底から約3.4マイル(5.5km)上にそびえるシャープ山を登りながら、過去に居住可能な環境であった証拠を示すサンプルを採取した。■


NASA’s Curiosity Mars Rover Finds Large Organic Molecules

Mark Carreau March 24, 2025

https://aviationweek.com/space/space-exploration/nasas-curiosity-mars-rover-finds-large-organic-molecules


マーク・カロー

ヒューストンを拠点に25年以上にわたり航空宇宙関連の記事を執筆。 ヒューストン・クロニクル紙に在籍していた2006年には、報道を通じてアメリカの宇宙開発計画を一般の人々に理解してもらうことに専門的に貢献したとして、ロータリー宇宙功労賞財団から表彰された。



ワシントンDCでの軍民航空管制ホットラインは3年以上機能していなかった(Defense News)—1月の陸軍ヘリと旅客機の空中衝突は避けることができたようですね

  ワシントンD.C.にある軍と民間の航空管制官のホットラインは、3年以上機能していない。 (ホセ・ルイス・マガナ/AP) ワ シントンD.Cで軍と民間の航空管制官の間のホットラインが3年以上機能していないことが、1月に起きた旅客機とブラックホークヘリコプターの空中衝突事故以来初...