2022年1月16日日曜日

業績回復基調のデルタも中国路線の再開には大きく期待していない。渡航制限の解除も当面望めず、中国は鎖国状態になっていくのか。

 ルタエアラインズ(本社アトランタ)が2021年第4四半期営業報告を今週発表した。同社幹部に中国路線について質問が飛び、重要とされる中国路線の扱いが話題となった。中国の渡航制限に関し不明確な点が残っているが、同社幹部は中国市場へ関心を示しつつ、今後の中国需要の回復を注視すると回答していた。

 

Delta Airlines Aircraft At Sydney Airport

デルタは中国路線を維持するものの、需要が弱いまま増便には及び腰だ。Photo: Getty Images

 

デルタエアラインズにとって中国とは

 

デルタCEOエド・バスティアンに中国を等見ているのかとの質問が出た。中国路線は同社路線網で小さい比重になっている。

 

「世界各国の事態対応ぶりを見ると微妙に違うことがわかった。当社についてはおっしゃるとおり中国は大きな比重を占めておらず、歴史的にもこれは変わりない。また当社路線網での存在も少なくとも今後数年間は小さいままだ。ただその先を見る必要がある」

 

中国路線を拡大しない理由として、デルタは現時点の需要環境をあげる。渡航制限が厳しいため、米中間の旅客需要は縮小し、週数便程度のままだ。一方で貨物需要は底堅い。

バスティアンCEOは続けて、各国が健康管理に各種ツール・技法を応用し、今後の航空交通再開に向かってもらいたいとの希望を表明した。

 

 

 

それでもデルタは中国路線を維持する


それでもデルタは中国路線を運航するが、途中経由便での運行だ。渡航制限が煩雑となっており、急変更となることもあり、中国へ向かうデルタ便が飛行中に引き返した事態も発生した。同社は近い将来の中国渡航で急回復は想定していない。

 

デルタはシアトル (SEA) 、デトロイト(DTW)から上海 (PVG)へソウル (ICN)経由で運行を続けている。需要低迷のため毎日運航は取りやめている。

 

デルタに中国が重要な理由

 

パンデミック前の中国は急成長マーケットだった。米中間のビジネス関係が強まり、米系エアライン各社は中国路線開設を続け、太平洋横断路線で存在感を増していた。

 

有望なビジネス機会に加え、デルタにもうひとつ重要なカギはパートナー関係だ。中国本土では中国東方航空が主で、同社は上海 (PVG)を主要ハブとしている。同空港から利用客は中国各地への接続便で移動できる。デルタは北京に就航していない。

 

China Eastern Airlines Airbus A330

中国東方航空がデルタの重要なパートナーだ

Photo: Getty Images

 

デルタは上海に注目してきた。シアトル、デトロイト以外に上海便はロサンジェルス(LAX)、アトランタ (ATL)でも開設している。各便は需要動向を見て再開となる。デルタはミネアポリス(MSP)=上海線の開設も目論んでいた。各便そろえば、デルタは中国路線、就航地をさらにふやし、米国直行便がない中国各地も接続便で結ぶことになる。中国東方航空と提携関係を強化しながら同社は存在感を高めることになる。

 

中国東方航空とは資本関係もある。デルタは同社株式3%を保有するが、ソウルにはデルタの共同運航パートナー大韓航空がハブを構えている。KALも中国にも一定の存在感があり、制限措置緩和までデルタは同社を活用する。デルタ路線網で中国は依然として重要なため、同社は需要動向を注視するものの、需要復活が目に見える形になるまでは目立った成長は期待できないとする。■


China: The Unanswered Question In Delta Air Lines’ Recovery

https://simpleflying.com/delta-air-lines-china-recovery/

by

Jay Singh

January 16, 2022


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