MRO Japanにとって新型機の生産遅延は好機になっている(Aviation Week)

 

MRO Japanにとって新型機の生産遅延は好機になっている(Aviation Week)

MRO Japan performed end-of-lease services for Star Flying.

クレジット: MRO Japan

シンガポール発―新型ナローボディ機の納入遅延と、航空会社が航空機リース期間を延長した連鎖効果により、旅客機から貨物機への改造(P2F)向け供給機材の確保で遅れが発生している。

MRO Japan(本社沖縄県那覇市)は当初、エルベ・フルグツォイクヴェルケとの提携により、今年末にエアバスA320およびA321旅客機から貨物機への改造を開始する予定だったが、利用可能な航空機不足によりプログラム開始を延期した。

しかしMRO Japanの事業開発担当シニアディレクター酒井和彦は「将来的に開始できると確信している」と語る。

沖縄に拠点を置くMRO Japanは、プログラムの遅延について「プロセスと効率性を改善する良い機会となった」と説明。例えば整備作業指示書、部品、工具の管理・調整方法を合理化した。

旅客機から貨物機への改造プログラムには工具と訓練が必要であることから、MRO Japanはこの機会を利用して、改造作業の訓練だけでなく、構造改造、板金、関連スキルについても従業員を教育した。これにより、スタッフのスキル範囲が広がり、事業の柔軟性が高まったと酒井は語る。

旅客機から貨物機への改造プログラムを停滞させているのと同じ生産遅延が、新たな機会を生み出している。

MRO Japanは最近、資産運用会社エアボーン・キャピタルと提携し、今後数年間で予想される単通路機リース満了の波に対応するサービスを提供している。

この提携により、整備から記録審査、サプライチェーン管理まで、リース満了サービスを一括提供する「ワンストップショップ」が実現した。

MRO Japanは当初は日本国内の顧客に焦点を当てているが、アジア地域全体への拡大を目指している。

既に4機の契約を獲得済み(全日本空輸3機、スターフライヤー1機)。初号機となるスターフライヤー機は約4ヶ月で予定通り完了したと酒井は説明する。

MRO Japanの那覇空港施設には、ナローボディ機3機とワイドボディ機1機収容可能なハンガーがある。創業10周年を迎えた同社は従業員約470名を擁する規模に成長した。■



MRO Japan Takes Advantage Of New Aircraft Production Delays

Lee Ann Shay September 30, 2025

https://aviationweek.com/mro/aircraft-propulsion/mro-japan-takes-advantage-new-aircraft-production-delays

リー・アン・シェイ

MROおよびビジネス航空担当エグゼクティブ・エディターとして、リー・アン・シェイは『Aviation Week』誌における整備・修理・オーバーホール(MRO)分野(『Inside MRO』を含む)およびビジネス航空分野(BCAを含む)の取材を統括している。

コメント