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ボーイングは737 MAXの生産増産で米国連邦航空局(FAA)からの承認を得たと報じられている。シアトル・タイムズによれば、同社は今後月産42機まで生産可能となる。
製造プロセスの統制の回復へ
737 MAXの生産率増加に関するニュースは、FAAがボーイングに対し、2024年1月の737 MAX 9事故(飛行中にドアパネルが吹き飛んだ)を受け、安全対策と製造プロセスに大幅な改善が図られたと判断したことを示唆している。計画された増産は、ボーイングが内部プロセスに対する統制を取り戻しつつある兆候とも見られ、同社の財務基盤強化にも寄与する可能性がある。
ロイター報道によれば、FAAのブライアン・ベッドフォード長官は2025年10月17日、ボーイングのケリー・オルトバーグ最高経営責任者(CEO)に電話し、同社が月産42機への増産が可能であることを確認した。事情に詳しい関係者が明らかにした。FAAは、ボーイングに対する直接監督体制に変更はないと付け加えた。シアトル・タイムズが入手した声明でFAAは次のように述べている:「FAAの安全検査官は、この小幅な生産率増加が安全に行われることを確認するため、ボーイングの生産ラインを徹底的に審査した」
慎重な生産拡大
米航空機メーカーはボーイング737 MAXの増産に慎重な姿勢を示している。シアトル・タイムズによれば、ボーイングのケリー・オルトバーグCEOはアナリストに対し、同社は5機単位で段階的に生産を増やす計画で、増産ごとにFAAによる安全性と品質の審査を受けると説明した。
ボーイングは月産38機を基準に、年間450機の737 MAXを生産している。これは同社の目標である月産50機(年間約600機)を下回る水準だ。月産42機のペースが年間を通じて維持されれば、ボーイングの年間737 MAX生産台数は約504機となる。
しかしオルトバーグは、生産ペースの引き上げごとに約6ヶ月の間隔を要すると見込んでいると報じられている。実際、以前の報道によれば、ボーイングのシアトル地域工場では、生産能力増強のための追加設備設置を進め、737の生産率向上に備えている。ブルームバーグによれば、ボーイングは4月に再び生産を拡大し、さらに2026年末に向けてさらに増産する準備を進めている。同報道によれば、これらの計画された増産を合わせると、来年末までに月産約53機までなる可能性がある。
737 MAX 7 & 10の認証は2026年まで延期
世界の737 MAX 8とMAX 9の大半は、それぞれ2017年と2018年のデビュー以来、運用を続けている。ただし、ライオンエアとエチオピア航空の墜落事故後に発生した全世界的な運航停止期間は除く。これらの事故は欠陥のあるMCASシステムに関連していた。現在の認証問題は、最短キャビンのボーイング737 MAX 7と延長型ボーイング737 MAX 10に関わるものだ。
最新情報によれば、ボーイング737 MAX 7とMAX 10の認証は遅延している。最も早い承認の見込み時期は2026年で、主な原因は航空機のエンジン防氷システムの再設計に伴う複雑化だ。
世界中の航空会社がボーイング737 MAX 10の納入を待ち望んでいる。特に高密度ハブ空港での運航効率向上とコスト削減が期待されているためだ。ユナイテッド、ライアンエア、アメリカン、デルタ、アカサ航空、ペガサスの5社がそれぞれ100機以上を発注している。アラスカエアラインズ、ライオンエア、エア・インディア・エクスプレス、ウエストジェット航空などはそれぞれ約50機を発注している。■
Boeing Finally Gets FAA Approval To Raise 737 MAX Production
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https://simpleflying.com/boeing-faa-approval-737-max-production/
ヴィテは航空ジャーナリストで、この分野で4年以上の経験を持つ。Simple Flyingチームに加わる前は、様々な航空メディアで働き、国際空港でチェックイン業務を監督していた。中国学の学位を持つVyteの報道は主にアジアと東欧市場に焦点を当てている。拠点はリトアニア・ヴィリニュス。
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