2024年12月9日月曜日

エアバスとボーイングのナローボディ市場の一角を狙う新興企業ノーチラス・ホライズン―現状のチューブに主翼をつけた形態では限界があり、BWBがこれからの主力になりそうです


Nautilus Horizon rendering

Photo: Nautilus


ンディエゴを拠点とする新興企業ノーチラスNautilusは、2030年代初頭に就航するという混合翼ボディ(BWB)の民間旅客機ホライゾンHorizon」を発表した。同社ホームページ https://natilus.co/


エアバスA320neoとボーイング737 MAXに対抗

ノーチラスによると、Horizonは商業航空を再構築し、エアバスA320neoやボーイング737MAXと直接競合する革新的なBWB機となり、最大200人の乗客の旅行体験を向上させながら、排出ガスを大幅に削減すると同社は述べた。

 「当社は旅客機市場に参入し、持続可能で効率的な空の旅のソリューションに対する需要の高まりに対応します」。

 ノーチラスは、ホライゾンは燃料消費量の削減と室内容積の拡大を目指しており、業界の持続可能性の推進に合致していると付け加えた。  同社によればホライゾンは従来のチューブ&ウィング機と比較して、二酸化炭素排出量を50%削減し、燃料消費量を30%削減するという。

 ホライゾンは、ノーチラスが先に発表したBWB貨物機コナを補完するものである。同機は、積載量3.8トン、航続距離900海里(1,666キロメートル)の設計となっている。

 2023年4月、ノーチラス社はコナのサブスケールのプロトタイプで飛行試験を行った。コナは遠隔操縦機として開発された。 

 ノーチラス社の共同創業者で最高経営責任者(CEO)のアレクセイ・マチューシェフは、同社の貨物機開発の進展は物流業界のゲームチェンジャーになると述べ、ノーチラスは「効率的で費用対効果の高いソリューション」を提供し、海を越えて商品を輸送すると述べた。ノーチラス社は2020年代後半に最初のコナ機を納入する予定である。

Nautilus Kona render

写真 ノーチラス


民間航空機の旅に革命を起こす

2023年4月の発表によると、ノーチラスは460機、68億ドル相当の航空機を確保し、ジャニッキー、プラット&ホイットニー・カナダ、コリンズ・エアロスペース、シーメンス社のコンピューター支援設計用ソフトウェアNXとサプライヤー契約を結んだ。

 一方、Ameriflight社、Astral Aviation、Aurora、Dymond、Volatus Aviation、Flexportその他非公開の顧客が同社製品の購入契約を締結している。

 さらに2023年10月、ノーチラスは「大手防衛技術企業」と提携し、400億ドル規模とされる米空軍(USAF)の空中給油システム航空機契約を追求し、入札する可能性があると発表した。

Nautilus BWB military aircraft

写真 ノーチラス

 「大手防衛技術企業との提携により、ノーチラスノBWB機は効率的で容量が大きいだけでなく、最先端の自律機能を備えオプションで有人操縦したり、乗員なしでも運用することができ、航続距離を延ばし、紛争環境での運用を可能にします」。

 とはいえ、200席のBWB民間旅客機となるホライゾンは、A320neoや737MAXと直接競合することを目的としている。 同社のホライゾンの紹介発表では、ニュー・ビスタ・キャピタルのデニス・ミューレンバーグ会長兼CEOが、民間航空は効率性と持続可能性をより重視する変革期を迎えていると述べたことが引用された。

 「ノーチラスのホライズンは、フリートオペレーションに革命をもたらし、航空会社が乗客体験を向上させながらキャパシティを最大化することを可能にします」。

 ボーイングで前社長兼CEOであったミューレンバーグは、2019年3月から2020年12月まで続いた737 MAXの地上配備の中で更迭され、デビッド・カルフーンが後任となった。


BWB民間航空機

しかし、エアバスもまた、民間航空機への水素エネルギー導入を目指すZEROeプログラムの一環として、BWBコンセプトを研究している。

 欧州の航空機メーカーは、ターボファン、ターボプロップ、水素燃焼または水素燃料電池を動力源とするBWB機の3つの異なるコンセプトを発表した。


Airbus ZEROe Concept Aircraft blended body

写真 エアバス

 ZEROeにはもうひとつのコンセプトがあり、それは水素燃料電池を動力源とする完全電気式プロペラ機である。

 「エアバスは、2035年までに水素を動力源とする民間航空機を市場に投入するという野望に向けて、多くの技術と試験のマイルストーンを達成しつつある」。

 ボーイングは、MD-90を改造し、遷音速トラスブレース翼(TTBW)の試験を行っている。 NASAのサステイナブル・フライト・デモンストレーター・プロジェクトの一環であるこのプログラムは、2028年に飛行試験を開始する予定で、改造機はX-66と呼ばれる。


Boeing X-66A aircraft

写真 ボーイング


 ノーチラスの予測によれば、2030年代初頭にホライゾンBWB初号機を顧客に引き渡せるとしている。■


Nautilus Horizon Blended Wing Plane Wants To Take A Slice Of Airbus & Boeing Narrowbody Market


By 

Rytis Beresnevičius

https://simpleflying.com/natilus-horizon-blended-wing-plane-wants-to-take-a-slice-of-airbus-boeing-narrowbody-market/




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