中国航空当局は米国でのCOVID症例の増加に対応し、米国発の定期路線で60便以上の運行停止を命じた。中国民用航空局(CAAC)の措置は米系エアライン、中国系エアライン双方に運航中止を通達し、ウイルスの流入を止めようという狙いがある。
Photo: Vincenzo Pace | Simple Flying
米系エアラインで運行取りやめ
中国のゼロCOVID方針が航空業界にも圧力となってきた。
米国エアライン側では上海行22便が運航中止となった。うち10便はデルタエアラインズ、ユナイテッドとアメリカン各6便だ。CAACはさらにデトロイト発デルタ便2、シアトル-上海線6便も運航中止にすると発表している。
このうちデルタは少なくとも10月まで中国ノンストップ便全部を運行しない。ソウル経由便は残すが、新措置としてクルーは上海に宿泊させない。同社からはロサンジェルス発の中国路線の再開は11月以降との発表も出ている。北京線の再開はめどがたっていない。
ユナイテッドエアラインズも運航中止措置でサンフランシスコ=上海線は今週来週と運行を取りやめている。アメリカンのAA127便は四週間連続で運行を中止している。同便で10名が陽性判定を昨年12月31日に受けたためだ。
CAACは2021年末から50名超の旅客がCOVID陽性判定を受けたと述べている。デルタのDL287便はシアトルから陽性乗客6名を1月1日、さらに1月6日に11名運んだといわれる。
中国系エアラインにも影響
中国当局の強硬なCOVID対策のあおりを食っているのは中国のエアラインも同様だ。米国行き42便が運航取り消しとなっている。大部分は「ビッグ3」といわれる中国国際、中国東方航空、中国南方航空だ。
Photo: Getty Images
パンデミック初期に中国航空市場は根強い国内旅行需要を受けて回復の兆候を示したものの、ここにきて再び逆風が吹いている。地方でアウトブレイクが発生しており、即座にロックダウンされる省や都市が出てきた。上海では1月1日以降で250件のCOVID症例が見つかったとの報道がある。本日、あらたに110件が見つかったことで数百万人の住民がロックダウンの対象となる。このうち87件が河南省、13件が 陝西省、天津で10件だった。河南省のアウトグレイクではオミクロン変異種も見つかっており、安陽市では500万人市民が外出を禁じられている。
CAACでは今年中は実質的な回復は無理とみており、五か年計画の新案を今週初めに発表したが、回復は2023年以降とある。2023年から2025年にかけて需要は成長するとみており、国内航空需要に期待しつつ、国際線需要でも回復が生まれるとしている。■
China Has Halted 60+ Flights From The US Over COVID Cases
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January 11, 2022
https://simpleflying.com/china-us-covid-flight-suspensions/
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