2023年6月3日土曜日

エミレイツが機内廃棄物の大幅リサイクルへ。航空業界も循環経済の応用が可能だと示す好例に。他社も注目するだけの内容。


エミレイツがリサイクルで大きな一歩を踏み出した


エミレイツエアラインズは、機内サービスアイテムに新たな命を吹き込む取り組みの新しいクローズドループリサイクルclosed-loop recycling initiativeの一環として、deSterと提携した。エミレイツのフライトからリサイクルしたプラスチック材料で機内サービス製品を作る。では、新しいクローズドループリサイクルの取り組みを見てみよう。



クローズドループリサイクル

エミレイツは環境保護への取り組みを強調するため、数百万個の機内食容器をリサイクルし、同社の機内食用に作り変える計画を発表した。エミレイツのすべてのフライトで、客室乗務員がエコノミークラスとプレミアムエコノミークラスから破損したミールサービス品を回収し、ドバイで地元のリサイクル工場に送る。

 回収品は新しい食器、ボウル、トレイに再加工・製造され、エミレイツ航空ケータリングに送られ、機内食に再利用される。25%以上再利用された新しいミールサービスアイテムは、世界中の航空機に搭載される。 

 さらに、6月5日の国連世界環境デーにちなみ、エミレイツは2023年6月以降、リサイクル食器を導入する。


グリーンクレデンシャルの開発

責任ある消費は、エミレイツで中心的な環境重点分野であり、設計から製品のライフサイクル全体を考慮し、サプライヤー行動規範に環境要件を盛り込んだ。この新しい取り組みは、製品を削減し、リサイクルする循環型経済への転換を意味する。

 エミレイツ航空のキャビンクルーは、2022年に50万キログラム(110万ポンド)以上のプラスチックとガラスをリサイクルした。この重量はエアバスA3801機分に匹敵する。

 エミレイツは、機内廃棄物のリサイクルの取り組みに加え、持続可能な素材の活用やプラスチック再利用の取り組みを複数行っている。例えば、機内持ち込み用のバッグ、木製の紅茶コーヒーのかき混ぜ棒、紙製ストローは、責任を持って管理される森林の紙や木材から作られている。

 2017年から、エコノミークラスとプレミアムエコノミークラスのブランケットは、リサイクルしたペットボトルで作られている。1枚のブランケットは再生ペットボトル28本から製造され、この取り組みで、年間8800万本のペットボトルが埋立処分から救われた。


機体全体でサステイナビリティを実現

エミレイツの環境取り組みは、ペットボトルやプラスチックのリサイクル以外にもある。プレミアムエコノミーとエコノミークラスのアメニティキットも、同社の持続可能な取り組みの一環だ。これらのアメニティキットは、洗えるクラフト紙、ライスペーパー、再生プラスチックで作り、環境に配慮した素材で作られた旅行用品が含まれる。

 また、トイバッグ、ぬいぐるみ、ベビーアメニティキットは、持続可能な素材で作っている。エミレイツで幼少のお客様にお渡しするダッフルバッグ、バックパック、ベルトバッグは、リサイクルしたペットボトルから作られている。


次のステップへ

環境問題が社会で大きな関心事となっている現在、エミレイツのサステナビリティへの取り組みは、他の航空会社が目指す新たな基準となっている。エミレイツは、地球を守るために自らの役割を果たすことで、埋立地に搬送されるプラスチックを削減しており、他社が環境に配慮した取り組みを強化する方法の模範となっている。

 機内での持続可能な取り組みや持続可能航空燃料(SAF)の開発で、航空業界は確実に地球を救う役割を担っている。とはいえ、まだまだやるべきことはたくさんある。■



How Emirates Is Closing The Loop By Recycling Onboard Waste

BY

JOSHUA KUPIETZKY


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