2022年10月12日水曜日

ボーイングが順調に引き渡し数を増やしている。9月に50機納入。現時点の受注残は4,354機

 

Photo: Vincenzo Pace | Simple Flying


ボーイングの9月は、2019年3月以来2回目の50機突破となった



9月、ボーイングは51機を納入し、90機のコミットメントを発注ログに記録し、引き続き強い新規需要に期待している。先月含めると、今年のボーイングは328機を納入し、月平均で37機近くになる。


ドリームライナーは軌道に乗ってきた

 先月の納入機数は、6月の51機と並び、2019年3月以来2度目の50機超えとなった。また、787ドリームライナーのプログラム再開で35機に増加した8月のボーイング社納入機から、順調に伸びていることがわかる。

 納入51機のうち、787ドリームライナー7機を含む14機がワイドボディ機で、ボーイングが単月で納入した機体としては2年以上ぶりの多さで、うち3機はアメリカンエアラインズに納入した787-8だった。アメリカンは、8月に受領した1機と合わせ、ボーイング787を4機受領し、全機が現役で活躍している。

 全日本空輸(ANA)も航空機リース会社のアトランティス・エイビエイションとの契約により、9月に787-9を受領し、カナダのウエストジェットも787-9を受領した。その後、ブリティッシュ・エアウェイズユナイテッドエアラインズに1機ずつ787-10を納入している。


8月にルフトハンザに納入されたボーイング787型32機のうち最初の1機を含めると、同型機の第3四半期の納入機数は9機となった。Photo: Lufthansa


新規受注、新規キャンセル

 ボーイングは9月に96機の航空機を新規受注した。そのうち737 MAXは51機で、ウェストジェットはMAX10を42機発注した。また、社名非公表の航空機リース会社が5機、不明の顧客が残る4機を発注した。ワイドボディでは、チャイナエアラインから787-9を16機、ボーイング777Xを12機、ボーイング777Fを2機、それぞれ社名不詳の顧客から受けた。

 しかし、同月はキャンセルもあり、ボーイングの9月の純受注は90機となった。ボーイング787-9が顧客不明でキャンセルされたほか、インドの新興格安航空会社アカサ・エアも737 MAXを5機キャンセルした。

 ボーイングの発注残は現在4,354機となった。ボーイング737が3,510機と大半を占め、次いで787が413機、777が314機、767が113機、747が3機と続いている。アトラス・エアは1週間前にボーイング747-8Fで最終号機から3機目を受領したが、この納入は第3四半期の数字にカウントされていない。


ボーイングの第3四半期までの累計は、受注542機とキャンセル114機となっている。 Photo: Vincenzo Pace | Simple Flying


ボトムライン

ボーイングは、737 MAX 10の認証に関し心配な問題に直面しているが、厳しい年の後に何とか納入増を維持していることは、やはり心強い。また、787ドリームライナーの納入が再開し、安定していることも同様に心強く、今年は波乱の少ない状況で終えることができそうだ。

 第4四半期の納入に関して、ノースチャールストンに全塗装とテストを終えた機体が何機も並んでいることを考えると、どの航空会社が待望の機体を手に入れるのか、楽しみなところだ。第4四半期で可能性があるのは、ANA、ブリティッシュ・エアウェイズ、大韓航空シンガポール航空といったところだ。■


Boeing Delivered 9 787 Dreamliners In The Third Quarter


BY

CHARLOTTE SEET


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Charlotte Seet (334 Articles Published)

Journalist - Charlotte is currently pursuing a full-time undergraduate degree majoring in Aviation Business Administration and minoring in Air Traffic Management. Charlotte


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