2024年の成長に期待するアジア太平洋地域の航空会社

 



アジア太平洋地域の航空会社は2024年の成長に期待を寄せている。


  • アジア太平洋地域の航空会社は、9月の国際線旅客数が前年同月比で大幅に増加し、昨年の2倍以上となった

  • 成長にもかかわらず、旅客数は2019年水準を下回ったままだが、業界は着実に回復している

  • この地域の航空会社は、需要に見合ったキャパシティへの復帰に慎重であり、現在は燃料費の増加や経済的圧力による需要の軟化といった課題に直面している


来週シンガポールで開催される第67回アジア太平洋航空協会会長会議にアジア太平洋地域の主要航空会社のトップが一堂に会する。本日、同協会は9月の輸送量速報を発表したが、それによると航空業界は2024年の成長に向けて態勢を整えているという。


アジア太平洋航空業界の断面図

アジア太平洋航空協会は毎月、アジア太平洋地域の航空会社40社の国際線輸送量データを集計している。このレポートには、ニュージーランド、中国、ベトナム、カザフスタン、韓国、ブルネイ、日本、インドなど、さまざまな地域で運航する航空会社の情報が含まれている。


9月にアジア太平洋地域の航空会社が輸送した国際線旅客数は2370万人で、昨年9月の2倍以上となったが、2019年の2910万人にはまだほど遠い。今年1〜9月の輸送実績は1億9430万人で、これは2019年同期の2億8070万人の69%にあたる。


今年のほとんどの期間、中国と北東アジアにおける渡航制限の段階的な再開が主な要因となり、アジア太平洋地域の輸送量は着実に増加しているため、比較は誤解を招く可能性がある。9月の実績を見ると、旅客輸送量は現在2019年レベルの約81%となっており、今年の大半で着実に増加している。


中国での渡航制限は終了し、四川航空、中国国際航空、中国東方航空、中国南方航空といった中国の主要航空会社は急速に路線を再開し、COVID前のキャパシティレベルに戻りつつある。その好例がオーストラリアで、シドニー空港と中国本土を結ぶ中国系航空会社3社の往復便が合計4便でスタートした年が、今では中国系航空会社8社とカンタス航空が合計週85便を運航している。


主なところでは、アジア太平洋地域の航空会社は例外的な方法で運航を再開し、需要が回復するにつれて、あまり先走りしすぎて採算の取れない積載量で運航するのではなく、かなり規律正しくキャパシティを戻してきた。先月の搭乗率は79.7%で、昨年の77.7%、2019年9月の78.6%と比較している。


逆風も

生活費の圧迫が支出に打撃を与え続けているため、需要が軟化している兆候が各地から見られる。同時に、航空会社は、キャパシティーの増加により国際市場に競争が戻っているため、燃料価格の高騰やその他のインフレ圧力に対処している。


AAPAのスバス・メノン事務局長は、アジア経済の底堅い成長に支えられた航空旅客需要の継続的な拡大により、最終四半期に向けてこの地域の旅行市場の見通しはおおむね明るいと述べた。しかし、メノンは次のように付け加えた:

「航空会社には、ここ数ヶ月の急激な燃料費高騰のように、逆風が強まっている。とはいえ、域内の各社は、航空旅行の力強い回復に支えられており、2024年まで成長が続くことを期待している」。


AAPAによると、アジア太平洋地域の航空会社は、世界の旅客および航空貨物輸送量の3分の1以上を占めており、来週シンガポールで航空会社のリーダーと話をするのは興味深い。総会から報告する予定である。■

Asia-Pacific Airlines Looking Forward To 2024 Growth

BY

MICHAEL DORAN


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