エアバスの機関投資家向け説明会が久しぶりに開催。A220ストレッチ版開発、COVID-19で手持ち資金枯渇、ワイドボディ攻略、中国でボーイングからシェア奪うなど。

 


アバスの最高経営責任者ジローム・フォーリGuillaume  Fauryはエアバスに適切な時期にA220の大型版を作る計画があると明らかにした。


エアバスA220の拡大版?

エアバスA220はエアバスが開発した航空機ではなく、カナダのボンバルディアが作ったもので、2018年にエアバスがこのプロジェクトを購入した。当時、ボンバルディアはエアバスやボーイングに挑戦し旅客機市場に参入するのが困難な状況になっていた。ボンバルディアCシリーズプロジェクトは、エアバスの予想をはるかに上回るコストがかかる赤字プログラムとなった。エアバスの最高財務責任者ドミニク・アサムDominik Asamによると、同メーカーは2025年までに収支を均衡させるという。A220-500型の可能性は、エアバス最大の稼ぎ頭であるA320neo型機に取って代わる可能性がある。


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 アサムはA320neoの生産予測を再確認した。水曜日にエアバスは、2025年までに月産75機体制を求めるサプライヤーへの圧力を撤回すると報告していた。

 A320neoファミリーの成長により、エアバスはナローボディ市場で絶好のポジションにつけている。

 本日、エアバスは4年ぶりにCapital Markets Dayを開催し、フォーリ、アサム両名が出席した。フォーリは、エアバスの手持ち資金はCOVID-19パンデミックで枯渇したと述べ、自社株買いの可能性を否定しなかった。

 イベントで、フォーリは、エアバスが大型旅客機の市場シェアの拡大をほのめかした。エアバスはナローボディでかなりの成功を収めているが、ワイドボディ機で足場を強めたいと考えている。まず、A350貨物型をテコ入れする。同期はまだ実機が完成していない777X貨物型に比べ劣勢のままだからだ。

 エアバスは、単通路機の市場で大きな成功を収め、最近では急成長して市場の主導権を握っている。その成長を牽引してきたのがA321neo型機だが、A321XLRは開発が遅れており、エアバスの想定より時間がかかっている。

エアバスのA312XLRの2号機が今週初飛行した。写真:エアバス 


 エアバスは、A300をはじめとするワイドボディ機メーカーとして誕生したが、単通路機で最も成功を収めている。A321neoの効率と航続距離改善により、エアバスは長年ボーイングが独占してきたワイドボディ市場の下限で競争できるようになった。


中国におけるエアバスの成長ぶり

ナローボディ市場におけるエアバスの成功の完璧な例として、中国の厦門航空があり、同社はA320neoファミリー機40機を最近発注した。厦門航空はすべてボーイング機材を使用しているが、これは間もなく変更される。 ロイター通信によると、厦門航空は昨日、45億ドル相当の発注を発表し。8月には、厦門航空の過半数を所有する中国南方航空が、A320neoファミリー機96機の発注を発表している。ボーイング737MAXが中国で運行停止が続く中、エアバスが中国の航空市場で地歩を固めつつある。今週、ボーイングは、中国の航空会社向けに製造済み航空機の再割当てを開始すると発表した。

 エアバスの受注ぶりとボーイングのトラブルで、エアバスは中国で急成長のチャンスを得ている。■


Airbus CEO: Larger A220 Will Make Sense At The Right Time

BY LUKAS SOUZA

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Lukas Souza (140 Articles Published)

Journalist - Lukas flew for the first time before his first birthday, and has loved aviation since his earliest memory. Combining a passion for aviation, storytelling, and photography, Lukas joins the Simple Flying team from Colorado Springs in the United States.

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