マスクレスで航空機カラーリングデザインを自動印刷できるザイレックXyrecの自動塗装ロボット。同社は空気抵抗を低減するシャークスキン技術をロボット塗装に直接組み込む方法を検討している。 Credit: Xyrec
空気抵抗、燃料消費量、二酸化炭素排出量を削減するため、シャークスキンから着想を得た航空機表面フィルムを採用する航空会社が増えてきた。オランダのロボット工学の専門企業ザイレックはこの技術を航空機塗料に直接組み込む自動化方法を開発中である。
ザイレックは、航空機の塗装とコーティング除去を自動的に行うロボットシステムを専門としている。
同社のレーザー塗装除去(LCR)ロボットは、大手航空機メーカーと包括的なテストを行っており、ピーター・ボイジンクCEOによると、この技術はボーイングC-17の塗装を約20時間で完全に除去できるという。
ザイレックの自動塗装ロボット(APR)は、マスクレスで航空機のカラーリングデザインを迅速に印刷することができ、塗装工場での航空機の作業時間を16日から5日に短縮できるとボイジンクCEOは指摘する。 ザイレックはLCRを2026年に、APRをその直後に生産開始する予定だ。
同社は現在、アジア太平洋地域のパートナーと協力し、ロボットによる塗布で航空機の塗装内に抵抗を低減するシャークスキンを直接作り出すことに取り組んでいる。
ボイジンクCEOによると、シャークスキンフィルムを航空機に塗布する現在の方法では、重量が増し、多大な時間と手作業が必要になるという。
ロボットによる塗布でシャークスキンの特性を塗料に直接組み込むことで、工程は1日で完了し、重量も増加しないという。
「シャークスキン技術によって)2~4%の燃料削減を実現しようとすれば、(航空機の)あらゆる場所で非常に精密に行わなければなりませんし、そうでないと0.5~1%が限界です」とボイジンクCEOは言う。「航空機への搭載に2~3日か4日かかり、燃料を0.5%しか節約できないのに、経済的といえるでしょうか?」
ここ数年、オーストリア航空、エバー航空、ルフトハンザ・カーゴ、スイスインターナショナルエアラインズなどは、ルフトハンザ・テクニーク(LHT)とBASFが開発した空気抵抗低減フィルム、エアロシャーク AeroSHARKを採用している。
エアロシャークは、航空機の関連箇所に貼ることで、摩擦抵抗を減らし、空気力学を最適化する。これまでの用途では、このフィルムは航空機表面の約40%に貼られている。両社は、エアロシャークが燃料と二酸化炭素排出量を約1.1%削減すると見積もっており、これまでのところ、LHT社は「(燃料)使用量の明確な削減」を示しているという。 LHT社によれば、航空機納入の遅れにより、旧式ワイドボディ機が予定より長く運航されるようになっており、同社製品への関心が高まっているという。
ボイジンクCEOによると、軍事市場はザイレックのロボット版シャークスキン技術に特に興味を持っており、同社は現在、米空軍と展望を話し合っているという。
ボイジンクCEOは、ロボットによるシャークスキンの応用により、米空軍は年間1億ドルの燃料費を節約できると見積もっている。■
Lindsay Bjerregaard is managing editor for Aviation Week’s MRO portfolio. Her coverage focuses on MRO technology, workforce, and product and service news for MRO Digest, Inside MRO and Aviation Week Marketplace.
Robotics Specialist Aims To Improve Drag-reducing Sharkskin Technology
Lindsay Bjerregaard November 08, 2024
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