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5GのCバンドが航空機高度計に干渉するとの懸念から、一部運航が影響を受けている
FAAは耐空証明二点を昨年末に発出し、電波障害への懸念を緩和しようとしていた
米連邦航空局(FAA)は米国内商用機材ほぼ8割に対し通信企業が5G Cバンドを稼働中の各空港にて低視界着陸を認める通告を今週発出した。FAAによればリージョナル各社にも許可を出しているが、一方で新仕様ワイヤレスによる混乱は続きそうだ。
機材大部分が対象
FAAは推定62%の米民間商用機に5GのCバンドが近隣で導入済みの空港での低視界着陸を認めたが、その後事態は進展し、1月20日時点で78%の機材が対象となった。
リージョナル線用のエンブレルE170、E190に加え、FAAは以下の各機材の高度計13型式について使用許可を発行している。
Boeing
717
737
747
757
767
777
787
McDonnell Douglas
MD-10
MD-11
Airbus
A300
A310
A319
A320
A330
A340
A350
A380
対応が進む
だがFAAが承認したとはいえ、一部空港で運行に影響が出ている。メーカー側では対策が進んでおり、レーダー高度計のデータを飛行制御装備に活用しようとしている。とはいえ、FAAは5G普及の重要性を認識したうえで、全方位で注視している。
「FAAは信頼度に影響がない高度計の型式特定に懸命に取り組んでおり、5G普及に対応する。一部高度計が5Gの干渉を受けると見ている」「航空機の安全確保のため、5G稼働中の環境下で該当高度計を搭載した機体の低視界着陸を禁止する。理由として高度計が誤情報を提示する可能性がある。利用客は事前に利用するエアラインの最新情報をチェックしてもらいたい」(FAAの1月20日付け声明文)
対応に苦しむ業界
5G普及で影響を受けるのは米エアライン各社に留まらない。エミレイツ社長ティム・クラークは自社でも急な運航キャンセルを迫られたため、一連の手続きを「無責任きわまりない」と批判している。LATAMは777機材による米国路線再開に先立ち、運航変更を迫られた。
FAAはCバンドの1月19日利用開始にともない、バッファーゾーンがある空港リストを1月初旬に発表していた。FAA長官スティーブ・ディクソンおよび運輸長官ピート・ブティジーグは5G利用開始の延期を求め、その間にテスト評価したいとしていた。
5G利用開始ははじまったばかりで、米航空産業は初期トラブルに悩まされそうだ。数週間でさらに展開や変更が起こりそうだ。■
5G Debacle: US FAA Continues To Clear Aircraft For Operations - Simple Flying
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January 22, 2022
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