2026年は737MAXがやっと飛躍する年になりそう。FAAが月産機数引き上げを了承。製造済み機体の在庫が解消。737でエアバスから再びナンバーワンの座を奪回するか注目です。

The Boein737 MAX 9 completed its first flight today in the skies above Puget Sound. Seen here is an air-to-air shot of the airplane during its test flight.

Credit: Boeing

クレジット:ボーイング

737MAXは2026年に月産47機へ

Simple Flying

ルーク・ディアス

ラブル続きのボーイング737MAXシリーズは、新年を好調なスタートで迎えられそうだ。連邦航空局(FAA)は、同社に月産38機から42機へ増産することを承認した。同社は今後数ヶ月で47機を目指し、年末までに月産53機を達成する目標を掲げている。

ヒンドゥスタン・タイムズが報じたこの計画は、FAAが現場監視を厳格に継続する中で進められる。検査官はワシントン州レントン工場で組立ラインを精査し、完成機は納入認証前に全数検査を受ける。

2026年へ向けて準備完了

2025年、FAAは月間生産枠の上限を38機から42機へ引き上げる承認を与えた。ボーイングは供給網と生産能力の問題を抱え続けたため、規制緩和後も737 MAXの月間最大潜在納入数を達成できなかった。この状況は2026年へ向けて変化すると見込まれている。

同社はスピリット・エアロシステムズとの合併を完了した。同社は737の航空機構造体と部品の約70%を製造している。この統合により「機首から尾部まで」の品質保証に対する管理が強化される。これによりボーイングは生産フローを適切に管理できるはずだ。またボーイングは2026年に737 MAX 7とMAX 10の型式認証取得を見込んでいるが、MAX 10の初期納入は認証が年末頃と予想されるため生産に遅れが生じる可能性がある。

さらに、安全問題とCOVID-19の市場影響により保管されたままだった737 MAXの最終的な受注残は、今年ついに解消された。ボーイングの財務担当上級副社長兼CFOジェイ・マラベはAeroTimeにこう語った:

「2026年に目を向けると、納入機数は増加するが、在庫から出荷される機体はほとんど、あるいは全く存在しなくなるだろう」

モーゼスレイクの最後のジェット機が引き渡された

ボーイングはモーゼスレイク工場(グラント郡国際空港内)において、737MAX向け「影の工場」の正式閉鎖という重要な節目を達成した。2025年8月、ボーイングはモーゼスレイクで保管されていた737 MAX 8型機250機のうち最後の1機を飛行させた。これにより、2019年に全世界で運航停止となった約450機の航空機を維持・改修してきた6年間の取り組みが終了した。

ボーイングは「影の工場」と呼んできた大規模な整備・改修施設を閉鎖した。この施設は最盛期には約1,000人を雇用し、保管中の機を飛行可能な状態に維持していた。保管危機は終結したが、同施設はボーイングの恒久的な事業拠点として存続させる。現在はMAX 7とMAX 10、そして次世代ワイドボディ機777Xの飛行試験と準備の主要拠点として機能している。777Xは同施設の巨大格納庫(元々はB-52爆撃機用に建設された)を利用する。

モーゼスレイクの在庫を解消したことで、ボーイングは経費と財務的負担を取り除いた。これにより、経験豊富な整備士をレントンとエバレットの主要生産ラインに再配置し、2026年に月産47機、最終的には53機への増産計画を支えることが可能となった。

737 MAXの苦闘

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737 MAXファミリーに関連する製造プロセス全体の大規模な見直しが行われた。ライオンエア610便とエチオピア航空302便の悲劇的な死亡事故に端を発し、約350名の犠牲者を出したこれらの事故は、民間航空機史上最も長期かつ広範囲にわたる運航停止につながった。

2024年にはアラスカ航空1282便でドアプラグ脱落事故が発生し、徐々に回復中だった同機の評判をさらに損なった。

また2025年にはエアバスがA320ファミリーでボーイングを追い抜き、史上最も売れた民間航空機の座を奪った。この機会は米国企業の生産低迷によってもたらされた。

ボーイングが通常生産ペースの再開準備を整えた今、受注残は途方もない規模に膨れ上がっている。ボーイングがかつての栄光を取り戻せば、世界で最も人気の旅客機メーカーという栄誉ある称号を奪還できるかもしれない。■

Boeing To Increase Monthly 737 MAX Production To 47 Aircraft In 2026

By 

Luke Diaz

https://simpleflying.com/boeing-increase-monthly-737-max-production-47-aircraft-2026/


ルーク・ディアスはフリーランスの軍事ライターであり、米海軍での現役経験に加え、防衛産業および工業工学の分野での経験を持つ。元海軍航空士官として、空母搭載型E-2ホークアイで戦術航空管制を担当した経歴がある

 

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