リージョナル路線機材の更新で日本航空が最大70機の新型ジェット機とターボプロップ機を導入へ(Simple Flying)

A JAL Emrbaer E170 landing

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日本航空(JAL)はリージョナル機材の近代化を計画し、最大70機の新規導入を検討しているとジャパンタイムズが関係筋の話として報じた。

報道によれば、JALは単通路ジェット機40機とターボプロップ機30機の導入を検討している。具体的な機種は明らかにされていないが、エアバスA220とエンブラエルE2のどちらかを選択するとみられ、両機種とも100~150席クラスの市場で競合している。

年度末までに決定予定

日本経済新聞によれば、JALは地域航空機編成に関する最終決定を下し、新ジェット機およびターボプロップ機の発注を年度末までに実施する見込みだ。日本の会計年度は通常4月1日に始まり、翌年3月31日に終了する。

JALの地域ネットワーク近代化推進は、運航機種の多様化削減、効率性向上、コスト削減という同社の目標に起因する。同紙によれば、日本の高齢化と人口減少が旅行パターンや長期的な需要に影響を与え続ける中、同社は小型ジェット機への移行も検討している。

日本航空は複数の機種からなる多様なリージョナル用機材を運用しているが、将来的には単一機種への統合を理想としている。ch-aviationの報道によれば、JALの現行機材はエンブラエルE170が18機、エンブラエルE190が14機、ATR 42-600が13機、ATR 72-600が2機、デ・ハビランド・カナダDHC-8 Q400が5機で構成されている。

エアバスA220-300対エンブラエルE195-E2

Front view of the Airbus A220クレジット:Shutterstock

報道によれば、新たなリージョナル機発注にはエアバスA220-300やエンブラエルE2などジェット機に加え、約30機のターボプロップ機が含まれる可能性がある。エアバスA220とエンブラエルE195-E2の両機は、プラット・アンド・ホイットニーのギアードターボファンエンジンを搭載し、座席当たりの燃料消費量を旧世代機より最大25%削減する点で類似の利点を持つ。これにより航空会社は、従来は採算が取れなかった直行路線の運航が可能となる。大型のA220-300は航続距離約6,390キロメートル(3,450海里)を有し、2-3列配置の5人掛け座席による広々とした客室が特徴だ。

エンブラエル E195-E2は、先進的な空力特性、フライ・バイ・ワイヤ技術、PW1900Gエンジンにより、座席あたりの燃料消費量を最大25%削減する。2-2の座席配置で最大146名の乗客を収容でき、リージョナル機と737 MAX 8のような単通路ジェット機の間のギャップを埋める。最大4,815キロメートル(2,600海里)の航続距離と、改良された客室設備、大型窓、改良された頭上収納棚、静粛性の高いエンジンが、快適性と運航の柔軟性を高めている。

ターボプロップ機では、ATRが有力候補だ。JALは既にATR機を運航している。ATR 72シリーズは最大78席の収容力と強固なサポートネットワークにより、特にアジアやヨーロッパの地域航空会社で高い人気を誇っている。

広範な機材更新計画

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リージョナル用機材の更新決定は、航空会社の広範な機材更新計画に沿ったものだ。実際、日本航空は2030年までに実施する大規模な機材転換計画を明らかにしている

ch-aviationによれば、日本航空は現在エアバスA321neo、エアバスA350-900、エアバスA350-1000、ボーイング737 MAX 8、ボーイング787-9ドリームライナーを含む計84機を発注している。2025年3月、日本航空はボーイング737 MAX 8を17機追加発注した。これは2023年に発注した同型機21機に続くものだ。日本のフラッグキャリアであるJALは、ボーイング737-800を737 MAX 8に置き換える計画である。

2024年7月、同社は老朽化したボーイング767の代替計画の一環として、エアバスA321neoを11機発注した。現在、国内線で27機の767を運航している。長期戦略として、国内線ではワイドボディ機の使用削減を目指している。国際線では、2030年までに長距離路線網を最大50%拡大すると発表している。重点地域は「北米とアジア」だ。この計画に対応するため、同社は昨年のファーンボロー航空ショーでエアバスA350-900を20機追加発注した。同型機はボーイング777の代替として運用されているが、今回の追加発注分は今後の国際線拡大にも対応する。■

Regional Fleet Renewal: Japan Airlines Seeking Up To 70 New Jets And Turboprops

By 

Vyte Klisauskaite

https://simpleflying.com/regional-fleet-renewal-japan-airlines-70-jets-turboprops/


Vyteは航空ジャーナリストとして4年以上の経験を持つ。Simple Flyingチームに加わる前は、様々な航空メディアで活動し、国際空港のチェックイン業務を監督した。中国学の学位を持つVyteの報道は主にアジアと東欧市場に焦点を当てている。リトアニアのヴィリニュスを拠点とする。


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