NASA’s amazing Boeing 747SP is currently in Chile.
Photo: NASA/SOFIA/Waynne Williams
NASAの成層圏赤外線天文観測機(SOFIA)ボーイング747SPが3月18日、チリのサンチアゴ国際空港に着陸した。同機は2週間にわたり実験を行うが、南米への遠征は今回が初めてだ。なぜチリに移動したのか。南半球の緯度からしか見えない天体の観測のためだ。
NASAは、ボーイング747SP、登録番号N747NA、SOFIAを一時的に南米に配備した。ジャンボ機はサンチアゴ・デ・チリに着陸し、今後2週間滞在する
FlightRadar24.comのデータによると、パームデール-サンチャゴ間の飛行時間は10時間30分近くだった。SOFIAにとって、2022年で初の海外展開となる。今年に入ってからの飛行はパームデール周辺と、2月14日のフレズノへの1回だけだった。
SOFIAは南米で何を観測するのか?
SOFIAは今後2週間、サンチアゴ国際空港から科学フライト8回を実施し、主に大マゼラン星雲と小マゼラン星雲を観測する。この2つの銀河は、我々の天の川銀河に最も近い銀河、とNASAは声明で述べている。
チリでの滞在期間はわずか2週間で、SOFIAの長期展開では通常、複数の観測装置を用いて25回以上のフライトをする。
SOFIAのプロジェクトサイエンティストNaseem Rangwalaは、次のように述べている。
「チリへの展開で、科学界に南半球の空へのアクセスを提供できることを嬉しく思っています。NASAは効率と優先順位を前提にした目標に重点を置いて、展開テンポを高めており、サンチアゴで機会を得られることに感謝しています」。
臨時代理大使リチャード・グレンも「170年以上前にサンティアゴにセロ・サンタ・ルシア天文台が設立されて以来、科学協力、特に天文学分野は米国とチリの関係の礎」と述べた。
SOFIA望遠鏡を搭載したボーイング747SPは、44年前の機体。1977年にパンナムが運航を開始し、1986年にユナイテッド航空に移籍した。NASAは1997年に同機を購入し、太陽系研究用の反射望遠鏡を搭載する大幅な改造を施した。同望遠鏡は赤外線観測で、新しい星や太陽系の形成などの事象を観察する。
SOFIAは2009年に試験飛行を行い、1年後の2010年5月26日に太陽系の初画像を提供した。この望遠鏡はNASAとドイツ航空宇宙センター(DLR)の共同プロジェクトで、機体に両国国旗が描かれている。
DLRは望遠鏡の提供、航空機の定期整備(ルフトハンザテクニックの協力)、ミッションのサポートを行う。カリフォーニア州シリコンバレーにあるNASAのエイムズ研究センターが、SOFIAのプログラム、ミッションの運用を管理している。同機は、カリフォーニア州パームデールのNASAアームストロング飛行研究センター703号館で維持・運用されている。
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