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ボーイングが737 MAX墜落事故に関する詐欺容疑で有罪を認め、2億4,300万ドル支払いに合意。
裁判所が、司法取引を受け入れるか、ボーイングとの交渉を再開するかを判断する
司法取引は合意できたが、墜落事故犠牲者の遺族はボーイングが優遇措置を受けていると批判
ボーイングは、737 MAX墜落事故をめぐる詐欺容疑に対し、長期のプロセスを経て、最終的に有罪答弁書を提出した。同社は、安全性よりも生産を優先させたとして米国政府から批判を受けていた。
有罪答弁が確定
2018年にライオンエアのボーイング737 MAX 8がジャカルタで離陸後わずか13分に墜落した。737で史上最悪の事故となり、乗客乗員全員、189人の命が奪われた。数カ月後の2019年3月、エチオピア航空のMAX8が離陸から6分後に畑に墜落し乗員全員が死亡した。
今週初め、ボーイングは737 MAXをめぐる刑事詐欺容疑に対する有罪答弁を確定させた。同メーカーは、新型機の認証プロセスにおいて連邦航空局(FAA)を欺いたと述べた。ボーイングは2021年に米国司法省(DOJ)と交わした合意に違反し、今月初めに大筋合意していた有罪答弁の一部として、少なくとも2億4300万ドルを支払う。
最終的な決定は、米連邦地裁のリード・オコナー判事の手に委ねられる。オコナー判事は、検察とボーイングの間で成立した取引を受け入れるか、交渉を再開させることができる。ボーイングは長年にわたり、安全性よりも生産性を優先させたと批判されてきたが、それを実質的に認めたことになる。ボーイングは今回の合意により、2億4300万ドルの支払いに加え、独立したコンプライアンス・モニターを雇うこと、3年間の執行猶予を受けること、コンプライアンス、品質、安全プログラムに少なくとも4億5500万ドルを投資することに同意した。
ロイター通信によると、ボーイングは司法省に司法取引を申請したことを確認した、「安全、品質、コンプライアンス・プログラムをさらに強化するため、ボーイング全体で重要な行動を取りながら、今後も規制当局と透明性をもって協力していく」。
ボーイングは墜落事故の犠牲者の遺族から訴訟を起こされており、遺族側の弁護士の一人であるポール・カッセルはこの合意を批判した。「この司法取引には、遺族が恐れていた問題がすべて含まれている。我々は、ボーイングが受けている優遇、甘美な待遇に対して強い異議を申し立てるつもりだ」。(カッセル弁護士)
何が起こったのか?
墜落事故直後、FAAはMAX8は耐空性があるとの見解を示した。2回目の墜落から3日後、ドナルド・トランプ前アメリカ大統領は、問題が解決するまで、すべてのMAX機の飛行停止措置を世界規模で命じた。エチオピアでの調査により、急降下する際にパイロットが自動安定化システムを無効にしていたことが判明した。ボーイングはMCASシステムの問題であったことを認めた。
その過程でボーイングは自社のテストパイロットに対して、システムの詳細についてすべて話していなかったことが明らかになった。トップ技術パイロットのひとりマーク・フォークナーは2016年に問題を発見していた。しかし、それ以前にフォークナーは、操縦マニュアルからMCASに関する記述を削除する許可をFAAから得ていた。この記載漏れと、前世代のボーイング機とMAXの違いが、事故2件につながり、現在も続くFAAからの厳しい監視を受けることになった。
今年1月のアラスカ航空ボーイング737 MAX 9の事故後、ボーイングは激しい非難にさらされている。ボーイングは安全性と製造における欠陥を明らかにし、ボーイングCEOとボーイング・コマーシャル・エアプレーンズCEO両名が引退と退任を発表するなど、トップの大幅な交代を行った。数年にわたるトラブルの結果、同社は航空機の受注と製造数の面で非常に苦しい年に直面している。■
DOJ Says Boeing Favored Aircraft Production Over Quality Assurance In Finalization Of Plea Deal
By
https://simpleflying.com/doj-boeing-aircraft-production-over-quality-plea-deal/
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