エアバスは、今後20年間で31,000機以上の新造民間航空機が必要になると予測しているが、航空業界の成長には社会的ライセンスがあるのだろうか?
エアバスは2022年の世界市場予測で、今後20年間に旅客機と貨物機の新規需要が39,490機になると予測。2022年予測は昨年を470機上回り、エアバスは、旧型機の代替となる最新技術や燃費の良い機体への需要が高まっているとしている。また、航空業界にとって極めて低調におわった2021年が20年の予測期間から外れたことも、予測にプラスの影響を及ぼしている。
今年、エアバスは航空機の種類の区分方法を変更し、サイズだけによるカテゴリーを廃した。エアバスは「典型的な単通路型」と「典型的なワイドボディ」の2分類のみにしている。これは、ワイドボディ路線で単通路機が使用され、短距離路線にワイドボディ機が配備されていることを反映したもの。エアバスは、2022年から2041年間に必要とされる39,490機のうち、80%相当の31,620機が典型的な単通路型、7,870機が典型的なワイドボディ型になると予想している。
エアバスのグローバルマーケットフォーキャスト(GMF22)には、100席以上の旅客機と積載量10トン(22,046ポンド)以上の貨物機を含む。エアバスによると、2020年初めに22,880機の航空機が就航しており、そのうち33%にあたる7,440機が2041年にも就航しているとした。ここには2020年と2021年に納入された航空機も含まれる。このため、15,440機が代替機となり、市場の成長により24,050機が追加され、2041年には2倍強の47,000機弱となると説明している。
2041年予測の達成には、中国の再稼働が必要
最も需要が高いのはアジア太平洋地域と中国で、世界の航空機納入数の45%を占める。
20年後の予測は、将来どうなるかとの仮定に基づく。エアバスは、2019年から2041年までの世界の年間旅客輸送量は3.6%の複合年間成長率(CAGR)で増えると予想し、昨年予想の3.9%を若干下回っている。2019年のRPK(Revenue Passenger Kilometers)は10兆に迫り、2041年には20兆になるとする。トラフィックフローが最も大きいのは中国国内市場で、次いで米国国内、西ヨーロッパから米国、西ヨーロッパ域内の市場が続く。最も速く成長するのは、インドとアジアの新興国の国内旅行だ。
また、エアバスは、経済性と持続可能性の観点から、旧型機から新世代機への置き換え圧力が高まると考えている。新世代航空機とは、A220、A320neoファミリー、A330neo、A350、A380を指す。また、ボーイングのB737 MAX、B777X、B787、およびリストにあるすべての新規プログラムが含まれる。エアバスは、2021年に新世代航空機は世界の航空機の20%相当しかなかったが、短中期的には航空業界の脱炭素化の圧力に後押しされて、2041年に95%以上に上昇するとしている。
2041年、新世代機は新しいままなのか?
エアバスA350のような新世代で燃費のよい航空機は、2041年には世界の航空機の95%を占めるようになる。写真:Tom Boon Tom Boon - シンプルフライング
現在の世界情勢にもかかわらず、エクスプレスEコマース市場の急成長に後押しされ、世界貿易は今後20年間で倍増すると予想されている。世界全体の貨物機は2020年の2,030機から2041年には3,070機に増加し、新造または改造された貨物機が2,440機必要とされる見込みだ。エアバスは、積載量10tから40tまでの単通路型、40tから80tまでの中型ワイドボディ、80t以上の大型ワイドボディの3つのカテゴリーで貨物機を展開している。2022年から2041年の間に、単通路型990機、中型890機、大型560機の貨物機の需要があるとしている。
今日の民間航空の状況を考えると、2倍の数の航空機が空を飛ぶということは、理解できないように思われる。空港、航空管制、SAFの生産、パイロット、客室乗務員、技術者のトレーニングなど、影響は計り知れない。
航空会社がいつ、どこを飛ぶことができるかをすでに決めている政府もあり、航空会社が生き残るために必要な社会的ライセンスも重要だ。今回の文書や、ボーイングやエンブラエル作成の同様の文書は、業界がどこに向かうのかを示しているが、そこに到達する方法を示しているわけではない。■
Airbus Forecasts 39,490 New Aircraft Deliveries In Next 20 Years
BY
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