香港が今月にも渡航規制を緩和か。ゼロコロナ政策で以前の優位性が回復できなくなっている可能性。日本にとっても深刻なケースでは。
林鄭月娥香港行政長官は、「人々の寛容さが薄れてきている」と述べ、3月20日か21日の「どちらか」に規制を変更する予定と発言した。
林鄭月娥行政長官は、本日の記者会見で、住民や業界の圧力のため、パンデミック規制の緩和を今後数週間で開始する可能性を示唆した。記者の質問に、長官は次のように述べた。
「その時が来たと思う。理由は感染者数の大幅減少ではなく、公衆衛生では高レベルのプラトーのまま、人々の耐性が薄れてきていると非常に強く感じているため」と述べた。
同じ記者会見で、同長官は「3月20日か21日のどちらか 」に最新情報を発表すると確認している。
航空業界への影響
香港は「ゼロコロナ」を目指し、世界でも最も厳しいパンデミック法を施行中で、イギリス、アメリカ、フランス、カナダ、インドなど9カ国への渡航制限は4月20日まで有効の設定だ。
フラッグキャリアのキャセイパシフィックは、2019年の3520万人に対し、昨年は70万人強の旅客実績だった。貨物部門も振るわず、総運搬量は昨年比で20%減少した。声明で、チーフ・カスタマー&コマーシャル・オフィサーのロナルド・ラムRonald Lamはこう述べている。
「キャセイパシフィックの経営環境は、依然として非常に厳しい。香港の渡航制限と運航制限により、2月も旅客便のキャパシティを増やせず、COVID-19以前のレベルで2%を下回る運航となり、2022年1月比で約28%減少した。3月の旅客旅行需要にも大きな回復の兆しがない」
キャセイパシフィックは2月以降、毎月およそ10億香港ドルの損失を出しており、今年の全体損失は少なくとも56億香港ドルの予測だ。2020年以降で同社は5,900人を解雇している。
香港の未来
しかし、キャセイパシフィックの財務的な苦境よりも深刻なものがある。かつて世界で最も忙しい空港だった香港国際空港は、ほとんど空っぽで使われていない状態になっている。2019年の旅客数は月平均600万人で、2021年はこの数字にも達していない。
Financial Timesは、北米の匿名航空会社幹部が、航空会社は現在、香港線を再考しており、香港へのフライトを主張し続けると「キャリア自殺」で同じとまで言い切ってたと報じている。
パンデミック前に大きく変化した香港の経済、政治、立法環境が現在の苦境に拍車をかけている。今回は、香港の将来を危ぶむ声にもつながっている。
シンガポールが近い将来、香港に代わりアジアの金融・航空の中心地になるとの見方も出ている。近隣の金融ハブであるソウルやシンガポールは、香港の航空輸送量を抜いており、一方でブリティッシュ・エアウェイズ、ルフトハンザ、エールフランスなど大手航空会社は香港直行便を全面運休中だ。
長期規制は、香港の航空業界の優位性に釘を刺すことになるのだろうか。■
Is Hong Kong Finally Preparing To Ease COVID-19 Travel Restrictions?
PUBLISHED 5 HOURS AGO
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