ドバイ航空ショー:エミレイツが777Xを65機追加発注、777-10の事業化調査を支援(Aviation Week)

 


Emirates order announcement

エミレイツ航空会長兼CEOのシェイク・アハメド・ビン・サイード・アル・マクトゥーム(中央)が、ボーイングのステファニー・ポープとGEのマヘンドラ・ナイルに挟まれ777X発注調印式に出席した。

クレジット:ビリーピックス

ドバイ発―エミレイツは、ドバイ航空ショーで777X型機を65機追加発注して、777Xのさらに大型型の開発・投入をボーイングに説得しようとしている。

エミレイツ会長兼CEOのシェイク・アフマド・ビン・サイード・アル・マクトゥームSheikh Ahmed Bin Saeed Al Maktoumは、ショー初日に、777-10の開発に向けた「事業化調査」を同社が支持すると表明した。また、ボーイングがこれを進める場合、新規注文を777-8または将来の-10のいずれかに変更する権利を有すると述べた。

アル・マクトゥームのこの発言は、ボーイングの上級幹部たちを驚かせたようだ。ボーイングの製品戦略・製品開発・開発プログラム担当上級副社長マイク・シネットMike Sinnettは「現時点では777-9、-8F、-8にのみ注力している」と述べた。

シネットはさらに、同社は他の機種の製品開発調査を継続しているが、潜在的な777-10の延長型構成がどのようなものになるか結論を出すには「時期尚早」だと付け加えた。この発注は、同僚のステファニー・ポープが777-9が数日中に次の認証段階へ進むことを確認した翌日に発表された。

ただしシネットは、777-9に搭載されているGEエアロスペースのGE9Xエンジンが、機体延長型に必要な推力を余裕で賄えると認めた。777-9向けGE9Xの定格推力は105,000ポンドだが、地上試験では既に134,000ポンドの推力を実証済みだ。

エミレイツのティム・クラーク社長の過去のコメントから推測すると、777-10は、ベースラインの777-200から777-300/300ERや777-9への当初の飛躍と比較すると、比較的控えめな延長となるだろう。オリジナルの777-300ERは全長242フィート(約73.8m)に延長され、エアバスA380より約4フィート(約1.2m)長くなった。これは後部胴体を9フレーム(189インチ/約4.8m)延長し、前部胴体を10フレーム(210インチ/約5.3m)増設した結果である。 777-9では、さらに9フィート(約2.7m)の胴体延長が行われ、同時に主翼端延長部(6.5フィート=約2m)を追加することで翼幅を212フィート(約64.6m)に拡大した。

エミレイツは数ヶ月間、大型双発機の導入を積極的に推進しており、ボーイングに対し777Xのさらなる延長を、エアバスに対しA350-1000を超える旅客収容能力を持つA350派生型大型機の開発を迫っている。

ボーイングが777Xのさらなるストレッチ型を検討する姿勢を示したことで、エアバスはA350の大型派生型機開発を迫られる形となった。エアバスのギヨーム・フォーリーCEOは今年初め、本誌に対し、そのような機種は長期的には論理的な一歩となり得るが、現時点では現行機の生産拡大に注力していると述べていた。

エミレイツはA380の最大運航会社であり、2040年代初頭まで同機の運航を継続する計画だ。同社はA380に可能な限り近い座席数を備えた代替機を求めている。同等の客室レイアウトで比較すると、777-9はA380より140席少ない。「エアバスがA380生産を停止した後、777-9が最大の航空機だ」とアル・マクトゥームは述べた。

今回の777X追加65機の発注は、既に発注済みの777X(-8、-9、-8Fを含む)205機に上乗せされる。エミレイツは現在、ボーイング機315機(787型機30機を含む)の未納入分を抱えている。アル・マクトゥームによれば、777Xの納入は「2038年まで継続する」という。「各機体がエミレイツの成長計画に慎重に組み込まれていることを保証する」と同氏は付け加えた。

エミレイツは当初2020年に最初の777-9を受領予定だった。ボーイングは最近、初号機納入時期を2026年から2027年に延期したため、同社の成長計画達成は困難となっている。これに対しエミレイツは、777-300ERのリース延長や、現役機への新型ビジネスクラス座席の装備などに対応している。

エミレイツはGEエアロスペース製GE9Xエンジンを130基追加発注した。エミレイツ副社長アデル・アル・レダは、787の注文には変更なく、交渉の対象にもならなかったと述べた。■

イェンス・フロタウ

ドイツ・フランクフルトを拠点とするイェンスは、エグゼクティブ・エディターとしてアビエーション・ウィーク・ネットワークの民間航空担当グローバル記者チームを統括している。

ガイ・ノリス

ガイはアビエーション・ウィークのシニア・エディターとして、技術と推進システムを担当している。コロラドスプリングスを拠点とする。


Emirates Orders 65 More 777Xs, Supports 777-10 Feasibility Study

Jens Flottau Guy Norris November 17, 2025

https://aviationweek.com/air-transport/aircraft-propulsion/emirates-orders-65-more-777xs-supports-777-10-feasibility-study



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