2022年10月11日火曜日

エアバスの受注残が7千機に。今年末までに700機納入の目標達成は微妙か。A320は月産75機(2025年)が目標。

 

膨大な受注残は喜ばしいことだが、を顧客のニーズに合わせて製造することは、エアバスに頭痛の種になりつつある。

Photo: Airbus


9月、エアバスは31社に55機を引き渡し、13機を受注した。9月30日現在、エアバスは今年に入り66社の顧客に437機を納入し、1カ月に平均49機近くを納入している。


エアバスの納品に熱が入る

A321neoでは約3,700機の受注残があり、エアバスには毎月の生産速度を速めるようプレッシャーがかかっている。Photo: Airbus


エアバスは9月に受注残を45機減らすことに成功したが、それでもまだ7,294機の航空機が製造と納入を待つという非常に健全な状態だ。受注残はA321neoが大半で、2,331機と全体の32%を占めており、以下、A220(7%)、A350(6%)、A330(3%)と続く。残りはA319neo、A320ceo、A321ceoだ。



引き渡しが滞留しているため、エアバスに増産の圧力がかかっている。最近の機関投資家向けブリーフィングで、エアバスのギョーム・フォーリーGuillaume FauryCEOは、エンジンやサプライチェーンの問題と戦いながらも、2022年に700機を納品すると再確認した。年末のラストスパートで納入多数が行われるのはよくあることだが、9月末時点の納入は437機にとどまっており、エアバスは第4四半期を大きく乗り切らなければならない。

 エアバスは自社報告に基づき、2022年にこれまで納入した月49機(平均)に対し、今後3カ月で263機、月88機の納入をしなければならない。ロンドンのフィナンシャル・タイムズは、フォーリーがブリーフィングで以下語ったと報じている。

 「サプライチェーンの可視性に基づけば、管理可能だと考えていますが、簡単とは言いません。やるべきことは山ほどある」 と述べたという。

 また、報告書によると、エアバス社の最高財務責任者ドミニク・アサムDominik Asamは、エアバスは目標達成に「フルに取り組んでいる」とし、「2022年中に約700機を納入することは、公園を歩くのとはわけがちがう」と、現実的なタッチを追加した。7月、エアバスは当初予想を720機から「700機程度」に引き下げ、今年と来年のA320系航空機の月産率を上げると発表した。最終目標は、2025年までに月産75機のA320を生産することで、フォーリーは説明会でこれを改めて強調した。現在、月産50機程度で、2024年初頭には月産65機の予測だが、以前の予定より6カ月遅い。


9月の実績の詳細


9月の発注は13機で、内訳はA320ファミリーが11機、A330-900が2機だった。中国の四川航空がA320neoを3機、A321neoを3機、個人バイヤーがA320neoを発注し、A330-900を2機、A321neoを4機、未公表のバイヤーから発注があった。8月にエアバスは、受注がなかったと報告していた。前月比では、40%増加し、55機が新たな住処を見つけた。

A320neoが23機、A321neoが18機、A330neoが5機、A350が4機、A220が4機、A3219neoが1機、最後の機体はチベット航空に採用された。トルコ航空と中国東方航空はそれぞれ4機のA320neoをリース会社経由で受領し、デルタ航空はA321neo 2機、A330neo 1機、A220 1機を受領した。ジャジーラ航空とスピリット航空は2機のA320neoを、ペガサス航空とエーゲ海航空はそれぞれ2機のA321neoを受領した。残りは23社への単機納入で、うちの数機は貸主のポートフォリオからの納入だった。


エアバスが今年700機納入できるのかは今後判明する。■


Source: Financial Times


Airbus Delivers 55 Aircraft in September But Has More Than 7000 In Backlog

BY

MICHAEL DORAN


Michael Doran (357 Articles Published)

Journalist - A professional aviation journalist writing across the industry spectrum. Michael uses his MBA and corporate business experience to go behind the obvious in search of the real story. A strong network of senior aviation contacts mixed with a boyhood passion for airplanes helps him share engaging content with fellow devotees. Based in Melbourne, Australia.


0 件のコメント:

コメントを投稿

ご存知でしたか?空港で紛失した手荷物を購入できます(SimpleFlying)―鉄道遺失物販売と規模がちがいます。ロストバゲージが日本では少ないのならこのビジネスは成り立ちませんね

  Gemini. 空 港を利用して旅行し、荷物の大規模な移動を目の当たりにすると、「紛失した荷物はどうなるのか」という疑問が生じませんか。この疑問は2023年の記事で扱いましたが、SITAのような企業や彼らのWorldTracerサービスが、乗客と荷物を自動的に再会させるために...