Photo: Vincenzo Pace | Simple Flying
原油価格が低下しないと燃料サーチャージが航空料金に上乗せされるのは避けられなくなるとの見解が専門家から出ている。
原油価格がこのまま上昇すると、夏休みの旅行は割高になる。燃料料金が発生する可能性があり、航空運賃は少なくとも15%上昇する可能性があると専門家は見ている。
ロシアのウクライナ侵攻はエナジーショックを引き起こし、原油価格は2008年以来の高水準に達した。
アジア中東の航空会社には、燃油チャージを導入済みのところもある。エアエイジアは2015年以来久しぶりに燃油サーチャージを航空券価格に追加した。マレーシアエアラインズは不採算路線コストの相殺として3月23日から実施し、エミレイツ、JAL、ANAもサーチャージを値上げした。
De Telegraafは、エナジーの世界市場におけるロシアの影響力から、航空業界で前代未聞の問題が生まれていると指摘している。原油1バレルは3月7日月曜日に140ドルでピークに達した。英国国会は今年の夏までに240ドルに達する恐れを表明し、フランスのブルーノ・ル・メールBruno Le Maire経済相は、影響は1973年の石油危機に匹敵すると警告している。水曜日に開かれた会議で、ル・メール大臣は以下のように述べた。
「現在のエナジー危機は、強度と残虐性において、1973年のオイルショックに匹敵する。1973年、インフレショックを引き起こし、中央銀行は金利の大幅な引き上げに走り、成長を断ち切った。これにスタグフレーションの名前がついた。2022年はこれを避けたい」。
航空会社にとって当面の問題は原油価格高騰であり、燃料費は航空会社の運航コストの35%を占める。航空会社は、航空運賃にサーチャージを上乗せしてダメージを軽減しようとするが、これは観光客には値上げにつながる。
ライアンエアーを筆頭に数社は、石油コストをヘッジして、短期的に燃料価格を下げている。ライアンエアーは現在価格のほぼ半分1バレル65ドルでフルヘッジしている。
現在、米国の航空会社でヘッジしているのはサウスウエストとアラスカだけで、しかもフルヘッジではない。むしろ多数の会社は、パンデミック時の原油価格の下落を受けヘッジ対策をやめており、今はリスクにさらされている。
しかし、ヘッジをしたからといって、飛行時間が長くなるための人件費や整備コストの増加が緩和されるわけではない。欧米アジア間の路線が最大の打撃を受けており、飛行時間が最大で3時間増えた路線もある。
パンデミックによる渡航制限のため、長距離便需要は低いままだ。しかし、ここに来てのコスト上昇は、潜在的な旅行需要を減らしている。ロイター通信が航空アナリストのBrendan Sobieの警告を伝えている。
「別の懸念は、一部市場における国際旅客需要への影響で、結果として、国際航空旅行全体の回復が後退することだ」。
1973年との比較
1973年の石油危機は、「ヨム・キプール戦争」をめぐり米国のイスラエル支援に反対するOPECのアラブ諸国が石油を禁輸したのが引き金となった。ロシアからのエナジー輸入への制裁措置の影響が1973年時と比較されている。
1973年、原油価格が400%まで高騰し、航空業界は効率の良い機材の開発を余儀なくされ、機体は現在の姿に変化した。
持続可能な航空産業に再注目され、ネット・ゼロ・カーボンが公約となった今、今回のオイルショックがこうした政策の迅速な実現につながるかが課題だ。
Airline Fuel Surcharge Could Spike By 15% This Summer
PUBLISHED 12 HOURS AGO
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