アラスカエアラインズがボーイング787-10導入を計画している理由(Simple Flying)


Boeing 787

ボーイング

ラスカエアラインズはボーイング787-9の未納入分の一部を、ドリームライナー・ファミリーの最大型787-10に変更する。

この動きは、同社がハワイアンエアラインズを統合し、太平洋を跨ぐ高密度・長距離路線市場へ注力を進める中で行われた。アラスカエアラインズは、787-10への転換機数や納入時期について明らかにしていない。

アラスカエアラインズが機材と事業方針を再構築

ハワイアンの買収以来、アラスカエアラインズは機材構成と事業方針の両面で変化を遂げてきた。シアトルが拠点の同社が初めてワイドボディ機を運航するようになった以上、これは当然の流れと言える。大型機の導入により新たな長距離路線の可能性が開け、今や同社はさらに高容量の787-10を導入することで機材構成の再構築を進めようとしている。

ハワイアンは2018年にボーイング787-9を10機発注し、追加10機のオプション権を保有していた。その後オプション権2機を行使し、確定発注数は12機となった。2024年にハワイアンを買収したアラスカエアラインズグループは2025年7月、受注残に787-9をさらに5機追加した

噂によれば、この5機の787-9は787-10へ変更される。同グループの長期計画では、787機材群全体をシアトル・タコマ国際空港(SEA)に集約し、アラスカエアラインズの欧州・アジア向け新規長距離路線に投入する方針とある。

航続距離より座席数を優先

787型機5機が大型の787-10に転換されるというニュースは、アラスカエアラインズが特定路線において航続距離より座席数を優先していることを示す点で重要だ。この動きは、787機群向けに設計された新たな機内サービスの導入計画とも合致している。

先月、同社は787-9向け新機内製品を発表し、プレミアムエコノミークラスの導入を明らかにした。現行の787-9は2クラス構成で300席(ビジネス34席、エコノミー266席)だが、プレミアムエコノミー追加により総座席数は250~260席程度に減少する。対照的に、より大型の787-10は、アラスカエアラインズが300~320席の快適な3クラス構成で運航することを可能にする。

航空機 最大航続距離 最大収容人数(2クラス)

ボーイング787-9 7,565海里(14,010 km) 296

ボーイング787-10 6,330海里(11,730km) 336

787-9は787-10より1,200海里の航続距離優位性を持つが、この余剰距離はアラスカエアラインズグループの要求を超える場合が多い。シアトルに全787運航の拠点を置くことで、同社は787-10の6,330海里航続距離を最大限活用でき、日本、韓国、台湾、香港、中国沿岸部などの目的地への到達が可能となる。

SEAハブでデルタに挑戦

アラスカエアラインズは、新しい長距離路線を追加することで、シアトル・タコマ国際空港(SEA)における主要航空会社としての地位確立を目指している。ハワイアンを買収して以来、アラスカエアラインズはワイドボディ機運航会社となり、米国第5位の航空会社としての地位を固めた。ここ数ヶ月、同社はシアトル発の国際路線網を拡大し、ソウル、東京、そして最終的にはローマへの路線を開設している。

シアトルは長年、デルタ航空の拠点であり、同市におけるアラスカエアラインズの主要なライバルである。最近、アラスカエアラインズは来年からロンドン・ヒースロー空港(LHR)とレイキャビク(KEF)への直行便を含む、2つの大胆な新大西洋路線を発表した。

アラスカエアラインズ

IATAコード AS

ICAOコード ASA

航空会社タイプ                 フルサービスキャリア

ハブ空港 アンカレッジ国際空港ロサンゼルス国際空

ポートランド国際空港サンフランシスコ国際空港シアトル・タコマ国際空港

設立年 1932

アライアンス ワンワールド

CEO ベン・ミニクッチ

デルタは迅速に対応し、ローマ便の増便とバルセロナ(BCN)への新規直行便を2026年5月より開始すると発表した。これはデルタが2014年にシアトルをハブとして確立して以来、10年以上にわたり続く競争で新たな章となる。■


Alaska Airlines Wants To Fly The Largest Boeing 787 Variant

By 

Vyte Klisauskaite

Published 2 days ago

https://simpleflying.com/alaska-airlines-wants-to-fly-the-largest-boeing-787-variant/



コメント