今回の事故機B-1791登録番号のボーイング737-800。2015年ワシントン州シアトルで同社引渡しの直前の姿。Credit: Joe Walker
中国東方航空のボーイング737-800(機体番号41474、登録番号B-1791)が中国南部広西省 梧州近くの山地に墜落したのを中国航空当局CAACが認めた。
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MU5735便には乗客123名、乗員9名が乗り昆明から広州へ向かっていた。広西省緊急事態管理局は英字紙China Dailyに墜落で「山火事」が発生したが捜索救難チームが現地に向かったと述べた。死傷者数は不明だ。CAACは「緊急措置」を発動させた。
国営放送CCTVでは中国東方航空は保有する737-800全機を3月22日より飛行停止措置とすると伝えた。同社の737-800は75機あり、機材の8割に相当する。
CAACは737NGになにもアクションを示していないが、安全問題が発覚すれば躊躇なく全機を飛行停止にするとしている。ちなみに2019年3月に737MAXファミリーで人身事故が発生しCAACが世界ではじめて飛行停止措置を決めた。
「通常の状況なら、墜落事故発生後に共通問題を疑い737全機の飛行を停止するようなことはない」とCowen & Co. 社のアナリストが書いている。「ただボーイングが737MAXで問題を抱えていることを考えれば、今回の中国東方機の事故原因が判明するまで利用客も737利用を敬遠するのではないか。設計、製造いずれの問題でないとわかれば話は別だが。そうなると墜落原因の究明が待たれる」。
飛行追跡サイトFlightradar24で同機は高度30千フィートから急降下し3分で地表に激突している。同機は昆明を現地時間午後1時11分ごろ離陸し、午後2時25分頃に広州空港からおよそ170マイル地点に墜落した。Flightradar24では同じ機体が重慶から昆明に飛んでおり、最後の同区間飛行は3月18日だった。
未確認CCTV映像は近隣の建物の監視カメラと車載カメラ双方からの撮影と思われるものがオンラインに出回っており、737が急角度で地面に激突している。
中国消防当局の無人機の映像では墜落地点のクレーターが写っており、周囲に破片が散乱している。中国東方のロゴがつくウィングレットがかろうじて視認できる。
Aviation Week Network Fleet Discoveryデータベースによれば事故機は製造後6.8年で2015年6月に中国東方へ引き渡され、延べ8,734回合計17,708時間を飛行している。
今回の事故は中国では2010年以来の深刻な案件となった。2010年には河南航空のエンブラエルE190が黒龍江省伊春Yichun 空港への着陸に失敗し、機内96名中44名が死亡していた。
中国の737-800では2018年8月に厦門エアの機体がマニラ国際空港で雨天で滑走路を逸脱し、全損している。この際に死亡重傷者はなかった。■
China Eastern 737-800 Crashes With 132 Onboard | Aviation Week Network
Chen Chuanren March 21, 2022
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