マレーシア政府は、10年前にクアラルンプールを出発し北京に向かう途中で消息を絶ったマレーシア航空MH370便の残骸を「発見せず、無料で」再度捜索するという海洋企業オーシャン・インフィニティの提案に同意した。ボーイング777型機の部品が打ち上げられ発見されたものの、同機の捜索は何度も失敗に終わっている。
マレーシアのアンソニー・ロク運輸相Transport Minister Anthony Lokeによると、同国は、南インド洋に墜落したとされる行方不明のボーイング777の新たな捜索を実施する企業オーシャン・インフィニティからの2度目の提案に基本的に同意したという。同社は、2018年にも同機の捜索を行ったが、同機の主要な残骸は依然として発見できなかった。
同便の破片がインド洋と東アフリカの各地に漂着し、乗客乗員239人全員が死亡したと推定されている。今回のオーシャン・インフィニティの提案は、ノーファインド・ノーフィーの原則に基づいており、捜索が成功しなかった場合は何も受け取らないが、成功した場合は7000万ドルを受け取ることになる。 ロク大臣の説明によれば
「MH370の残骸の捜索を、ノーファインド・ノーフィーの原則に基づき、1平方キロメートルあたり15,000km(9,320マイル)と見積もられる新たな捜索区域で再開するオーシャン・インフィニティの提案の受け入れに内閣は基本的に同意した。これは、残骸が発見されない限り、政府が支払う必要がないことを意味する」。
ロク運輸相によれば、新しい捜索範囲は「専門家や研究者によって行われた最新の情報とデータ分析に基づいている」という。オーシャン・インフィニティのオリバー・プランケットCEOは今年初め、同社の技術力は前回の捜索から大幅に向上しており、墜落現場の可能性が高い場所を特定するために複数の専門家と協議していると述べた。
オーシャン・インフィニティとの契約はまだ最終調整中で、2025年初頭に締結される見込みだ。交渉では、航空機の1つか2つの破片を見つけることと、主要な残骸を見つけることは異なるため、「残骸」を見つけることの厳密な定義が主眼だ。契約期間は約18カ月で、海洋探査会社は1月から4月が理想的な捜索期間だと述べている。
MH370便に搭乗していた乗客の親族はこの発表を歓迎し、ロク運輸相は、新たな捜索が「MH370便の乗客の家族に終結をもたらす」ことを期待していると述べた。乗客の大半が中国人であったため、中国の裁判所は昨年末に補償手続きを開始した。
残骸の追跡
MH370便の失踪は、結婚生活に問題を抱えていた機長のザハリエ・アフマド・シャーによって意図的に画策されたというのが有力説だが、機内の減圧現象など、他の有力な説明も提示されている。捜査当局は、同機のトランスポンダーが手動でオフにされ、新しいコースを作るために操縦桿が操作されたと考えているが、その理由は「残骸が発見されない限り決定的なことはわからない 」と述べた。
航空機の場所を突き止め、重要なフライト・データ・レコーダー(FDR)とコックピット・ボイス・レコーダー(CVR)にアクセスし、実際に何が起こったのかを明らかにするために、何度も捜索活動が行われてきた。
2014年からオーストラリア運輸安全局(ATSB)は1億5,000万ドルを投じて12万平方キロメートルをカバーする大規模な捜索活動を3年近く続けたが、徒労に終わった。
さらに2018年、オーシャン・インフィニティは112,000平方キロメートルのエリアで捜索を開始したが、機体を見つけられなかった。■
Malaysia Accepts Ocean Infinity "No Find, No Fee" Proposal To Launch New Search For MH370 Wreckage
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