Photo: Rolls-Royce
ロールス・ロイスは、水素燃料で効果的に航空機を飛ばす実証で、エンジン試験を総合的に準備中だ。
メーカーから航空会社まで、民間航空業界の関係者は、脱炭素化の目標で、水素燃料の航空機への取り組みを示している。この分野をしっかり支えているのが、イージージェットとロールス・ロイスの2社で、両社は密接に連携し水素航空技術の進化に取り組んでいる。
提携
今週初め、イージージェットは、英国ルートンでの会議で、野心的なネットゼロのロードマップの概要を説明した。特に目立ったのは水素航空機構想だった。
イージージェットは、水素は運航時にCO2排出がないと指摘。そのため、同社は、ロールス・ロイスを含む複数企業と協力し、民間航空業界への展開を加速している。
エアバスは、水素技術で2035年までにゼロエミッション民間航空機を就航させるミッションを掲げており、イージージェットは、エアバスのZEROeプログラムにいち早く賛同した。さらに、イージージェットは、ロールス・ロイスと水素エンジンおよび炭素除去技術に関するパートナーシップを締結した。
水素燃焼エンジンプロジェクトは、両社のH2ZERO構想の一環。地上での一次試験は2回計画され一つはロールス・ロイスのターボプロップエンジン「AE 2100」で、もう一つは同社のジェットエンジン「Pearl 15」で実施する。
ロールス・ロイスでは、試験対象のAE 2100の試験プログラムで使う水素はスコットランド産だとシンプルフライングに教えてくれた。英国では最近、ZeroAviaやmagniXが水素の利用を進めている。
ロールスロイスのメッセージ
ロールス・ロイスの最高技術責任者(CTO)グラツィア・ヴィッタディーニ Grazia Vittadiniは、月曜日のカンファレンスで、プログラムの状況を説明した。ロールス・ロイスは、AE2100エンジンの初期地上試験に向け最終準備を進めている。飛行試験段階への移行も見据えており、2030年代半ばまでに、中小型機の動力源として水素利用を実現するのが最大の目標だ。
ヴィッタディーニは、水素分野での同社の歩みを次のように語った。
「初の水素燃焼地上試験に向け、ここまで早く進めることができ、嬉しく思っています。エンジンは完成し、水素は供給されました。これは最初の一歩に過ぎません。ロールス・ロイスのエンジンは、飛行用です。当社の目標は、この技術を空中に持ち出し、あらゆる種類の航空機を動かすことです。当社は国連のRace to Zeroキャンペーンに署名し、イージージェットが空の脱炭素化とネット・ゼロの未来に向けて疾走する中、レース参加を固く決意し、興奮しています」。
中心的な存在
ヴィッタディーニは、持続可能な航空燃料(SAF)の育成をはじめ、業界全体で取り組む二酸化炭素削減ソリューションが多数あると強調。同時並行的に、そして首尾一貫して調査・開発し続ける必要性を認識している。中でも水素が大きな可能性を秘めていると見ている。そのため、ロールス・ロイスは可能性の追求と開拓に注力している。
イージージェットは、12月からカーボンフットプリント削減でカーボンオフセット制度への依存をやめ、代替燃料の本格的な動きで持続可能な航空エコシステム実現へ向かう。同社には、2050年までに運航をネットゼロにする目標がある。ロールス・ロイスは、電気と水素のソリューションで大きな前進を遂げており、間違いなく素晴らしいパートナーといえる。■
Rolls-Royce Edges Closer To Hydrogen Engine Ground Test
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